2008年6月30日月曜日

シマフクロウとルリタテハ

Photo by Fukuhara Yukiaki

荻窪のライブハウス・アルカフェで、恒例の゛Alcafesta゛があり、今回も10名のミュージシャンたちが集まってライブを楽しんだ。Vo&Gt、Vo&Pf、リコーダー&Pf、ラテンハープ&Fl、Vo&ウクレレ、etc...歌も楽器も多彩、老若男女を問わずそれぞれ2曲の持ち歌とMCを披露した。
私は今回で3回目の出演であったが、前回(4月)のライブで、オリジナル曲の『シマフクロウとルリタテハ①②』を歌い、゛この続きはまた何時の日にか皆さんの前で歌えるのを楽しみにしつつ...今日はこれにて゛といって終わろうとしたら、大ブーイングをいただいてしまった。「続きを聞かせろ~!」とか、「次のライブは何時なの?」とか、佐々木店長にも「続きを楽しみにしてますぅ~!」と言われて、思いがけない反応に戸惑ったり、うれしかったり。やはり皆さんも、シマフクロウとルリタテハ二人の恋の行方が気になったようだ。
この曲は、少年時代の思い出をたどって、あの当時に何度か見た美しいルリタテハの姿と心惹かれるシマフクロウの姿を重ね合わせて、まったくの想像の世界で作ったものだった。曲の前半が出来てから、「どくとるマンボウの昆虫展」(プログ08.4.13 )で、本物の標本と何十年振りに対面したり、ネットでイメージを探してみたら、曲とかなり近しい画像があったりして、私自身があれよあれよ、と驚いている次第なのだ!そこで、早速続きを作った。①②は苦労して詩とメロディと格闘したのだが、③④は自分の中で煮詰まっていたせいか、すんなりと出来上がった。
この夜は、初めて「シマフクロウとルリタテハ①②&③④」を通しで弾き語りした。曲だけでも15分ほどの長い演奏となった。出演者の出番がすべて終わった後、カンパリソーダを飲みながら色々な方とお話が出来た。

「ルリタテハってセクシーなんですねぇ!」:リコーダーの立花さん(ウンウン、そーなんですよぉ~)

「歌詞が韻を踏んでるところが面白い!」:Pfの尾形さん(あっ、いいとこ聴いてくれてますねぇ~)
「なんか、絵本を開いているみたいで楽しかった!」:ブルースギターのGUCHIOさん(そうですか、うれしいっす!)
などなど、みなさんありがとう。とても励みになります!!
Alcafestaの出演者は若い方も多く、オリジナル曲を丹念に作って歌っている人がほとんどだ。それぞれ違った世界と音楽観を持って、自身の音楽に取り組んでいる姿に好感が持てる。私自身も自分の目指す音楽世界があるのだが、こうした交流でお互いの音楽について語り、刺激を与え合うことはなかなかいいなぁ、と感じている。



Poto by Yuji
http://alcafe.incoming.jp/

2008年6月25日水曜日

食養生その①:きっかけ

                      :アワビの水貝  調理と撮影 by TAKA

macrobiotics(マクロビオティックス)とは、長寿法とか自然食とか食養生とか言われているが、三省堂の「デイリー新語辞典」によると、以下のとおり記載されている。
マクロビオティック【macrobiotics】 陰陽の原理を取り入れた自然食中心の食生活に基づく長寿法の一種。自然との調和を食の観点から捉え,陰陽に基づくバランスを重視し,その土地の旬の穀物や野菜を主食材とする食事法の実践により心身の健康の獲得をめざす。マクロビオティックス。〔「大いなる生命」という意味のギリシャ語を語源とする言葉。古くから提唱されてきた長寿法で,肉食を中心とした食生活の見直しにより 1970 年代に欧米で広がった。現在の内容の基礎は日本人の桜沢如一(さくらざわゆきかず)が築いた〕
最近、健康ブームの煽りからこの言葉がマスコミに取り上げられる機会が増えて、゛マクロビを始めよう!゛などと例によって軽薄な風潮もあるので、私自身は「食養生」という言い方をしている。日本の伝統食に根ざしたライフスタイルなので、これが一番しっくりする気がしている。
食養生を始めてから10年になる。きっかけは人生も3分の2が過ぎようとするときに、再び一人暮らしに戻ったことだった。その頃の私は仕事の面でも家庭や家族の面でも、いくつかの難題を抱えていて、体調も悪く、今で言う゛メタボ症候群゛に入っていた(その当時はこんな言葉はまだなかったが...)。
友だちに、゛マクロビォテック゛を実践している人がいて、その友だちから色々話は聞いていたが、まだ半信半疑だった。でも、一人で健康に暮らしていくには、まず、日々三度三度食べる食事が美味しくて身体に良いものであれば、これに勝る楽しみはないだろう、と思い立った。
紹介された鶴見医院の鶴見先生にお会いして、身体を見てもらった。先生はその当時、愛知県の掛川市に医院を開いていたので、わざわざそこまで出かけたのだから、私の覚悟も半端じゃなかった。現在は東京都中央区の八丁堀に、食養生を基本とした総合クリニックを開いておられるので、とても便利になったが、私はしばらくご無沙汰している。
診察は指の先から血液を取り、1万倍の電子顕微鏡で撮影した血液画像を見ながら、血液の状態を確認し、同時に生活習慣や身体状況を問診するのが基本だが、「お昼にラーメンを食べましたね」、とか、「タバコは吸わないですね」など、いちいちズバリ当たっているでびっくり仰天で、目から鱗が落ちるような体験だった。先生によると、赤血球の状態:サラサラ流れているのかドロドロなのか、一つ一つ丸く弾力のある健康な形なのか、薄い膜や変形した不健康な状態なのか、タバコのニコチンが血液中にどれだけ流れているのか...などが一目で分かってしまうのであった。
診察をもとに、2週間の゛ファスティング・メニュー゛(食事をしながら身体の毒素を排出する半断食メニュー)をいただき、私のマクロビォテックなくらしがスタートした。ブラックジンガー(玄米のロースト飲料)、大根おろし、梅干、サラダ、良い水、良いお茶、リブレフラワー(玄米のロースト粉末)入りの白粥...など。この食事と筋力トレーニングで、67キロあった体重を61キロに落とした。2週間のファスティングを終えたら、身体がすっきり軽くなり、胃の内壁面がクリアになった気分だった。
以来、身長170cm、体重61kg(60~62)、体脂肪17,0、をおかげ様でキープしている。
その時に、生活習慣病(高脂血・糖尿・高血圧など)や便秘・冷え性・アトピーなどの病気予防、また体質改善のために、採取すべき食物と飲料・調味料などの指針をいただき、鶴見先生と友だちに教えてもらったマクロビォテックな食品を販売している組織との付き合いも始まった。
以来10年、マクロビォティックな自然食品の販売会社・オーサワジャパン㈱、生産者と消費者が直接つながり安心・安全な食材を提供する㈱大地の宅配、築地外市場の自然食品店各店、近くの食品スーパー・オオゼキなどと付き合いながら、日々、美味しくて身体によい食べ物と調理を楽しみつつ今日に至っている。そして、これからもますます、食養生のウェイトを高めていくつもりでいる。


オーサワジャパン:http://www.ohsawa-japan.co.jp/


2008年6月16日月曜日

神宮御苑の花菖蒲田


雑木林に囲まれた美しい花菖蒲田Photo by TAKA



毎年梅雨のこの時期になると、花菖蒲がきれいだ。都心の代々木から原宿にかけて、明治神宮の鬱蒼とした森が広がり、その中に御苑の花菖蒲田がある。ここは関東でも随一の花菖蒲の名所で、葛飾の堀切菖蒲園や水元公園、潮来の前川あやめ園、大船植物園などとともに訪れる人の多い菖蒲園だ(入場料500円)。


神宮の森に降った雨は、ハケとなった地形の最奥・清正の井戸からコンコンと湧き水になり、棚田の花菖蒲田を流れて南池に注いでいる。湧き水の量は相当なもので、清水が流れる様は都会の雑踏を離れた別天地の観がある。ひんやりとした空気と静寂の中で花菖蒲を見られるのは嬉しいことだ。
ここに居て花菖蒲を見ていると、気持ちが和みますね!



この御苑は江戸初期以来、加藤家、井伊家の下屋敷の庭園だったが、明治時代に宮内省管轄となり今日に及んでいる。集められた花菖蒲の種類は、江戸系・肥後系・伊勢系が中心であり、純国産の
由緒ある種類であるのが特徴で、花の名前もその歴史を感じさせるものが多い。


私自身は、紫系の花色が好きで、薄い色から濃い色へ、青紫から赤紫にグラデーションしていく色の変化にとても心魅かれるわけで、花菖蒲は白色系のものも含めて、その色変化が楽しめるので好きな花のトップグループに入りますね。

花菖蒲のきれいなグラデーション

花菖蒲・深窓美人 /  花菖蒲・玉鉾 /  滾々と湧き出る清正の井戸





http://www.meijijingu.or.jp/midokoro/2.html

2008年6月14日土曜日

BRISA DA BOSSA ミニ発表会



田町の中村善郎ボサノヴァ教室の有志が参加して、ヴォーカルとギターのミニ発表会があった。参加者は男女合わせて10人余り、師匠も同席して演奏後に講評をいただいた。もう、9年以上レッスンを続けている生徒会長役の長谷部さんを筆頭に、副会長役で初級ギター教室講師の代永さん、゛女ジョアン゛と呼ばれている加瀬さん、エレキギターからボサノヴァに領域を広げている田中さん、ギターソロにヴォーカルも加えた丸川さんなどなど、怱々たるメンバーが集まった。


当日は1人1~2曲を弾き語りか伴奏で歌ったのだが、かく言う私はDorival Caymmiの「Sabado em Copacabana」とオリジナル曲の「シマフクロウとルリタテハ①②」を弾き語りした。率直に言ってポル語の歌詞はつっかえるし、コードはしっかり出ない音もあって、反省しきりであったが、やはり歌うことは楽しい!メンバーの歌と演奏はそれぞれ個性があって、うまいうまくないは別としてボサノヴァに対する熱い思いが伝わってきて良かった。

曲の世界を表現する、という視点からすれば、譜面・フレットを見ずリズムもとらない、という師匠の指摘は最低限のスタート地点だと感じた。姿勢が美しく、その曲世界の流れに゛すっと゛乗っている歌は聴く人に心地よく伝わってくる。美しい歌と感じる。
その領域に向かって、もっと歌とギターを磨き表現を深めていく、という今後の課題が見えてきたのはとても良かったと思った。やはり色々な人の演奏を聴けるのは、とても得がたい機会だったと感じた発表会だった。会後の打ち上げ会は大いに盛り上がって、黒ビールが何杯もお代わりとなったのを付け加えておきたい。

ここに掲載するフォトと動画クリップは、あくまで私個人が演奏中にそっと撮影したもので、なんら公式のものでないことをお断りしておく。また、メンバーの歌と演奏のクォリティは、非力なデジカメでは再現できないことも同様のことである。また、残念ながら発表者全員が撮れている訳ではないので、撮れなかった方に非礼を詫びるとともに、また別の機会には記録できるよう心がけたいと思う。

では、当夜のフォト(Mycrosoft Office Picture Manager)と動画クリップ(Windows Media Player)を楽しんでください。


田中さんAquarela do Brasil / 代永さんSabado em Copacabana / 岩永さん(      )



本橋さんGalato de Ipanema / TAKA シマフクロウとルリタテハ / 長谷部さん・砂に消えた涙



丸川さん・バガメンチ / 加瀬さんManha de carnaval / 中村師匠の模範演奏Desafinade



※この項つづく、ということで動画クリップを載せるつもりだったのだが、ファイル形式がマッチしないのかアップロードと再生がうまく行かない!!残念ながら今回は見送ります。

2008年6月8日日曜日

花の香りいろいろ

バラ・マジョレット(仏HT系)神代植物園 Photo by TAKA
花の楽しみには、季節の風情やかたち・色合いのほかに、香りがあります。
時折、女性たちが花に顔を近づけて(鼻というほうが正確!)香りを楽しんでいる姿を見ますが、意外と少ないように見えます。かく言う私は、香り楽しみ派です。
バラの花は、すべてのバラと言うわけではないですが、香りの良い種類が多い。すがた良し、色良し、香り良しでファンが多いのもうなずけます。「パパ・メイアン(仏)」や「シャルル・ドゴール(仏)」、「オクラホマ(米)」などは、芳香系と呼ばれ、むせ返るような香りがあります。香水の原料ではバラの香りが代表的なものでしょう。スウィートでディープ、そして華やかだから。

香水のブレンドの仕方も、おおむね三つの要素からなっています。時間差としての瞬発性と主体性、そして持続性...つまり、つけたときから1時間位をフレッシュな柑橘系で、華やかで甘いローズ系を主体に6時間位、半日ほど持つ肉感的香りが持続するムスクなど、これをブレンドして女の魅力を振りまくこととなるわけです。男性の場合は、主体的な部分がウッド系やスパイス系となりますが、私自身はサンダルウッド(白檀)の香りが好きで、オードトワレを使ったり、家の中で線香をたいたりして楽しんでいます。

バラの花は、ある意味ですべて平均点以上なので、魚で言えば鯛のようなものです。すがた良し、刺身良し、焼いて良し、煮ても良し、みたいな。ただ、きれいに咲かせるには大変手間がかかる、虫や病気に弱いからね。
もうちょっと個性的な視点と私の好みから゛花の香り・ベストスリー゛を言えば、1に紅三椏、2に芍薬、3に藤の花、番外で水仙、と言うところですね。

藤の花は、乾いた上品な香り(パウダー系)が初めから最後まで水準より低めの濃さで持続します。花の香りをかいだときの゛前香゛、鼻腔の頂点を通り過ぎるときの゛本香゛、喉元を通って気管支から肺に消えていくときの゛後香゛...藤は一貫として低密度ではあるが芳香が変わらず、それゆえに「クールな耽溺」と呼んでみたいのです。

ところが芍薬の素晴らしい香りは、蜂蜜臭を主体にして、北の白ワインの様な、例えばシャブリのグランクリュ、とかトランバックの様な、締まった涼やかな香りが持続してずっと変わらないのです。その高貴な香りはドライフラワーにしてもずっと持続するところがすごい。私は洋服たんすに芍薬の花びらを干したのを入れて楽しんでいます。

そして、紅三椏は小さな花房にもかかわらず、香りが凝縮していて蜂蜜臭をさらに濃くした高いレベルで香りが持続します。しかも、前香ー本香ー後香、が一貫して高密度で湿った潤いがあるのです。どうですか、ちょっと怪しいでしょう?「濃密なる媚惑」とでも言いましょうか、これは男心を惑わします。

香りは後香が大事です。水仙のかわいらしい小さな花は野趣溢れた芳香を持っています。ただ、前香ー本香は素晴らしいのですが、後香がいただけない。香りの成分が強すぎるのでしょうか、かぐわしい香りが一変し腋香の様な、あるいは女性が性のエクスタシーに達したときの生臭い香りの様な、異臭を感じてウッと息詰まってしまいます。でも、汗ばんだ田舎娘の若い肌(例えがなんですが)の様な素敵な魅力がありますね。

今日は、ちとおしゃべりが過ぎたような...花写真を楽しんでください。

紅三椏・常泉寺の参詣道
芍薬・ハイヌーン・足利フラワーセンター
藤の花・国領神社の千年藤