2009年6月21日日曜日

山本のりこ&マツモニカ ライブ

ハーモニカとボサノヴァの相性もなかなか良いですね! 西荻窪・音や金時にて Photo by TAKA
ボサ友ともさん(混がらないでね!)に誘われて、西荻窪の゛音や金時゛に出かけた。当日は1ステージの途中からだったが、山本のりこさんのギターと歌、共演のmatumonicaさんのハーモニカを楽しんだ。山本さんは小柄な体躯ながら、愛用のホセ・ヤコピから弾きだすギターの音色はとても滑らかで、アルト系の柔らかな歌声と相まって、くつろげるサウンドを紡ぎだしていた。
マツモニカさんのハーモニカを聴くのは初めてであったが、メロディラインにメリハリがあり、山本さんのギター・歌とマッチしていて、心地よい響きだった。1曲々、曲の詞内容を丁寧に紹介しながらの演奏であったが、私が一番感心したのはそのギター・カッティングだった。ボサノヴァの「Agua de Beber」は、さすがにスタンダードなシンコペーションだったが、「Chovendo Na Roseira」はバイァンの3拍子、ショーロの名曲「Carinhoso」は、ゆったりとしたンチャーチャ 〃 ♪、おおきなマニュエル」は、ショーロ風の細かなリズムで、また、お好きなカエターノ・ヴェローゾの曲に自分の詞を付けた「吟遊詩人」は、やはりショーロのリズムでンチャウン、チャーチャウン♪、という風で、その曲ごとに多彩なリズムで曲の世界を表現していたのは、新鮮な驚きだった。それは、゛のりこワールド゛と呼びたい独特の音世界だった。
この夜は、山本さんにギターを学ぶ3人のボサ友(ともさんもその1人)と一緒に、この店の看板メニュー:ネパール料理のラムカレーやチャパティの野菜ピザをいただきながら、ビールとワインを飲んでのくつろいだひと時を過ごせた。演奏後、山本さんの了解を得て、愛用のホせ・ヤコピを触らせていただいたが、その音色はあくまで柔らかく、人を包み込むような素敵なものだった。ショーロの曲をもっと聴いてみたいな! という思いが強くなり、また機会を作ってライブを覗いてみたい。

2009年6月20日土曜日

今年の神宮御苑・花菖蒲棚は


周り花弁の薄紫色の筋と立ち花弁の赤紫が美しく、艶やかな゛花菖蒲・利根川゛ All Photo by TAKA
ここ数年、梅雨のこの時期には、明治神宮御苑の花菖蒲田を訪れて花を楽しむことにしている。この日(6/21)も早起きして開門と同時に入苑した。朝八時半にもかかわらず、よく知っているファンの人達10数人が門前に集っていた。
梅雨の晴れ間の明るい日差しの中で、両側をうっそうとした木立に囲まれた菖蒲棚は、清正の井戸から流れ出る湧き水を棚田に落としながら、南池に注いでいる(08/6/16 神宮御苑の花菖蒲田の項参照)。
左:白と薄紫、品の良い色合いの゛花菖蒲・座間の森゛、色白の佳人を思わせる。
下:周り花弁に紫の筋が入り、濃い紫の立ち花弁には白い縁取り、この菖蒲田の主品種でもある゛花菖蒲・奥万里゛。ちょっと派手で気風のいい姉御のよう。
菖蒲田を巡っては竹柵で仕切られた遊歩道が続いているが、棚田の一番前に植えられている菖蒲が毎年少しづつ変わっている。咲き終わった花や茎を切り戻している作業員の方に聞いてみると、4~5年置きに植え換えをしているとのこと。棚田全体での種類は変わらないのだが、一番前の見栄えのいい場所には、その年々でちがった物が見られる様に手入れしているのは嬉しいことだ。おかげで、この日は例年とちがった種類の花菖蒲を楽しめた。
左:花菖蒲には珍しい白と明るい桃色の組み合わせ、名前も゛花菖蒲・小町娘゛と愛らしい。写真ではこの色がなかなかでない。

都心のど真ん中に、この様な鬱蒼とした森と菖蒲田があること事態が本当に奇跡的なことと思う。これからもずっと花を見ることが出来ることを願いながら、菖蒲棚を後にした。







蛇行しながら300mほど続く菖蒲棚、突き当たりは清正の井戸。明るい色から濃い色まで、紫のグラデーションがとても美しい。

2009年6月12日金曜日

素麺の季節、そして鶏肉のビール煮、鰯の梅シソ巻き


初夏・梅雨時・夏場、と暑い日が続く季節となった。やはりこの季節はさっぱりと冷えた素麺がおいしい。三和素麺、揖保素麺、大門素麺など、各産地のものが好まれているが、私はここ10年来「島原手延そうめん」が気に入っている。鬼塚林之助寒製、というのもなかなか良い名前だ。

素麺は、シンプルな食べ物だけに、食材(小麦粉・食塩・植物油)の良さと、麺汁、薬味のバランスが大切と思う。私は昆布と焼き海老の出し汁(09/9/28・食養生その⑤出し汁参照10に、お酒2・本みりん1・天然醸造醤油1の割合で煮立てて麺汁をつくり、冷蔵庫保存し、大体10日をメドに使い切るようにしている。

上に焼き海苔を散らして゛ざる蕎麦風素麺゛、七味の辛さも涼風だ
右: 鬼塚林之助寒製の島原手延そうめん、一束50g×15束入り880円の手ごろ価格All Photo by TAKA
薬味は、それこそお好みだが、小ねぎ・長ネギ・オクラ・シシトウ・紫蘇の大葉・生姜のすりおろし・同じく針刻み・山芋、etc 何でもよいね。その日の気分や、冷蔵庫の残り物で添えてみる。七味は山椒粉でもいいね。食中酒でひととおり惣菜を食べた後、お湯を沸かして素麺を茹で、冷水でよく洗ってから水切りし竹ざるに盛る。炙って千切った焼き海苔、またこまかな青海苔などを麺に乗せるのも香りがよい。
麺汁に浸して素麺をすするのは至福のひとときであります。

青魚好きの私は、鰯など丸ごと買い求め、3枚卸しにし刺身にしたり、はらわたを取って焼いたり、梅肉と生姜で煮込んでみたり、色々な調理を楽しむ。腹を割いたときに、内臓の痛み具合で調理法を決める。昔から、「生か、焼くか、煮るか、捨てるか」と祖先から伝えられているように、身の新鮮度で料理を工夫するのは理に適っているし、食あたりなどを防止する知恵だと思う。
゛鰯の梅シソ巻き゛は、身を開いて骨を手で取り、半身に大葉と梅肉を添えてくるりと巻いて楊枝でとめたもの。脂の乗った身とシソの香り、梅肉の酸味が一体となってとても美味しい、and お酒がすすむ。
鶏肉のビール煮は、鳥の手羽か腿のスペアリブを使う。鶏肉はあらかじめ下茹でし、脂をとっておく。鍋に鶏肉をいれビールをひたひたと入れる。飲み残しのものでもかまわない。醤油を適量入れてそのまま20分くらい煮込む、という簡単料理。この時、実山椒(08/5/4チリメン山椒・参照)をパラパラと入れて一緒に煮込むと、とても香りがよくなる。赤唐辛子や八角ウイキョウを使ってもよい、辛味と香り出しだからね。お酒との相性も良く、冷蔵庫で1週間ほど保存可能。食べるときは、温めてからのほうがおいしい。実山椒もそのまま食べてしまう。つんっ、という独特の辛味がたまらない。

左:鶏スペアリブのビール煮、ビールの旨みと醤油味が一緒になり食欲がすすむ。
右:鰯の梅シソ巻き、楊枝の付いたまま、丸ごと口に放り込んで楊枝を抜いて食す。日本に生まれた良さを感じるひととき。

2009年6月5日金曜日

島らっきょうと白瓜の雷干し


       □ 沖縄産島らっきょうの塩漬け、ツンっと鼻に抜ける辛味とパリパリの歯ごたえが美味 All Photo by Taka

梅雨時前のこの季節、らっきょうが食品店の店頭や食品宅配のメニューに登場してくる。例年、鳥取砂丘産のものを漬けていたが、今年は沖縄産の島らっきょうを漬けたみた。鳥取産に較べてやや小振りなのが特徴、漬け方は同じだ。
土付きのらっきょうを、皮をむかず根も付けたままで水洗いしごみを落とす。らっきょう全体に塩(今回は対馬産・浜御塩焼き塩を使用)をまぶし、一昼夜蓋つきの容器に入れて冷蔵庫におく。 次の日、らっきょう全体にかぶるように水をひたひた入れ、重石を乗せて冷蔵庫に3~4日入れておく。
食べるときは、根を切り皮をむいて水洗いし、塩出しする。

右:鳥取産のらっきょうはやや大振り
らっきょうと塩と水だけのシンプルな漬けものだけに、いい材料を使うのがポイント。辛味とシャキシャキした歯ごたえは、冷酒・焼酎の水割り・白ワインなどとの相性も抜群、この時期しか味わえない旬の食彩だ。そのまま冷蔵庫に保存し、一ヶ月ほどは美味しく食べられる。


もう一品の゛白瓜の雷干し゛も、この季節ならではの漬けものだ。雷干し、とは良くぞ名づけてくれました! と作りながらいつも江戸料理の粋に感心してしまう。漬け方は簡単、まず、白瓜の両端を切り長箸2本を身に差込みぐるぐる廻して種をきれいに取る。箸を入れたままらせん状に包丁をいれ、一本状に切る。
やや濃い目の塩水に一晩漬けてから、1~2時間日陰干しする。この時のぐるぐる巻きが雷にたとえられたというわけ。長箸を通して横に干しても良い。食べるときは小分けに切る。やはり、シンプルな漬け物なので、材料はいいものを使うのがポイント。
私は玄米味噌をつけてそのまま食べるのが好みだが、金山寺味噌も美味しい。また、出汁(昆布・削り節・醤油)を煮詰めてかけて食べるのも良い。出汁に酢を加えてみるのもさっぱり味がすすんでいいかも。 

白瓜特有のコリコリとした噛み心地とやわらかな果肉味が身上。これも、冷酒や冷えた焼酎との相性が良い。スパークリングワインとも良く合う。ご飯のお供にもいいと思う。保存は冷蔵庫で一週間くらい。早めに召し上がった方が美味しい。
ニュージーランド産のカボチャとか、フィリピン産のオクラとか、季節とは離れた野菜が店頭に出回っているが、やはり、その季節でなければ味わえない国産の食材を入手して調理に工夫を凝らして食べることが大切だと思う。日本人が暮らしの中で培ってきたきた゛食の楽しみ゛を味わうためにもね!

2009年6月2日火曜日

Takaのコラボ第四弾 : Tomoさんとユニットで


ツインギターとヴォーカルで楽しく唄い奏でた Taka e Tomo のユニット Photo by Charlie

恒例のショート・ライブが荻窪アルカフェで開かれ(5/31)、今回も五組の出演者があった。盲目の女性デュオ・ブラックベリーさん(Vo/Pf)、ミュージカル歌唱のMiki&Emiさん(Vo/Pf)、ヒップホップ・オリジナルの男性ラッパー・グランバンバースさん(Vo)、ミューシャやビートルズナンバーを歌うDan&Kumiさん(Vo/Gt)、そしてボサノヴァを歌った私たちのTaka e Tomo、バラェティと個性に富んだミュージシャン達が揃った。

この夜は、終日の雨模様にもかかわらず会場は満席となり、二十数人のリスナーと出演者で満員御礼の混み様だった。いつもPAと進行を担当する佐々木ご主人がこの夜は不在で、佐々木店長は、飲み物とフードサービスにてんてこ舞い、司会とPAまでこなして七面六尻大活躍!!! 私達の演奏を聴きに来てくれたCharlieもマイク・セッティングやデジカメ写真撮りまで手伝ってくれて、大いに助かってしまった。

「Taka e Tomo」 のユニットを組むきっかけを作ってくれたのは、実はチャーリーだった。横浜でチャーリーとコラボした折(09.3.16の項参照)、同席していたTomoさんに゛なんか一緒にやったら~゛と勧めてくれたのがチャーリー。このユニットを組むにあたっては、゛二人で楽しく歌い奏でるボサノヴァ゛というのがテーマとなった。TomoさんのGtと唄、TakaのGTと唄をどう組み合わせて、ボサノヴァのスタンダード曲を゛Taka e Tomo の二人でしか出来ない曲゛として表現できるかが大きな課題だった。そこで私は、Gtのソロ、通常のコード伴奏、和音爪弾きの伴奏、ヴォーカルとユニゾン・上のハモリ、イントロとエンディングのメロディなどを組み合わせ、アレンジして曲の構成を試みた。Tomoさんも色々音源を提供してくれた。まあ、あれこれ工夫して二人の良いところが出るように、知恵を絞ってみたのですよ!

1曲目は、イントロと唄の掛け合いの楽しさを、軽快なリズム演ってみた「Samba de Vero」、続いてTomoさんの大好きな「Estrada do Sol」をTakaの伴奏で唄ってもらい、Adagio-Alegro-Adagioでテンポを変え、エンディングを静かなソロで閉めてみた。3曲目は「Vou Te Contar」、Tomoさんはリズムに乗って唄いTakaはGtで遊ぶように唄う、という感じで最後にハモリを入れた。お終いは「Corcovado」、Tomoさんのイントロ(Gtソロ)で始まり、Tomoさんの弾き語りにTakaのGt和音爪弾きとハモリ&サブメロディを入れるという高等技、エンディングはユニゾンとハモリできれいに終えた。

Tomoさんはやや緊張しながらではあったが、持ち前の澄んだきれいな声で唄い、TakaのGtも良く音が出ている、と感じられた。ボサノヴァをポル語で聴くのが始めての方も多いと思い、MCでも曲紹介の中に原語の意味や印象的なフレーズを日本語で伝えながら曲を聴いてもらった。1曲ごとに拍手が高まり、リスナーもリズム楽器で音を出しながら楽しんでくれていると感じられた。最後の「Corcovado」を唄い終えたら、この夜の出演者の中でも一番の大きな拍手を頂き、二人の曲表現が聴いてくれた人たちの心に届いたのを感じ、とても嬉しかった。


50年以上も、多くのミュージシャンに歌い継がれてきたボサノヴァのスタンダード曲を、如何に自分の表現として唄い・奏でることができるか?このことを絶えず意識しながら、これからもやっていこうと思う。Tomoさんの縦糸の色とTakaの横糸の色が織りあって、1人では出せない素敵な色の織物が出来上がったと思う。この夜、アルカフェで聴いてくれた方達は、その織物を何色と感じてくれただろうか?

Taka e Tomoのユニットも生まれたばかり。これからも機会を作って、楽しいボサノヴァの表現を二人で試みていきたいと思っている。

右:ラッパーのグランパンパースさん、即興で荻窪の町を歌い大うけだった!