2009年8月31日月曜日

人から人へ、コンセプトは パーソナル


関東地方を台風が通過中のこの日、自民党は大敗し民主党が圧勝した。政権交代が現実のことになった。民主党を中心とする連立政権には、山積する難問をひとつづつ解決し、民意をしっかり受け止めて今より少しでも良い社会の実現に努力してほしいと思う。

かく言う私は、久し振りに体調を崩した。オーバーワーク気味(仕事と音楽レッスン)だったところに、介護福祉の仕事中、よろけた爺様をとっさに支えるのに右足とふくらはぎに負荷がかかり、関節を痛めてしまった。医者に見てもらい、骨に異常はないのがわかったが、炎症を抑える薬の服用と湿布薬の貼付、アルコール断ちで3日間静養に努めねばならなかった。ようやく、今日になって腫れも引き痛みもなくなったのだが...健康に留意し細心の注意を払っていても、こういうケースも起こりうるのが世の中、また気を引き締めて日々過ごして行きたいと思う。
長年、マーケティング(市場調査と商品企画)とライセンス(ブランド・キャラクター)の仕事を専門にしてきたが、世の中の構造と人の気持ちの在り様がずいぶん変化してきているのを感じる。まあ、個人的な感想だが、言ってみれば「マスから個へ」、「量から質へ」、ということだろうか。「物から心の満足へ」ということでもある。大衆、あるいは市民という名前で量と傾向で捉えていくと、ことの本質が見えてこない。欧米の有名ブランドを借りて作った商品よりも、生活のコンセプトをしっかり持ったオリジナル品に人は魅力を感じているし(もちろんそうでない人もいるが)、地球の環境を見据えたエコ製品により関心が高まっているのも事実。1人ひとりの価値観の違いはもちろんあるが、今の政治や政策のどこに有権者が満足しているのかが見えなかった自民党の大敗は、避けられないものだったと思う。
日々接する介護福祉の利用者さんたちも、年齢・性別・生活環境・家族構成・既往症・身体状況も1人ひとりまったくちがうし、また、どんなサービスを受けたら喜ばれるかも1人ひとりちがっている。極めてパーソナルな仕事なので、今までやってきたマーケティングとは対極にある゛人対人゛の仕事といえる。
やはり大切なのは、コミュニケーション。あいさつに始まり、体調の把握やちょっとした声かけの中から利用者さんの満足のポイントを捕らえていく。地味な作業だが、「ありがとう、ほんとに助かります!」といわれたときの嬉しさは、何事にも換えられないものだ。

パーソナルといえば、Wilma De Oliveira さんにポルトガル語の個人レッスンを受け始めた。三軒茶屋のJAZZ & LIVE BAR Obsounds に出演したヴィウマさんのライブを聴いて、その素晴らしい歌声とサンパウロ出身のネイティブなポルトガル語にとても感動した結果、ライブの後で申し出たところ、快くレッスンを承知してくれたのだ。私自身はボサノヴァの素晴らしいスタンダード曲を、残念ながらきちんと教えてもらったことがない。独力で覚えてレパートリーに加えてきたのだが、ポルトガル語の基本を教えてもらう機会がなかったので、随分いい加減な発音やイントネーションが身に付いてしまった。この゛お掃除゛をして、きれいなポルトガル語でボサノヴァを唄うレッスンが今進行中。一対一で細かなところを心行くまで教えていただくレッスンはとても楽しい。目からうろこ、見たいな事も多々あって、やはり、知らないということは恐ろしい、と感じている。当面、20曲程の歌がレパートリーとして加わる予定で、毎回のレッスンがとても楽しみだ!
もうひとつの話題。先々週末(8/22)リカバンドの解散ライブが狛江add9thであり、9年間続いた活動に終止符を打った。この店で一番人気のバンドであったが、看板歌手とバンドメンバーとの意気投合が薄れ、それぞれちがう道を歩むこととなった。残念ではあるが、最近のメンバーたちの活動を見ると結構バラバラにそれぞれのユニットを組んでの演奏活動であったから、致し方ないように思う。むしろ、長年ひとつのバンドを続けられる方が奇跡に近い。人はそれぞれ価値観がちがうからね。それを前提でやっていかねばならないのが世の中。皆さん、お疲れ様でした!
上:ヴィウマさんのポートレイト、YOU-TUBE の`AMAZONES`を唄う彼女の画像よりちゃっかりいただいたもの
  右:リカバンド解散ライブ in add9th Photo by TAKA

2009年8月16日日曜日

夕空に筋雲と毛状雲が棚引いて...


        晴れ上がった西の夕空に筋雲がくっきりと現れて、秋を告げている All Photo by TAKA


秋のライブ出演に向けて、演奏曲の整理やポルトガル語のブラッシュアップ、また、TomoさんとTamtamとのリハーサルなどに余念がないが、音楽に多くの時間が費やされる分、花時間や料理時間にしわ寄せが来てしまい、花名所への訪問や自宅での創作料理をゆっくりと楽しむことが少なくなっている。まぁ、しばらくの辛抱ですかね!

旧盆時期の帰省ラッシュや行楽地の混雑とはまるで無縁の私だが、近所の食品スーパーへの買い物の帰り、ふと空を見ると、抜けるように晴れ渡った夏空に筋雲が幾つも棚引いていた。一番上空にレンズ雲、その下に放射状雲、左に房状雲が、沈みゆく夕陽ととも見ることが出来てとてもきれいだった。(上の写真)

筋雲(巻雲)は、刷毛でさっと掃いたような白い雲で、高度5千~1万3千mの空に現れる。北の高気圧が強くなる時期に登場するから、秋の雲とも呼ばれる。この日、北の空には毛状雲も現れて、毛髪や繊維のような薄いベール状の形が楽しめた(写真左)。季節はもう秋に変わり始めている。



私が雲の形に興味を持って眺めるようになったのは、「空の名前」という写真集(光琳社出版・高橋健司著)がきっかけだった。高橋さんは、元日本気象協会に勤務していた方だから、道理でよく雲のことを知っているわけだ。おかげで、気象状況や季節によって変わる様々な形の雲のことを教えてもらった。
                                                                                  馬追虫(うまおい)の髭のそよろに来る秋は まなこを閉ぢて想ひ見るべし  長塚 節 
 
□ この夏、出かけられずにいる花巡りを手元の写真でしてみようと思う。

桔梗の一番花は、七月の初めに花開く。秋の花と思われがちだが実は夏の花だ。例年、鎌倉の瑞泉寺を訪れて、この花の一番花を見るのが楽しみなのだが、鬱蒼とした木立に囲まれた古拙の日本庭園で静かに見られる桔梗花は風情がある。鶯の鳴き声が周りの山に木霊し、ひととき鳴いた後また静寂が戻ってくる。





 桔梗花を見た後は、段葛の蕎麦や小寿々に寄る。地元で上がった蛸のぶつ切りをわさび醤油をつけて
冷酒とともにいただくと美味いことこの上なし!自家製の出汁巻き卵や蕎麦味噌も美味しい。昼酒をしばし楽しんだ後、手打ちのざる蕎麦をいただく。腰のあるいい歯ごたえが身上。蕎麦湯もゆっくりといただく。
お土産には、この店特製の葛餅がいい。葛100%なのでネットリ感は相当な物で、黄な粉と黒蜜をかけて日本茶とともにいただくと香りと触感が楽しめる。う~ん、また出かけたいなぁ!
白桔梗はピント合わせがなかなか難しい(上)。虎の尾、アザミとともに撮った紫桔梗(左)、両方とも沼津のクレマチスの丘にて。


「サルビアの花]という素敵な歌がある。作詞:相川晴子/作曲:早川義夫の歌で、「♪ いつもいつも思っていた~サルビアの花を~ ♪」という出だし。唄っていたのは早川義夫で、うん10年前の曲だ。この歌は色んな歌手にカバーされて歌われているが、井上陽水の゛UNITED COVER゛というアルバムで私は知った。確か聴いたことのある曲だとは思っていたが、これでちゃんと歌詞を把握した。サイモンとガーファンクルの「Mrs. Robinson」のように、エレン(だったっけ)を奪って教会から逃げたりはせず、ただひたすら゛恨み節゛の歌なのだが、「サルビアの花をベッドにしきつめて、僕は君を死ぬまで抱きしめていよう」なんていうから、バラよりも素敵な花かな?と思う人もいるだろう。実際のサルビアは、小さいの花房がびっしりとついた錘状花で香りも良く、群生して咲くととてもきれいだ。

        □見事に造られたサルビアの花壇、これだけ沢山植えられているのは珍しい 大船フラワーセンターにて

唐藤ウツギは、木立ち状に長い枝を伸ばし先端に芳香を放つ房状の小花をびっしりとつける。赤紫の花色は艶やかで、花の少ない季節にひときわ目立つ。
たまたま、アゲハチョウが飛来して珍しいショットが撮れた。小石川植物園にて。










花の好みも人それぞれだが、ちょっと苦手の部類の花の二種。ダツラ(朝鮮朝顔)とカンナ、ともに暑い夏の季節に元気一杯に花を咲かす。外来種であることも共通。ダツラも鉢植えぐらいだとかわいらしいのだが、土におろすと木は巨大化し、花も沢山咲く。もともと野生のものだから環境に強いのだろう。
カンナの花も、炎天下で次々と花開くのを見ると、「どうしてそんなに元気なのぉ~?」と思ってしまう。百日紅などと同じく、暑さに強いDNAがしっかりと受け継がれているのだろう。

カンナとダツラのツーショット 調布近辺にて