2009年11月29日日曜日

TAKA LIVE in add9th 09.11.21

    この夜の演奏をすべて終えてお客様にごあいさつ、思わず笑顔がこぼれた。 All Photo by Yoshizawa


3回にわたって開催したこの秋冬のライブの閉めは、地元狛江のBlues & Jazz add9thでだった。私の音楽仲間や知人が駆けつけてくれ、人数はさほど多くはなかったが、じっくりと聴いて楽しんでいってくれた。

その一人、ヒデさんとはこの店がご縁で知り合い、この店恒例のセッションでは一緒にバンドを組んだり、歌をハモッたり、楽器演奏をして楽しむ仲で、親しくつき合いをしてもらっている。彼は写真が趣味で、愛用のNIKONのデジタル一眼レフで雰囲気のあるいい写真を撮る。今回掲載したライブ写真は、すべて彼に撮ってもらったもので、演奏者の表情を捉えるのはことさら難しいライブ演奏撮影の中から、気に入ったものを選んで載させてもらった。



この夜も歯切れのいいフルートを聴かせてくれたTamtam、゛柔らかな音色は ボサノヴァとよく合っている゛とUTさんからも好評(左)。


MISIAみたいにあまり歌い上げないところがいいねぇ!、と RYOさんにも気に入られたTomo さん、BOSSA NATURAL の歌声は健在。ハモリの歌あわせも、目でバッチリ! (右)
MCを控えめに! と思いつつも、今宵も語ってしまったわたし。う~ん、でも語り足りなかったなぁ! (左)
素早い手の動きで電光石火の゛三連譜゛をウクレレで披露、VOLARE はやはり乗りのいい曲だった! (中)
2nd Stage ともなると調子が出てきて、歌も演奏も、語りも滑らかになって来たではないか! (右)この夜のライブのために、私はプログラムを兼ねた小冊子を用意した。演奏17曲の簡単な解説を載せたプログラムと、ボサノヴァ各曲・ポルトガル語歌詞と和訳、オリジナル曲の歌詞を綴じたA5サイズ版18ページのものだった。歌の内容が解ると、これはとても好評だった。歌と演奏は、1st StageTaka & Tamtam のボサノヴァとオリジナル曲を6曲、TAKAのギター弾き語りで3曲。2nd Stageで、TAKAのギター・ウクレレの弾き語りを3曲、Taka e Tomo のデュオで3曲、最後に三人のBanda Pequena(バンダ・ピッケーナ:小さなバンドの意)でアンコールを入れて3曲、盛り沢山の計18曲の熱演だった。

当夜の演目を、以下記しておきます。
1st Stage>
①Wave(Vou te contar 君に告げよう)・DMaj Taka & Tamtam(Fl)
②Sábado Em Copacabana 土曜日のコパカバーナ・GMaj  〃

③Vivo Sonhando 夢ばかり見ている人・GMaj  〃
④Manhã De Carnaval カーニバルの朝・Am  〃
⑤Chega De Saudade 募る想い・Dm  〃
⑥Heart On Heart 想い重ねて・Gm TAKA Original
Comment Te Dire Adieu さよならを言うために・Am TAKA Gt 弾き語り
Falando De Amor 愛の語らい・Gm  〃
One Side Love 片想い・GMaj TAKA Original 〃

  <2nd Stage>
①シマフクロウとルリタテハ・Am TAKA Original TAKA Gt 弾き語り
②小春おばさん・Gm 井上陽水   〃
Volare ヴォラーレ・GMaj TAKA Ukulele弾き語り
④Saudade Da Bahia 懐かしいバイーア・CMaj Ukulele Taka e Tomo
⑤Estrada Do Sol 太陽の道・Am  〃
Samba De Verão '夏のサンバ・EMaj  〃
Água De Beber '美味しい水・Bm Banda Pequena(Taka/Tomo/Tamtam)
Corcovado コーコヴァードゥ・Am  〃
⑨Tristeza 悲しみ・CMaj (アンコール曲)  

Tomoさんとのウクレレボッサ曲「懐かしいバイーア」は、゛ハモリが良かった!゛UT)と好評、「太陽の道」のリズムアレンジとGt演奏も好評だった(UT)。オリジナル曲の「シマフクロウとルリタテハ」は、゛続編を聴かせてほしい゛(Kenyaマスター)との要望が出て、これは創らねばと気持ちを新たにしている。゛フレンチポップスを次回もっと演ってよ゛(Ryo)とか、゛TomoさんとのTw.Gtをもっと聴きたい!゛(HD)とか、演奏の後でみなさんから色々な声をいただいた。ありがとうございます、とても励みになります!!また次回のライブで楽しんでもらえるよう精進します。


Taka e Tomo のウクレレボッサ、好評につきレパートリーを増やしたいなぁ!(上)
バンダ・ピッケーナの3人での歌と演奏は、音のふくらみも出ていいサウンドが作れた。今後も機会を作ってこのユニットのライブ演奏を続けて行きたい。


お二人に共演してもらいながら、1回のデュオライブと2回のソロライブを9・10・11月と完了することが出来、約2時間の歌と演奏をやりきる自信がついたのは嬉しい。選曲や構成、アレンジや演出に色々工夫を凝らしてみたが、何よりも嬉しかったのは来て頂いた方たちにほんとに楽しんでもらえたことだった。ただ、集客についてはもう少し工夫が必要。
歌と演奏については、その曲世界の中心と流れをしっかり捕らえて曲の中に入れたものと、イントロが上手くは入れなかったり、Gt伴奏のコードが上手く運べなかったりで、それを捕らえられずヤキモキしたものとがあり、この辺の質をもっと高めることが今後の課題だと感じている。゛息のあった歌と演奏だね゛と感じてもらえるパフォーマンスを目指して、精進していこうと思う。
来年の春はまたここadd9thでライブをやりますので、皆さんお楽しみに!

2009年11月18日水曜日

ショーロは、素敵なサロンミュージック


五人で素敵なアンサンブルを聴かせてくれた、ホーザホーシャのメンバーたち Photo by TAKA


以前から聴きたかったホーザ・ホーシャ(ROSA ROXA:ポルトガル語の゛紫色のバラ゛の意味)のライブに行ってきた(09/11/12)。グループ名・゛紫色のバラ゛とはなかなか洒落た名前だが、名前に違わずとても心地よいサウンド世界を作っていて、上質なサロン・ミュージックを楽しめた。場所は下北沢のCafe 音倉、ゆったりとしたスペースの会場も心地よかった。

「ショーロは、ヨーロッパから持ち込まれたバロックやポルカなど、アフリカから運ばれたリズムが、19世紀末リオ・デ・ジャネイロでダイナミックに結合した音楽。軽妙で上質な味わいが゛ブラジルの室内楽゛と呼ばれる。」と、「saryo's collection vol.5」のCD解説に記されているが、この夜の演奏には、その楽器に精通した音楽家たちが一夜主催者宅に集まり、音楽愛好家たちと食事や会話をしながら、歌や演奏を楽しんでいるパーティの雰囲気を感じた。

この夜のバンド編成は、バンドリン(中沼浩)・カバキーニョ(大道寺栄)・六弦ギターと歌(山本のりこ)・六弦ギター(田嶌道生)・パンデイロ(栗山豊二)の5人、各氏ともにその楽器の達人と見受けられた。演目はピシンギーニャの「Carinhoso」やヴィラ・ロボスの「Trenzinho Caipira(田舎の汽車)」などのショーロの名曲 に加えて、メンバーたちのオリジナル曲、ガホートの「Gente Humilde」などのボサノヴァ曲も含めて、全16曲の歌と演奏であった。
「saryo's collection vol.5」CD解説に紹介されている編成楽器
2時間を越える演奏を終えた後で、カバキーニョ奏者の大道寺さんと少しお話が出来た。曲ごとのリズムカッティングが、それぞれの曲調にあわせて変えられているのに感心したことを伝えると、「よく聴いていただいたですねぇ~!」、と嬉しそうに語られた。バンドリンとのソロ・メロディのハモリ、カウンターメロディの活き活きとしたやり取り、コード和音とリズムカッティングの多彩さ...それが、五つの楽器とハーモニーし呼応し合って、とても心地よいサウンドを醸しだしていた。そして、彼のカバキーニョ演奏の楽しさを大いに味わうことが出来た。楽器にも触らせていただいたが、まさにギターの超小型版で、調弦は゛レ・ソ・シ・レ゛。ピンと張り詰めたスチール弦を小さなピックで弾く。この楽器を弾きこなすのはなかなか大変だと感じた。氏も「10年このバンドで演奏しているが、初めは大変だった!」と話してくれた。
ホーザ・ホーシャのアンサンブルを聴きながら、私はバロック音楽のことを思い浮かべていた。17世紀から18世紀にかけて、ベネチアで生まれたバロック音楽は、貴族のサロンにヴィルトゥーゾ(その楽器に精通した達人)たちが集まり、食事や会話をしながら音楽を楽しむ中から生まれたという。トマソ・アルビノーニは貴族でありながら流麗なコンチェルトとオペラ作品を沢山後世に残しているし、アントニオ・ヴィバルディはピエタの孤児院の司祭職にありながら、優れたソナタとコンチェルト、オペラ作品を世に送り出した。彼は、自身がヴァイオリンの優れた奏者であり、ピエタの音楽会でカデンツァ(即興演奏)で驚異的な演奏技法も披露したりしたという。
クラッシック音楽の帝国主義的な大編成の交響楽団(ファンの方にはごめんなさいだが...)とは違って、バロックの合奏団は、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・チェンバロが基本の楽器構成で、第一第二ヴァイオリンとかコントラバスとかが加わり、作品によってはオーボエが入る。多くても10人位の編成、指揮はヴァイオリンかチェンバロ奏者がする。2時間以上の演奏も立ったまま、しかし、少数精鋭の奏者たちは、皆ヴィルトゥーゾだ。素晴らしい!! と聴衆をうならす演奏が次ぎ々と飛び出してくる。


私は、ボサノヴァ(特にトム・ジョビン)の持つ流麗で美しいメロディラインのルーツはバロック音楽である、と密かに確信しているのだが、対位法やフーガ(遁走曲)の技法を駆使した優雅なテーマと大胆な転調・リズムの柔軟性は、イタリアンバロック⇒バッハ⇒ヴィラ・ロボス⇒トム・ジョビン、と継承された音楽の素晴しい遺産と思っている。パウリーノ・ノゲイラが弾く、ヴィラ・ロボスの「Bachianas No.1」も素敵だが、ホーザ・ホーシャ演奏するの「田舎の汽車 Bachiana No.2」も軽快で楽しげで良かった。
私の好きな゛ファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテ、ヴィバルディ「四季」のCDジャケット

2009年11月15日日曜日

ふと見れば、冬桜


            □車や自転車に乗っていたら見過ごしてしまう、冬桜の花 Photo by TAKA
花の少ない季節となった。もちろん、花屋さんに行けば色々な切花や鉢植えがお店を賑わしているが、こと戸外の自然の中では、初冬のこの時期に咲く花はサザンカやツワブキなど位で、彩りも南天や千両などの実物が目立つぐらいだ。
仕事で成城学園の地域を自転車で廻っていたら、小さな花をつけた街路樹を見つけた。珍しい冬桜の並木だった。八重の小振りな花びらは薄紅色で、春に咲くソメイヨシノと較べると、花弁の大きさ・花の紅色・枝にびっしり咲く様など、どれをとっても存在感が薄い。ただ、ソメイヨシノは゛傾城゛のたとえのごとく、満開の艶やかな咲きっ振りで人の心を惑わすが、地味な冬桜にはその色香はない。しかし、枝に付いた蕾から次から次へと2~3ヶ月に渡って花を咲かすので、寒風の中に咲く冬桜を見ると心が和む。
















木の肌も花の形もれっきとした桜、前日の強い雨で小さな花びらを散らしていたが、これから花が咲き続ける。

そう言えば、湯原昌幸が歌う「冬桜」という歌があるが、有線放送でよく流れていた演歌だ。

  ♪ 桜 桜 冬桜  春に背いて咲くがいい
   桜 桜 冬桜  歩いた道を恥じるなと
   ただひそやかに こころにそっと ふり注ぐ ♪

作詞がたきのえいじ、作曲が杉本眞人だが、つつましく咲く冬桜をうまく表現していると思う。

同じすぎもとまさとの曲(作詞はちあき哲也)で「吾亦紅」という曲がある。本人がTVの歌謡番組でよく弾き語りしていた記憶があるが、田舎にある母の墓を訪れて、墓の廻りに咲く吾亦紅を見ながら懺悔する歌だ。

  ♪ あなたに あなたに謝りたくて
   山裾の秋 ひとり会いに来た
   ただあなたに あやまりたくて ♪

二曲とも、私は聞くのみで歌うこともないのだが、花をテーマとした歌としてなぜか気になる曲ではある。