2010年12月15日水曜日

アリッサ・シズニーの滑らかなスケートは、氷を削る音がしない!

フィギュア・スケートの2010-2011グランプリ・シリーズは、北京で開かれたファイナルで、アリッサ・シズニー(米・女子シングル)とパトリック・チャン(カナダ・男子シングル)の優勝で終わった。全競技をちゃんと見たのは、NHK杯とファイナル(北京)だけだったが、スポーツニュースも含めて、見て感じたことをちょっと述べてみたい。


アリッサ・シズニー、164cmの長身スタイルを生かした優雅な滑り、ビールマン・スピンは一際美しい。

A.シズニーはここ2-3年で急速に力をつけてきた選手で、私も良く知らなかった。だが、ファイナルのフリー演技に、目を奪われてしまった。解説の荒川静香が言っていたが、彼女の氷上演技は、「氷を削る音がしない」と言う位、静かで滑らか。だが、時計回りのジャンプもスパイラル・スピンも、圧倒的なスピードを持っている。こんなに早いスピンを見せてくれる選手はまずいないだろう。長身の細身でそれを見せてくれるのだから、とても見栄えがする。コーチが、佐藤有香というのも面白い。


もうひとつ、いいなと思ったのは、音楽のセレクション。ヒーリング系のジョージ・ウィンストンの曲『Winter Into Spring』に乗って滑った。美しいピアノ曲「Reflection」を入れた曲構成で、彼女の滑らかで優雅なスケーティングとよく合っていた。選手たちはクラシックやラテン、ジャズ・映画音楽などの曲を選ぶケースが多いが、ヒーリング系のピアノ曲という選択は、とても新鮮に思える。安定したすべりから見ても、当面彼女の姿が表彰台で多く見られる気がする。
片や、ヨーロッパ勢のカトリーナ・コストナー(伊・女子シングル2位)、選手暦も長いので日本でもファンが多いが、彼女は試合でよく転倒する。見ていてもハラハラさせられるのだが、優勝したNHK杯での滑りは、その危うさを払拭するノーミスのものだった。ファイナルでは、169cmの長身を生かした高いジャンプ、そしてスピン・ステップとも文句なく良かった。彼女の指先まで行き届いた表現力はとても高いレベルにある。回転は、シズニーと同じ時計回り、つまり゛左利き゛ですね。
ドビュッシーの管弦楽曲『牧神の午後への前奏曲』に乗って滑ったコストナー、その゛牧神が見る官能的な夢想゛を、ゆったりと優雅に表現したのは圧巻だった。













表彰台にこそ乗れなかったが、安藤美姫のフリー演技は、賞賛に値した。フリーで122.70という得点はこの日一番だったし、彼女にしても自己ベストだった。特に、ジャンプは素晴らしかった。7回跳んだすべてのジャンプを成功させたし、コンビネーションも文句なく良かった。やはり、゛氷に吸い付くような滑り゛が随所に見られ、エッヂワークも切れが良かった。優雅で小気味いい、という感じがした。
グリーグの『ピアノ協奏曲イ短調』のドラマチックなメロディ乗って、アレグロ=アダージョ=アレグロと緩急をつけた振り付けもメリハリがあって良かった。特に、スピンで斜めに全身を回転させる演技は光っていた。演技を終わってからの、両手を握り締めたガッツポーズに、彼女のパフォーマンスの満足度が現れていて、とても好感が持てた。
驚きのトップは、ジュニアから転進してあっという間に表彰台に乗った村上佳菜子。ショートプログラムでは、フラメンコ曲の『ジャンピング・ジャック』(マスク・オブ・ゾロより)をバックに、キュートで動きの良い演技を見せてくれた。ジャンプもスピンもスピードに乗っていた。笑顔も愛くるしいし、山田コーチとの孫・婆コンビもいい雰囲気だ。当面、佳菜子旋風が吹きそうな気配が濃厚になってきた。



















長身のライザチェック(米)やプルシェンコ(露)を欠いた男子勢は、パトリック・チャン(カナダ)も高橋大輔も織田信成も皆小柄だ。確かに、スピードや技術面においては素晴らしいのだが、やはり、ダイナミックさと見栄えという点では劣るし、盛り上がりに乏しかった。おやっ!と思えたのは、高橋大輔のエキジビジョン演技で、映画『アメリー』のピアノ曲をステファン・ラビエールの振り付けで滑ったことだった。静かで、氷に吸い付くような演技は、得意とするタンゴやラテン曲に乗った激しいものとは対照的で、こんな大輔もいいなと思えた。


アイス・ダンスでは、私の好きなメリル・デイビスとチャーリーホワイト(米)のコンビが優勝した。このところ圧倒的な強さを見せている二人は、ご近所の生まれ同士で、もう14年もコンビを組んでいるという。゛息がぴったりとあった゛という表現は、このふたりにもってこいのものだ。見ていてやはり感動してしまう。エキジビジョンは、マイケル・ジャクソンの原曲『ビリー・ジーン』を男性ヴォーカルに編曲した曲に乗って滑ったが、ペアでなければ表現できない演技が随所にあり、とても良かった。


来年4月の国別対抗戦でシリーズは終了だが、新しいスターたちが登場してきた今シーズンは見所が随所にあって、フィギュア・スケートの楽しさを大いに味あわせてくれた。次回のシリーズは、どんな選手のどんな演技が登場するのか、これもまた楽しみだ。

ここに載せた画像は、すべてインターネットサイトのZimbioに掲載されているものからであることをお断りしておく。

2010年12月7日火曜日

クワルテート・ウチキータは、ゲストが入ってクィンテートに


   □今宵のゲスト、Saxの竜也くんに入ってもらい、ライブは佳境に入っていった! Phot by Y.Yamaguchi
     左より、北川竜也(Sax)、千秋(Ba)、内田裕之(Pf)、桐原利治(Dr)、TAKA(Vo&Gt)

今回のライブ会場・MALLETは、経堂駅北口近くのカフェで、店主の平田さんは以前府中でレコード店を開いていた方。9年前にこのお店をオープンし、店主手作りの美味しいハンバーガーやサンドウィッチ・カレーハンバーグなど人気メニューで来店客に愛されている。ドリンクも、煎れたてコーヒーやハーブティー、ビール・焼酎・洋酒・ワインなど揃っていて手ごろなお値段、地元や近隣の方たちの憩いの場となっている。

平田さんは早稲田のジャズ研出身、このビルのオーナーも同じジャズ研出と言うことで、その繋がりから月に2~3回あるライブに出演するのはかなりの一流プロたち。先月も、寺下誠トリオ(Pf:寺下誠、Ba:水橋孝、Dr:マイク・レズニコフ)とサラ・レクター(Vo)ーMC3,000円 のライブを聴く機会があったが、これは良かった! 経堂でこんなライブを体験できるのは驚きでもあったし、堪能したのだが、割と気軽な民族音楽やクラシックのコンサートもあるとのこと。出演基準は店主の意にかなうことが条件なのだが、今回は盟友ウッチー(Pf)の繋がりで、平田さんも快くライブ開催を受けてくれた。

12/5(日)当夜は、小さなこのお店が、来てくれたお客18人で満席となってしまった。私の高校時代のクラスメイトや音楽仲間、地元の椿珈琲店に集う仲間(飲み仲間と音楽仲間)、ボサ友チャエさん・仕事仲間のYDさん、ウッチーの奥さんやお友だちなどが集まり、ひざ突合せで出演者にかぶり付きのライブが、゛♪狭いながらも、楽しい我が家♪゛という雰囲気でスタートした。その夜のプログラムをここに紹介する。

<1st Stage>
1. You and Night and The Music (Inst)
2. Samba De Uma Nota Só たった一つの音でできたサンバ
3. O Pato あひる
4. Manhã De Carnaval カーニヴァルの朝
5. Samba De Verão 夏のサンバ
6. Corcovado コーコバード

<2nd Stage >
1. 黄昏のビギン
2. Beside You あなたの側で TAKA Original
3. One Side Love 片想い TAKA Original
4. Heart On Heart 想い重ねて TAKA Original
5. シマフクロウとルリタテハ(前編)TAKA Original
6.Palpite Infeliz 嫌な予感
7. Água De Beber 美味しい水
8. Antonico アントニコ
アンコール曲   O Pato

盟友ウッチーとは、地元のライブハウスadd9thでセッションをしてボサノヴァやPOPSを一緒に演奏したり、椿珈琲店で毎週火曜日に開く゛かようかい゛では、昭和歌謡やPOPSを私のGt伴奏とウッチーのリードGtで皆さんが歌ったり、などしての交流がここ4年ほど続いている。彼自身も自分の「内田バンド」を持ち、バンマスとして音楽監督を務めているし、30年続いている大介バンド(佐古大介氏のオリジナルソングを歌い演奏するバンド)の編曲とPf&Gtkのプレイヤーを続けているし、他にも幾つか係わっているバンドがあるという、多忙な身である。ミュージシャンとしては、先輩である。

一方、私はここ4年ほど、ボサノヴァの歌とGt演奏にのめり込んで、その魅力に取り付かれながらレパートリーを増やして音楽表現を高めてきた。それと併行して、私でしか表現できないオリジナル・ソングを少しづつ創っては、ライブの度に発表してきた。自ら「TAKA十番勝負」と題して、ピアニスト・フルート吹き・チェロ奏者、あるいはGt奏者・女性ヴォーカリストとのデュオなど、様々な方たちとのコラボをして、発表会やライブ出演で表現を磨いてきた。ウッチーが声をかけてくれたのが機会でこのバンド:クワルテート・ウチキータが実現したのだが、私自身もいずれウッチーのPfと共演しようと思っていたので、とても良いタイミングだったと思う。今回で、7番勝負でもある。

1st ステージは、ボサノヴァのスタンダード曲が中心、私の歌とGtにウッチーの軽快なピアノソロとカウンターメロディが入り、千秋さん(ウッチーの愛娘)のベースが小気味良く低音のリズムを刻み、桐さんのドラムのインパクトが重なり音の拡がりがでて、私はとても気持ちよく歌えた。一人で弾き語りしているのとは違った音作りの楽しさを大いに味わえて嬉しかった。

2ndステージに入り、私のオリジナルソングをまとめて4曲歌った。バンドで歌うのは初めてであったが、新曲の「あなたの側で」に大きな拍手をいただいたのは望外の喜びだった。声量や派手なパーフォマンスとは無縁の私の歌は、聴く人の心に届く言葉と、心に残るメロディと和音を,ていねいな表現で積み重ねていくもので、それを受け取っていただけたと感じられたことが何よりも嬉しかった。

後半は、ゲストのテナーサックス奏者・イケメンの竜也くん(千秋さんの同級生で、内田バンドメンバー)が登場し、クィンテットの賑やかなボサノヴァとなった。かようかいのYBさんご主人からは、「今日は、しあわせだぁ~~!!」の言葉も飛び出し、ハウスの中は熱気が溢れてきた。アンコールの声に応えて、皆で O Pato を歌い・演奏したのがライブの最終曲となった。

機材持込の会場PA環境、お店の手狭さ、ボサノヴァのリズム表現(特にサンバ)など、いろいろ課題はあったが、ジャズを得意とする盟友とメンバーたちが、私のボサノヴァと共演しいろいろ工夫して音世界を広げ、彩りをより鮮やかにしてくれたことにはとても感謝している。この夜の歌と演奏は2度と再現できない、親密で温かい音であったことを心に刻みつつ、また集ってくれた仲間たちが私の稚拙な歌をじっくり聴いてくれたことに感謝して、また新たなチャレンジをしたいと思っている。

来てくださった皆さん、ほんとにありがとう。来春、また、オリジナル新曲と新レパートリーを携えて、ライブをやります。また、会場でお会いしましょう!

2010年12月2日木曜日

RAさん宅のボッサ・フェスタと内田バンドのライブ



ミニライブもできそうな広いゲストルームでのパーティ、美味しい手料理とボサノヴァを楽しんだ Photo by TAKA


千葉にボッサ友が集まってパーティとなった。お宅にお招きしていただいたのは今宵の主催者RAさん、お得意の手料理と美味しいお酒を楽しみながらのボサノヴァ会となった。各自、飲み物や食材を持参して、和気あいあいの会が、昼過ぎから始まり夜へと続いた。

冷えたシャンパンで会はスタートしたが、次から次へと女主人の料理が登場したのは圧巻だった。彼女の料理は、素材を生かした和洋折衷型で、魚介類と野菜、鶏肉と野菜など、オリーブオイルと塩・胡椒で和えたさっぱり味で、食がどんどん進むことこの上なし。カナッペやマリネ、煮物などもとてもおいしかった。

RAさん自身のアート作品が飾られたゲストルームでは、タッキーのギター伴奏で次から次へと歌が飛び出し、私も弾き語りをしたり懐かしいJ-POPSを歌ったり、大いに楽しんだ。写真は左からHOさん、RAさんのお友だちKZさん、KNさん、MOOさん、タッキー。ちょうど手元にあった仙台黒豚のブロック肉を持参した私は、台所のフライパンをお借りしてお肉を焼き、クレソンとともに皆さんに食べていただいた。ステーキは焼き方にちょっとしたコツがあるのだが、柔らかなお肉は皆さんに好評だったことを付け加えておく。

この夜は、盟友ウッチーの内田バンド・ライブが私の地元狛江であるので、盛り上がっているメンバーと後から来たトモさん夫婦にあいさつしてお先に失礼した。


内田バンドは、早稲田ジャズ研で鳴らしたバンマスのウッチー(Pf)を中心に、千秋さん(Ba)、竜也(Sx)、桐さん(Dr)、花見さん(Vo)編成の実力派ジャズバンドで、地元音楽仲間では知らない人はまずいない。9年ほど、リカバンドという名でVoをリカさんが務め、会場のadd9thを何時も満席にするほどの人気だったが、去年解散し内田バンドに戻った。今宵は、何時もドラムをたたいている花見さんが、渋い喉を披露してくれた。「Fly Me To The Moon」、「What A Wondweful World」などのスタンダードナンバーが中心だったが、満席のハウスは顔見知りも多く、掛け声が飛び交い、なごやかなライブだった。12/5・経堂マレットでの、クワルテート・ウチキータのライブでは、私の歌とギターにウッチー(Pf)と千秋さん(Ba)と桐さん(Dr)が協力してくれる。
このところ、私自身のライブや、仲間のライブ、椿でのかようかい(毎週火曜日の音楽会)、また新たに結成するバンドの準備など、音楽に係わる時間が増えているが、楽しくやらしていただいているのはありがたいことだ。体調もいいので、地元の地域サービスの仕事(介護福祉)も従来どおりだし、音楽を通しての自己パーフォマンスと仲間との交流をこれからも楽しんでいきたいと思っている。

2010年11月15日月曜日

高校の同窓会を期に、バンド結成

 40数年ぶりに再会したメンバーで゛バンドやろう!゛と、ジェームスが提案。皆乗り気で早速計画進行中 (左より元ブラ・バン・クラブリーダーのTHくん、ギター・マンドリンクラブのAYAさん、同じくTAKAとジェームス) All Photo by TAKA

長野の高校同窓会が銀座のホテルで開かれ、60数名の同窓生が集まって賑やかに一夜交歓会をした。例年は長野駅近くのホテルが会場なのだが、四年に一度は会場を東京に移して海外や大阪・名古屋住人にも便を計らうのが通例となっているのだ。

会が始まり、皆で乾杯し料理が出始めると共に、AYAさん率いるハワイアンバンドの歌と演奏がはじまった。何と、フラガールも登場し踊りが加わったではないか! 幹事も粋なアトラクションを用意したな、と感心しきり。
会場のあちこちでは、旧交を温めあったり、卒業後初めての顔合わせで驚きあったり、和やかな交歓が続いた。この会の恒例で、一学年で9組あったクラスの1組から、出席者全員が前に出て近況を話し、それが9組まで続くのだ。現在の仕事や退職後の日々、孫の話や昔憧れていたクラスメイトの話まで、皆夫々の近況を報告しあった。
幼馴染の猪瀬直樹君とも久し振りの再会、彼は今東京都福知事の激務の中にいるので、健康に留意してまた会おうと語り合った(写真左)。
当時の高校は進学校だったため、1クラス40人位の中では女子は2~3人、男子生徒からは皆憧れの゛マドンナ゛だった。(写真左からAiさん・Rin子さん、Xさん、Ayaさん、Nori子さん、Yさん。ごめんなさい、X・Yさん名前が思い出せない!)
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さて、冒頭のバンド結成の話だが、言いだしっぺのジェームスMRくんは、゛白雪姫と七人のおじさんたち゛というバンドでドラムをたたいて、東京フォーラムやNHKホールでライブ出演をしたと言うではないか ! また、AYAさんは、「アロハアイカネ」というハワイアンバンドのリーダーで、スチールGtとヴォーカルを担当、都内や近郊でライブ出演を続けているし、Pf の演奏もOKとのこと。THくんは、現在三つのバンド掛け持ちでアルトサックスを吹いていて、ジャズやボサノヴァのレパートリーもかなりあるとのこと。ここにわたしのGtとVoが加われば、なんか面白いことができそうだ!

そんな話をしていたら、YRくんが顔をみせて、おれもやるよと。彼は今、「日本ルイ・アームストロング協会」の理事をしていて、デキシーランドジャズのバンド司会をしていると言う。というわけで、思いもよらない展開となってきたが、音楽好きの仲間が集まって何か楽しいことが出来たらいいな、と。現在いろいろ構想しているが、近々一度皆で集まって音合わせをしてみたいと思っている。
同窓会終了後、近くの居酒屋での二次会。合唱クラブの面々とブラ・バンとギタ・マンクラブメンバーの合同会となリ、大いに飲み、語り、笑いあった。とても愉快な夜だった。
後日、KZくんが送ってくれた9組面々のフォト、右よりKZ、IS、KB、TAKA、KM、STの各くん達 Photo by Kawasaki

2010年11月14日日曜日

木立ちダリアの花と飯桐の実が色づけば、晩秋の気配


 □薄紫の可憐な花が次々と開く木立ちダリア、花は天井を見上げるくらいの高さにある。 All Photo by TAKA



木立ちダリアは不思議で愛らしい花だ。木々が色づく晩秋のこの時期は花も少なく、サザンカやツワブキ、冬桜や実紫などが彩りを見せてくれるくらいで、紅葉した木々も木枯らしに葉を散らしていく。そんな季節のさらっとした大気の空の下、樹高が4~5mにも及ぶ枝の天辺に花を開かせる。
久し振りに訪れた小石川植物園では、この花が晩秋の風物誌で、これを目当てに来園する人もちらほら。ただし、あまり知られていないのは、他の植物園ではほとんど見かけない種類の花だからかも知れない。メキシコ原産のキク科の花だが、この植物園の原木はもう何年もかけて幹が育っているので、春先に芽吹いた芽が枝となり、半年くらいの間に伸びて晩秋に枝先で開花する。花後剪定しこれを毎年繰り返すと数mに達してしまう。別名で゛皇帝ダリア゛と呼ばれているそうな。のっぽの木に愛らしい花というのも、なかなか珍しい取り合わせだと思う。
強風による倒壊予防のため、アルミや竹のポールで添え木されたのっぽの木立ちダリア(フォト左)
落ち葉の散り敷く鬱蒼とした植物園内をゆっくりと散策する 。スズカケノ木やユリノキの巨木、トキワマンサクや菩提樹の大木は、明治初年に旧小石川養生所から東京大学に引き継がれた当時に外国から移植された歴史を持っている。そのため、園内は都心にあるとは思えないくらい、静寂に満ちて木の香が漂い、昼なお暗い樹林にいると不思議な落ち着きを感じる(フォト下)。


 一時、この植物園は私のサンクチュアリだった。ここで、初春の寒桜に始まって、シナマンサク・レンギョウ・木蓮・梅・桜・花菖蒲・ハンカチの木・熱帯睡蓮等々を見て、季節の移り変わりを感じ、美しい花々を見ることがとても魂に潤いを与えてくれた。木々や花のこともここでずいぶんと覚えた。

枝に連なる飯桐の赤い実を見るのも晩秋の楽しみだ。(フォト上)。ご飯を包む葉として使われたのが由来でこの木の名前がついたと聞くが、高い樹の先に実をつけるのでほとんどこの実を知らない人が多い。生花に枝と実ごと使われたり、初冬にこの実が熟す頃ヒヨドリが大挙して群がり実を食べつくしてしまうことで、ご存知の方がいるかもしれない。

日本庭園では、ドウダンツツジが紅葉し始め、朱赤の葉を色づかせていた。イチョウの大木も、葉が黄に色づき、ハラハラと風に舞い始めている。しばらく続いている穏やかな秋の日和だが、冬はもうすぐにやってくる。

2010年11月11日木曜日

乾燥季節の備えは、花梨の蜂蜜漬け、焼酎漬けで

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右から、花梨の焼酎漬け、蜂蜜漬け、3年棒番茶ので作ったうがい液 All Photo by TAKA
秋晴れのさらっとした日和が続いて、とても心地よい季節だが、程無く木枯らしの吹きすさぶ冬がやってくる。風邪を引きやすい季節でもあり、インフルエンザの流行も心配されるので、例年のごとく喉対策を準備した。私の対策としては、まず外出から帰っての゛手洗いとうがい゛だが、うがい液を3年棒番茶の煮出しに塩を加えてつくる。カテキン効果と消毒をかねて、゛ガラガラッ、プー゛が欠かせない。それから、花梨のスライスを蜂蜜に入れて漬け込む。もひとつ、同じくスライスを焼酎に入れて漬ける。これらを食事後とか、夜寝る前とか、ちょっと喉がイガイガしたときに、お湯で割って飲む。まあ、お婆ちゃんの知恵袋みたいなものだが、これがなかなかよろしい。あと、扁桃腺が腫れ気味のときは、バンテリンなどの炎症剤を幹部に塗るのも即効の効果がある。やはり、歌唄いは喉が命だから、こまめに気を使って喉を痛めない対策を日々欠かせないですよね!
10月の終わりの話だが、音友のRYOさんとHIDEさんから誘いがあって、今年も多摩川の河川敷で干物会をやった。沼津から取り寄せたサザエ、千葉の爺ちゃん婆ちゃんでやっている干物屋から取り寄せた、アジ・金目鯛・エボ鯛・イカなどを、バーベキューの炭火網で焼いて、美味しいお酒や飲み物とともに皆で飲んで食べようという、まことに気楽なメンバーたちが揃って、にぎやかに楽しんだ。子供たちも大いに飲んで食べた。焼肉や野菜焼き、私が持参した松露の卵焼き(前日、築地に買出しに出かけた折入手したもの)も登場して、いやはやお腹一杯になってしまった。
聞けば、対岸の川崎市側では、ごみ対策の費用が膨大に掛かるということで、河川敷使用を有料(一人500円)にしたとのこと。これで年間数千万円の費用をまかなうとのことだ。たしかにごみの散らかる河川敷は景観上もよろしくないとは思うが、こちらの狛江市側は、バーベキューの後はごみ袋持参で皆後片付けをしっかりやっている。狛江市は、全国でも有数のゴミ袋有料の自治体なので、市民の意識がしっかりしているのだと思う。
穏やかな秋の日の、楽しい干物会だった。

2010年11月1日月曜日

アルカフェでのライブは、ソロにチャレンジ

  □ライブには毎回駆けつけてくれる学友のTOくん、ニューミュージックの歌で見事な喉をご披露 Photo by Tuchiya
私のホームグランドであるAlcafeでのライブも3回目となった。今回は、共演者なしの一人ライブなので、選曲や歌・伴奏・ギターソロの組み合わせに色々工夫をしてみた。前々から、ギターのソロ演奏は自分にとっても課題だったので、まだまだ満足とは言えないけれども、それが実現できたことが大きな収穫だった。
日曜日の夜という、何かとご都合がある時間帯にもにもかかわらず、6名のお客さんが来場され、私の歌と演奏を楽しんでくださった。2nd ステージでは皆さんが壇に上がり、歌や演奏を披露してくださり、とても和やかなひと時を過ごすことができたのは、感謝・感謝であった。この店でよくライブ出演をされている、主婦シンガーソングライターの゛さとう・まき゛さんも駆けつけてくれた。彼女の、日常を題材にした抱腹絶倒のオリジナル・ソングを、私はとても敬愛している(残念ながら1stを聴いて帰られた)。お店には、満員御礼でなくて申し訳ないけれども、私的にはライブ終了後テーブルを囲んで、皆さんとゆっくり話して交流できる位がちょうどいいと思っている。アルカフェは、暖色系のインテリアと座り心地のいい椅子、明るいライティングと整ったPA環境、そして、ステージと客席の程よい距離などで、とても気持ちよく歌い演奏できる。チャージや飲み物代もリーズナブルなのはありがたい。私はこの夜、曲表現のグレードも良く、細部に声が通って、とても気持ちよくパーフォマンスできたと感じた。自分でも納得のライブだった。
ライブの演奏曲を載せておきます。
1. Samba De Uma Nota Só たったひとつの音でできたサンバ
2. Palpite Infeliz 嫌な予感   
3. The Shadow of Your Smile いそしぎ  
4. Heart On Heart 想い重ねて  TAKA Original
5. Corcovado コーコバードゥ  
6. 黄昏のビギン
7.  O Pato アヒル     
8. Antonico アントニコ(ピンキーとキラーズ・「恋の季節」をはさんで) 
9. Beside You あなたの側で  TAKA Original


今回も、演奏曲の紹介を兼ねたプログラムとポルトガル語歌詞訳・オリジナル曲歌詞を載せた小冊子を作り、皆さんに差し上げた。ライブの後で曲の歌詞内容を巡って、いろいろと話が弾んだ。
ボサ友のタッキーとセツコさんが遊びに来てくれて、タッキーは弾き語りで「Só Danço Samba」と「Este Seu Olhar」などを、セツ子さんは「イパネマの娘」と「小舟」を披露してくれた。タッキーはステージが心地よかったようで、「ここは歌いやすい!」と喜んでいた。せつ子さんも持ち前のきれいな声で、皆のお褒めをいただいた。(写真左・ Photo by TAKA 下も)
INさんとTUさんは、60年代のアメリカン・ポップスがお好きとか。店置きのアコギを引っ張り出して、お二人で「ジャマイカ・フェアウェル」をデュオで気持ちよさそうに歌ってくれた。(写真右)
学友のTO君は、カラオケ好きでいろいろな歌のレパートリーを持っている。この夜は、「恋人よ」と「少年時代」を持参の歌詞メモで歌った。私には初めての曲伴奏だったが、店置きの歌本コードを見ながら、同世代の強みで無事アシストできた。TO君からは、゛ライブの楽しみは、TAKAの新しいオリジナル曲を聞けること゛と言われ、年2回のライブには必ず新曲を披露する決意を新たにした。




ログラム・ノートにも記したが、詞:カルロス美希、曲:TAKAのコンビで作った最新作は「Beside You あなたの側で」。ふとしたきっかけで、心のうちに沸き起こるかけがえのない人への想いを、ゆったりとしたバラードで歌った曲です。これからも、ライブの最後に皆さんと一緒に歌えたらいいなぁ、と思っています。ここに、その歌詞を載せ、来場の皆さんへの感謝の気持ちとしたい。
みんな、ありがとう!また、次回のライブでお会いしましょう!
Beside You あなたの側で

作詞 カルロス美希
作曲 T A K A

     いつまでも 側にいて

     いつまでも 変わらぬあなたでいて


   ① 手と手をつなぎ 肩をよせあって

     ふたりで歩く 静かな夕暮れ

     夜空の星たちは キラリ瞬いて

     そよ風は ほほを そっとなでていく


     いつまでも 側にいて

     いつまでも 変わらぬあなたでいて

   ② ふいに嵐が きて ふたりを 襲う夜

     離れ離れ~に 引き裂こうとしても

     強くにぎった手を 決して離さないで

     雨のあと 空に 七色の虹


     いつまでも 側にいて

     いつまでも 変わらぬあなたでいて


   ③ 時は過ぎ 人は 去っていく~とも

     花は咲き やがて 散っていく~とも    

     巡りあえた日から 続く長い道で

     じっと見つめあう ふた~つの瞳


     いつまでも 側にいて

     いつまでも 変わらぬあなたでいて

                                                                      2010/08/29/ by TAKA


2010年10月30日土曜日

錦絵、シーパール、ファルツァーゴールド...

  □花弁縁が濃いピンクの「プリンセス・ド・モナコ(仏・HT系)」、咲き揃った様はとても艶やか All Photo by TAKA
秋日和の朝、曇り空ではあったが、例によって早起きして出かけた。TVのニュースで、横浜海の見える丘公園の秋バラが見頃だとの情報があったが、電動チャリで20分程の神代植物園は行きやすいので、ついこちらに足が向いてしまう。秋バラお目当ての来園者も多く、開園直後でも見物人がカメラ片手にあちらこちらに見受けられた。
夏バラの項(2009/5/15)でこのブログに載せたように、この植物園のバラでは、「サムライ(黒赤・仏HT系)」・「フィデリオ(橙赤・仏FL系)」、「マチルダ(中輪ピンク・仏Fl系)」などが私の好きなバラなのだが、秋バラにも素敵な種類がたくさん咲き揃っていて、とても楽しい出会いだった。

「錦絵(日本・Fl系)」は、中輪の橙赤色だが、咲き拡がるに従って花弁の赤みを増す。花芯は明るいオレンジなので、色ののグラデーションがきれいだ。外縁の花弁が尖っているのも珍しい形状だ(左)。このバラが何本も咲き揃っていると、とてもにぎやかな感じがする。










アイリッシュ・ミスト(英・FL系)の珊瑚のような、ピンク色掛かった橙色は、始めてみるバラの色だった。この広いバラ園でも、開花のベストタイミングに出会うのはなかなか稀なのだが、種類も多いことから開花を見過ごしてしまう場合もある。気品のある柔らかな容姿は、英国の貴婦人を見る思いだった。咲き開いた花弁の形も美しいし、香りもほのかでいい(右)。

白・ピンク・黄色など、花色が明るいバラは蕾から開花につれて、外側の花びらが傷んだりリ、色を失ったり、茶色に変色していくものが多い。でも、「ファイツァー・ゴールド(独・HT系)」は、花弁に白色がやや交じるものの、きれいな黄色を失わずに咲き続ける。私のバラ選択肢の一つの条件なのでもあるが、゛きれいに咲き続ける゛のは、やはり見ていても心が弾む(左)。







中輪のフィデリオは、蕾も咲ききった姿もともにきれいだ。色を失わずに群れて咲く様はとても華やか。
シーパール(英・FL系)の橙色がかったピンク色はとても微妙な色だ。気品のあるアイリッシュ・ミストと較べると、ぽってりした感じで可愛らしい。゛真珠のような耀き゛を賞して名前が付けられたのだろう(右)。









ダブル・デライト(米・HT系)の花色も珍しいと思う。斑のあるピンク色の花弁の外縁は濃いピンクで、このグラデーションが奥行きと成熟を感じさせる。香りは、凛としたコスメチック系、さしずめ大柄な健康美人かも。




そろそろ混み始めてきた園を昼前に退散したが、天候不順のこの秋にしては晴れの続いた週末に恵まれて、秋バラの開花を楽しむことができた。今まで見られなかった種類のバラと出会えたのもラッキーであった。

2010年10月17日日曜日

秋の食彩とボサノヴァを楽しむ会


     □食べて、大いに飲んで、歌って、ギターを弾いて、秋の夜の楽しい宴だった。All Photo by TAKA

椿珈琲店 and TAKA 提携企画第二回として、「秋の食彩とボサノヴァを楽しむ会」が、世田谷区喜多見の同店で開かれた。『季節の旬菜を生かし、TAKAのレシピでつくられた身体に良くて美味しい和食を酒の肴にして、ボサノヴァの歌と演奏を楽しんで大いにくつろごう!!』 という会で、ボサノヴァ好き、料理好き、食いしん坊、野次馬の6人が集まって、和気あいあいの時間を過ごした。

以下、当夜のメニューとレシピをご紹介する。

お 品 書 き

①前 菜  カブの時漬け(唐芥子・紫蘇・チリメン雑魚入り)

②お造り  青身魚の梅・紫蘇・おぼろ昆布巻きと
           なめろう(長ネギ・玄米味噌・紫蘇・白胡麻入り)

③煮野菜  茄子とオクラの山椒煮浸し

④お 肉      和牛もも肉の蒸し焼き・クレソン添え

⑤ご飯と汁 銀杏雑魚ご飯と、茸のコンソメスープ


①よく洗ったカブの葉を切り落とし、カブの皮を剥いてイチョウ型に切り、葉も適宜に刻む。ポリ袋にカブと葉を入れて、塩・一味唐辛子・チリメン雑魚を加えて揉む様にして良く混ぜ、冷蔵庫に30分ほど置いてからよく絞って汁をを除いて出来上がり。3~4日は美味しく食べられるので、簡単な常備采として楽しめる。新鮮なカブのきめ細かい食感は歯当たりがよく、繊維質も豊富、体調がよくなること請け合いです。


②今回の青身魚は、当日の朝築地市場で競られた秋刀魚を使用した。私のお気に入り食品スーパーオオゼキには、開店と同時に第一便(朝4時半)で届いた鮮魚が店頭に並ぶ。
新鮮な秋刀魚を手開きで3枚におろし、身の小骨を刺抜きでていねいに取り去る(この作業を10匹やるのはかなり大変、食べるのはあっという間だけれどもね!)。皮を手で剥いてから、予め用意しておいた梅肉をへらで身側に塗り、その上に紫蘇の葉とほぐしたおぼろ昆布置いて頭から巻いていく。

細身の竹串(または楊枝)を2本使って、右と左に差して止める。食べるときは、真ん中に包丁を入れ二つ割にすると、ぐるぐる巻きが見た目にも楽しいし、一口で口に放り込めるので食べ易い。
旬の秋刀魚は新鮮な脂が乗っていて、鯛などの高級魚も真っ青! と言う位に美味しい。塩も醤油も使わずに、梅肉の酸味とおぼろ昆布の塩味、紫蘇の香ばしさと秋刀魚の身の旨みが溶け合い、セツコさんが持参した純米吟醸酒と共にいただくと、旨みのハーモニーが口一杯に広がるのだった(フォト右上)。

なめろうは、秋刀魚の身をたたき、刻んだネギと玄米味噌、同じく刻んだ紫蘇とその場で炙った白胡麻を包丁でよく混ぜたもの。ねっとりとした身と味噌・胡麻・ネギの風味が一体となって、これも美味しい(フォト右下、撮り忘れたので手持ちのものを掲載)。

③旬の秋茄子とオクラを出し汁で煮る。予め羅臼昆布と静岡産桜海老で出し汁を作っておいた(冷水30分、煮出しは沸騰直前まで)。茄子はヘタを取り斜めに細かな包丁を実の半分ほど入れ、オクラも同様とする。出し汁8・お酒1・醤油1(茄子が浸た々々となるくらいの量)で煮汁を作り、ナスを入れていったん沸騰させた後落し蓋(アルミフォイルもOK)をし弱火で20分ほど煮る。途中、10分ほどしたらオクラを入れて煮る。食べるときは粉山椒を振ると風味が良い。冷蔵庫保存で3~4日はOK、冷えた煮浸しは一層旨味が増す。
実に味が沁み込んだ茄子はやわらかくて美味しいし、ねっとりとしたオクラも溶けるようで美味しい。今回は実山椒と一緒に煮る予定だったが、八幡屋磯五郎謹製の粉山椒(10/11の項参照)を使った。

④ローストビーフはどうしても身が固くなりがちなので、蒸し焼きとして身の柔らかさを楽しむ料理です。マクロビォテックの信条からすると、お肉や乳製品は極力とらない、というのがコンセプトだが、私は時折上質のお肉(赤身が多く脂身の少ない)を少し食べることにしている。
まず漬け汁を作る。玉ねぎを半分とニンニク一片をすりおろし、ここに酒50cc・醤油50cc・味噌大さじ1・洗双糖小さじ1・胡麻油と一味唐辛子少々加える。この漬け汁と牛肉ももブロック(今回は、黒部和牛4級を使用)をジップパックに入れて2時間ほど冷蔵庫で漬け込む。
パックから取り出して漬け汁をよく取ってから、フライパンでブロック肉の天地・左右・両側面を30秒位づつ焦げ目がつく程度に焼く。それから、ブロックごと蒸し器の中で15分程度蒸し上げる。中身の火通りは、鉄串を差してゆっくり引きあげ、舌でなめて確認する。火が通っていれば串全体が熱いので判る。くれぐれも、蒸し過ぎて身が固くならぬようにご注意。
漬け汁は、半分程度の量になるように煮詰める。
お肉は刺身のように薄く切り、洗ったクレソンと共に煮汁をかけていただく。身の柔らかさがとろける様に口一杯に広がり、クレソンの香味と、ナナミさんが持参した赤ワインを口に含んで食べあわせると、美味しさこの上なし、至福のひとときでしたね。お肉好きのチャエさんは、お替わりして双皿をぺろり!チャーリー持参の山廃仕込純米酒にも、とても良く合いましたね。


さて、最後の一品は、旬の銀杏の実とチリメン雑魚を入れた炊き込みご飯。セツコさんも言っていたように、銀杏の殻を取り甘皮を剥くのは結構な手間だが、これをやらねば美味しい銀杏は食べられません。
き込みご飯は、普通のご飯と同じようにお米を洗い30分ほど水に浸してから、お酒1・醤油1・お水8の割合で炊飯器で炊く。(私は、土鍋釜でご飯を炊いているが、こちらはもっと美味しくなる。)チリメン雑魚は始めから混ぜておく。
ご飯が吹き上がってきたら、銀杏を入れてまた炊き続ける。普通はこれでOKなのだが、今回は銀杏の量が多かったせいか、火のとおりが弱かったので、別途銀杏だけフライパンで炒った。しかし怪我の功名で、焦げ目のついた銀杏は、さらに美味しくなったのだ
付け合せは、茸のコンソメスープ。ねっとりとした銀杏味に合わせて、さっぱりとしたスープを作った。野生種に近いえのき茸と黄色のたもぎ茸(私も初めて食べた)をチキン・コンソメ(クノール製)と塩・胡椒・醤油で汁味を調え、パセリを少々振った。私はこのコンソメスープの素を使って、野菜たっぷりのスープを時折作るが、さらりとした味で美味しいのでお奨めです。
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銀杏ご飯をお替わりして食べる方が続いた後、食べながら呑みながらの会も、ボサノヴァの歌と演奏に集中していった。料理を終えた私も加わって、「コルコバード」を私がイントロを弾き、ナナミさん・チャエさん・セツコさんの順に歌の前半後半を歌い、間にタッキーのソロが入って、最後にに3人が一緒に歌うという具合で、よく知っているボサノヴァ曲を満喫した思いだった。チャーリーの伴奏にも乗りが入り、気持ちのいい歌と演奏が続いた。
夫々、自分のライブで歌い演奏したり、また、発表会でも曲を披露しているが、気合を入れたり構えて表現するのとは違い、好きなボサノヴァを気持ち知った仲間とくつろいで楽しめたことが、とても贅沢で心地よい時間だったように思う。
タッキーが後でメールを送ってくれて、「うす味でさらっと食べやすく、繊細な料理でうれしかったです。」と言ってくれたが、恐らくその原因は食材の新鮮さや調理の仕方もさることながら、使った調味料(天然醸造系)によることが大きいと思う。多少高くても、手間隙かけてしっかりと作られた天然調味料を使うことがお奨めです。以下、今回使った主要な調味料を乗せておきます。
味噌 :玄米味噌(天然醸造米味噌、無農薬・無化学肥料の国内産丸大豆使用、玄米・自然海塩゛
     海の精゛を木樽で一年以上熟成 )オーサワジャパン製
醤油   :茜醤油(国産の丸大豆と小麦、オーストラリア産天日塩を使用した無添加の天然醸造醤
     油、木樽で一年以上長期熟成)オーサワジャパン製
塩       :゛伯方の焼き塩゛(自然の風と太陽熱で蒸発結晶させた天日塩田=メキシコまたはオーストラ
            リ製=を日本の海水で溶かして原料に使用)伯方産業㈱製
みりん :三河みりん(天然醸造本みりん、国内産焼酎・もち米・米麹を使用)角谷文次郎商店製
胡麻油:九鬼太白胡麻油(国産白胡麻を伝統的な低温圧縮方で絞ったもの、天麩羅油で国内最高
      級品として愛用されている)九鬼産業㈱製
香辛料:国産の一味唐辛子・西山粉山椒 八幡屋磯五郎製

2010年10月11日月曜日

母の墓参と、高校音楽クラブの友たち

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長野善光寺裏の高台(花岡平)にある教会墓地に父・母は静かに眠る All Photo by TAKA
母の命日(10月2日)に墓参りということで、小旅行をかねて長野に出かけた。朝早起きして長野新幹線に乗り終点長野まで、約1時間40分の乗車なので、車中で12/5にやるライブ・リハの録音を聞いていたらあっという間だった。

善光寺さん(地元の人は親しみを込めてそう呼ぶが)の北側はすぐに小高い丘があり、後ろの山々に続いている。花岡平という名の台地は雲上殿や墓地が沢山あり、その一角に教会の共同墓地がある。緑の芝生に囲まれた小さな黒御影石だけの墓標だが、静かでひっそりとしていていい。春は廻りに桜が咲き揃ってとても綺麗だし、ちょうど彼岸花が咲いていて(フォト右)赤の線状花が沢山見られた。いずれは私もここに眠っても良いな、と思っている。 

墓参を終えて道路に出ると、路線バスが来たのでそのまま善光寺まで坂を降り、隣接する城山公園に向かうと、園内にある信濃美術館の東山魁夷館で「開館20周年記念展」を開催していたので覗いてみた。この日本画家本人の寄贈により開館した美術館は、約960点の所蔵作品があるというから、なかなか充実したコレクションだと思う。今回はその中から、信州を題材にした作品を集めた「信濃賛歌」がテーマで、本制作やスケッチ、版画作品や取材地の写真など、約80作品を見ることができて興味深かった。
魁夷の作品は、゛湖に写るシンメトリーの緑の森と白馬゛や゛静寂な青い山々の森と白い滝゛などのモチーフがよく知られている。が、この日私の目を引いたのは、゛黒姫山を望む野尻湖と紅葉の森゛を描いた「光昏」(こうこん:光が黄昏ていく様ー魁夷の造語?)という作品だった。暗黒色の水面の上に暗紫色の暮れ行く山があり、錦秋の森が手前に抽象化されたフォルムで鮮やかに描かれている。私の美術展を見るいつもの癖で、この作品が本日TAKA Galleryのお買い上げとなった。

館内から見た東山魁夷館の入口、石と水で構成したモダンな池が珍しい(上)
本制作品「光昏」:本展カタログより(下)







長野に来たときは必ず寄るのが、善光寺門前にある゛八幡屋磯五郎店゛、唐辛子屋さんですね。天文年間創業の270年の歴史がある店で、最近土蔵造りのきれいな建物に変わった。ここの七味や一味・粉山椒などは、風味が良くてとっても辛い。私の料理の友です。今回も一味と粉山椒の小袋を2個づつ買い求めた。

旅の終わりは、高校時代のギター・マンドリンクラブの仲間との一献。駅周辺の居酒屋でKNくん・MRくん・MAくん・私・HOくん(左より)五人の話に花が咲いた。大いに愉快だった。KN・HOくんとは、昨年の春急逝した元クラブ班長のNZくんの墓参りを午後から済ませていた。また、皆で演奏を楽しみたいね、という話も出たが、MRくんはすでに先生についてギターレッスンを開始したとのこと。KNくんは、新たにギターを買ったがそのままとのこと。近い将来、ギターとマンドリンの合同演奏を実現しよう、と盛り上がって散会となった。