2011年8月28日日曜日

真夏の夜のタカバンド・ライブ、add9thは満員御礼でした! (その1)
















今宵のJovial TAKA Bandのメンバーたち、左より北川立也(Ts)・TAKA(Gt/Vo)・桐原利治(Dr)・Aki(Ba)・内田裕之(Pf) Photo by QP.Murayama
日の大雨が嘘のようにやんで、暑さが戻ってきた夜の狛江だった。ライブハウスのアド・ナインスには、多くのお客様(24名)が詰め掛けてくれ、小さなハウスは満席となった。ウッチーと私がギター伴奏して皆さんに歌ってもらい楽しんでいる゛かようかい゛(椿珈琲店で)のメンバーたち(茂子ママ・TA子・HI子・タッキー・MYさん)や学友たち(QP村山・KB・TYくん)、仕事仲間のMHさん・AKちゃん、店常連のNSくんに加えて、ウッチーの奥さん(何時もライブの時は旦那様の演奏を聴きに来られる)・ピアノの先生ご夫婦・学友・他バンドの仲間、それにお店のお客さんたちや立也くんの彼女など...20代から60代まで、老若男女が集まってくれた様はなかなか壮観だった。
5月に荻窪のアルカフェでやった「ジョビアゥ・タカ and 佐藤真規ジョイントライブ」も、おかげ様で満員御礼だったが、私の毎年春・秋のライブには必ずオリジナルの新曲を発表すること、ボサノヴァとそれに加えたワールドポップスの新レパートリーを何曲か入れることを目標にして、ここ3年ほどライブ出演を続けてきた。その際、「ボサノヴァの伝道師」を自認する私は、演奏曲の歌詞和訳を自分で試み、それを綴った小冊子を用意し、来場の皆様に提供してきた。とかく雰囲気だけに捕らわれがちなボサノヴァ・サンバの歌詞内容が解るように、愛や人生を歌った素晴らしい内容の世界であることを紹介するように勤めて来た。歌っている内容が解れば、ボサノヴァの魅力をより感じていただけるものと思い、それはこれからも続けていくつもりだ。
当夜の演奏曲を以下紹介する(プログラムをそのまま載せるので、クリックして拡大し見てください)。アンコール曲は「イパネマの娘」だった。 
今回の選曲には、ポルトガル語のボサノヴァ・サンバ・ショーロの他に、ワールド・ポップスを結構入れたので、フランス語の「男と女」、スペイン語とイタリア語の「ヴォラーレ」、英語の「オール・オブ・ミー」、そしてオリジナルの日本語で結果6ヶ国語で歌うことになった。私の中では、洋の東西を問わず゛美しいメロディと美しい言葉゛の曲であれば、何でも歌っていきたいので何の矛盾もない。
今回のライブに備えて、リハを何度も重ねてきた(私とウッチーとキリさん中心に)が、発表曲に難度の高い曲が多く、2/4と3/4と4/4拍子が混じる「男と女」、サンバ・アレンジでやはり2/4と4/4拍子が混じる「ヴォラーレ」、スロー・サンバ「11時の汽車」など、バンドを組んでの音合わせに苦労した。
しかし、段々に音が合ってきて本番ではとてもうまく演奏できた。Pf のウッチーには、各楽器の構成と進行を統括してもらい、音作りするのに大変お世話になった。Pf のカウンター・メロディとアドリブ演奏はウッチーの独壇場で、流麗なピアノ・サウンドで私の歌をおおいに盛り上げてくれた。キリさんのドラムも、シンプルでいい音を刻んでくれるようになり、ボサノヴァやサンバのドラミングもコツを掴んでくれたので、私のGtと歌もリズムに乗れるようになり、本番ではとても気持ちよく歌えた。二人にはとても感謝している。小気味いいベース音を聞かせてくれた千秋さん、アドリブ演奏も段々滑らかになった立也くんも、若い二人が私の歌を良く盛り上げてくれたと感謝している。
プログラムに載せた歌詞の和訳(上)
もうひとつ、このライブの課題として私は歌とGt伴奏の他に、ソロ演奏を皆さんに披露した。イントロのGt ソロを5曲(Vou Te Contar、Volare、Beside You など)、ソロパートを2曲(カーニヴァルの朝、コーコバード)、アドリブを1曲(Só Danço Samba)、なかなか難しかったが、少しづつソロ演奏が増えて来ている。まだまだ稚拙ではあるが、これからもソロ演奏に挑戦していきたい。
また、大音量のドラム・サックス・ベースが入ったバンド演奏で、ナイロン弦のクラシックギターのナチュラルな音を、如何に適度な音量で客席に届けるかも大きな課題だった。このPA調整には、自身で用意した小型コンデンサー・マイク(DPA4099)とアコースティック・アンプ(AER Compact 60)を使い、ハウス担当の西澤さんにお世話になったが、一応の成果はあった。しかし、まだまだ充分ではないと感じている。これは、これからの課題として残った。
ステージの休憩時間とライブが終わってから、何人かのお客さんとお話が出来た。地域・サービスの仕事仲間のMHさんとAKちゃんは、初めて私のライブに来てびっくりしたようで、「タカさん、こんないいことしてたのねぇ~、楽しかったよ~!」と言ってくれた。「11時の汽車」が大好きな茂子ママは、とても喜んでくれて強い握手をしてくれました。HIさんからは、例の辛口で「笑顔が足りないよ、笑顔、笑顔ね!」と叱咤激励をいただいたが、ステージでは結構緊張していたかも。あまり親父ギャグを飛ばさなかったしね。
ピアニストのMYさんからは、「私、ボサノヴァ大好き。タカさんの歌は飾ってなくて気持ちいいよ」と言っていただけたのはとても嬉しかった。学友で「ザ・タペストリー」のドラム担当のQP村山からは、曲の歌詞和訳とオリジナル曲譜面を載せたプログラムについて、「プログラムをデザインして作るのは手間かかるだろう?」と言われたが、「ファン・サービスのつもりで作ってるし、なんせ゛タカ製本工房゛の手作りだからね、シコシコやって作ったんだ~」と返事した。多めのつもりで20部用意したのだが、お手元に届かなかった方、ごめんなさいです。
ライブ本番の時は結構ハプニングも起こる。メンパー同志で廻す曲の演奏順序を間違えてしまったり、演奏予定のない廻しを振ってこられたり、小さなハプニングはあったが、全体として概ね良好だったのでほっとしている。私自身は、歌をとても気持ちよく歌えたし、Gtのカッティングもスムースだった。ただ、ソロ演奏にはまだ課題が残ると感じている。もうひとつ、とても嬉しかったのは、私のオリジナル曲「ときめきの夜」を来場の皆さんが一緒に歌ってくれたこと。「♪ ほろよいのぉ~♪ ♪ ♪」の部分は一緒に歌えるように曲作りしてあるのだが、追っかけで皆さんが歌っていただいたので、とても盛り上がりました。

私の学友・TYくんは、私のライプ・デビューからの歌と演奏をほとんど聴いてくれているのだが、「楽しい夜だった!」という感想とともに、「やはり、『あなそば』が皆に愛されているんだなぁ。『ときめきの夜』は、聞き込まないと良さが解らない気がする。」とメールをくれた。鋭い指摘だが、その辺りの経緯は、私のブログ(11.3/19 ときめきの夜の項)にも載せているので、興味ある方は覗いてみてください。
ほんとに、皆さん来場ありがとうございました。これからも、新しいオリジナル曲とレパートリーを皆さんに聞いていただけるよう精進していきますので、またライブにいらしてください。
よろしく~です。



2011年8月12日金曜日

アオイの夏、夏子の夏

     □夏の炎天下、赤の色も鮮やかに咲くアオイの花(正式名は不明) Photo by TAKA
猛暑と熱帯夜がまた戻ってきた。仕事柄、日中の移動は電動チャリなので、幅広帽子に日焼け止めの筒袖、7分パンツにメッシュ・スニーカーとニー・ソックスというスタイルで、何とか暑さを乗り切ろうと心がけてはいるが、やはり汗だくで水分補給も欠かせない。盛夏のこの時期は、夏にめっぽう強いムクゲ・百日紅・カンナなどをよく見かけるが、「どうしてそんなに元気なのぉ~!」と思いつつも、なぜかじっくり見る気にはなれない。
夏花の中では、芙蓉・スイフヨウなどのアオイ科フヨウ属の花が私は好きなのだが、時折通りかかる世田谷区砧の住宅街の畑で、今年もきれいな咲き姿に出会った。広い菜園の一角、道路側に数株の花が植えられており、立ち姿からすると全てフヨウ属の花だった。しかし、黄蜀葵(おうしょっき)と呼ばれる「トロロアオイ」とも、紅蜀葵(こうしょっき)とも呼ばれる「モミジアオイ」とも違っていた。色鮮やかな5弁花の形と大きさ(直径20cm位)はトロロアオイに似ているが、花の中心から伸びるシベはモミジアオイの形だ。枝の立ち姿は、根元から何本もびっしりと今年の新しい枝が伸びていて、花は枝先にいくつもの蕾をつけている。フヨウやムクゲとは、花の大きさ・葉の形が違う。多年草とすればモミジアオイに近い。白花と薄紅花と赤花の3色の木株を見ると、今年植えられたと思しき細枝の株もあった。
恐らくこの花は、トロロアオイとモミジアオイの交配種(園芸種)で、数年のうちに株がしっかりと根付き、毎年きれいな花をつける様になったのではないか...と推測しながら、持参していたデジカメで撮影していたら、「キッー」とブレーキをかける自転車の音がして、女性が「きれいな花ですねぇ~!」と話しかけてきた。縁巻きの白い帽子にレース地の白いプルオーバー、黒のサブリナ・パンツに皮サンダルという涼しげな装いのひとだった。「私もカメラを持っているので、撮ろうかなっ」と言って取り出したのはキャノンのデジカメだった。
この花の名前に話題がいった時、私の見解を言うと「ずいぶんとお詳しいのねぇ~」と言いながら、ご自分の好きな花のことを次から次へと話してくれた。小花で香りのいい卯の花のこと、ひまわりでもレモン・イエロー色の「モネのひまわり」と呼ばれる種類があること、朝開花して、午後には閉じ、翌日の午前中に散ってしまう蓮の花のこと...私は専ら聞き役だった。演劇もお好きで、それも最近旅回りの大衆演劇にはまっている事などなど。
炎天下の昼下がり、雲ひとつない強い日差しを浴びていることも忘れて、愛でる花を巡る会話は楽しかった。ふっと、まだ遅い昼ご飯をとらないでいることと、次の訪問先に向かわなければならないことに気づいて、私の名前を彼女に告げると、彼女は自分の名前を教えてくれた。
○○○なつこ、です』
「えぇっ~、ほんとに夏子さんですか? 夏の夏子ですか?
『そうなんですよぉ~。でも暑い夏は嫌いで、寒いくらいの冬の方が好きです。』
あまりの符丁の合い方に、私の胸はドキドキしてしまった。
「では、また~!」と言い合って、再びチャリに乗ってそれぞれの方向に別れたが、ひと時の花の話題で気持ちがリラックスできたせいか、微笑む彼女が唇にひいたルージュの鮮やかなオレンジ色が最後まで目に残った。