2011年6月26日日曜日

ライブ訪問、リハーサル、歌会と歌友と日々は巡る


Jovial TAKA BAND 初回リハは、地元のスタジオBENTENにて。告知用のフォトをパチリ。
音楽の日々が続いている。こんなに毎日楽しくていいのだろうか? もちろん、いいのであ~る!!
望むところなのだ。今週24日(金)は、今回、私のバンド「Jovial TAKA BAND」に共演してくれるベーシスト(Wood Base)の柳原さんが、松井洋さん(Gt)と上村計一郎さん(Dr)とトリオを組んでライブ出演するので、地元ライブハウスadd9thに聴きに出かけた。わがバンドのウッチー(Pf)とキリさん(Dr)も駆けつけて、3人でじっくりと聴かせてもらった。
なにせ、3人ともバリバリのプロなので、それぞれのパートの演奏時間の長いこと。一曲が7~8分、こちらも聞き応えがあった。「サテン・ドール」などジャズのスタンダードナンバーに、松井さんのオリジナル・ジャズ曲を入れながらのプログラムだったが、「Angle」(Or)という曲は、松井さんのギター・カットワークが素晴らしく、フレットを縦横無尽に走り回る指から繰り出される音は、早弾きとゆったり弾きがミックスされた華麗なメロディーで、すっかり感心してしまった。後で話をうかがったら、「Softry」というジャズのスタンダード曲をベースにしているとのこと。呼応する柳原さんの音も切れがよく、ウッドの柔らかく響く低音の音は、心地よかった。
もうひとつ、私が惹きつけられたのは松井さんの演奏姿勢(写真上左)。ウッドボディのフェンダーを右ひざの上に乗せた姿勢は微動だにせず、両手の動きがとても自然だ。『譜面を見ず、フレットを見ず、カウントを取らない』。これは、私の師匠中村善郎の教えどおりだ。一流のプロは、そうして自分の音世界を作り出し、聴く人にパーフォマンスするのだ! 私など、まだまだであることを教えられた。演奏後、松井さんの座っていた持参の椅子(上中)を拝見すると、両足や腰の位置が安定するように設計された特注椅子だった。あれだけのギター早弾きをするには、安定した身体の姿勢と自在な動きが出来る腕のポジションが不可欠と思うが、そのためのツールを用意している、というのもプロならでは。さらに、あまりPA環境の良くないこのライブハウスにしては、゛今日の音はいいな゛と感じたのは、やはり持参のAmp and Speakerのせいだった。Roland製のベースアンプ(上右)、とのこと。これが、自分のEl・ギターに合っているので、使っているのだ、と。いちいち感心してしまった。一流の人は、凄いな、と思った。松井さんは、都内「飯田ジャズスクール」でギターとベースを教えながら、ライブハウス出演を続けておられる方だが、クリアーでパワフル、ひずみのない快適な音を追求して、しっかりとこだわった音作りをしているのだ。自分に出来ることは見習いたいなぁ。
さて、戻って週明けの20日(月)、冒頭の写真に掲げた「Jovial TAKA BAND」の初回リハをした。立也くんは、今回都合で参加できなかった。本番は8/27日(土)、地元add9thでライブを予定している。Quarteto Uchiquita(クァルテート・ウチキータ)でスタートした私のバンドは、ベースの千秋さんが今回参加できないため、ウッチー(Pf)・キリさん(Dr)・TAKA(Vo/Gt)のメンバーに、ベースの柳原さん・Saxの立也くんが加わり、クィンテートの編成で共演する。
前回(昨年12/5)経堂マレットでやったライブ演奏曲の半分ほどを入れ替え、新レパートリーを沢山披露するのだ。その新曲を中心に練習したが、ひと通り曲調などを確認したに留まり、これからイントロ・エンディングを整えてブラッシュ・アップしていく。とくに、今回サンバが何曲かあり、この一体感がまだ出ていないので、これからの課題だ。リハ後、皆でスタジオ近くの飲み屋で軽くビールを一杯、マグロのアボカド合えと燻りガッコの紫蘇巻きがうまかった。
22日(水)は、バンド「ザ・タペストリー」の恒例リハを・梅ヶ丘リンキィ・ディンク・スタジオでやった。同じ高校(長野高校)卒業同期生で集まって作ったバンドで、昨年11月の同期会の折に話がでて、ひょんなことから独楽が出たみたいに組んだバンドだ。言いだしっぺで3つのバンドでドラムを叩いているQP村山(Dr)、今も他の3つのバンドでSaxを吹いているマッキー、このバンドを機にバンジョーを再び弾きだしたヨッシー(後列左から)と、私TAKA(Gt・一応バンマス)、現役ハワイアンドバンド・リーダーで今回ベース担当のAYAさん、やはりこのバンドを機にフルートを再び吹きだしたシロー(前列左から)の6人がメンバー。高校時代に吹奏楽やギタ・マンクラブで活動した経歴を持ち、キャリアの差はあるが、皆再び集まって音楽ができるこ
とに限りない悦びを見出している面々だ。

驚いたことに、このバンドのメンバーは全員が歌う。歌いながら楽器を弾き、ドラムを叩くのだ! 早い話、歌いたがり屋が多いということ(中には楽器で歌うメンバーもいるが)。従って、レパートリーは必然的に歌う人主役の曲が連なる。ジャズありボサノヴァあり、R and B ありカントリーあり、ハワイアンありオリジナルあり...う~む! 何ということだ、この無国籍ぶりは! 始め、このバンドの名前をつけるときに、もじって「国境なき合奏団」と名づけようとしたが、QP村山の「月に行き遅れたかぐや姫とおじさんたち」という名前とともに、皆から即座に却下された。『皆の個性と楽器が縦糸に、色々な国のバラエティに富んだ曲が横糸に、観客のハートも織り込んで、゛まだまだ青春色の゛タペストリーが織りあがります』というのがこのバンドのコンセプトであります。
レパートリーの、All of Me(Jazz)、Cotton Fields(Country)、Pearly Shells(Hawaian)、Unchain My Heart(R and B)、ときめきの夜(Original)、Take the A Train(Jazz)、などの曲もだんだん形になってきた。しかし、1ヶ月に1回のペースなので、前回やった内容(3回しとか、イントロ・エンディングとか)を大体忘れてしまう、というのが大いなる特徴だ。終わった後の飲み会ではすっかり盛り上がって疲れも飛んでしまうのが楽しいね! 11月の同期会で皆に歌と演奏を披露するのを目標に、練習に励んでいるのであります。
先週末の18日(土)には、「うちだバンド」のライブがadd9thであった。ジャズ・ヴォーカルの山崎真由美さんをゲストに、花見さん(Dr)、柳原さん(Ba)、北川くん(Sx)、ウッチー(Pf)という編成で、ジャズのスタンダード・ナンバー中心の歌と演奏だった。ベースの千秋さんに代わって柳原さん、ヴォーカルは初めての共演、一度直前のリハをしたと聞いたが、このライブは何かまとまりがなくバラバラで、盛り上がりに欠けた。歌も、赤坂か六本木辺りのピアノバーで聞くようなB.G.M的な歌い方でハートに響いてこなかった。お客は20人ほど入っていたのでまなあまあだったが、PAバランスも良くなく、歌とピアノが良く聞えてこなかった。謙也マスターにも伝えたが、最後まで不満が残った。後日、ウッチーは、「プロも色々いるから、納得のいくリハをしてから出ないとお客の前には出れないな!」と反省頻りだった。そういう意味では、気の合うレギュラーメンバーの大切さを、肝に銘じるべきなのかも。

21日(火)は、例によって喜多見の「椿」で゛かようかい゛、今回もレギュラー人(ウッチー、サイトウさん、キリさん、ハジメちゃん、タッキー,ひさこさん、オタカさん、マスター)に、かよさんも加わってまたまた賑やか。ギター・トランペット・ELドラムの伴奏に乗せて、皆さんが生オケで歌う。間奏でソロが入り、また歌に戻るのくり返し、とても盛り上がるのだ。今回は、かよさんがたくさん歌ってくれたし、キリさんとひさこ・おたかさんのトリオで、井上陽水メドレーを歌ったのが白眉だった。やれやれ、何時も楽しいかようかいです。
昨日の25日(土)は、昼間レレ友(ウクレレ友だち)のMIさんと久しぶりに新宿で会い、ウクレレや音楽談義をしばし楽しんだ。MIさんは、ウクレレを通して私と知り合った頃はまだ弾き始めたばかりだったが、ウクレレ教室やハワイアン・バンド参加を繰り返しているうちに腕を上げ、今では地元中心のイベントやライブハウス出演で忙しくなっているとのこと。夕刻沖縄料理の店で軽く一杯。ゴーヤ・チャンプルーやアイガモの燻製などをいただきながら、MIさんの好きな焼酎・ストレート・冷水別を飲んだ。これが焼酎の一番旨い飲み方かも。「クジラ」、「やま猫」、「久米仙」など、美味しくいただいた。
 
少々ほろ酔い気分で、成城学園駅の近くにある「F.gohan」に向かう。初めて訪れる店なのだが、仕事途中にこの店の前を良く通りかかるので場所はわかっていた。月に2~3回週末ライブがあり、JazzやBossa Novaのライブが開かれるとのこと。この店のママさんが、以前ボサノヴァ・シンガーだったので、その縁で昼間はレストランだが週末の夜にライブをしているのだ、と知り合いのYAさんの奥さんから聞いていた。YAさんは今難病に掛かっていて、体がとても不自由なので、私がサービス担当で週一度お世話している間柄。YAさんはギタ友の小松久さん(元ビレッヂ・シンガーズのギタリスト)が、この店でライブをするというので、その日奥さんとともに聴きに来るのを楽しみにしていた。
しかし、その夜1ステージの途中から入った店にはYAさんの姿はなかった。
「小松久and His Farmers2/6」のトリオ(右上)は、茂村泰彦、末上恵の二人もギターを弾きかつハモる実力派。小松さんのElギターも素晴らしい音で、まるで「ピーター・ポール・andマリー」の歌と演奏を聞くようで楽しかった。70年代のEAGLESのヒットナンバー「Take It Easy」や「カルフォルニアの青い空」、「カルフォルニア・ドリーム」の懐かしい歌のオンパレード。間に、茂村さんの曲と末上さんのオリジナル曲「あいたい」(高橋真梨子がシングルカット)などが入り、なんと小松さんが「亜麻色の髪の乙女」も披露してくれて、客席は大喜びだった。20人も入れば一杯のお店で、アンコールの声が飛んだお客の反応が嬉しかったのか、「また、次回ここへ来ますのでよろしく!」と小松さんは最後に締めくくった。
ライブの終了後、小松さんと少しお話をした。YAさんについては、小松さんも初めての店だったのでいきなり車椅子での入店も憚られたので、慣れた次回に声をかけるつもりだ、とのこと。ギターが好きで、キャロル・キングの来日公演の折、愛用のギター(ギブソンの331だったか?)にサインしてもらったことをとても嬉しそうに話していたYAさん。次回は小松さんのライブを聴きに来れるといいですね。小松さんが、お店のママ・アオイさんに私を顔つなぎしてくれて、ボサノヴァ談義をしばらくした。7月のライブでママさんもちょっと歌うと言うので、またその日の来店を約し、帰途についた。
たまたまかも知れないが、音楽を通じて、ライブを訪問したり、自分の係わるバンドのリハをしたり、うたかいで集う人たちと交歓したり、歌友と会って話に花が咲いたりが続いた一週間だった。会えば人とのと話しが広がり、また知り合いとなって繫がっていく。とても素敵なことだと思う。ただ、ひとつだけ不満なのは、ゆっくり家で料理して食事やお酒が楽しめないこと。でも、これは贅沢な悩みかも。

2011年6月18日土曜日

朝の花菖蒲田は、色のグラデーションが鮮やか


   □朝の光の中で、咲き揃った花菖蒲、白から青紫~赤紫への色変化が美しい All Photo by TAKA


梅雨の合間を縫って、明治神宮の御苑に出かけた。この時期は開苑が午前8時と早いので、早起きして開苑と同時に入苑したが、花菖蒲ファンや写真家もちらほら。神宮の鬱蒼とした森の木立ちに囲まれた小さな谷地の中にある花菖蒲田は巾15m長さ300m程の規模で、清正の井戸から湧き出る清水が、うねうねと続く棚田を流れ落ちて、最後は
南池に注いでいる。とても雰囲気のある花菖蒲田で、花の管理もいいことから、江戸期以来の花菖蒲を数多く楽しむことが出来る。訪れる6月の時期によって見ることが出来る種類が変わるが、私の好きな花スポットだ。


花菖蒲の色は、やはり青系が主体だが、花弁の形や色・模様によって色々なバリエーションがある。「五節の舞」(写真上左)の珍しい花弁に目が止まった。青色の花弁に濃い青筋が拡がるものと、同じ色の花弁に白い筋があるものを隣り合わせに見た。よく見ると花弁の中心色が違っているし、一卵性の双子みたいだ。ところが、「白糸の滝」(上右)は同じ青色花弁に白い筋なのだが、花芯に向かって白色部分が多くなる゛ぼかし゛模様。花弁の脈筋によって、微妙に姿が変わっていくのも面白い。

この外苑の花菖蒲は、ヨーロッパに渡って品種改良された゛ジャーマン・アイリス゛のように大柄のものは少ない。江戸系・伊勢系・肥後系の約150種が植えられているというが、その中でも白色種は少ない。「鶴の毛衣」(上左)の白い花弁は、少し皺が寄っていたりめくれ上がっていたり、不思議な形をしているが、薄絹衣のような品の良さを漂わせている。かたや、「沖津白波」(上右)は、ぽってりとしな垂れかかるような花弁姿で、大柄な色白美人を思わせるが、他の青紫の花菖蒲に挟まれて一際目立っていた。

赤紫系の花菖蒲は、白や青系の花が多い中では目立ちにくいのだが、「五月晴れ」(左上)は、小さな花芯と扁平の大きな花弁が特徴だ。淡い赤紫の脈筋が花弁の先端に行くほど薄まっていき、丸味とともに柔らかなフォルムを作っている。やや濃い目の赤紫に白い筋が走る「酔美人」(上右)は、花弁が大きく波打っているうえ、花芯も高くて大きいので見映えがする。こんな綺麗なほろ酔い美人に見つめられたらドキッとするかも。
次に、この苑以外では余り見たことがない2種を紹介するが、「小町娘」(上左)は、花芯が赤紫・花弁の元が鬱金色・花弁が白色、なんとも洒落た花色だ。花弁が薄い赤紫のものもあり、こんな配色の妙は希少と思われる。花名を付けた人も、この花の魅力を存分に表現したかと思う。こちらが下町美人とすれば、「深窓佳人」は、貴族かあるいは上流のお嬢様だろうか。面長・薄紫の花芯、花弁の元は鬱金色、細身で柔らかな白い花弁、配色の上品さのみならず、花全体に気品が溢れている。この2種を見るだけでも、この苑に来る価値があるというものだ。
この他にも、この苑に多く栽培されている「奥万里」や「利根川」、「古希」や「磯千鳥」などの種類も咲き揃っていたが、花菖蒲の青の花色グラデーションはとてもこころ休まる色であり、神宮の森から漂う朝の冷気の中で見る花菖蒲は、この季節ならではのビューティフル・スポットであった。
明治神宮御苑のHPは以下のとおり。

2011年6月13日月曜日

キッチンが走る、安曇野編


私の好きなテレビ番組のひとつに、「キッチンが走る」(NHK総合TV金曜夜8時~)がある。大震災の後しばらくお休みしていたのだが、また放映を再開した。毎回見るのをとても楽しみにしている。
番組ホームページによると、次のように分りやすく紹介されているのでコピ貼りする。

「キッチンが走る!」は、全く新しいタイプの食べ物エンタテインメント紀行番組です。キッチンを備えたキッチンワゴンに、俳優・杉浦太陽と腕の立つ気鋭の料理人が乗り込み、関東甲信越の食材を道々でハント。実際に地元の生産者たちと交流する中で得たインスピレーションをモトにオリジナル料理を考案し、絶景のなかで地元の人たちに振舞います。

四季折々の魅力的な食べ物を発見する楽しみ、斬新な発想で新たなメニューを作り出す料理人の技はもちろん、代々食材を作り続けてきた生産者たちの思いや人情、知られざる美しい風景もたっぷり紹介!家族で楽しめる実用・旅・情報番組です。


今回(6/10日放映)は、ナビゲーター杉浦太陽と鉄板フレンチの山下九が、北アルプスの雪解け水が美しい信州安曇野を訪ねる旅だった。例によって、キッチンワゴンに乗り込み、地元の食材を求めて走るのだが、まず新玉ねぎの畑にお邪魔する。
湧き水をホースで玉ねぎ畑に撒いている農家で、ご夫婦から新玉ねぎを生のまま味見をさせてもらうと甘味があってとても美味しい。そこで、地元の食べ方を教えてもらおうと、このお宅の台所で
゙玉ねぎの蒸し味噌和え゛を食べさせていただく。なんと、瑞瑞しくて甘くてビックリ! 「水が美味しいんだよ!」と聞いて納得。
早速食材として別けてもらうことにする。
次に寄ったのが、アルプスの雪解け水を集めて流れる犀川の清流。投網で漁をする男性たちに声をかけると、「赤腹(アカハラ)」だと教えてくれる。この時期に産卵する゛ウグイ゛の別名とか。この地方の伝統漁「つけば漁」は、投網や簗場で獲ったウグイを、炭火焼にして味噌田楽をつけて食べるもの、川原に設けられた屋根付きの桟敷でお客に供される。
早速ご馳走になった二人は、「水がきれいだから、内臓もきれいで全部食べられるよ!」とこれも納得。料理の食材にもゲットする。



この野趣溢れる「つけば漁」は、私が生まれ育った長野市の郊外を流れる千曲川でも盛んで、ウグイだけでなく鮎も食べた記憶がある。川原を渡ってくる涼風はとても爽やかで、真赤におきた炭火で焼かれて、串に差されたウグイや鮎が焼きあがっていく様に心躍らせたものだ。塩焼きや味噌田楽、醤油付け焼きにして、もちろん、頭からガブリと喰らい付き、内臓も丸ごと食べてしまう。身の焼ける香ばしさが鼻腔を刺激し、アカハラの婚姻色が何時までも目に残るのだ。
北アルプスの梓川などの支流を集めて、犀川は長野市郊外の川中島・古戦場付近で千曲川と合流するが、澄んで青味がかった川水の色は独特で、夏でも水温が低い。泳いだり、釣りやヤス突きで川遊びをした子供の頃をふと思い出す。
次に二人が訪れたのは、安曇野名産のわさび畑。豊富な湧き水をひいたわさび畑を、この辺りではあちこちに見ることが出来る。観光客が大型バスでやってくる巨大わさび田もあるのだ。ご夫婦で営むわさび畑で、わさびの収穫を二人で手伝う。安曇野のわさびは、根がしっかりとして大きいのが特色。きれいな湧き水で育つせいか、辛味も抜群。
こちらのお宅で、地元で一番美味いというわさびの食べ方を教えてもらうと、それがなんと「わさび丼」だった。温かいご飯のうえに鰹節をたっぷり乗せ、鮫皮ですりおろしたわさびをこれもたっぷり乗せ、醤油をかけまわしてかぶりつくのだ。太陽君、旨い旨いと言って、あっという間に食べてしまった。
さて、最後の食材は、高台の畑に自然放牧されて育つ「安曇野放牧豚」。豊富な運動量と有機飼料のおかげで、肉身も脂身も柔らかく甘味があるとのこと。
早速、ブロックからスライスした放牧豚のお肉を焼いて食べさせていただく。ジュウジュウと肉汁が滴るお肉は、肉身も脂身もとろけるように美味しい。これも、ブロック毎別けてもらい、メニューに加えることに。

さて、これからが、佳境に入っていく。フレンチ料理を鉄板で作る料理人山下九の腕の見せ所だ。太陽くんも魚をさばいたり、シェフの下ごしらえを手伝ったりなかなかやるのだ。ガスと調理台、調味料と鍋・釜・調理機材を積み込んだキッチンカーは力強~い味方。レシピを工夫しながらの験し味が続く。


生産者が丹精込めて作った食材を使い、地元の料理とは違った切り口で創作料理を作り、それを食べていただく。もちろん、ベースにはその料理人の技と得意分野があるのだけれども、彼らの思いをしっかりと受け止めながら、アドリブで料理を作る。それを食べた皆さんの笑顔がこぼれた時、このコミュニケーシは成就するのだ。




北アルプスの美しい山並みと棚引く白い雲、眼前に水田が広がる。そして絶景の中、振る舞い会が始まる。
それでは、本日のメニュー4品を紹介する。

<新たまねぎの純白スープ>スライスした玉ねぎに塩を加えて蒸し煮し、ミキサーにかけてから生クリームと一緒に鍋で温めたスープ。オリーブオイルを垂らしていただく。爽やかな甘味が拡がる。
<うぐいと新たまねぎ 初夏の出会い>ウグイを3枚におろし、身と内臓はオリーブオイルでソテーする。頭と骨は低温の油で揚げる。たまねぎの葉をオリーブオイルとニンニクでソテーして下に敷き、ドレッシング(たまねぎの葉⃻塩・酢・オリーブオイルをミキサーにかけて作る)をかけていただく。ウグイも、オシャレなフレンチに変身! 特製ドレッシングも美味しそう。
<放牧豚のフレンチ風鉄板焼き>豚バラ肉ブロックに塩・胡椒して一晩寝かしたものを鍋に入れ、水とサラダ油で3時間ほど煮る。ニンニク、小松菜は炒めておき、ソース(バター・ニンニク・たまねぎ・酢・蜂蜜)を作ってお皿に添える。ばら肉を切り分け、片側だけ焼いて盛り付ける。コリアンダーを香り付けに添える。肉は柔らかくて旨そう!
<わさびのクレープ>クレープの生地は、そば粉に焦がしバター・塩・卵・砂糖・牛乳・おろしわさびを入れて作る。わさびの葉は砂糖で揉み、おろしわさびと蜂蜜でソースを作る。生クリームを泡立て、焼いたクレープに盛り付ける。わさびの辛味と甘味が混ざった爽やかな味が、季節に合いそう。
ふだん食べたことのない新鮮な味と調理に、参加者の皆さんから驚きの声が上がる。自分の愛情を注いで育てた食材が、見事な一品に仕上がって登場する様は、何時見ても感動する。料理人のおもてなしの心意気が、生産された方の思いとハーモニーする瞬間だ。














ここに掲載した画像は、自宅のTV(シャープ・AQUASのデジタル・ハイビジョン)の放映画面をデジカメで撮影したものだ。テストの意味もあって写してみたが、思いのほか画像は高画質であった。ただし、データを圧縮する段階で、TV画面のスクリーン線(モアレ)が出たものもあった。

この番組と料理レシピに興味ある方は、HPを覗いてみてください。
http://www.nhk.or.jp/kitchen-wagon/index.html

2011年6月5日日曜日

お気に入りの和小物とボサノヴァ・コンパーニアの布バッグ

夏の用意で入手した扇子(上)とお線香2種、使用中のカメラケース(左) All Photo by TAKA
久し振りに銀座の鳩居堂に寄った。銀座は、7丁目にあった会社の事務所で10年程仕事をしていたので、街並みや色々なお店とは親しい。銀座はまことに賑やかな街で、1~9丁目の街路に、デパートやブランドショップ、書店や楽器屋、食い物やと飲み屋、画廊やギャラリーなどがひしめいている。昼休みや帰りがけにお店に寄るのが楽しくて、ほんとに便利だった。
21世紀に変わる頃から、外国高級ブランド・ショップやファストファッションのお店に表通りをやたらと占領されてしまったが、今も老舗店は頑張っている所が多い。
丁度、何時も使っているお線香が切れたので売り場で買い求めたが、ひとつは白檀(サンダル・ウッド)、もうひとつは沈香だ(大阪・玉初堂謹製)。私はこれらのお線香を二つ折りにして1本受け皿に立て、デスクワークや音楽を聴く時に使っている。白檀の清浄で典雅な香りはとても好きで、オード・トワレもサンダルウッドをメインにしたものを愛用している。また、沈香のさわやかさとまろやかな甘味が混じった香りもいい。トイレタイムの時には毎日使用しているが、半折で丁度7分くらいなのでタイマー代わり、リラックスして用が足せるので一石二鳥というわけだ。おかげで(?)、日に2~3度お通じがあり、体の新陳代謝にはとても役立っている。トイレタイムを夢々軽んずることなかれ、である。
 日本橋の人形町には、自社製造の扇子を売っている専門店があって、そこでよく扇子を買った。大体、ひと夏に2本新調するのだが、涼しくなる頃まで持っていたためしがない。何処やらへ置き忘れてきてしまうのだ。従って、高いものは買わない。2,000円前後の普及品を選ぶ。最近は人形町方面に行くこともめったになくなったので、鳩居堂で扇子を新調した。これが1本バッグにあると、汗を抑えるのにはとても役立つ。写真では柄が見えにくいが、黒地に、川の波紋とあゆが2匹、パール色に光る銀色で描かれている。とても涼しげだ。失くさないように使おうっと。
左のデジカメケースは、和装小物店で前に手に入れた゛お香入れ゛だ。本来は、携帯用のお線香と受け皿を入れるもの、紫縮緬の生地に牡丹やコスモスの花が染め入れされている。丁度カメラを入れるのに頃合なので愛用しているのだ。この袋からカメラを取り出すと、皆さん、不思議な顔をするけれどもね。

 
 
 

















Bossa Nova COMPANHIA゛の文字がプリントされた黒い布バッグ(写真上)は、祖師ヶ谷大蔵駅前の「ファッション・リフォーム なかむら」で仕立て直してもらったものだ。仕事途中に私はよくこの店の前を通りかかるのだが、先日初めてこの店に寄り、女主人に相談したところ、裏地とテープを売っている近所の生地屋さん「かばくん」を紹介され、そこで赤い椿が描かれたカラフルな裏地を入手したのだった。
実はこのバッグは、元々マチのないフラットなもので、生地も薄く取っ手も長くやや使いにくいので使わずにいた。でも今まで使っていた布バッグが経たってきたので、そろそろ新調しようと思っていたところだった。
このバッグは、ブラジル・リオデジャネイロ(土地の人は゛ヒオ~゛というそうな)のコパカバーナの海岸通にある実際のお店で売っている物で、このロゴが入った色々なボサノヴァ・グッズを揃えているとのこと。今年の3月に横浜で開かれたボサノヴァ会の折、新婚旅行でブラジルに行っていたTOMIさんが買ってきたものを出演者プレゼントで当てたのだ! 抽選に当たるなど私にはめったにないことなので、仕立て直して使おうと思い、裏地を補強し底マチを付け取っ手も付け替えたら、見違えるようなバッグに変身した。ちょいとオシャレな布バッグですよぉ~! A4ファイルがすっぽり入るので、楽譜を持っていくにもちょうどいいかも。当面、このバッグを使うことになりそうだ。

2011年6月3日金曜日

ブロードウェイ・ミュージカル、『スウィニー・トッド』を見て

公演パンフレットをそのまま掲載

ほんとに久し振りにミュージカルを見た。青山劇場で公演中の『スウィニー・トッド』、いやぁ~、面白かったですね。あいだの20分休憩を挟んで3時間、あっという間だった。途中、お腹が減ったり、お尻が痛くなったけれどもね。
私は若かりし頃(20~30代)、ニューヨークに3回滞在したことがあって(もちろん仕事がらみだったけれども)、夜は毎晩、ビレッジ・ゲートのライブハウスでJAZZを聴くか、ブロードウェイでミュージカルを見るかがとても楽しみだった。あの頃見た作品、『コーラス・ライン』や『The Wiz』、『La Cage Aux Folles』や『オペラ座の怪人』などを今も懐かしく思い出す。でも、『スウィニー・トッド』は見てなかった。なんか、のどをカミソリで切り裂く床屋の復讐劇、というのを敬遠したのかもしれない。
今回、゛かようかい゛の音友STさんが、タービン判事の片腕小役人・ビードル役で出演しているので、盟友ウッチーと奥さんと私の3人で見に出かけた。生オケの演奏に合わせて歌い演技するミュージカルのチケット代は、ご承知のように高額だ(NYでは、50~60ドルくらいだったように記憶しているが)。私の席は、2階の一番上で8,000円(S席は12,600円)、大枚をはたいた気分だったが、中劇場くらいの青山劇場ではオペラグラスも不用で、音楽も歌も充分楽しめた。
公演中にも゛かようかい゛に顔を見せて、歌とトラッンペット吹きを楽しんでいたSTさんの話しでは、宮本亜門の演出がなかなか良くて、各キャストが無線の超小型マイク(TV出演のアナウンサーやゲストが使っているタイプ)を使い、歌と台詞とオーケストラの音量と音質をPAバランスで客席に流しているとのこと。確かに、オペラのような朗々とした生声に較べて、ナチュラルな声と音で聴きやすかった。
パイ屋の女主人役・大竹しのぶが秀逸、゛天才゛といわれるのも頷ける。台詞から歌に入っていく流れが全くスムース(この事はSTさんもべた誉めだったが)、声がクリアで一声一声がとても良く聞えるので、話の展開がよくわかり時折はさむユーモアで客席を沸かせる。
主役の理髪師スウィニー・トッド役の市村正親は、さすがにミュージカルの第一線で活躍してきただけあって、歌も演技も見ごたえがあった。
ちょっと残念だったのは、トッドの娘ジョアンナ役のソニン、歌がよく聞えなくて精彩を欠いた。逆に上手すぎて、返ってマイクからはみ出てしまった感があったのは、女乞食役のキムラ緑子。
我らがSTさんも良かった。ずんぐり体型とひょうきんな個性が光っていたし、歌と台詞もマイクの特性を生かしていたので、とても良く聞えた。彼の話では、大声でシャウトしなくてもいいし、自然に発声できるのでやりやすい、といっていたが。
トッドの復讐劇は、自分を無実の罪に陥れた悪徳判事タービン(安崎求)を始め、小役人ビートル、いんちき理髪師ピレッリ、女乞食と、次々にカミソリでのどを掻っ切って殺してしまうのだが、不吉な予言を繰り返した女乞食が、実は自殺したと伝えられていた自分の妻だとわかり、絶望して自らの命を絶つところで終わる。この結末に対しては、やはり酷すぎるという劇評もあるが、殺人劇の合間にユーモアたっぷりのシーンがいくつか挟まれていて、ストーリーの巧みさと、宮本亜門演出の良さが出ていた。大竹しのぶ(パイ屋女主人)とトッド(市村正親)とが、焼きあがった色々なパイを食味しながら掛け合うシーンはとても楽しく、客席を大いに沸かせてくれた。
東京・青山劇場公演の後地方公演に出て、最後は横浜に戻ってくる予定とのこと。興味ある方は、以下HPをご覧のうえ、お出かけになってみてはいかがですか。