2012年7月30日月曜日

真夏の昼下がり、青山にボサノヴァは流れる...



店内と入り口にグリーンが溢れる゛風花゛の会場、特設ステージで歌と演奏が続いた。
All Photo by TAKA
夏の炎天が続き、都内の昼間の気温は35℃に達する日曜日の昼下がり、青山のレストラン゛風花゛にボサノヴァ愛好者が集まり、今年5月に急逝したH氏を偲ぶ会を開いた。H氏と親交のあった顔なじみのメンバーが集い、弟さんも列席して、彼の思い出を語りながら歌と演奏を披露し合った。
会場となった゛風花゛は、入り口も店内もグリーンが溢れる不思議な空間で、都会の中のオアシスを感じさせる店だ。集まった20数人のメンバーたちは、ビールやワイン、梅酒やノン・アルコール飲料など、好きな飲み物を飲みながら、お店特製の鶏肉料理とサラダ、チーズやパスタもいただきながらの歌と演奏が夕刻まで続いた。
小型アンプとスピーカー、マイク3本持込の特設ステージでは、各自がギター伴奏による歌、Gt 弾き語りとフルートの共演、Gt ソロ、などの持ち歌を披露し合い、生前の彼の思い出を語りながらの会は、、皆に愛されたH氏を思い起こす しんみりとした雰囲気に満たされていた。

発表会やライブハウスでの出演と違い、彼に捧げると共に皆で楽しもうという会なので、出席者の皆さんはとてもリラックスしていたなぁ、と私は感じた。




全員のライブ内容を紹介することは出来ないが、個人的には、HGさんのフランス語バージョンで歌った「ジンジ」、しっとりと歌い上げたYSさんの「プリマベーラ」、最後にTDさんがGt ソロした「あなたのせいで」が心に残った。
私はタッキーとコラボして、「O Amor em Paz」
(Once I Loved)を゛武ジョビンとシマトラ゛で1曲、それと、トモさんとコラボして「Summer Samba」(ポル語と英語バージョン)の2曲を、彼に捧げた。楽しいコラボだった。

会場の一角には、過日のライブハウス出演時のH氏の写真が掲げられ、好きだったビールが献杯されていた。前のめりでGt を弾く彼の姿には、何事にも積極的で人生を楽しんでいた在りし日の彼と重なる姿があった。トモさんは、彼を評して゛妖精のような゛人だったと語ったが、人と積極的に係わり、多くの人たちの゛つなぎ役゛をしていた彼にふさわしいタイトルだと思う。もしかしたら、あちら側の世界でも、今日はボサノヴァ練習日、明日はポル語レッスン、明後日はライブ出演...と、忙しい日々を送っているかもしれないな、と思うのは私だけではないかもしれない。゛妖精のように゛軽やかにね。
彼の冥福を祈ります。


<後日掲載> 
ボサノヴァ会やライブ出演でも、人の写真は結構撮るのだが、自分のショットは頼んで撮ってもらわないとめったにお目にかかれない。
今回は、たまたまKWさんの携帯で撮った写真を送ってもらったので、ここに乗せることができた。KWさん、ありがとう!

TAKAとヨナゴンの珍しいツーショット。二人の゛Hatman゛です。




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フランシス・アルバート・シマトラ と アントニオ・カルロス・武ジョビン のツーショットです。私はシマシャツを着て ゛シマトラ゛、わっかるかなぁ?(右)







トモさんとは久し振りのコラボ、ツインギターの予定だったのが、会場のスペースの都合でマイクだけで歌わせてもらった。(左)

2012年7月12日木曜日

7月のボサノヴァナイト 中止のお知らせ


Bossa Nova Night in Greco
 ライブ参加 & セッションの夕べ 
今後しばらくは、この4人のメンバーでボサノヴァを演奏することはなくなった。
7月27日(金)に開催予定していた、ミュージック・スペース グレコでの「ボサノヴァ・ナイト」は、お店の事情により中止となりました。
4月・5月に来場いただいたボサノヴァ・ファンの方たち、そして、これからの来場を楽しみにしていたお客様たちには、まことに残念ではありますが、当面再開の予定がありませんので、謹んでお詫び申し上げます。
ホスト役:TAKA

2012年7月7日土曜日

神宮外苑の花菖蒲



白から紫へのグラデーションも鮮やかな菖蒲田と、花菖蒲の咲き終わりを積んで手入れするスタッフの方たち、
神宮外苑花菖蒲田にて All Photo by TAKA
梅雨の晴れ間を見て、今年も明治神宮外苑の花菖蒲を見に出かけた(6/19日)。この時期は朝八時に開園するので、例によって早起きし開園と同時に園に入った。花菖蒲の開花期は、大体梅雨の真っ只中で、咲き揃うベスト・タイミングは六月中旬が目当て、今年は気候のせいかやや遅い開花のような気がする。花菖蒲の名所としてよく知られているこの園には、花鑑賞や撮影目的の入園者がちらほら、棚田を囲む遊歩道も整備されているので、ゆっくりと観賞できる。
毎年このブログにも写真を載せているが、この園のいい所は、江戸系・肥後系・伊勢系約150種の花菖蒲がすべて古来の日本種であることと、清正の井戸からゆったりと流れ落ちる棚田に植えられた花株の手入れがとても行き届いていることだ。花を眺めていると、管理担当のスタッフの方たちが、棚田の水の中を歩きながら、咲き終った花枝を積んで何時もきれいな状態で花が見られるように手入れを怠らないのに出会う。
そして、棚田の廻りに設営された遊歩道の前列付近では、毎年新種の入れ替えがあり、昨年見た花と違う種類の花菖蒲を観賞できる。多くは、ハイブリッド種(交配種・雑種)と思われるが、それらを見るのもまた楽しみのひとつだ。


白から薄紫への花色グラデーションが美しい「万里響(ばんりひびき)」(上)と、この園でも人気の原種・「奥万里」(右)


花菖蒲の花形は、大別すると゛三英(三弁)咲き゛、゛六英(六弁)咲き゛、゛八重咲き゛となるが、「万里響」は、三英で花色が白もあり薄紫もあり、また中間色もあるという珍しい種類だ。
花芯部のウコン色は共通だが、外側の大きな花弁(外花被片)が筋入りの白で、内側の小さな直立花弁(内花被片)が筋入りの薄紫のものから、外花被片が薄紫、内花被片が濃い紫のものまで、微妙に変わる色のグラデーションが、一株の中で楽しめるのはとても珍しい。
この花は、「奥万里」のハイブリッド種と思われるが、交配によって思いがけない新種が誕生するのも、育てる側の面白さだと思う。





















花の模様が゛砂子系(細かい砂をまいたような)゛の「都の巽(たつみ)」(写真左)と「鎌田錦」(写真右)では、「都の巽」は外が六弁・中心が三弁で、花芯のウコン色が強い。花弁の赤紫から白紫までの色変化が大で、白と紫が砂子模様で入り混じった花と一緒に咲いていると、北斎や若沖の浮世絵を見ているような、構図の妙を感じさせてくれる。
方や、「鎌田錦」は、典型的な三弁花だが、青紫の無地に近い色から白色が勝ち目の砂子模様まで、色変化の面白さを見せてくれる。一株の中で様々な色や模様の変化を楽しめるのも、交配園芸種の珍しさなのかもしれない。


平咲き・六弁花の「五月晴」(写真左)は絞り柄、白の外弁が中心に向かって淡い赤紫色にぼかされていく。五月の空のようにとても爽やかな色合いが素敵だ。白・淡い赤紫・ウコンの色コントラストもいい。












垂れ咲き・三弁花の「若紫」は、無地の濃い赤紫色。細身の茎の上にすっきりと立って咲く様は、若衆のような凛々しさが持ち味だ。花弁中心のウコン色もメリハリがあり、今様゛イケメンの゛風情がある。


入園料(拝観料)は500円だが、良く手入れされ管理の行き届いた花菖蒲を沢山見ることが出来るので、負担は感じない。観光地鎌倉では、広くもない寺社の庭を見るだけでもその都度何百円を支払う腹立たしさを考えれば、妥当なところだと思う。
今年も、美しい花菖蒲を見ることが出来た喜びを覚えながら、朝の園を後にした。