2013年10月23日水曜日

やわらかな花色が楽しめた今年の秋バラ



サーモンピンクがかった明るい花色のシルバ(仏・HT)、開き始めた蕾がきれいだった。
神代植物園にて。 All Phot by TAKA
台風26号が通過した後、週末の関東地方は大雨が降った。ちょうど秋バラのベスト・シーズンなのに、この雨では大分バラの花が傷んでしまうな、と心配していたが、週始めの午後に神代植物園を訪れてみると、雲間から陽射しもさしていいお天気となった。自宅から植物園までは、自転車で野川の遊歩道(サイクリング・ロード)をゆっくりと走り、植物園前の急坂だけはチャリを引き上げて約20分で園に辿り着く。最近、公営の施設を訪れると、65歳以上は半額(500→250円)なので、なんかちょっと得をした気がする。これも、年配者は大いに外出して施設を利用してください、というありがたい配慮と思ってせっせと出かけようと思っている。

















「シルバ」と同系色ながら、やや花色が濃い「マジョレット」(仏・HT)、開いた花の形がやわらかだった(左)。かたや「天女」(日・HT)の花びらは、外に捲くれ込むバラ特有の形。ややベージュがかったピンク色がやさしげだった(右)。
秋バラは夏バラに較べると花数は半減するが、暑い夏から涼しい秋に移る気温のせいか、花色は鮮やかになる。バラ園を見渡してみると、花数が少なく感じた。酷暑の夏を経て花木に元気がないのか、また台風がいくつも日本列島を通過したので、激しい雨や風で痛めつけられたのか?
ゆっくりと園内を散策してみると、何時もは沢山の花をつけている「サムライ」も「プリンセス・ド・モナコ」も、花や蕾の数が少なかった。赤や黄色・ピンクなど、原色系の花が少なく、従来あまり見られなかった゛柔らかい花色゛のバラをいくつか見ることが出来てよかった。





















私の好きな「マチルダ」(仏・Fl)。蕾から花びらが開き、そして開ききるまで、花色は徐々に変わっていくが、形も色も共に失わないのが素敵だ。移ろいやすい花の美しさの中で、咲いてすぐ朽ちてしまうバラ花が多いのだが、「サムライ」や「マチルダ」の様に、美しさを失わないパラ花に出会うと、とても心が華やぐ。少し色が褪めたような全開の花(上)と5分咲きの花(下・左)、そして澄んで艶やかな蕾の花色(下・右)、移り行く花色が楽しめて良かった。



「バニラ・パフューム」(米・HT)という珍しい名前のバラの香りをかいで見ると、確かにバニラのにおいがした。ベージュが勝ったサーモン・ピンク色、とてもやわらかな花色だった。

今回お弁当と保温ボトルを持参したが、久し振りに稲荷ずしを作った。煮染めた油揚げに、炒り胡麻と刻み生姜を入れた酢飯(玄米黒酢で味付け)を押し入れて作り、おかずは、「芋・タコ・南京」の煮しめとキュウリ・トマト。ティーパックのお茶を飲みながらいただいたが、とても美味しかった。
最近は出かけるにしても、飲み物やサンドイッチなど持参が多い。時間や飲食店探しを気にせずに食べられるし、ベンチや持参のマットで、場所を選ばずに食べられるのがいい。
絵の題材を探したいと、カメラ持参でご一緒した絵友のHIさんも、サイクリングと秋バラを楽しまれたようだった。
帰りは、ほとんど緩やかかな下り坂。陽射しは少なかったが、暑くもなく寒くもなく、快適なバラ見日和だった。
 「芋・タコ・南京」は、出し汁でタコを10分ほど煮て柔らかくしてから、酒・醤油・みりんと砂糖少々で煮付けると美味しく出来上がる。お芋とカボチャは、串で煮上がりを確かめるといい。煮あがったら火を止めてしばらく冷ましながら煮汁を含ませると、味がしっかり染みる。







最近の料理で美味しかったのは、「マグロとサーモンの漬け、アボカド・わさび乗せ」。沸騰したお湯にマグロとサーモンの切り身を順次入れ、30秒位(表面がシモフリになる程度)で引き揚げ、氷入りの冷水で冷ます。
漬け汁は、出し汁に酒・醤油・みりんを入れて作り、冷ましておく。
漬け汁を入れた容器やパックなどに、湯がいた切り身を入れて1~2時間冷蔵庫で寝かす。
アボカドは、実をスプーンで取り出し細かく刻み、ここにわさび入れてよく混ぜる。渋みの少ない赤ワインと共に、刺身に切ったマグロとサーモンの上に、アボカド・わさびを乗せていただくと、なかなかの美味でありますよ。

2013年10月19日土曜日

「ミネソタのタマゴ売り」と、「いそしぎ」



OBさん宅での音楽会、左よりNOさんのGt伴奏で『天城越え』を歌うのは、ジャス・シンガーのリカさん、ウッチー(Gt)、大介(シンガー・ソング・ライター)、KDさん、チャーリー、OBさん。ホームパーティは夜更けまで続いた。
All Photo by TAKA
狛江駅前の広いマンションにお住まいのOBさんのお宅で音楽会が開かれたので、今回も寄らせていただいた。不定期開催ではあるが、ホストはもちろんOBさん、音友ウッチーが呼びかけ人で、その夜も集まった8人で、賑やかな会となった。食べ物・飲み物は基本的にホストが用意してくれるのだが、そこは飲み助達なので、各自も酒やつまみを持ち寄ることにしている。
OBさんのリビングには、アップライト・ピアノがあり、ご自慢のオーディオ・システム(JBLの大型スピーカーやLPレコードを聞けるプレイヤーなど)が据え付けられていて、この音を聞くだけでもとても迫力がある。好きなミュージシャンのレコードやライブ動画を皆で見たり、ギター・ベース・ピアノで曲をセッションしたり、時にはスタジオとしてリハーサルをさせていただいたり、時折お世話になっている。二重のしっかりした防音工事が施されているので、音が漏れる心配がないのも助かる。
その夜、OBさん(薬剤師がお仕事)の友人のKDさん(お医者さん)は、友人のギタリスト(クラリネットも吹くそうな)のNOさんと一緒に来られ、私が着いた時(夕刻6時半頃)には、すでに飲み始めて盛り上がっていた。概ねメンバーが揃った時、KDさんが持ってきたLP名盤を聞こう、ということで、ナベサダの1954年録音のジャズ・ライブを皆で聴いてみた。2枚組みでやや長かったが、迫力ある演奏だった。部屋は一瞬、ジャズ喫茶の雰囲気となり、腕組みしたり、目をつむったり、皆真剣に聞いてしまった。私は、あまりに力一杯の演奏なので、途中でやや疲れてしまったけれど、往年の熱演は懐かしくもあった。
名盤を聴いた後、雰囲気を変えようということで、ウッチーが「タカちゃん、ボサノヴァをやろう」と水を向けてきた。私の歌とGt、ウッチーのGtソロで、「コルコヴァード」と「アントニコ」、そしてリカさんのピアノも加わって、「黒いオルフェ」を披露した。チャーリーはこの夜、ベース持参でなかったので、加われなかった。最近の私は楽譜がなくても、歌い演奏できる曲が増えたので、その場にGtがあれば、すぐセッションに入れる(この夜は一応持参したが)。コテコテのジャズから、しっとりしたボサノヴァに変わって、皆さんも雰囲気がほぐれたようだった。
さあ、それからが大変!! 昔ギター流しをやっていたという触れ込みの(ほんとかいな?)NOさんが、持参のギターと歌本(赤本という歌謡曲全集)をひろげて伴奏し、大介は歌うは、リカさんは歌うは、ウッチーも私も歌い、昭和歌謡大会(戦前の昭和初期も加わって)となって、異様に盛り上がってしまった。ほとんどが、子供の頃(小・中学生)聞いたことがあり、青春の頃のように自分で歌ったわけではないのに、何故か覚えている、という歌だ。「船頭小唄」、「ゴンドラの歌」、「影をしたいて」、「旅の夜風」など々。発達盛りの若い脳細胞は、こんな歌を聞いただけでも、しっかりと結晶記憶として60半ばの年齢でも覚えているものだ。それに反し、疲労も蓄積しむしろ縮んでいく危険性のある現在の脳細胞では、さっき聞いたことでもすぐ忘れてしまう。ヤレヤレだが、NOさんの流しギターのおかげで、色々な歌を思い出した。中でも、皆が1番喜んだのが「ミネソタのタマゴ売り」(暁てる子唄)。
 ♪  コッコッコッコー コケッコー! コッコッコッコー コケッコー!
      わたしはミネソタの タマゴ売り  
   町中で一番の人気者 つやつや産みたて 買わないか 
  タマゴに黄味と白味がなけりゃ お代はいらない コッコッコッコー コケッコー! ♪
いやぁ~、皆さん覚えているもんですねぇ!! ほんとに感心しました。「なぜミネソタなの?  タマゴの特産地だったの?」とか、「元歌があるんじゃない?」などと疑問が噴出したが、誰も詳細を知らなかった。しかし、コテコテのジャズから静かなボサノヴァへ、そして最後は珍しい昭和歌謡へと、めちゃくちゃ落差のある歌会だったが、居残って飲み続けるKDさん・NOさんに挨拶して、11時頃退散させていただいた。
さて、毎月第3金曜日は、経堂の音楽酒場ピックで、ジャズ・ボサノヴァナイトが開かれる。オープンマイクで1人、あるいは1ユニット(バンド)3曲で2廻しのスタイルで開かれている音楽会だ。この店で私自身の係わるバンドのライブも時折やらせていただいているので、差しさわりのない限り毎月寄るようにしている。この夜も、常連のNZさん(ギタリスト)が、若くてきれいな女性ボサノヴァ歌手・KRさんと一緒に来ていたし、地元のバンド「やっちゃんず」 のリーダー・YD(ベーシスト)さんもメンバーと共に来たので、結構賑やかな会となった。やっちゃんずは、ヴォーカルの歌でしっとりとした「Loving You」や、Tsのナンバーでテンポのいい「Wave」などをご披露。Drはいないけれど、YDさんのしっかりとしたリズムで曲をまとめていた(上)。

来週、大塚のライブハウスで一緒にボサノヴァ・ライブをやる予定のお2人は、選曲とリハを兼ねての出演だったと言っていたが、初めてコンビを組んだ割には、歌とGtがよくマッチしていて、聴いていても気持ちが良かった。よく知られている「ドラリス」や、「愛の語らい」も、KRさんの伸びやかな声とNZさんの巧みなGt演奏がハーモニーしていた。終わった後、「NZさん、何時になくまじめにやってたねー!」と言うと、「最初の内だけで、そのうちすぐにくだけてしまいますよ。」と笑っていたが、そりぁ、綺麗で若い女性歌手とのコンビでは、力の入り方が全然違うでしょうよ!(下)


私はといえば、「イパネマの娘」と「君に話そう(Wave)をポル語と日本語詞でGt弾き語りしたり、「キャラバン」を弾き語りしたりしたが、お借りした店置きのOvation・エレアコ(ネックがやや長い)が段々と指になじんで、後半はいい音を出すことが出来た。
ひと通り、持ち歌披露が終わった後、何か皆でやろうよとYDさんが声を掛けてきたので、私が持参したセッション用の楽譜(1曲につき3~4枚)の中から、「いそしぎーThe Shadow of Your Smile」と「All of Me」をセッションした。まず、私が歌い、次がGtソロ(NZさん)ーPfソローTsソローBaソロ(YDさん)、最後にまた私が歌って終わるという順番で。これがとても楽しかった。初めてお会いした方たちとも、ひとつの曲を一緒に歌い・演奏して楽しむことが出来るのはセッションの面白さ。真剣勝負のようなソロライブやバンドライブともまた違った、気楽でくつろげる表現の楽しさがある。
夜も更けてきたので、居残るやっちゃんずの方たちに挨拶し、マスターと吉田さんに「来月もまた~!」と伝えて、帰途についた。

2013年10月10日木曜日

勝沼のぶどうの丘で、ワインの試飲三昧!


ぶどうの丘のホテルから見渡せるブドウ畑は、なだらかなカーブを描きながら、丘陵地帯の山裾から下の市内まで、果てしなく続いている。実りの秋を感じさせてくれる絶景!。
All Photo by TAKA
健康おたくのYKさんに誘われて、勝沼のぶとうの丘に出かけてみた。聞けば、いくつかのシャトーやワイナリーを巡って、ご当地生産のワインを試飲できるというし、ぶどう園で熟したぶどうも食べられるというし、こんな話が来たらもちろん二つ返事でOK、万難排しても出かけるべし!ということになった。
当日は、台風の影響で雨と風が心配されていた。しかし、進路が日本海方向に反れたため、変わりやすい天気ではあったが、なかなかの゛ぶどう狩り日和゛となった。一日仕事を休んで、前日の午後から出かけたが、前もって届けておけば地域サービスの仕事も休むことが出来るし、交代で別の担当に任せられるので助かる。逆の場合もあって、その時は私が交代で担当することもある。まあお互い持ちつ持たれつなので、安心して休みが取れるのは嬉しいことだ。
お昼に都内を車で出発し、調布から首都高に乗って中央自動車道を一路勝沼まで。インターを降りて、小高い丘の上にある市営のホテルを目指していくと、一時間半ほどで目的地に着いた。平日なので渋滞も全くなく、ほんとに近いと感じた。「これなら、自宅から都心の銀座に行くのと大して変わらないね!」と頷きあったものだ。
このホテルには、本格的なレストランもあり、また「天空の湯」という名前の温泉が併設されている。早速、汗を流そう(大してかかなかったが?!)ということで、温泉につかってみた。
肌にじわっとしみてくるような、滑らかな単純泉は、身体がポカポカと温まってきて、とても気持ちよかった。3階の露天風呂から眺められる甲府盆地のパノラマは、なかなか見事。丘の上からの景色を眺めながら、ゆったりとお湯に浸かった。

ホテルの部屋は、最近内装を入れ替えたようで、清潔で広く快適だった。夕食のレストランを予約しておき、それまで時間があるので、地下のワインカーブでワインの試飲をしてみた。これが、どうしてどうして、最高だった。ワイナリーで、ワインを試飲したことは何度かあるが、このワインカーブには、甲府市推奨の約180銘柄のワインが集められており、望むのならば、全部試飲できる!!ただし、実際飲めれば、の話しだが。
地下入り口で、試飲用の容器・タートヴァン(1,100円也・金属製)を購入し、地下の樽テーブルの上にあるボトルから(栓は開けられている)自由に注いで飲めるのだ。ひと棚ごとに、ワインが並べられていて、気に入ればそのワインを買っていける。白・赤・ロゼ、甘口から辛口まで、フルボディからライトボディまで、頃合価格から高価なものまで、集められたワインと試飲ボトルの風景は圧巻だった。

私は、ワインと料理の相性を探求した日々を思い起こしながら(2012/9/26、「ピタ'グラスの定理と南仏ワイン」の項参照)、約20種類ほどのワインを飲んでみたが、これですっかりいい気持ちになってしまった。中でも、甲州シュールリーの白と、メルローの赤は、香りもよく美味しくて、杯を重ねてしまった。なんか、これだけでも、全部元を取ってしまった気分になって、楽しかった。

気楽な気持ちで、レストランに浴衣姿で入ってみると、受付のギャルソンに「浴衣はご遠慮を」と促され、部屋で着替えて再度入店、「天空の湯」に入って食事だけする人も多いようで、レストランは結構混んでいた。甲府市の夜景が見渡せる、見晴らしのいい席に座ってゆっくりと食事をした。ハウスワインの白と赤を飲みながら、本日の魚料理(さわらの炭火焼)ー私、とサーロインステーキーYKさん、パンと一緒にを食べたが、焼き方も味付けもなかなか美味しくて、満足・満腹の夕食だった。
翌朝はまた、天空の湯に浸かってから、ヴァイキングスタイルの朝食をとり、お土産のワインを買って、早めにホテルを出た。
天気予報では、甲府地区は変わりやすい天気で一雨もあるとの予想。ただし、大雨はなさそうなので、大月から山中湖を周って帰ろうということになった。
その前に、ぶどうが棚になっている風景をみてみようと、坂道の途中で駐車場に車を入れ、ぶどう畑の中を散策した。



 丘の天辺にあるホテルと周りのぶどう畑、坂道の車道と、畑の作業をする枝道が縦横にめぐらされ、なかなか珍しい風景だった(上)。

小型トラクターが通りそうな細道が延々と続いていた。収穫作業も結構大変そう(下)。
































恐らく、貴腐ワインを作ると思われるぶどう棚、熟してからも枝に残して水分を飛ばし、しわしわになってから収穫する。コクと甘味が強いワインが出来る(左)。
小さな朝顔の花がたくさん咲いていた。寒暖の差が大きいのだろう、色がとても鮮やかだった(右)。

勝沼インターから中央高速に入り、大月から138号線で山中湖を目指す。霧を含んだ厚い雲が山々を覆っているので、富士山も雲の中だった。山中湖に着くと、突然の強い風と雨が吹き付け、湖は高波で荒れていた。湖周辺を回って、ちょっと珈琲タイムにしようということで、途中で見つけたPaper Moonというお店に入ったみた。このお店が当り!アンティークとカフェを一緒にした雰囲気のいいお店だった。
 
温かい珈琲とアプリコット・チーズケーキを頼んでみたが、これがとても美味しかった。ケーキは大きいので、1人分を頼んで半分づつ食べたが、これで充分。ゆったりとした珈琲タイムだった。時折、日常を離れた空間で、ゆっくり時間を過ごすのもいいな、と感じた。

店内のインテリアも、アンティークを貴重にしたアンバー・カラーで、ドライフラワーがあちこちに飾られているのも、落ち着く雰囲気だった。



























山中湖から御殿場に抜ける道は、まだ強い雨が降っていたのだが、東名に入りトンネルを抜けると、青空が広がる好天気。まことに変わりやすイ天気の中を、山々を巡って帰ってきた。でも昼過ぎには都内に戻ってこられた。ワインの試飲が存分に楽しめた素敵旅だった。


お土産にしたワイン2本:
メルローとべりーAを熟成させた、「ルバイヤート・ルージュ」の赤(左)。滑らかなタンニンでやわらかな飲み口(左)。
甲州をシュールリー醸造法で作った「勝沼シュールリー」の白。澱を取り除き、すっきりとした飲み口の辛口ワイン、私の好みの味です(右)。
Photo by YK














興味のある方は、下ののHP閲覧をどうぞ。
http://budounooka.com/hpgen/HPB/entries/1.html

2013年10月6日日曜日

日野正平とチャリオの、『こころ旅』



最近、ちょっと気になるTV番組があって、時々覗いている。NHKのBSプレミアムで放映中の『日本縦断・こころ旅』だ。朝版は火・水・木・金の7:45~8:00(再放送もあり)、週末版が土(11:00~11:59)・日(11:30~12:29)で、拡大完結版再放送だ。普段はなかなか見られないので、もっぱら週末版をチェックして見ている。

 










ホームページより拝借したタイトルとイラスト。
フォトも同じくHPより。アドレスは、
http://www.nhk.or.jp/kokorotabi/index.html





旅人は、俳優日野正平。1949年生まれの団塊世代、個性派俳優として、NHK大河ドラマ「国盗り物語」の秀吉役や、民放の「新・必殺仕置き人」の軽妙な殺し屋役で御馴染みだ。『チャリオ』は、彼の相棒の自転車の名前、これに乗って、日本全国をチャリオとスタッフと共に周るのだ。旅の案内役は、視聴者から投稿されたお手紙。誰もが持っている「忘れられない心の風景」を求めて、目的地を探し当て、その場所でお手紙を読む、というスタイルだ。
『旅の行き先を決めるのは、視聴者のみなさまからお手紙やホームページに投稿していただいた「こころの風景」のエピソードです。「人生を変えた忘れられない場所」「ずっと残したい、ふるさとの風景」「誰かにそっと教えたい、こころの絶景」などなど。』(ホームページより)

 









第1回は京都から始まって、北陸・青森・北海道を周り、途中電車やバスに自転車ごと乗って(輪行)、時には飛行機で九州に移動し、福岡・長崎・佐賀・鹿児島を周って山陰へ。今年の秋は、北海道・東北を巡って関東地区を回る予定。2年半の間に行ったり来たりもあるが、まさに日本縦断を目ざす旅をしている。
番組を見ていて面白いのは、自転車目線だ。色々工夫してカメラの位置を自転車のペダルの高さに設定したり、旅人の後からあるいは前から撮ったり、時には一団となって連なる自転車部隊を遠景で撮ったり、自転車を置いて歩く姿をゆっくり撮ったり...とにかく、車で高速移動する風景とはまったく違った゛足で稼いだ景色゛がとても新鮮なのだ。『スローライフの景色』、とでも言おうか...
 チャリオに乗りながら、時折ギャグを飛ばしたり、歌を口ずさんだり、きつい坂道でぼやいたり、冷たい雨に打たれて泣きを入れたり...旅人日野正平の自然体がとてもいい。
そして、目的地について、投稿者の思い出の地で手紙を読むショットが素敵だ。一文字残さず読みながら、その人にとっての忘れえぬ風景の在り様が、見る人に伝わってくる。多くは、高齢のため、あるいは健康を害して、あるいは処々の事情で、今はその地を訪れることが叶わぬ人の思いが詰った手紙なのだ。




第254回目の「青森県中泊町・ITさんの心の風景」は、子供の頃板のような岩から飛び込んで遊んだという海の飛び込み台の思い出、不思議な形の岩だった。(上)

第256回は、「青森県鯵ヶ沢町のONさんの心の風景」、津軽藩発祥の地という種里城址には、杉古木に守られた藩創始者の墓が祭られていた。不思議なパワースポットだった。








その土地々々の食を楽しみながら、地元の人たちと触れ合いながら、自転車旅を続けていく。旅人の体力と相談しながらの旅だが、2年半もよく続いているものだ。最近は、視聴者にもよく知られるようになって、チャリオと共に声を掛けられることが多くなっているようだ。NHKの長寿番組・「鶴瓶の家族に乾杯」のように、番組の知名度も高くなっている気がする。こころの風景を求めて、訪れる思い出の景色がこれからも楽しみだ。