2013年9月21日土曜日

初秋の多摩川で遊ぶ:その③Full Moon の翌朝




 19日の夜は、仲秋の名月が見られた。晴れた夜空に、まん丸のお月さま。カメラの撮影モードが良かったのか、珍しくもきれいなFull Moonを撮影できた。 All Photo by TAKA

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前の晩に満月を見ることができたので気をよくして、翌朝は早起きして、陽の上る前に多摩川に出かけてみた。今週の火曜日に夕日をみた場所(五本松公園付近)に行って見ると、丁度満月が二つの川面にかかっていた。少しづつ明るさが増す朝の薄明のなかで、やわらかな満月の光がきれいだった。

RKさんからメールがあり、新聞のニュースに「幻月」のことが載っているのを知った(20日の夜のこと)。私自身も、ネットのニュース画像(47ニュース)で、北海道の気象台が「幻月」を観測し、とても珍しいこの画像を公開しているのを見た。前回のブログで「幻日」を紹介したとき、「幻月」についても触れようかと思ったのだが、手元に画像がないので、あえて載せず仕舞いだった。大気中の雲に含まれる氷の結晶が、太陽や月と同じ高度に位置すると、光学的現象として「幻日」も「幻月」も現れる。しかし、自身で「幻日」を見て撮影することが出来、しかも同じ日に「幻月」の現象が現れ、ニュースの画像で見ることが出来るなんて、ほんとに盆と正月が一緒に来たようなものだ。これも、空がきれいで雲が高い゛初秋゛のなせる業なのだろう。ほんとにミラクルだった。

ネットで見つけたアラスカで観測された「幻月」の画像、月の暈がきれいに輝いている。
(Emerging Media Responseより)
 やがて日の出が始まり、辺りが明るくなってくると、あちらこちらから人が湧くように舗道に集ってきた。
走る人・歩く人、サイクリングする人・犬の散歩をする人、早朝の5時から7時位の間は、朝食前・出勤前などの貴重なリラックスタイムなのだろう。それぞれのリズムでこの時間を過ごしている姿が好ましかった。

多摩川原橋から東方を望む朝の日の出。多摩川の水量はまだ落ち着かずに、普段より増水しているままだ。(上)

朝もやの中、舗道を行き交人々、老若男女。素早い人もゆっくりな人も人それぞれ(中:五本松公園から東方向)

反対側も見れば、このとおり。段々日差しが強くなってきた。(下:西方向)



























この朝は、多摩川原橋の上流を探ってみようと思い、橋を越えてしばらくチャリで走ってみると、格好のざら瀬があった。かなり長いざら瀬ではあるが、堰堤のコンクリートが草に覆われていて、やや足場が悪かった。気をつけながら川岸に下りてみると、水量は多いものの、大分落ち着いてきていた。早速竿に毛鉤をつないで川面に流してみると、すぐ当たりがあり、12cmほどのヤマベが掛かってきた。
 釣り位置を変えながら釣りを続けると、その後もポツポツと釣れ続け、1時間ほどの間、この川の魚達に遊んでもらった。

ヤマベのメスの体色は銀色(上)、オスはパールマークの青色(中)、毛鉤を追う様は素早い。゛ビクンッ゛という、かなり強い当りがあるので、釣味はなかなか楽しいのだ。

毛鉤を追って来ても、必ずしも口にくわえるわけではない。つり落としたものも多かったが、釣れた小魚は持参した小さな魚篭に入れておいた。撮影した後、例によってすべて放流した。(下)



























7時を廻ったので、そろそろ引き揚げようと思い、釣り道具をしまって長靴をスニーカーに履き替えて、チャリでゆっくりと帰途に着いた。堤の舗道はまだ行き交う人の姿が多かった。
途中の道路わきに、素敵な花壇があって、紫の千日紅とヒガンバナがきれいに咲いていた(下2点)。脇には白ヒガンバナも植えられていて、秋のお彼岸近くの時期に咲くこの花をしばし眺めた。
さて、家に着いたら髭を剃って顔を洗い、朝食としようか。






2013年9月19日木曜日

初秋の多摩川で遊ぶ:その②Sunset River






多摩川五本松公園付近から見た夕陽、沈み始めから約15分、飽かずにずっと眺めていた。
(上から、沈み入り/ 半分没/ 沈み終わり)All Photo by TAKA

日本各地に、大雨・洪水・突風・竜巻の被害をもたらした台風一過の翌日、昨日のことが嘘の様な爽快な秋晴れのとなった。午後から自転車で、多摩川のサイクリング道路をゆっくりと走った。多摩川べりの水神(地名)まで、自宅からチャリで五分、川面を渡ってくる風は爽やかで、事の他気持ちがいい。チャリを止めて、刈り込まれた堤防の草地に座ると、遮るものが何もない360度のパノラマだ。台風が、空の塵・芥をすべて流してしまった様な、澄んだ青い空と巻雲の白い雲が素晴らしかった。毛状雲と「鉤状雲」(雲の端が鉤のように曲がっていて、コンマの形になっていたり、雲の一方の端が房状になった巻雲をいいますー『空の名前』高橋健司著より)も出ていて、いよいよ秋だな、と実感した。昨日の大雨で、流石に川の水量は大幅に増して、ニヶ領の堰堤からはゴウゴウと音を立てて川水が落下していた。

ご一緒したRKさんの気付いた声でふと見上げると、太陽と同じ高さに浮かぶ白雲が、プリズムのように色鮮やかに輝いていた。小さな虹のような、でもブリッヂにはなっていない小さな輝き。その輝きは、時間の経過とともに約7分ほどで薄れて消えてしまった。
後で例によって『空の名前』で調べてみたら、「幻日(げんじつ)」だと解かった。太陽と同じ高度の周囲に現れる巻層雲の「暈(かさ)」のことで、光の輪や弧の形を描き、太陽から近い方が赤色、遠い方が紫とのこと。ほんとに珍しいものを見ることができて、なんだかすごく得をした気分だった。
鉤状雲と幻日と青い空のミラクルショット。



 夕方近くなってくると、涼風を求めてジョギングする人、しっかりランニングする人、広い草地で犬を遊ばせる人、夫婦で話しながらゆっくりと歩く人...急に人が増えてきた。まだまだ暑い日中を避けて、涼しくなったこの時間帯は、格好の散歩と運動のタイミングなのだろう。しばらくチャリで舗道をゆっくり走った後、日没を見ようと五本松公園近くの堤防の草地に座って夕日を眺めた。丁度、増水した本流の流れと、手前の別の流れ込みのふたつの川面に、夕陽が反射して輝いていた。ここでも、「三つの夕陽」を同時に見ることができた。こんなスーパーショットは、私自身も初めて!!
上に載せた3枚のフォトは、川向こうの山並みに沈み行く夕陽を撮ったものだが、白い巻層雲と真っ青な空、二つの川面に映る夕陽が素晴らしくきれいだった。

車での移動に慣れていると、駐車場の場所やや交通規制などのために、限られた場所でしか景色を眺めることが出来ない。自転車に乗ったり歩いたりでは、思いのままの場所で景色を眺めたり、持参したお茶を飲んだりやお弁当を広げたりもできる。若い頃や子育て時代と違って、時間だけはたっぷりある。゛ユックリズム゛もなかなかいいものだ、と感じる今日この頃であります。


 4年と5ヶ月の間ほぼ毎日乗っている私の電動チャリは、日々の足。これで、世田谷・狛江・調布・府中の街々を走り回るのだ。
横はRKさんのママチャリ。

かすんだ雲がなければ、富士山がくっきりと見えるのだが、この日の夕方は、うっすらとシルエットが見えただけ。雲のないときに見られる富士山の姿が楽しみだ。













2013年9月15日日曜日

初秋の多摩川で遊ぶ・その①with Small Fishes



二ヶ領上河原堰堤から上流を臨む多摩川の景色、初秋の午後の陽射しが眩しい。丁度、『天使の梯子』(雲の切れ間から差し込む、幾筋もの神々しい光)が見られた。両岸の堤には、サイクリングとランニング用の舗道が整備され、行きかう人も多い。
All Photo by TAKA and RK
狛江市に移り住んでから、はや10年となる。まことに月日の過ぎるのは早くて、あっという間のような気がする。花木の緑が多く、空気がきれいなこの町を私は気に入っているのだが、今では、地元のじい様・ばあ様、障害のある方や難病の方をケアする゛地元サービス゛を続けながら、地元のミュージシャンや音楽仲間と近所のライブハウスで遊んでもらい、電動チャリで近辺の花名所や自然スポットを訪れる日々。買い物も、お気に入りの食品スーパーオオゼキやホームセンターのユニディなどでほとんど間に合ってしまう。都心のファッション・ショップや都心のライブハウスに行くことも稀になってしまった。それでいて、何の不自由も感じていない。

堰堤の広い川面に初秋の風が吹き渡り、とても気持ちが良い。堰堤上の電線には、スズメの大群が三段に並んでいた。♪電線に、スズメが三羽並んでる~♪(電線音頭)を思い出してしまった(笑)。
対岸の川崎市と此岸の狛江市の間を流れる多摩川は、ウォーキング舗道が広く整備されているで、朝夕犬との散歩を楽しむ人や、しっかりと走リ込む人や、サイクリングする人などが行き交い、なかなか賑やかだ。春の桜の時期には、数キロに渡る桜並木の花を楽しむ人が訪れ、河川敷のサッカー場や野球場で、ゲームを楽しむ人も多い。毎年開催される「調布市花火大会」では、この河川敷にある多摩川緑地公園などが会場となり、何万人という観客が花火を楽しむのだが、丁度自宅の部屋(3階)からこの花火がよく見えるので、ビールを飲みながら観賞させてもらった。まことにきれいな眺めだった。
時折、この舗道を自転車でゆっくり走りながら、川の眺めを楽しむことはあったが、この川で遊ぶことは思いつかなかった。ところが、昨年の秋、長野市郊外を流れる裾花川で釣りをしたことがきっかけで(2012/9/30「故郷の川で、魚に遊んで~」を参照のこと)、長い間封印してきた『釣りーフィッシュング』を、そろそろ解禁して楽しんでもいいかな、と思うようになった。
この話を始めると長くなるのでまた別の機会に譲るとして、この夏7月初めに食友のRKさんと多摩川上流にドライブした時、河原を吹き渡ってくる涼風の中でいただいたサンドイッチがとても美味しくて、とても楽しかった。朝早起きして、珈琲を入れてポットに詰め、スライス・チーズとクレソン、野菜の白和えとハムの簡単なサンドイッチを作って持参したのだが、戸外でのハイキング気分は、とても爽快だった。
 その折に、多摩川のざら瀬(淵から流れ出す水深の低い浅瀬)に持参したグラス竿と毛鉤を使って浮きを流してみたところ、すぐに当りがあって、2匹のオイカワ(ヤマベ)が釣れた。「ふーむ、結構いるもんだ!」と思いつつ、この川で気楽な釣りを楽しむのもいいかな、と感じた。

その後、9月初めの好天の午後、少し長めの距離をサイクリングしてみようと思い、近くの水神を基点に多摩川原橋を渡り、対岸の矢野口から二子橋までをぐるりと廻ってみた。猛暑が収まって、初秋の涼しい風が吹き渡りとても気持ちが良かった。丁度ざら瀬が続くポイントを見つけ、用意していた竿を出し毛鉤をセットし、流れに乗せてみた。ビクンッと当りがあり、婚姻色に染まったオイカワのオスが掛かってきた。

上流域のポイントで竿を出している私。この日はまた夏日がぶり返し、暑さのためが魚は遊んでくれなかった。(上)
中流域のポイント、ざら瀬が続く好ポイントだった。(下)

曇り勝ちの平日の夕方、風も強くなく、他に釣り人は誰もいない。色々な好条件が重なったのかもしれないが、1時間ほど竿を出した間に、20匹ほどの魚が針にかかり、この川の魚影の濃さを体感した。
離れたところで見物していた若い男性が、近くによって来て、「よくつれますねぇ~」と声を掛けてきた。ルアーやフライなどの釣りをやっているのだが、なかなか釣れないとのこと。しばらくの間、釣り談義をしながらの釣りとなった。


小さなウェストポーチにすべて収まってしまう仕掛け。毛鉤(セットやスペァー)は、子供でも使えるような簡単なものだが、昨今の釣具店では、あまり置いていないかもしれない。(上)

上は3,9mのつなぎ竿(グラスファイバー製)、下は5,4mのつなぎ竿(〃)、軽くて丈夫なので、長時間竿を振っていても疲れが少ないのがよい。(下)




その日釣れた魚はすべて川に放流した。カメラも持参していなかったので、写真を載せられないが、ネットで見つけた画像を載せておきます。婚姻色に染まって輝くオイカワの魚体は、素晴らしくきれいだったことを付け加えておきます。



 □オイカワのオス(上)とウグイ(下)、ともに「趣味はフライフィッシング」より。

最近の私は、高校時代の友人達とバンドを組んで遊んだり、子供の日々や30代に熱中した釣りを再び始めたり、随分と昔帰りしている気がする。夜の盛り場を彷徨することもなく、都心のライブハウスで盛り上がることもなく、もっぱら地元で気楽に楽しんでいる気がする。
そういえば、『あまちゃん』(連続TVドラマ)でも、♪ 地元へ 帰ろう、 地元へ 帰ろう ~♪ なんて歌っていたなぁ...



二子橋方向から見た秋の夕日、遠く二ヶ領上河原堰堤が望める。空が高かった。

2013年9月1日日曜日

夏の終わりに、その②港の朝めし



  夏の終わりとも思えぬ強い日差しと南風に波立つ城ヶ島の海岸、手前右の奇岩は馬の背洞門
All Photo by TAKA

八月も終わりの土曜日に、海が見たくなって三浦半島まで出かけた。例によって早起きし、六時前には車で都内を出発、横浜新道・横浜横須賀道路を経て衣笠で降り、一路三崎港を目指した。平日の朝早くなので渋滞もなく七時半頃には港に着いた。この日は台風の影響で南風と日差しが強く、猛暑がぶり返して日中の気温は35℃の予報が出されていたが、快適なドライブだった。
お目当ては、地方卸売市場の食堂での朝めし。魚屋さんや飲食店が仕入れに来る魚介類の卸売市場の一角に食堂があって、競りや買い付けの仕事を終えた方たちが食事を取る場所だ。市場直送の食材で作られたこの朝めしを食べたくて、朝から何も食べずに一直線にこの食堂に来たのだった。



食堂で食べたのは、「三崎恵み丼定食」。漬けマグロと湘南シラスがご飯の上に乗ったどんぶりに、アカモク(海草のたたき)と自然薯すりおろしやアロカーナの卵が付き、ワカメの味噌汁・キュウリのお新香・キャベツのサラダもついている、新鮮なネタを使った充実の朝めしだった!(1,280円なり)
市場めしの通例を予想して、ご飯を少な目(八割ほど)に頼んだが、それども満腹・満足の朝食だった。






食堂の中に掲げられた黒いボードに手書きで書かれたメニューを見ると、ざっと30ほどの定食と一品料理があり、黒ムツの煮つけ定食やら、焼き秋刀魚定食やら、地魚刺身4点盛り定食やら...もう何を食べようかほんとに迷ってしまうメニューなので困ったが、今回は「三崎恵み丼定食」にした。マグロや魚のイラスト入りのメニューボードはなかなかグッドデザインで、他にも20枚ほどの魚イラスト・ボードが店内に飾られていて、これを見るだけでも一興だ。
食事を終えると8時近かったので、店のマスターにお願いしてゆっくりお茶を飲みながら、朝の連ドラ「あまちゃん」を見た。入れ替わり立ち代りお客が来る中、快くOKしてくれたのに気をよくして,すっかりくつろいでしまった。遠洋マグロ漁の基地でもあるこの港は、大型冷蔵倉庫が何棟もあり、ちらっと覗けた建物内部では、冷凍された大きなマグロの身が、鉄のフックに引っ掛けられて次々と運ばれていた。


湾内の海は穏やか、埠頭で釣りをする人たちの姿もちらほら。
ドライブ好きの食い友RKさんから、城ヶ島へ廻ってみようと提案がでて、静かな街並みを通り島に続く大きな橋を渡って半島最南端の島についた。駐車場に車を置いて草木に囲まれた遊歩道を500メートル位歩いていくと、太平洋の海が広がっていた。岩盤や奇岩が広がる海辺へは、階段をかなり下りねばならないのだが、途中にも見晴らしのいい箇所があり、青い海と晴れ渡った空、白い波飛沫を浴びる岩が臨めて絶景だった。

 ふと、下の海岸を見ると、何やら奇態人たちが、色々なポーズをとって動いていた。よく見ると、撮影をしている御仁もいる。中国か韓国の舞踏家もしくは武闘家のようなコスチュームだ。紫・赤・緑・黄色など、色鮮やかな衣装だったが、あれは最近流行りのネットゲームのCM撮影でもしていたのだろうか?
何はともあれ、不思議で異様な光景だった。








城ヶ島を後にして、海を見ながら帰ろうということになり、葉山・逗子へと134号線をドライブした。強い日差しの中、海の色がきれいだった。逗子の近くに昔からデニーズの店があり、最近は珈琲店に鞍替えしているのが話題となり、ちょっと寄ってのお茶タイムとなった。「渚橋珈琲店」からは、逗子湾が一望でき、まだ開いている海の家や浜辺のパラソルの下で過ごす人、またサーフィンや水遊びをする人たちが店内のテーブルから見えた。穏やかな海だった。
ただし、店内の内装や椅子もデニーズスタイルのまま、メニュー表や品揃えも何故か゛デニーズ・スタイル゛。同じ会社の別ディビィジョンの運営かな? という感じだった。


渚橋珈琲店からの逗子湾の眺め、夏も終わりです。

CDを聞きながらの快適なドライブで、お昼前には都内に戻ってしまった。思いがけずの猛暑日だったが、夏の終わりの海を眺められたのはとても楽しかった。市場の朝めしをまた食べたいね! と思ったが、最後まであの不思議な軍団の正体は解からずじまいだった。