2014年12月31日水曜日

2014年、今年も暮れて...




多摩川の清流と丹沢の山並みの向うに朝日を浴びる富士山の雄姿、快晴で空気の澄んだ
この時期には冠雪した朝の景色が美しい。 Photo by TAKA


『月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也』(奥の細道序文)、今年も早暮れようとしている。

今年も色々なことがあったが、おかげさまで概ね健康で日々を過ごすことが出来ている。このブログも、今回

が今年で最後となる。「日々、楽しさを見出して暮らしていこう。自分の好きな世界を深めていこう!」をモットー

に、このブログを書き続けてもう約7年が過ぎた。私のコードネームは Jovialtaka(ジョビアゥ・タカ、ポルトガル

語で:楽しい、快活な、陽気な、気さくな、のいいとこだらけの意味の形容詞)だが、このブログも、その名詞:

Jovialdade(ジョビアウダージ)をタイトルに使わせてもらっている。ジャンルはさほど多くはないが、興味

ある世界を探って今年も日々を過ごすことができたように思う。


その中でも、音楽の占めるウェイトは大きく、ジョビアゥタカ・バンドとタペストリー(高校同期生バンド)の

ライブ、毎週のどようかい(地元音楽好きの歌会)や音楽酒場ピックでのセッション、また音友たちのライブや

歌会など、色々と楽しませてもらった。近場への小旅行や温泉巡りにも時折出かけ、また好きな花たちを

季節の折々に訪ねて、そのきれいな咲きっ振りや自然の景観を楽しむことも出来た。もちろん、食いしん坊の

料理好きである私にとっては、日々の食べる楽しみ、季節の食材を調理する楽しみは大きく、このブログ

にも幾つか載せている。また、好きなフィギュア・スケートについて、競技結果に触れて私見を述べること

もあったし、興味を引く絵画展を訪れたり、近くの多摩川や奥多摩で釣りを楽しんだり...そんな日々を

過ごしていると誠に月日の経つのは早いものだ。


そんな中で、今年の大きなトピックスはというと、驚異的なパーフォマンスだった「シルク・ド・ソレイユ」

東京公演(4月)、ご近所の畑での美味しい「ブル―ベリー摘み」(8月)、赤い月を堪能した「ブラッド・ムーン」

の観察とオリジナル・ソングの完成(11月)、もう一つ付け加えて、「ボサノヴァうたい」というタイトルのモデル

になって油彩画を描いてもらったこと、などが挙げられるかな。それらは、自身で撮影したデジカメの画像と

DVDレコーダーやデジカメで撮影した動画とともに、このブログに載せることができたし、またYouTube 

のMy動画にアップ・ロードした動画も併せて、皆さんに楽しんでいただくことができたと思う。

それもこれも、すべてノー天気な私に付き合っていただける友達あってのことで、気にかけていただいた

皆様にはとても感謝している。とは言え、日頃元気な私も身体の使い過ぎから右肩に帯状疱疹が出たり

(5月)、仕事とギターの弾き過ぎから左手指関節の痛みが出たりしているが、これも「やり過ぎはいけません

よ!」という警告と受け止めて、飲みすぎと併せて自分の体を労わることをこれからも心がけねばならないと

思っているのであります。


今年、このブログを見て楽しんでいただいた皆様にも、来る年が良いお年になることを願い、また来年も

よろしくお願いいたします。

2014年12月20日土曜日

『ブラッド・ムーン』 と 『ルナ・ロッサ(赤い月)』



私(ジョビアゥ・タカ 作詞/作曲)の新曲『ブラッド・ムーン』について、YouTubeで公開した動画を見てのコメント

を、少なからずいただいたので感謝している。コメントを無理にお願いしても失礼と思い、案内メールはBCC

にてお送りしたが、幾人かの方に興味を持っていただけて嬉しかった。「今まで聴いたオリジナル曲の中で、

一番かな ! 出だしがいいワ。」(大学時代の親友)とか、「間奏部分のスキャットがいい感じ。創作意欲に感服 ! 」

(高校時代の音友)とか、好意的なものもあれば、「声が若々しく、曲の感じにマッチしています。さすがに

コード進行の腕が冴えています。後半になるに従って乗ってきてますね...」(ライブに来場された方)のよう

に、じっくり聴いての専門的なコメントまでいただいた。でも中には、コメントは頂かなかったけれど、

YouTubeの動画評価でダウンマークを残された方もおられた。色々あった中でも私が一番得心したのは、

「ああやって、自分で歌を作って自分で弾いて歌って、動画でみてもらって、いい時間を過ごされていると

思います。」(ボサ友)というものだった。

創作活動を通じて今の飾らない自分を表現し、そのプロセスの全部を自分自身も聴いてくれる人も楽しめたら、

それはきっと素敵なことに違いない、そういう思いを解りあえるのはとても嬉しいことなのだ。改めて、コメント

を寄せてくれた方々にお礼を申し上げたいと思う。


この曲のテーマは、前のブログ(今年の12/6)にも書いたが、「移り行く季節の中で、幸せを感じ・求める日々

の暮しは、失った恋やつらかった過去などと表裏一体のもの。ブラッドムーンの異様な赤い月色は、その

光と影を思い起こさせてくれる。」というものだ。

で、この曲についてそんなことを音友のHIさんと話しているときに、ふと「そう言えば、カンツォーネの曲で

<ルナ・ロッサ(赤い月)>と言う歌があったなぁ」と思いだし、GoogleやYouTubeを検索してみたら幾つも

出てきた。



Claudio Villa の歌う『Luna Rossa』(1954年版、公開は2008年)


『Luna Rossa ルナ・ロッサ』のオリジナル曲は、Canzone Napoletana 、1950年に発表されイタリアで大ヒット

した。作詞:Vincenzo Crescenzo ヴィンチェンツォ・クレッセンゾ / 作曲:Antonio Vian アントニオ・ヴィアン、

歌手はGiogio Consolini ジョルジュ・コンソリーニだった。

   「  ♪  赤い月よ、あの人の心は 今も変わらないだろうか? 

    赤い月よ、愛しい人が帰るのは いつの日だろうか?  ♪  」(日本語版意訳)

ラテン調の軽快なリズムに乗って、朗々と歌う゛クロゥディオ・ヴィラ版゛を聞いても、赤い月に向かって去りし

恋人を偲ぶ気持ちが良く表れていると思う。



Lucienne Delyleの歌うフランス語版、シャンソン風にアレンジされている(1952年版、公開は2013年)


このヒット曲がすぐフランス語に翻案され、「Pière à la lune 月への祈り」との副題が付けられてフランスで

発売された。歌ったのはシャンソンの1950年代を代表する歌手:リュシエンヌ・ドゥリール、ギターとマンドリン

を加えたオーケストラをバックに、ゆったりとした哀切調で恋人(彼氏)へ想いを歌いあげた。

   「 ♪ 赤い月よ 私がどれほどあの人を 愛しているかご存じね ?

         赤い月よ 約束して 私から遠いところで あの人を守ってくれると ♪ 」(和訳タカ)

ただ、彼女のプロフィル(Wikipedia)を見ても、各年の代表ヒット曲にも載っていないので、フランスでヒット

したのかはよく解らない。



アメリカ版はなんとフランク・シナトラ、Very Rareと紹介されている(1952年版、公開は2010年)


シナトラ版の面白いのは、翻案の歌詞が「伊達男の悔悛」のように歌われていることだ。今宵見上げる赤い月

を「 Blashing Moon」(恥じ入って赤面する月)と呼び、恋愛ゲームを楽しんだつもりが、彼女に去られてひとり

孤独におちいってしまった寂しさを嘆いている。

   「 ♪ 赤い月よ 許しておくれ 赤い月よ 

     今宵の約束は みんなウソだった 他に私が何をできたと言うんだ ♪ 」(和訳タカ)



三つの動画のなかには、皆既月食(ブラッドムーン)の赤い月の画像が編集されて、動画と共に載せられて

いるものがあるが、それらはインターネットの普及により、ブラッド・ムーンの天文学的理解とイメージが認知

されたごく最近(ここ数年)のことで、この歌が誕生した1950年当時に、今の様な<赤い月 =ブラッド・ムーン>

という認識が世間一般・ 津々浦々にあったかはわからないのだ。しかし、60年以上昔にイタリアで作られた

カンツォーネの名曲『ルナ・ロッサ』と同じような創作の契機(内容は違うので較べるべくもないのだが...)で、

私自身も「赤い月」をテーマとした歌を作ってしまったことが、何かの符丁のように繋がってしまった結果が

自身でも面白くて、このブログに載せてみた。興味ある方は、3人の歌を聴き比べてみて下さい。蛇足ですが、

ブラジルのボサノヴァ歌手カエターノ・ヴェローソもこの歌を唄っています。歌詞はイタリア語です。



ブラジル版は、前奏と間奏にスキャットを入れてのGt弾き語り。共演のチェロもいい感じです。


2014年12月18日木曜日

フィギュア・スケート ISUグランプリ・ファイナルを見て(女子シングル)



ただ一人、200点台の高得点を叩き出したエリザベータ・トゥクタミシェワ(RUS)、アラビアン風の
衣装とメークアップが演技と良くマッチしていた。All Photo by Zimbio


グランプリ・ファイナル戦女子シングルは、トゥクタミシェワの圧倒的な勝利に終わった。シングル・フリーともに

トップ、すべてのジャンプをノーミスで成功させ、203.58をマークして他の選手を寄せ付けなかった。彼女は

2010年のロシア・ジュニア・チャンピオン、2012年のロシア選手権優勝の後、昨シーズンは鳴りを潜めて

いたが(足の故障のため)、今年後半になって快進撃が続き始め、ワルシャワ・カップ優勝、GPSカナダ杯

2位、中国杯優勝の勢いに乗ってこのファイナル戦に臨んでいる。18歳・157㎝の小柄な身体ながら、全身が

バネの様な演技には切れがある。ジャンプの安定性、スピンやステップの完成度の高さ、加えて各演技を

つなぐ゛間゛の取り方が滑らかで美しい。一番観客を惹きつけるのは、そのミステリアスな風貌としなやかな

身体と指先の動きだろう。今回のフリー演技は、アラビアン風のテーマ曲『Batwannis Beek』に乗って滑った

が、紫色に金縁取りをあしらったのシースルーの衣装で舞う姿は、妖艶な雰囲気すら漂わせていて、素晴ら

しい表現力だった。




(上)銀メダルのエレーナ・ラジオノワ(RUS)、いつもの笑顔でファンを魅了してくれた。
(下)ロシア勢若手の4人を向こうに回して、銅メダルに食い込んだアシュリー・ワグナー
(USA)、ベテランの気迫を見せて、味のある演技を披露してくれた。


今回、ラジオノワもワグナーも、すべてのジャンプをノーミスでこなし、コンビネーション・ジャンプもきれいに

決めている。ステップもスピンも正確な演技で、技術的には大きな差はなかった。このレベルまで来ると、

各技の難易度・入る時と終わる時の姿勢の美しさ・スピード感・演技をつなぐ間の取り方・テーマ曲に対する

表現力・メイクや衣装の雰囲気...など、演技構成点(芸術性)の評価が大きくものを言う。この点では、

トゥクタミシェワが一枚上だった。ただ、今回ジャンプに精彩を欠いて5位にとどまったユリア・リプニツカヤ

(RUS)にも、ラジオノワにも、またソチオリンピック・金メダリストのアデリーナ・ソトニコワ(脚故障のため今

シーズンのGPS欠場)にも、自己ベスト点でトータル200点を超える記録を持っているので、今後ますます

ロシア若手女子選手から目が離せないし、何時・誰が表彰台に乗っても何ら不思議はない選手層の厚さを

感じるのだ。来春の世界選手権(中国・上海で開催)には、ファイナル戦の選手たちもほとんど出場してくる

だろうから、誰が栄冠を勝ち得るのか、また楽しみが一つ増えた。




(上)表彰台の3人 (下)日本勢でただ一人参加出来た本郷理香、正確な技術と
長身の身体全体で表現するのびやかな演技は、今後の活躍を期待できる。

フィギュア・スケート ISU グランプリ・ファイナルを見て(男子シングル)



男子シングル優勝の羽生結弦、ジャンプ・ステップ・スピン、すべて快心の演技だった。
All Photo by Zimbio



スペイン・バルセロナで開催されていた国際フィギュアスケート競技会「グランプリシリーズ・ファイナル戦」

が終わり、男子シングルでは、羽生結弦が圧倒的な強さを見せて快勝した。NHK杯の本番リハ中の衝突

事故とその後の回復具合から、今回の表彰台が危ぶまれていたが、ショートもフリーも最高点をたたき出

して、見事な優勝を果たした。彼の戦う本能というか、闘争姿勢は凄まじかった。東日本大震災を乗り

越えてきた芯の強さは、逆境を跳ね返す強靭な精神力を見せつけてくれたし、これが若干20歳の細身の

青年が成した業だと思うと、今時の若い世代の素晴らしい一面を垣間見た気がする。ショートとフリーを合わ

せて288.16(300点も夢ではなくなった!)という高得点は今季最高だったし、3回転ジャンプの着地を一つミス

したが、他のすべてのジャンプを成功させ、特にフリー冒頭の4回転サルコー(後ろ向きに入り、インサイド

エッヂで踏切り、後ろ向きで着地する超難度ジャンプ)は素晴らしいジャンプだった。ショートの『バラード

第一番』(ショパン)、フリーの『オペラ座の怪人』(A.L.Webber)、ともにステップとスピンを組み合わせた音楽

との相性も抜群。フリーの衣装は、黒を基調としてブルーとベージュの流れるような幾何学模様をあしらい、

黒手袋とともにテーマ音楽の世界を表現していて芸術的で良かった。ここ2~3年はグランプリ・シリーズや

世界選手権での表彰台を十分予測させる第一級の選手になったことを内外に示したと思う。






























氷上に乗った滑らかな演技でファンを魅了したハビエル・フェルナンデス(銀メダル・ESP)と、抜群
の表現力で演技に切れがあったセルゲイ・ボロノフ(銅メダル・RUS)の二人。


表彰台に乗った3人について共通するのは、4回転ジャンプを含めてすべてのジャンプをほぼノーミスで演技

していることだ。最高クラスの争いになると、ステップやスピンはもうほとんど大差がない位高レベルだし、

音楽に合わせた振り付けも、それぞれ個性があり演技のメリハリも効いている。この点では、体調fは良く

なかったかもしれないが、期待の町田樹(JPN・ショート2位)は、ことごとくジャンプを失敗し6位に沈んだ。

マキシム・コフトン(RUS)も、冒頭の4回転ジャンプやトリプル・アクスルを失敗し、精彩を欠いた。無良崇人も

トリプル・フリップの失敗と、ステップ・スピンを合わせた表現力に冴えが無く、表彰台に届かなかった。





(上)キッス & クライでの羽生結弦とブライアン・オーサー・コーチ、(下)今回・表彰台の3人



私見では、今回の金メダリストは、ブライアン・オーサー・コーチと言ってもいい。競技選手ではないので、

実際にメダルをもらうことはないから、『超・金メダリスト』とでも言おうか?! 羽生結弦も、ハビエル・フェル

ナンデスも、ともにブライアンが教える選手なので、金と銀のメダリスト、ワン・ツー・フィニッシュでこの競技会

を制したことになる。彼は、女子シングルのオリンピック・メダリスト(2010年のバンクーバー):キム・ヨナを

育てた名コーチだが、今年のソチ・オリンピックでも羽生を金メダリストに導いたことでも記憶に新しい。今回の

様な結果は、コーチ冥利に尽きるだろう。そして、フィギュア・スケートの歴史の中でも、本当に稀有の例だと

思う。この点では、マスコミも余り取り上げなかったが(コーチは縁の下の力持ちで、地味な存在に見られる

かもしれない)、どんな優秀な選手でも演技の完成度を高め、勝てる演技構成を作り出す上で、優秀なコーチ

なしでは戦いに勝てないことを肝に銘ずべきだと私は思うのだ。良き選手には、参謀役の良きコーチがついて

いる。あらゆる競技に普遍のことを今回も感じさせてくれたファイナル戦だった。


2014年12月8日月曜日

自家製ロースト・ビーフの作り方(レシピ動画2本)



自家製ロースト・ビーフの作り方 その1、レシピと調理はTAKAです。
Movie by HI


誕生日祝いやクリスマス・正月の料理に、自家製のロースト・ビーフはとても喜ばれます。ナチュラルで豪華

なこの一品を、私も何度か作っていますが、市販のものに較べやわらかで肉汁が滴るような美味しさは、

パサパサ感がまるでなし。やや辛みの効いたドレッシング(漬け汁を煮詰めた)をかけて、クレソンなどの

香味野菜(豆苗・蒸し白菜などもOK)と共にいただくと、旨さこの上なしです。今回は、何時もお世話になって

いる私の音楽活動のサポーターの一人・HIさんの誕生祝いに作りましたが、このレシピ内容と調理の進め方を

動画に撮ってみました。旨いものに目のない食いしんぼさん達に、この動画を公開しますので、ぜひ一度

自家製で作ってみてはいかがでしょうか? なに、意外と簡単に出来ますよ。



続編 自家製ロースト・ビーフの作り方 その2



この料理のポイントは、国産牛肉のいいものを使うこと。私の好みで言えば5級の霜降り肉よりも、赤身の

多い4級肉がお薦めです。また、肉の表面を良く焼いた後蒸し器でじっくりと蒸すことで、肉が硬くならずに

中身まで火が良く通りますので、やわらかくてジューシーなロースト・ビーフが楽しめます。金串を使って

肉の焼き上がりをチェックするのもポイントですね。

それでは、皆さんも自家製ロースト・ビーフを作って楽しんでみて下さい。



出来上がったロースト・ビーフを薄切りにし、クレソンと共に盛り合わせる。ナチュラルで豪華なお祝い料理です。
Photo by TAKA


2014年12月6日土曜日

新曲・『ブラッド・ムーン』が、ようやく出来上がった。



ブラッド・ムーン by Jovial TAKA:YouTubeのサイト「takasantafe neo」より Movie by HI


私:ジョビアゥ・タカ作詞/作曲の新曲『ブラッド・ムーン』が完成した。このブログの「ブラッド・ムーン

(赤い月)を始めから終りまで堪能した」2014/10/10 にも載せたが、皆既月食から光が戻るまでの約1時間、

赤く染まった幻想的な月影を見ながら、私の胸を横切った幾つかの思いを詞に表現してみた。すんなり行くか

と思った詞作りが二転三転し、一応出来上がった詞をメロディに載せてみてまた四転し、約2ヵ月をかけて

ようやく曲が完成した。熟成の様な時間の中で、メロディ・ラインは流れるようになり、付けたコード進行も

滑らかになった。

人は誰も、日々の幸せを願い、平穏無事に暮らせることを願っている。けれどもその願いとは裏腹に、人は

誰もがつらかった過去や失った恋など、悲しみや苦しみの傷跡の様なものを背負って生きているものだ。

何年に一度のブラッド・ムーン(赤い月 or 血色の月)が現れるとき、喜びや幸せと表裏一体の思いを、人は

呼び起されるのではないだろうか? 輪廻転生の中で、移ろう季節の中で、ふとよみがえるそんな思いを歌に

してみた。





『ブラッド・ムーン』作詞/作曲:ジョビアゥ・タカ 2014.12.6 の詞とコード


この曲のコード進行は、メジャーとマイナーが綾織りになったようなものになっていて、昭和のポップスや

演歌のように、明確な曲調にはなっていない。従って、トニック・サブドミナンテ・セブンスの3コードを主体と

したものと違い、メジャーコードにマイナーなルート音、マイナーコードにメジャーなルート音を配してある。

この曲調が、明るさと悲しさが常に入り混じっていながら、振幅のある流れるようなメロディラインを彩ることを

目指しているのだ。従ってセブンス系のコードも、明らかにトニックとドミナンテをつなぐブリッジ音ではなく、

メロディラインの流れの中でルート音と共に配されている。ジャズやボサノヴァのテンションコードをベースと

しながら、それらとはちょっと違うこのようなコード進行は、より緻密で解像度が高いポップスといえるかも

しれない。昭和の曲の中でもアーチスト系の歌(例えば、高橋真梨子の『for you』など)は、この傾向をいち

早く持っていたが、平成のアーチスト系のヒット曲(特にバラード系)には、顕著にみられる。例えば、一青窈

『ハナミズキ』とか、桑田佳祐の『真夏の果実』、あるいは今井美樹の『pride』など、流麗なメロディがこの

ようなコードとともに進行していくのは、歌っていても聴いていても、まことに心地よいのだ。ここ半年程平成の

ヒット歌謡曲を歌集にまとめる作業をしてみて、昭和の歌とは違った今の個性(メロディラインやコード進行、

歌手の節回しなど)をつぶさに体験したことも、今回役に立った気がする。私のこの曲の冒頭の部分は、


      C/GonB  Am/Am7onG  FM7/FM7onC    Dm7/Dm7onG
   流 れ る  雲 に            想 い を  寄 せ て  
      C/GonB  Am/Am7onG  FM7/F6      C
   今 日 の  幸 せ             私 は  歌 う

ルート音が C ⇒ B ⇒ A ⇒ G ⇒ F ⇒ E ⇒ D ⇒ G (ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ソ)

としているが、落ちていく感じがなかなかいいなと感じている。

この曲を聞いて、゛どようかい゛の私の音友たちや親友から、「なんか、しみじみとしていていい曲だね!」との

感想を聞かせて頂いたが、来春のジョビアゥ・タカバンドのライブ(3月15日・経堂ピックにて予定)に向けて、

この曲を歌い込んでいきたいと思っている。YouTubeでこの曲をお聞きになっての感想を、皆様から聞か

せていただければ大変嬉しいので、このブログへの書き込みまたはメール(⇒ jovialtaka@ace.ocn.ne.jp)

でお寄せ下さい。よろしくお願いします。



Blood Moon Photo by TAKA

2014年11月25日火曜日

2014フィギュアスケートGPS・フランス杯から(男子シングル)



男子シングルの表彰台は、町田樹(日・銀)、マキシム・コフトゥン(金RUS)、デニス・テン(銅KAZ)
3人、高度な4回転ジャンプの戦いだった。 All Photo by ZIMBIO


中国杯での本番前練習中・アクシデントで、羽生結弦(日)とHan YAN(中国名:閻涵エンカン)が背面衝突し、

羽生はそのフリー演技を包帯姿で滑走した姿はまだ記憶に新しいが、このフランス杯にHan YANは出場し

てきた。しかしその演技は精彩を欠いていたし、成績も8位に終わった。羽生は今週のNHK杯に出場を予定

しているが、果たして後遺症もなくちゃんと滑れるのだろうか? というのも、GPS5戦を終えてすでに、ハビエル

・フェルナンデス(ESP)はモスクワ杯を制し(金)、カナダ杯でも2位の成績でファイナル戦への出場を決め、

マキシム・コプトゥン(RUS)は、中国杯・フランス杯ともに優勝、町田樹もアメリカ杯優勝・フランス杯2位に着け、

3選手ともファイナル戦に勝ち進んでいるのだ。NHK杯には、カナダ杯を制した(金)無良崇人(日)も出てくる。

ファイナル戦の残り3枠に入る選手として、羽生結弦・無良崇人・セルゲイボロノフ(RUS・モスクワ杯2位)達

の戦いが見ものだ。すでに2戦を終えているデニス・テン(KAZ・フランス杯3位)の枠入りは微妙だが...


ここ数年精彩を欠いていたロシアの男子フィギュアスケート選手の中から

オリンピック出場枠(ソチ)をプルシェンコと争ったマキシム・コフトゥンが

表彰台を狙う選手として急速に台頭してきた。176㎝(19歳)という長身から

繰り出すジャンプは迫力満点だ。このフランス杯でも、ただ一人、4回転

ジャンプを2度成功させ、一気に波に乗った。スピンのコンビネーションも、また

ステップのシークエンスもきれいにまとめて、『エグゾジェニシス交響曲』の

ドラマチックなメロディに乗った滑りは、すべてのジャンプをノーミスでこなし、

文句なしの優勝だった。中国杯でも優勝している彼が、ファイナルで真ん中

の表彰台に上がるのも現実味を帯びてきた。











すでにアメリカ杯に優勝している町田樹にとって、このフランス杯を制した

い思いは強かったと思うが、なかなか思い通りにはいかないものだ。

ベートーベンの『交響曲第9番』(お馴染みの歓喜がテーマ)に乗っての滑走

は、細部まで神経を行き渡らせたむずかしいものだったが、やや力が入ったか?

バランスに欠けるところがあり、冒頭の4回転ジャンプ(ルッツ)で転倒し、波に

乗れなかった。気を取り直して、スピンやステップをまとめ、残りのジャンプを

うまくこなしたが、2位に終わった。しかし、゛氷上の哲学者゛と呼ばれるように、

彼のスケーティング・コンセプトは大変明確だ。昨年シーズンの『火の鳥』の

ように、曲と演技がハーモニーしてくれば、今後もより上の演技点を狙えるだろう。

高橋大輔が引退し、小塚崇彦が低迷している日本選手の中では、羽生結弦と

ともに表彰台に上がれる選手として応援したいところだ。




デニス・テン(KAZ)は、日本ではあまり良く知られていないのが実情だろうが、

実力は超一級だ。2013年世界選手権銀メダル、2014年ソチオリンピック銅

メダリスト、あのパトリック・チャンを一回り小さくしたような体躯から繰り出す

演技は、スピードとキレがあり、演技をつなぐ間の取り方も絶妙で、身体の

小さな選手のお手本と言えよう。今回のフリー演技では、『New Impossibilities』

(十面埋伏)という珍しい曲(演奏はYo Yo Ma)で滑ったが、4回転ジャンプを

2度とも成功できず、点数を伸ばせなかった。しかし、ショートの演技はトップの

91.78の高得点をたたき出して、その実力振りを見せてくれた。













GPSファイナル戦(スペイン・バルセロナ)での優勝争いは、ハビエル・フェルナンデス、マキシム・コフトゥン、

町田樹の3選手に絞られるのが濃厚だが、ソチオリンピック金メダリストの羽生結弦がどこまで巻き返すか、

また、無良崇人とセルゲイ・ボロノフがどこまで食い込んでくるのか? 興味はまだまだつきないのだ。

2014年11月24日月曜日

2014フィギュアスケートGPS・フランス杯から(女子シングル)



フランス杯で表彰台に上ったのは、ユリア・リプニツカヤ(銀RUS)、エレーナ・ラジオノワ(金RUS)、
アシュリー・ワグナー(銅USA)の3人、ロシア娘たちの活躍が際立っていた。 All Photo by Zimbio


今シーズンのフィギュアスケートのフランス杯をTV録画で見た。正式には、『ISUグランプリシリーズ ・ボン

パール杯 フィギュアスケート国際競技会2014』という長いタイトルがついているのだが、国際スケート連盟

(ISU)主催の競技会で、10月下旬から12月中旬まで世界各地を転戦する中のランス大会だ。アメリカ(シカゴ)

 ⇒ カナダ(ケロワナ) ⇒ 中国(上海) ⇒ ロシア(モスクワ) ⇒ フランス(ボルドー) ⇒ 日本(大阪) の6ヶ所で

開催され、その上位成績選手(達)6人による最終戦(Grand Prix Final)が、今年はスペイン(バルセロナ)で

行われてシーズン・チャンピオンが決まるのだ。ここに載せた画像は、例によってインターネット・サイトの

ZIMBIOによるものとお断りしておく。


今シーズンの女子シングルでは、ロシア勢の躍進が目立った。それも

ジュニア、またはジュニアから上がってきたばかりの若い選手たちだ。

表彰台真ん中(金)のエレーナ・ラジオノワは15歳155㎝、フリーでは、

『ピアノ協奏曲第3番』(ラフマニノフ)のドラマチックなメロディに乗って、

すべてのジャンプを成功させた。コンビネーション・スピンも滑らか、

ステップも軽やかで、最後まで滑走のスピードが落ちなかった。2012年

と2013年の世界ジュニア・チャンピオンを制した勢いをそのままGPS戦

に持ち込んできた感がある。先のアメリカ杯に続く優勝(2回目)で、GPS

ファイナルの出場枠をいち早く決めたが、スピードに乗ったバランスのいい

演技は、ファイナルでの表彰台を予感させるものだった。(フォトはフリー

演技のもの)


ユリア・リプニツカヤ(銀RUS)は、冬季ソチ・オリンピックの団体戦金

メダルで記憶にも新しいが、やはり確実に力をつけてきているロシア

勢の一人だ。フリーでは、映画『ロメオとジュリエット』のテーマ音楽に

乗って滑ったが、こういうロマンチックな曲でも演技できることを見せて

くれたのが良かった。彼女の特技のキャンドル・スピンを組み込んだ

コンビネーションスピンはやはり迫力満点だったが、ジャンプ(3回転

フリップ)を一度ミスしたことが、最終的にラジオノワに次ぐ2位となる

結果となった。中国杯はエリザベート・ツクタミシュワ(金RUS)に次ぐ

2位、これでGPSファイナルの出場を決めたが、ファイナル戦ではどんな

演技を見せてくれるかが楽しみだ。(フォトはショート演技)


アシュリー・ワグナー(銅USA・23歳)は、今回出場女子選手の一番年上だ

というから驚いた。日本の鈴木明子は28歳まで現役だったが、これは高齢

選手としては珍しい口で、ロシア勢の女子選手がほとんど10代中心なの

を見ると、随分と選手層が若返った気がする。しかし、ベテランの味という

ものを存分に見せてくれたワグナーの演技は良かった。映画『ムーラン・

ルージュ』のテーマ音楽に乗って、キレのあるジャンプと、滑らかで優雅

スピン・ステップで観客を魅了した。長らく競技会の華だったカロリーナ

・コストナー(伊)が第一線を退いた後、優雅なスケーティングを見せて

くれるのは彼女が第一人者だろう。カナダ杯では2位の成績、あと一つの

GPS・NHK杯の結果次第だが、ファイナル戦に登場する可能性は高いと

思う。(フォトはショート演技)




さて、GPS戦は今週末に大阪でのNHK杯を残すのみとなった。女子シングル戦には、グレイシー・ゴールド

(USA・アメリカ杯3位)、村上佳菜子(日・中国杯3位)、宮原知子(日・カナダ杯3位)が出場予定だ。ロシア杯で

チャンピオン(金)となった本郷理華(日)の出場はないが、NHK杯の結果でファイナル戦の出場者が決まる。

今回のフランス杯の結果を経て、すでにファイナル戦への出場を決めたロシア勢4人の実力はかなり高い

ものと思われる。アンナ・ポゴリーナ(フォト上・RUS)は、すでにカナダ杯を制し(金)、ロシア杯でも2位の成績

だし、ツクタミシュワは中国杯を制し(金)、アメリカ杯では2位に食い込んでいる。ロシア4人娘たち、恐るべし!!

ここに、アメリカ勢2人と日本勢2人がどこまで食い込めるのか、華麗な氷上の戦いは、がぜん面白くなって

きた。


2014年11月21日金曜日

プール通いと洋楽ナイト




調布市総合体育館の25m温水プール、オフシーズンなので混雑なしの快適時間。HPより


高校同期生のバンドライブもひと段落したので、というわけでもないのだが、この秋前から必要を感じて

いたトレーニングをまたやろうと思い、プールに通っている(と言っても、週一回のペースだが)。この年

(60代後半)にもなると、気は若いつもりでも身体のあちこちに疲労や不具合が生じて、なかなかすぐには

回復しないことが時折あるのだ。かくいう私もここ10年程の間に、腰(というより大臀筋)を二度痛めたし、

右腕・右肩に疲労がたまり、帯状疱疹も経験している。毎朝のストレッチ(15~20分位)と、日々の自転車

乗りで、かなり身体は動かしてはいるのものの、やはり各筋肉に負荷をかけて全身を整えないと筋力の衰えに

対処できないかな、と感じるわけだ。加えて、長時間のギター演奏後に、腕や指に疲労が残るのを覚えて

(前はそんなことはなかった!)、思いついたが吉日、全身のほぐしと筋力負荷を兼ねて泳ぐことにした。平日の

昼間にゆっくりと泳ごうと思い、ご近所の世田谷体育館や調布総合体育館を利用している。2時間程度で

400円の利用料なので気軽に利用できるのが良い。始めた時には、自分の上腕筋と背筋の力が弱っている

のが分かったが、4・5回目になったら、ようやくスムーズに水に乗れるようになった。一時間くらい休み休み

ゆっくりと泳いでいる。泳いだ後は、身体がすっと軽くなるのが感じられ、心地良さが残る。




「木立ダリア」の名前が、最近は「皇帝ダリア」と呼ばれるそうな。園芸店や個人の庭・公園の一角
にも、散見されるようになった。この冬花が珍しくて、寒さが強まるこの時期に、小石川植物園まで
見に行ったことが何回かある。名前も随分と出世したものだ。 (散歩道の途中で)




「ピラカンサス」の赤い実は、花の少ないこの時期に目を楽しませてくれる貴重な花実だ。やはり
この花実は、日当たりの良い庭や公園の南向きに位置すると、多くの実をつけて、大振りの
艶やか実色で見る人を楽しませてくれる。 (散歩道の途中で)




「洋楽ナイト」でセッションを楽しむメンバー達、左よりお店のYDさん(Pf)、常連のソウヘイさん
(Ba)、歌うゲンさん(Vo/Gt)、ソロギターのBEさん(Ac.Gt)、ロック好きのDAさん(Dr)の面々。



久し振りに経堂の音楽酒場ピックを訪れてみると、まだ私しか来ていなかったので、店主の高澤さんと四方山

話をしていると、9時を過ぎたら常連のお客さんたちが次々と集まってきた。毎月第1・3木曜日は、「洋楽

ナイト」の日で、洋楽ならなんでもござれのセッション日だ。カントリー・R&B・ジャズ・ボサノヴァ・シャンソン

・ビートルズ など、お馴染みのスタンダード曲を一緒に楽しもうという、まことにアバウトで制約のない催し日

なのだ。ソロベーシストとして活躍している山口ソウヘイさんを中心に、早速セッションが始まった。BEさんが

「Your cheatin' heart」を歌えば、ゲンさんが「Tie a yellow ribon~」で応え、紅一点のMIcaさんは最近練習

した「サマータイム」をサム・クック張りに歌い、私は「Wave」と「オルフェのサンバ」、そして「Caravan」

を皆と一緒にやってみた。ほとんど初めての顔合わせ(ソウヘイさんとは過去一度あり)なのに、とても楽しく

セッション出来た。修理中だったオペイションのエレアコも治って来ていたので、張り替えたての弦の音も

なかなか良かった。夜11時頃まで楽しませてもらったが、まだ遅くまで続ける皆さんに挨拶して先に上がら

せてもらった。



快晴の朝、自宅のベランダから見える富士山の雄姿。白雪を被った山頂の姿が澄んだ空気の中
でくっきりと際立っている。初冬のこの時期だけ楽しめる眺めだ。放射冷却により、雲のない
乾燥した朝には、特にきれいな山姿が望める。 All Photo by TAKA