2014年6月29日日曜日

夏桔梗(ナツキキョウ)の咲始めを、鎌倉瑞泉寺で見た。



鎌倉東端の瑞泉寺で咲き始めた夏桔梗、鮮やかな青紫色の花々が美しかった。All Photo by TAKA


沖縄は梅雨明けとなったが、関東地区はこれからが梅雨本番と梅雨の終わりに向かって行く。その朝も

雲が上空をどんよりと覆い、時折空が明るくなるものの細かい霧雨が降ったりやんだりの天候だった。

梅雨本番のこの時期(6月末~7月始め)、夏桔梗(キキョウの一番花)が咲き始める。二番花は9月中頃、

花数はやや少なくなるが2度目の花が楽しめる。鎌倉瑞泉寺は桔梗の名所で、私自身もここを何度か訪

れているが、前回は2010年の夏、4年振りの訪問だった。




この時期に開花する「半夏生(ハンゲショウ)」は、花が白い穂状で、葉が先端から白く変色する。
霧雨に濡れた緑と白が入り混じった葉色はとても涼しげで、一服の清涼剤の感がある。


6月末の土曜日、紫陽花の花が咲き終わらぬ鎌倉を訪れることは、車の渋滞や観光客の混雑が予想され

たが、この時期を逃すとキキョウの一番花を見逃すことになるし、終日雨予想の天気だからさほどの混雑は

あるまいと腹を括って出かけてみたのだが、食い友RKさんの車に便乗して横横(横浜横須賀道路)の

朝比奈インターから鎌倉への道も空いていて、開門9時前に瑞泉寺についてしまった。この寺は鎌倉の東端

に位置し、四季花が楽しめる禅寺として有名だが、生憎の天気で境内はひっそりとしていた。



本堂裏の崖斜面に咲いていた山百合、すっきりとした立ち姿が見事だった。デジカメのズーム
一杯だったけれど、きれいに写っていた。


「こんな天気の日にキキョウを見に来る奴なんて、伊達か酔狂しかいないよ!」などと軽口をたたきながら、

森に囲まれた境内に入って見ると、鶯の鳴き声が辺りに響き渡っていた。心なしか、鳴き声が洗練されて

いるように聞こえた。やはり、鳴き交わす相手が沢山いるので、鳴き声も磨かれているのかもしれない。

お目当てのキキョウは、株や枝の育ちもよく、本堂前のお庭に咲く様は花付きも大柄でとても見栄えが

良かった。丁度蕾から咲始めたばかりだったので、咲き終わりの枯れ花も付いておらず、開花状態も

ベストな時に遭遇したように思った。


同じ境内の前庭に咲いていた野生ラン、花姿からは「紫蘭(シラン)」の仲間のように見えるが、
花名は解らずじまい。すっと伸びた枝先に咲く朱色の花が雨に映えていた。


境内のお庭をゆっくりと廻って、種々の紫陽花や黄色の未央柳(ビヨウナヤギ)・露草(ツユクサ)・山百合

などを見て楽しんだ後、時間がまだ早いので八幡宮にちょっと寄ってみようと車を移動し、八幡宮脇の

駐車場に車を入れ、本宮をお参りした。細かい霧雨が降ったりやんだりの中、本宮前の舞殿では、折しも

神式の結婚式が行われており、宮司の読む祝詞が辺りに聞こえる中、新郎新婦が親戚縁者一同と共に

かしこまって誓いをたてていた。


瑞泉寺本堂に向かう石段を上る途中に咲いていた淡い色の紫陽花、こんな色の紫陽花もなかなかいい。


本宮の入口前に飾られた七夕飾り、関東地区ではもう七夕祭りなのだ!


お昼を予定している段葛の「こ寿々」は、江戸前蕎麦で有名なそば屋さん、わらび餅の製造元としてもよく

知られている。開店にはまだ早い時間だったので、三の鳥居脇の喫茶店でお茶を飲みながら、目の前の

源平池で霧雨の中で蕾をつけ始めた白の蓮花と大きな葉をながめた。鳥居右側の池は、赤い蓮花が咲く

ことで知られているが、源平池とはなかなか面白い名前だ。11時過ぎにそろそろ、ということでこ寿々に

行ってみると店前にはすでに数人のお客が椅子に座って開店を待っていた。何時ものことながら、この店の

人気は相変わらずだ。開店の11時半には、20数名の待ち客が並んでいたが、早目に並んだのですぐ席に座れた。





店内に飾られた浮世絵漫画風のイラスト(上)、地元で上がった蛸のぶつ切りと出汁巻き卵(中)を
冷酒でいただいた後、ざるそば(下)を啜り、そば湯で〆る何時もの食事、変わらぬ味は美味しかった。


店を開いたご主人のこだわりは、磨いたそば実を挽いた粉でうった蕎麦、艶やかな色とシッカリとした噛み

応えがある。それと、やや濃い目のつけ汁。寝かして風味を出しているのだろう、蕎麦の腰に負けない味だ。

鎌倉に来た時はよくこの店に寄るが、変わらぬ味にいつもほっとするし、楽しみの一つでもある。私はRKさん

に失礼して、あわせて冷酒をいただいたが、美味しい昼酒だった。


キキョウの立ち姿は、すっきりとしている。゛凛として美しい゛とはこの花に相応しい。


久し振りの鎌倉訪問のお土産に、私はこの店の「わらび餅」を求め、RKさんは名物「鳩サブレ」を入手して、

雨に煙る古都の道を車で後にした。紫色の夏桔梗の咲始めに出会えて、とても嬉しかった。

2014年6月7日土曜日

クレマチス・ガーデンで、お昼に食べた石窯焼ピザと野菜サラダは美味しかった・その➂



カナール(水路)の脇には、咲き始めたネギ坊主の様な紫色のジャスディアム(アリウム)と、
白色のコーワニー(同じくアリウム)が咲いていた。色と形のコントラストが面白かったが、
クレマチスと一緒に植えられた野草ガーデンの趣も楽しめた。


ほぼ一時間程、庭園の中を巡って沢山のクレマチスを見た。晴れたの5月の空は、空の青と雲の

白が目に心地よく、丘を渡ってくる風も爽やかで気持ち良かった。一年で一番いい季節を感じな

がらも、歩いて庭園を周ったせいか、喉も渇きお腹も空いたので、出口脇のレストランCIAO CIAO

(チャオ・チャオ:ピッツァ & トラトリア)で昼食にした。石焼窯で焼き立ての本格ナポリピッツァ(店の

うたい文句)の中から、素焼きピッツァに生ハムと香草・チーズたっぷりの「ピッツァ・ボンバ」を選

び、地元特産野菜たっぷりの「グリーン・サラダ」を合わせて注文。これがとてもボリュームたっぷり

で美味しかった。



ピッツァは直径30㎝、グリーンサラダも色々な珍しい野菜テンコ盛り、この二品で満腹・満足!



クレマチスの花写真も、このブログには載せきれないほどたくさんの素敵なショットが撮れたが、そ

の中から一部を紹介しようと思う。なぜこんなにクレマチスに魅かれるのかを問われれば、やはり、

紫をメインにした多様な花色と六弁・八弁・八重のすっきりした花姿だと言いたい。しかも、蔓性の

細い枝から次々と花を開く様は、きれいなメロディーのハーモニーを聞いているかのように目に心

地よい。久し振りの訪問で、この花の多様な魅力を確認できたことも大きな喜びだった。




かわいらしいピンク色の「キャロライン」(ジャックマニー系)、花弁の中心に濃いピンの三本線が
入る。花芯のクリーム色もやさしい感じ、六弁花のシンメトリーもきれいだ。



大輪の「アイスブルー」(パテンス系?)、青味がかった白の花弁も大きく中心に薄青の
三本線が走っている。シベの濁色交じりのクリーム色と合わせて、清涼感が漂う。



薄紫八重咲きの「マジック・フォンテーン」(日本の交配種)、ダリアの様な多重弁を持った
豪華な花姿が見事だ。「フェアリー・ブルー」(ラヌギノーサ系・二層咲きで長いシベを持つ)
生育中に、突然変異して生まれた(農林水産省の品種登録データベースより・登録者は
愛知県安城市の早川廣氏)。



紫四弁の「キャッツ・アイ」(インテグリフォリア系)、クレマチスには珍しく芳香を持っている。
半開きの波状弁はラッパのような形、蕾はラッキョウ型、ちょっと愛嬌がある。



クレマチス・ガーデンの花たちをすっかり堪能したので、他の施設には寄らずに、昼食後早々とクレ

マチスの丘を後にした。帰りの道も渋滞など何もなく、午後早目のご帰還となった。その夜は私は

網膜に焼き付けられたクレマチスの花が次々と登場して、夢の中で色鮮やかな競演を見続けた。


「クレマチス・ガーデン」ホームページ
 http://www.clematisgarden.jp/season/spring.html

「クレマチス・ガーデン」を写真で紹介するホームページ:庭園を撮影した写真が沢山見られます。
 http://blog.goo.ne.jp/flower22cat22/e/9e3cf77ad6b454aeeb67a8da38bf9981


<この項終わり>

2014年6月6日金曜日

クレマチス・ガーデンでは現代彫刻も見られる・その②



薄青紫の「天塩」(てしお・フロリダ系)は菊花状のとんがり弁、雄しべの白い花糸先端が濃い紫、
凛とした咲きっぷりがとても清々しくて好感が持てる。二層の八重咲き(花弁は40枚程)で立体感
もあり、フェンス・ボーダー仕立てでたくさんの花を開いていた。今回一番のお気に入り。
 All Photo by TAKA


このガーデンには、約200品種2,000株のクレマチスが植栽されている(ガイドより)というが、芝生

が植え込まれた広い庭園の中の遊歩道を歩きながら、ポール仕立やフェンス・ボーダー仕立て、箱

植えや寄せ植えなど、様々な仕立て方で育てられているクレマチスの花を見ることができる。ガー

デナーのスタッフたちも、随時庭園に出て咲き終わった花枝を切り取り、開花状態の良い花々を来

園者に見せるられるように、手入れを怠らないという管理の良さが感じられた。

種類や色合いの替わるごとに、入園者達の感嘆の声も聞こえて楽しかった。このブログに乗せた

花写真も、花を撮影しながら花名板も同時に撮ってきたのだが、3~4種を寄せ植えしている場合に

は、花の名前が解らなくなり、後でインターネットのHPで花の色・形を確認しながら検索したものも

幾つかあった。ネット通販でも、随分たくさんの種類を育て販売している園芸業者のページを見るこ

とができたが、クレマチス人気を改めて確認する機会となった。



 蕾が緑色のホウズキ状、咲くとベル状・黄色四弁の下向き花を開く「クレマチス・コーリー」
(オリエンタリス系)、半開きの黄色のクレマチスというのも珍しいが、花の形状も随分と
変わっている。ポール仕立ての植え込みで、沢山開花していた。


イタリア現代彫刻家のジュリア―ノ・ヴァンジの作品が、庭園の各所と中程の美術館内に配置され

ているのだが、クレマチスの花と彫刻を見ながら遊歩道を巡っていくのもなかなか良かった。種々

の大理石やブロンズで彫られた作品は人物像が多く、カラフルな花と石やブロンズの質感の対比

が面白くて、見比べながらのウォーキングでゆっくり周ることができた。ただ、当方の意識の大半は

花の方に行っているので、彫刻はあまり詳しく覚えていない(ヴァンジさん、笑って許して!)。



アダムとイブをテーマにした(らしき?)白大理石の人物彫刻、J.ヴァンジ作。


庭園の一角には、クレマチスだけでなく白い花々だけを集めた「ホワイト・ガーデン」がある。白バラ

や白シャクヤク等が咲いていて、庭園内のベンチに座ると花の香りが強く漂っていた。クレマチス

も、ロコ・コーラ(ジャックマニー系)、アルバ・ラグジュリアン(ビチセラ系・四枚弁)、白万重(フロリ

ダ系)等が植えられており、白花だけの上品で優しい雰囲気が楽しめる。



「ロコ・コーラ」(ジャックマニー系・六弁花)の花は白のとんがり弁、中心に三本の黄色線が
走っている。シベも同じ黄色なので、全体に楚々とした清潔感がある。


ホワイトガーデンの近くには「ノットガーデン」というピンクのバラを中心にバラを各種集めたコーナ

ーもあって、丁度開花の真っ盛りだった。「うらら」や「マチルダ」、「ザ・フェアリー」など、私もよく知

っているバラを見ることができた。ガーデンから坂道をあがって高台のレストランに続く坂壁面一杯

に、ツルバラも植えられていてとてもきれいだった。黄色や赤のバラがピンク色の中に混じって、と

ても華やか。ここでバラを見られるのはとてもラッキー!と、YKさんと二人で喜び合った。



最近、園芸店の店先でも鉢植えをよく見かけるようになった「ドクター・ラッペル」(パテンス系・アルゼンチン原産)、
鮮やかなピンクと中心線の濃いピンクが特徴の波状花弁、華やかな雰囲気で人気のようだ。





庭園の各所で見られた「ベル・オブ・ウォーキング」(パテンス系・早咲き大輪種・英)、
開花期は濃いラベンダー色、開くにつれて全体が淡いラベンダー色に変わっていく。
ダリアに似た八重咲きの花姿は華やかで気品がある。

<この項つづく>

2014年6月5日木曜日

クレマチス・ガーデンで、沢山のクレマチスを堪能した・その①



薄紫が混じった白の「ギリアン・ブレイズ」(パテンス系)、クレマチスの中でも波状弁と剣弁を合わせた
ような珍しい花弁(萼片)型だ。 花弁中央の3本線と黄色のシベも美しく、幻想的な雰囲気を持っている。
クレマチス・ガーデンにて All Photo by TAKA


5月下旬に、静岡県長泉町のクレマチスの丘にある「クレマチス・ガーデン」に行ってきた。丁度花

は咲頃で、沢山のクレマスチの花を見ることができた。前回ここを訪れたのは2004年の初夏だっ

たから、10年振りのことになる。毎年この時期は、桜の終わった後、藤やボタン・芍薬の咲く時期と

重なり、また春バラの盛期とも重なるので、なかなか来られずにいたが、思い切って訪ねてみてよ

った。


「スター・オブ・インディア」は、濃い紫の花弁の中心に赤紫の筋が入り(フォト中央)、「エンプレス・
オブ・インディア」は、明るい赤紫の花弁に、同色の濃い筋が入る(フォト右)。ともに、遅咲き大輪のジャック・マニー系。


当日は好天にも恵まれ、午前中の明るい光の中で花写真を沢山とることができた。クレマチスの花

は、種類によって開花期も違うので、前回来た時には見られなかった種類の花も咲いていて、大い

に目を楽しませてくれた。クレマチスは、中国原産の「鉄線花」(六弁花で、名の由来は蔓が強く針

金のようだから)と、日本に野生するの「風車」(八弁花で、名の由来は子供の玩具の風車に似てい

るから)を交配してヨーロッパで作られた四季咲き種、ともにキンポウゲ科の落葉性蔓性植物だ

(『四季花ごよみ・座右版』による)。園芸品種も沢山あるので、今ではみんなひっくるめて「クレマ

チス」と言った方が解りやすいだろう。



白万重(フロリダ系)と似た常緑~白のクィーンマザー(新種・独産)、ダリアのように花弁が何重に
も重なって立体感がある。薄緑の花色も珍しく、清涼感に溢れる。


クレマチスの花は、花弁と思われている部分が実は萼片(がくへん)で、萼片の部分の色や形がと

ても美しいのだ。この点では花水木や木蓮・山法師などと似ている。萼片と雌しべ・雄しべ(花柱や

子房)との色バランスがとても多様なので、イギリスではバラの「キング・オブ・フラワー」に比して、

「クィーン・オブ・フラワー」と呼ばれるほど、人気が高いとのこと。なるほどと頷けるというものだ。



薄紫のとんがり弁を持つ「ユーリ」(六弁花・インテグリフォリア系・エストニア産)、雄しべ雌しべの
クリーム色とのコントラストがきれいだ。波打つような変形花弁も珍しい。



この日は、例によって朝早起きし、お誘いした健康オタクのYKさんの車に同乗させてもらい、8時に

は都内を出発、東名高速を西下して裾野I.C.から国道246号を走り、開館(10時)前にはクレマチ

ス・ガーデンに着いた。すでに数人の方が開館を待っていたが、直ぐに団体バスが到着、ぞろぞろ

とおばさま達がバスを降りてきた。この時期はバス・ツアーの人気も高いようで、日本で唯一のクレ

マチス専門植物庭園と、ヴァンジ彫刻庭園美術館、ベルナール・ビュッフェ美術館、井上靖文学

館、それに、レストラン・ショップを備えた総合リゾートは、訪れる人も多いと思う。幸いなことに平日

の午前中なので、広い庭園を歩いて回っても、ゆっくりと花を見ることができた。ちなみに開発主体

は地元の駿河銀行と聞いている。金融機関も、この様な文化施設に投資して、地域に還元してくれ

たらいいなと思えるリゾート空間だった。



ジュリアン・ブレイズの棚横に咲いていた薄赤紫のクレマチス、同じパテンス(風車)系と思われる
が、剣状のとんがり弁とぼかしの入ったような花色がきれいだった。リンカーン・スターか?


<この項つづく>

2014年6月2日月曜日

5月の歌会と絵画展から(5月31日改訂版)



「かようかい」が転じての第1回どようかい、満席の賑わいだった。 All Photo by TAKA


喜多見の椿珈琲店で3年間続けてきた「かようかい」は、中心的役割を担ってきたウッチーが、地元から

千葉へ引っ越したために、火曜日の開催が盛り上がりに欠けてきたので、他のメンバー達の都合も併せ


て、土曜日にやろうということにまとまり、先週土曜日(24日)が第1回の開催日となった。この日集まった


面々は、ウッチー(Pf/Gt)、TAKAGt・シンガー・ソング・ライター:SSW)、イズミちゃん(GtSSW)、


ダイスケ(GtSSW)、タッキー(Gt)、キリさん(Dr/PC)、ケミさん(Dr/PC)、ハジメちゃん(Vo)、


カヨちゃんVo)、ヒサコさん(Vo)、サイトウさん(Tr/Gt)、マスター(L.Gt)の12人。これだけ集まると、流石

にこの店も狭く感じられた。錚々たる音楽好き・ミュージシャンたちが集まったので、歌う曲も次から次へと、

間奏も各楽器の分捕り合戦、鳴り物(ボンゴ・ギロ・シェーカーなど)も入って、いやはや賑やかな会となった。

こういう時期には、他の歌会にも影響が及んで、経堂の音楽酒場ピックで開催してきた月1回の「ジャズ and 


ボサノヴァ・ナイト」も、2年間の企画の後、「洋楽セッション」(月2回・第13木曜日)と合併することにな


った。「ジャズ・ボサ」は、「ブルース・セッション」とともに、やはりジャンル愛好家の規模が小さく、「洋楽


ナイト」の大きな括りの中でやったほうが良い、というお店の方針なので、少々残念だが、今後は洋楽ファン


と共にジャズとボサノヴァを楽しんでみたい。ちなみにこの店の人気の企画は、「エリック・クラプトン・セッ


ション」と「アメリカン・ロック・セッション」、常連さんがいつも20人ほど集まるので、事前にお店のサイトに


曲名を載せ、各パートの担当を決めてやるというから、なかなか賑やかなものだ。偶然ではあるが、私が


参加して楽しんでいる歌会の開催日が変わったり、編成が変わったりして、何か季節の変わり目の様な思


いを抱かされた。



油彩画『ボサノヴァうたい』(HIさん作)


絵友のHIさんが参加する絵画会のグループ展が開催されているとのご案内を受けて、会場(アートフォー

ラムあざみ野ギャラリー)を覗いてみた。HIさんの絵を会員展で見るのはこれで3度目だが、年毎に構図

や色彩がしっかりして来ていて、なかなか見応えがあった。今回は油彩5作品を出展されていたが、

Vine』・『ラベンダーの咲く頃』・『ブルームーンと友』・『クロッカス』とともに、『ボサノヴァうたい』

20号)が展示されていた。この作品は、ギターを弾く男性をモデルにして、背景にはブラジルの街並みや

キリスト像がある丘の風景が幻想的に描かれ、右側のテーブルの上にワイングラスが二つ、ギターから

メロディが流れてくるようないい雰囲気を持っていた。黄色を基調にして、ブルーと白とアクセントカラーの

赤(帽子)の色合いが鮮やかだったことと、こういうテーマで描かれた作品が会場の出品作(135点・35人)

の中では他になかったので、ユニークさということでも力作の評価を絵画指導する先生からもらえた、との

ことだった。色調には苦労して何度も絵の具を塗り重ねたとHIさんは言っていたが、私のライブ写真を

もとに素敵な作品を仕上げてくれたのを拝見し、モデルになって良かったな、と思った。「友だちシリーズ」で、

今後も色々な人物像を描いていきたいとHIさんは抱負を語ってくれた



実りの秋をテーマにした『VINE (油彩・同じくHIさん作10号)、塗り重ねた輝くような色合いが良かった。


ぐるりと会場を巡りながら、会員の方たちの作品を拝見した。前回拝見した方たちも作品も出品していた

ので、昨年の作品との違いも見られて面白かった。SHさんの『Kewの想い出』(油彩20号)は、ひまわり

と裸婦を風景と組み合わせた幻想的な作品だが、右下に男女像、左上に神殿のような建物も配置されて

いて、現在と過去の時間が同居しているような、不思議な雰囲気が醸し出されていた。コントラストの強い

色調だったが、色々な記憶を呼び起こすようで面白かった。(フォト上)





KTさんの『レンガのある静物』 (油彩10号)は、レンガブロックの周りに野菜たち(カボチャ・なす・ミニトマト

・ニンニク等)を配置した静物画だが、アウトラインを廃した柔らかな輪郭が持ち味で、色調もハーフ・トーン

の様なやさしさを持っている。後方壁の斜め線と前方の敷物斜め線が、画面の奥行と立体感を醸し出して

いるのにも好感が持てた。(フォト下)





お二人とも、私のライブに来ていただき歌と演奏を聴いて下さった方なので、HIさんの説明を聞きながら、

楽しく拝見させていただいた。会場には、小さなミニ作品から100号大の大作まで、沢山の出品があった

が、何時もならばポケットに1億円位の札束を忍ばせた画商になったつもりで、お買い上げ作品を物色す

るのだが、今回はなぜか候補作が見当たらなかった。それは、『ボサノヴァうたい』の人物画を見て、結構

満たされてしまったので、今回はお買い上げ意欲が減じてしまったのかもしれない。それにしても、絵を描

き続けていくのには、定期的な展覧会に出品して、色々な方に見てもらい、作品に対する批評や感想を聞

かせてもらうことが大切なように思う。すべて芸事というものは、人の目に晒されながら自らの芸を深めて

いくものだと思う。この点では、音楽表現もまた同じで、定期的なライブや音楽会で色々な方に聴いて

いただき、その反応を踏まえて自らの表現を磨いていくことが大切だと思っている。

暑さを増してきた5月の、爽快な展覧会だった。


この項は、PCのブログページ編集がうまく動かなくなったため、5月31日分を再編集し載せたものです。