2015年7月18日土曜日

HIさんの油彩作品『コルコヴァード』が、公募展に入選。




私のギター弾き語りがモデルになった作品『コルコヴァード』の前で記念撮影 Photo by TAKA and HI


横浜市の美術公募展(横浜北部美術公募展2015)で、HIさんの作品が入選したのを聞き、早速見に出かけた。

何をか言わんや、油彩作品のモデルはわたし。ボサノヴァのギター弾き語りで、『コルコヴァード』を歌っている

シーンを、バックに丘の上のキリスト像と街並み、カフェのテーブルとワイングラスを描き込んだ作品で、構成

と彩色に時間を費やしたという力作だ。きっかけは、私のバンド(ジョビアゥ・タカバンド)のライブをHIさんが

聞きに来られて、私のボサノヴァ弾き語り曲『コルコヴァード』に触発され、油彩で描いてみたい、と思われた

ことだった。HIさんは、お近くの東急田園都市線沿線の絵画愛好者で活動するグループに属しながら、好きな

絵画作品をここ7年程描き続けているが、フラダンスを踊る人やバラの好きな方、一緒に旅行した娘さんなど、

良く知っている友達や人物の作品を描くことに興味を持ちだし、これからも色々な人物像を描くことをテーマ

にして絵画活動を続けたいと話しておられるのだ。


私をモデルに、というお話があった時に、果たしてどんな絵になるのか見当もつかなかったのだが、ギター弾き

をモデルにする以上、コードを抑える左手と弦を弾く右の手は、他のギター弾きが見てもおかしくないように

描いてほしい、という注文は付けさせてもらった。画面構成上では、リオのシンボルである丘の上のキリスト像

や古い建物、カフェのテーブルに置かれたワイングラス二つなど、随分と苦労したと聞いたが、ちょっと幻想的

で奥行きのある構成に仕上がっていると私は思う。この作品を見た何人かの方が、「音楽が聞こえて来るような

絵ですね!」と感想を言ってくれた、とのことだが、やはりギターを弾く姿勢や指の細部をしっかり描いたこと

が良かったのだと思う。帽子・ギター・椅子の赤紫系色、キリスト像背景・セーター・カフェ床の黄系色、建物下・

シャツ・ジーンズの青系色、三系統のアン・シンメトリーのカラーバランスも巧みだ。講師の先生とやり取りを

しながら、何度も構成や色をやり直して完成させた、とのことだが、その絵に込められた熱い思いが見る人

伝わってくる気がする。私自身もこの絵を気に入ったし、モデルになってよかったと思っている。このボサノヴァ

曲をライブのレパートリーとして、私は自作の日本語詞を付けて歌っているが、


  ♪   部屋にはギター 愛と歌がある   ふたりを しあわせにする

    静かな時と 夢見る想い       窓から見える コルコヴァードとキリスト像

    側にあなたが 何時もいてくれる  そんな暮らしが 続けばいい 

    ひとりぼっちで 何も信じなかった あなたと出会うまでは  

    今はとても しあわせ  ♪


しみじみとした幸せ感が漂うような、なかなか良い作品なので、今度私のライブにお借りして、この絵を飾り

ながらライブをやってみようかなぁ!




日本語詞『コルコヴァード』のライブ動画(2014.5.18 ジョビアゥ・タカバンド ライブより)




今回の公募展大賞は、長田さんの『パレード』の二対作品。動物たちと子供たちが繰り広げる賑やかで
ファンタジックな祝祭のパレード風景。行と帰りが二枚に描かれた大作だ。私のライブにも来られたことが
ある長田さんの作品は、ナイーブ派的な細かなタッチが特徴で、そのオリジナリティに溢れ、楽しさが満ちた
作品には、多くのファンがおられるとのこと。



審査員賞は、Kさんの『フランスパンのある静物』。超現実的な平面断片で描かれた果物やフランスパンが、
柔らかな中間色でまとめられている個性的な作品だ。断片の構成がリズムカルで面白い。その他、風景や
静物・人物をそのまま描いた入選作品が多かった中で、受賞作品は何れも構成・配色・テーマ共に、オリジ
ナリティがしっかりしている作品と見受けられた。