2017年8月31日木曜日

姫川最上流域・田園の中のヤマメ釣り(三度の白馬紀行 その1)




白馬平野の田圃と畑の中を、姫川源流湧水地から北方向に流れ下る姫川最上流域。夏草が生い茂る土手
から、田圃用水が流れ込むポイントに竿を出す釣楽人タカ、ちびヤマメがたくさん出迎えてくれた。
(1日目午後3時半頃) All Photo by Jovial TAKA and HI



三度目の白馬行きを決めたのは出発3日前のことだった。今夏の8月前半は、大気不安定と台風の影響で雨日が続き、

どこかへでかけるにも気が乗らないことが多かった。車でドライブするにも、電車やバスで出かけるにも、やはり

好天であることが望ましい。車運転の安全性と写真撮影の写りの良さを考えても、晴天が一番だ。3日間の天気が

良さそうな日取りが見えたので、早速宿泊先を予約して出かけることにした。行く先は白馬、私的には9月一杯ま

での遊漁期間の後禁漁に入る渓流釣りを楽しむラストチャンス、という思いがあった。この5月末には二度目の白馬

旅行に出かけ、雪渓の残る白馬三山の絶景を初夏の緑と棚田に映る山姿と共に楽しむことができた。そして、姫川

源流の渓流釣りをした際に、清冽な流水の中から飛び出してきた源流イワナの鮮やかな姿を見ることも出来た(本ブ

ログ6月5日、姫川源流イワナ釣り参照のこと)。姫川にも支流の松川にも、まだ竿を出していないポイント、釣りを

してみたいポイントが幾つかあるので、それを楽しんでみようというのが今回の目論見だった。




体長15㎝ほどの小振りヤマメ、流れ込みの白い泡の中から元気に飛び出してきた。毛鉤へのアタックと
引きも充分な手応えがあった。(上と同時刻)



例によって早朝に同行のHIさんに自宅へ来てもらい出発した(27日朝7時)。私がハンドルをにぎり中央道調布インター

から高速に入る。自宅から10分程で自動車専用道路に乗れるのが便利だ。そのまま一路安曇野インターまで。途中

SAで軽い朝食を取り運転を交代、10時半頃には、姫川最上流地に着いた。湧水地から広い田園地帯の中を流れる下る

姫川は、まだ小川と言っていい位だが、その流れと最近までサイクリング道路と護岸工事をしていたやや下流地帯

の状況を確認した。この日の午後は、ここら辺で釣りをする予定だった。




田園の小川(姫川)に架かる橋から上流南方向を臨む。約1㌔先には姫川発祥の湧水地がある。建物も広告も
なにもない、日本の田園風景の原形を見るようなとても懐かしい思いがした。連れによると、しばらくの
プロの写真家らしき男性が、この風景を撮影していた、とのこと。(1日目午後4時頃)



一旦白馬駅まで行き、前回と同じ駅前の「おじさんの店」で遊漁券を2日分購入した。この日は2日前に降った雨の

影響で空気は湿気が多く、照りつける陽射しでとても蒸し暑かった。店に入って呼び鈴を押すと店主が「アイヨ~」

と言って出て来たが、冷たい床で眠りこけている2匹の老犬は、びくともせずにそのまま眠り続けていたのには恐れ

入った。さすがは白馬のワンちゃん! 支流の松川の様子を訊ねると、白馬大橋上流付近がいいよ、と言うので明日の

午後はそこで釣りすることにした。駅近くのレストラン(古いホテルに併設の)で昼食を済ませてから、来た道を戻り

県道に掛かる橋脇の農協作業所に車を止め、エサの川虫採取のため護岸提の梯子を下りて川原で川石を裏返してみた。

工事を終えたばかりの川石は新しく、川虫の姿は皆無だった。これでは、エサ釣りにならないので擬餌針(フライ)を

使うことにした。



小川は滔々と流れ、澄んだ水の中で水草が揺れていた。公共工事のコンクリート護岸で箱川と化してしまった
日本各地の河川は、災害対策の名目と共に豊かな自然生態系を失ってしまったが、ここには懐かしい風景が
残っていた。(上と同時刻)


車に戻ってみると、連れが農協の職員と思しきおじさんと話していた。しばらくの駐車をお願いすると、おじさん

が釣りの話をし始めた。それによると、子供の頃はこの小川でフナやウグイを釣って遊んでいた。最近は釣りに

らないので、他の渓流に出かけたり海釣り(日本海の)を専らしている。海釣りは禁漁期間がないのでとてもいいよ!

 この頃松本の方からや他県ナンバーの車が、こんな田舎の小川に釣りに来るのでビックリだよ~! (付けていた私の

遊漁券を見て) まあ釣りを楽しんでいってください、とのこと。連れも、ほんとにこんな小川で釣りになるのぉ? 

不審な顔をしていたが...

先に車で上流に行っているという連れと別れて、夏草の生い茂る田圃道と堰堤の上をトボトボと歩き始めたが、

底には木や草が生えているし、土手の夏草は腰辺りまであるし、とても釣りにならない状態が続いた。その後、ちっ

とも姿が見えない私を心配して連れから電話があり、姫川本流に流れ込む東側(オリンピック道路側)の支流を遡って

いるのに気が付き、本流まで戻り事なきを得た。蒸し暑い午後田圃道を歩き回った連れには、汗だくになったとぼや

かれたが...




白馬駅方向(北)に流れ下る姫川の清流、両脇には実りの時を迎えた稲田が広がっている。アルプスの雪解け水
潤された田圃で育ったお米はさぞかし美味しいだろう。そのお米は「ゆめしなの」と言う名の゛アルプス
山麗ブランド米゛と紹介されていた(白馬村観光局HP)。(上と同時刻)



さて、夏の終わりの蒸し暑い午後に、前掲の最上流域の姫川に用水が流れ込むポイントで、私の和竿先の毛鉤

仕掛けに喰らいついてきたのは、全部ヤマメだった。途中でイワナ仕掛けの大きな毛鉤を、やや小さめの毛鉤

(鮎やオイカワ用)に変えて、釣り上げたヤマメ三匹・つり落としたヤマメ三匹、毛鉤にかからなかったがアタック

してきたものも数匹、釣った魚は全て清流に戻したが、源流小川の釣りを楽しめて満足・満足だった。

少年時代に、故郷信州の裾花川や浅川の清流、田圃を流れる農業用水・溜め池などで、鮎・オイカワ・ウグイ・

コイ・フナ・カジカなどの釣りを楽しんだ思いが蘇ってきた。まだ農薬がほとんど使われなかった川や田では、

生命が豊饒な営みを繰り返していた。そんな景色を彷彿とさせる小川で、ヤマメと遊ぶことができたのは、私の

ノスタルジック・ジャーニイ(Nostalgic Journey)だったかも知れない。そして心は深く満たされたのだった。

<この項つづく>

2017年8月23日水曜日

ケープ真鶴とルスカ熱海



ケープ真鶴の展望台から眺めた゛三ツ石゛海岸の景色、海から立ち上る水蒸気で水平線は霞んでいたが、
久し振りの夏日で雲間から明るい陽射しが降りそそいでいた。湿度はとても高くて蒸し暑さに閉口したが。
All Photo by Jovial TAKA



ようやく夏の陽射しが戻って来た。8月前半は毎日のように雨の降る時間帯があり、台風3号とゲリラ豪雨の大雨

あった。雷雨も頻繁で気温も低い日が続き、一体夏はどこへ行ってしまったのだ? と不安になったものだ。気象

予報士泣かせの「大気不安定」のおかげで、連続降雨20日のありがたくない記録も更新された(40年振りとか!)。

今週に入って久し振りに夏の陽射しが照ってきたので、ちょっと近場へドライブしよう、ということで、ドラ

(ドライブ友達!?)HIさんと相模湾方向に行ってみた。



ケープ真鶴の展望台から少し下った斜面の中腹にある「岬の珈琲屋」の看板。゛ボチボチ営業しています゛
には笑ってしまった。


何処へ行くとも決めてない゛行き当たりばったり゛のドライブなので、とりあえず東名・小田原厚木・135号と道路

を走り、湯河原まで来てから真鶴半島の先に行ってみよう、ということになった。真鶴駅前からひなびた漁師町を

抜けていくと、半島の鬱蒼とした保安林の狭い道の先に゛ケープ真鶴゛という町営の施設があり、脇の駐車場に車を

止めて太平洋を眺望する展望台まで上がった。



夏花のカンナも鮮やかな色の花を咲かせていたが、そろそろ花も咲き終わりの時期の様だった。ハマユウも
あちこちに咲いていたが、こちらの方は花期も終わりになって、枯れた花穂の中に白い花びらが残っていた
だけだった


前掲の゛三ツ石゛は、展望台から見ると右側の二石が重なって見えてしまうので゛二ツ石゛にしか見えないのだ

が、展望台西側の馬場浦海岸側から見ると、はっきり゛三ツ石゛に見えるとのこと(これは、後で調べてみて分か

ったことなのだが)。特に満潮時に海岸のゴツゴツ石が皆海面に隠れると、はっきりわかるとのこと。展望台から下

の海岸へは数十mの坂道を降りていかなくてはならないので、この日は遠慮した。暑さと湿気で汗まみれになりそ

うなので。


蒸し暑い展望台を逃れて、ケープ真鶴の喫茶店でソフトクリームを楽しんだ。バニラとマンゴーのミックスは、
冷たくて一気に体感温度が下がった! やはり夏はソフトクリームだね!


ケープ真鶴の建物、中には物産店やカフェなどがあり、真鶴半島のジオラマ展示や漁師保案林(御林ー
おはやし、という)の紹介などのコーナーがあり、無料休憩所などもあって便利。


ソフトクリームを食べながら、「ケープ真鶴」というのは珍しい名前だね、という話になり、私にとっては「Cape

 Cod・コッド岬」とか「Cape Canaberal・ケネディ宇宙センターのある半島」を連想していたので、「真鶴岬」と

知れていたのだけれど、一般の人にはわかり難いかもしれない、という話に落ちついた。また、「良い海は良い森

から作られる」の例えに話が移り、江戸時代(300年以上も前)から、漁師保安林としてスダジイやクスノキ・黒松な

どの樹が半島に植えられ、それらが現在多くの巨木(樹齢300年以上)として残っているのは感心しきりだった。ケープ

真鶴の周りにも、立派な黒松の巨木が何本もそびえ立っているのはとても見事だった。その御林で枯れた巨木の切

り口が施設内に展示されていて、その年輪の数を見られるのも面白かった。





熱海駅前の土産物店や食事処の賑わい振りにはびっくり! 若い人たちの多さが目立った。「Lusca」(ルスカ)ー
JR駅ビルが建てられ、駐車場も整備されたので、古い熱海駅のイメージが一新され、買い物や食事に集まる
人も増え、観光客の増加にも一役買っているようだ。


さて、朝早めの出発だったので(8時頃)、そろそろお腹も空いてきた、ということで熱海に行ってみた。海岸線の

駐車場を探すよりもいっそ駅周辺の食事処がいいのでは? という判断だった。丁度タイミングよく空いた駅前の

駐車場に車を入れ、駅前通りをぶらぶらしてみた。夏休み中とはいえ平日の賑わいに驚きながら、2~3軒食べ物

屋を覗いてみたが、和食の魚貝類も観光地値段で結構高いし、一度並んだお店も暑い中待たされそうだったので、

新しく出来た駅ビルの中に行ってみた。これが結局正解だったのだが、まだ昼前だったせいか頃合いの和食店に

入れた。



駿河湾から上がった材料をテンコ盛りにした゛しらす・サクラえび丼゛、摺おろしの本わさび(伊豆産か?)も乗って
いて、その本物の辛さ(鼻にツンッと抜け眼からは涙がこぼれる)に大満足、とても美味しかった(一人前1,360円也)。



熱海駅も随分モダンな構えになりました! 駅前の人と車の動線が整備され、駐車場が完備されたのが大きい
と思う。とても寄りやすくなった気がする。


天候不順のため出かける機会がほとんどなかったこの夏だったので、今回の真鶴行きはとてもいい気晴らしになった。

廻った場所も「ケープ」と「ルスカ」という何やら国籍不明の名前だったので、ちょっと笑えました。そしてまた、

猛暑がぶり返してくるようだが、もう8月もそろそろ終わり、直に秋風の便りも来ることと思う。

2017年8月6日日曜日

台風の来る前に、今年もブルーベリー摘み!




朝8時開園を待つ来場者の皆さん、子供から大人まで老若男女が集まり、カップルや家族連れもあちこちに。
ALL Photo by Jovial TAKA



ご近所のとみなか農園さんのブルーベリー摘みが今年も7月下旬から始まり、週2回(木曜日と日曜日)の開園日に

沢山の来場者がやって来る。もう何度か経験された方が多いので、半分以上が常連さんだ。迷走する5号台風の

影響による不安定な天気のおかげで、7月終わりと8月初めの週は雨模様のため出かけることができなかった。今週

は何とか天気も晴れ間が出たので、食友HIさんを誘って行ってみた。来週初めには関東地方にも台風が通過するか

知れないので、風雨で実が落ちたりする前に完熟実を摘んでしまおうという魂胆だった。



夏休みということもあり、家族そろってブルーベリー摘みという景色が多く見られた。子供たちも小さな
バケツ一杯に実を摘んで楽しんでいた。子供背丈でも下枝の実を摘めるので、家族レジャーとしての人気が
高いのはうなづける。



この園の主力種の一つ「ティフブルー」、完熟実の大きさでは一番の立派さで実も甘くておいしい。


もう一つの主力種「バルドウィン」、緑・黄色・赤・濃紫と熟すに従って実色が変わるので、完熟実だけを
摘み取る。指で触れるとポロッと落ちるくらいのものが美味しい。



摘み終えた実をバケツに入れたまま計量し料金の支払いをする。100g/210円の計算で私の収穫は1,9㎏だった。
親しい友人に送ったり歌会への差し入れなどに使ったら、残りは冷凍保存して年内毎朝の食事にヨーグルト
共に食すのが楽しみ!


この日の天気(8/6)は曇りがちだったが、時折日も差して蒸し暑かった。今回でここの園での摘み取りも4度目なので、

手際よく完熟実を摘んだ(40分位)。チャリで5分位の距離だからほんとのご近所だ。宅地化が進んで、建売住宅や店舗

(コンビニ・ドラッグストア・回転すし店・DIYセンターなど)が増えていく中、果樹園として緑を残し近隣の方達に

喜ばれる取り組みを続けているブルーベリー園は、自然環境を維持する貴重な存在だと思う。なんとか応援を続けた

いものだと思っている。



鳥や昆虫対策のネットを張り巡らせているので、管理や手入れもなかなか大変だと思うが、年々畑が増えて
いるのは頼もしい。ブラックベリー(実のみ販売)や養蜂畑で取れた蜂蜜なども販売されている。Photo by HI