□日向橋上の中津川の流水、水質はきれいだし安定した水量はあるのだが...
All Photo by Jovial TAKA
今シーズン、中津川への釣行は4月に3回・5月に3回・6月と9月に各一回づつ、計8回通った。ひとつの川に
短期間にこんなに通ったのは私としても珍しい部類に入る。理由の一つに、渓流釣りで近場のホームグランドに
なる期待大だったこと。二つに、2回目の釣行で大物ヤマメにグラス竿を折られてしまい、そのリベンジに燃えて
しまったこと。三つ目にシーズンを通して水量は安定しているし、魚の住みつくポイント(らしきもの!?)も多くあ
る気がして、それにとらわれてしまったこと、等々。
この川での釣りの竿仕舞いをした今思うのは、ヤマメ・イワナなどの渓流魚の生息はかなり少ないことだ。一応
漁協の情報では、定期的に上流域や本流で稚魚や成魚を放流しているとのことだが、釣り人の多さに比例して放流
量が少ないのだろう。また、ダム湖からの放流に頼る水流は、大雨や台風などで水量が増大し、その分の酸素供給
量や川石の掃除など、自然の川の流れがもたらす恩恵が大変少ないことも考えられるのだ。先の、白馬村姫川源流
の流水や自然力に溢れた河川環境を思い起こしてみても、やはりこの川での環境の貧弱さは免れないのかもしれな
い。釣行の度に、川底の石を返して川虫の存在を確認してみたが、シーズン初めには少ないながら住みついていた
川虫も、5月頃からはほとんど見当たらなくなった。自然の餌も少ないのだろう。
愛川橋上流から角田橋下流まで、多くのポイントで竿を出してみたのだが、4月の中頃に日向橋下流の大きく曲がる
深場のポイントでの釣りが一番印象に残っている。早朝8時頃の水温は11℃、長年使い続けていたNISSINのグラス竿
(5,4m)の先に、イワナ用毛鉤を3つ付けた仕掛けを流したところ、ピシャッという音がして毛鉤が叩かれた。これは
居るぞ! と思い、再び仕掛けを流れに乗せると「ガツンッ」という強い当たりと共に、グラス竿の先が「バキッ」と折
れ、次の瞬間道糸が「ブツッ」と切れてしまった。何やら白い大きな魚の腹が反転して深場に消えたのだった。私は
何がが起こったのか理解できずに、茫然と折れた竿を眺めるのみだった。その間わずか2~3秒のこと。後にも先にも、
ヤマメらしき大物に遭遇したのはこれっきりだった。
その後、急遽して通販で購入したDAIWAの渓流竿も、深沢尻トンネル近くの水量の多いカーブ付近の水中に尻もち
をつき、購入下ろしたての新竿をわずか15分でまた折ってしまったのだ。水中の石に竿を当ててしまったらしい。
ずぶ濡れのズボンのまま、川沿いの道路をトボトボ歩く姿を見つけた連れは、その惨めな後姿に車中から「どおし
たのぉ~!」と声をかけて来たのだが...何だかこの川は私を拒んでいるような気がして気落ちしてしまった。
□5月初めの釣行で放流直後らしきちびヤマメが三匹針に掛かった。釣れたには釣れたが、やれやれ...
私の釣行に付き合ってくれた連れは、川の風景がなかなかいいので、私が釣りをしている間はスケッチ道具を持って
行って何枚かの作品を描いた。最後の方では、もう一杯描いたので描く場所がなくなったとぼやいていたが、それ
でも空気はいいし山々の緑と川の流れがきれいなのでいい時間つぶしになったと喜んでいた。車で走行途中、大分
コンビニのお世話にもなった。昨今、地方や郊外の街・村に行っても、食べ物・飲み物・トイレの利用にも、コン
ビニがあるのでほんとに便利なことを痛感した。
□新緑の日向橋と中津川上流域の流れ Drawing by hiroko
□6月上旬の日向橋上の中津川、川底の石は強い陽射しと水量不足で藻が蔓延り、川は淀んでいた。
グラス竿を2本折ったことで、昔使っていた和竿(俊行の7本繋ぎ竹竿・4,5m)を引っ張り出してきて、最近は多摩
川の釣りでも白馬姫川の釣りでも、この和竿を使っている。少し重たいのだが魚信や釣れた時の引きがダイレクト
に伝わってくるので、使い心地がとてもいいのだ。改めて和竿の良さを感じている。これも、中津川通いでグラス
竿を2本折った効用か!?
来シーズンの渓流釣りに、この中津川通いが再びあるかは今の所疑問ではある。来年3月一杯までは年通し券で釣り
ができるので、もう一度くらいは訪れててみるか、と思案はしているが。とにかく、今シーズンは、中津川の渓流
釣りは惨敗だった。
<この項終わり>
0 件のコメント:
コメントを投稿