□体長10㎝程の稚アユ、返しのない小さな毛鉤に次々とアタックしてきた。多摩川の石に付いた苔を食む両顎も硬い
ので、水中での引きはとても力強い。春から初夏(3月下旬から6月初め)にかけて、東京湾から遡上してくる。
All Photo by Jovial TAKA
例年多摩川での釣りは3月中頃から始めるが、今年は気温の低い日が多く、また降雨量も少なくて水位が上がらず、
4月初めに一度竿を出しただけだった。5月の連休明けに少しまとまった雨が続いたので久し振りに多摩川に繰り出
してみた。前夜から明け方までの雨で川は濁って水位が上がっているかと思ったが、午後の多摩川はかなり水量が
少なく、岸辺の石が川中まで露出していて、何時ものポイントも大分変っていた。私がよく行くポイントは、大き
な溜まりからなだらかなザラ瀬に水流が変わり、再び次の大きな溜まりに流れ込んでいく場所だが、川幅(水が流れ
ている)が40m位あるので、その日の水量によって絶えずポイントが移動する難所だ。その分、その日のポイントを
見極めて魚が餌を捕食する場所を探る面白さもあるというわけだ。
□オイカワやウグイ用の毛鉤(針に返しがある)を使うと、アユが掛かった場合は硬い顎に食い込んでしまい針外しが
大変なことになる。それゆえ。毛鉤でも友釣りでも鮎針はすぐ外せるように返しがない。
この日、毛鉤にアタックしてきて釣り上げた魚の種類は、アユ:7割・オイカワ:2割・ウグイ:1割の比率で圧倒的
に鮎が多かった。この傾向は、オイカワの産卵期が始まる6月初め頃まで続く。鮎が上流に遡上してしまう6月中頃に
は、川の主役はオイカワに移るのだ。アユの遡上のことが気になってちょっと調べてみたら、「成魚による産卵は秋
に川の中流域で行われ、孵化した幼魚は海に下って海中のプランクトンを食べて冬を越す。天然の稚アユは春から
初夏にかけて川を遡上する」(朝日新聞コトバンクより)とのこと。実際に鮎が魚道を遡上する様子がYouTube動画に
も投稿されているので、以下ご覧になれます。
【4K60P】アユの遡上(2108年5月4日) 多摩川・二ヶ嶺上河原堰堤にて YouTubeより
□上の動画の舞台となっている二ヶ嶺上河原堰堤は、右岸(手前・調布市側)に魚道が設けられているので、ここを
多くの鮎が遡上していくのだ。YouTubeにも沢山の動画が載せられているのにはちょっとビックリした。
多摩川の上流域や秋川では放流したアユの友釣りが盛んだが、私自身はあまり興味がない。自宅近く多摩川でも20㎝
を超えるアユがかかることも時々あるが、それを食すには大いなる勇気と強靭な胃袋を必要とするので、私自身はご
遠慮申し上げている。この午後の釣りは、堰の放流のせいか、あるいは支流の濁りが流れ込んだのか、一時笹濁りで
水量が増えた時間があったが、概ね静かな水流だった。針に返しのない分、針掛かりしてもばれるケースが時々あった
が、10数匹を釣り上げて納竿した。雨上がりて晴れあがった多摩川は、とても気持ちが良かった。梅雨までの間はし
ばらく猛暑にはならないいい季節が続く。
□オイカワのメス、この日針に掛かったのはほとんどメスだった。産卵期が始まるとオスの割合が増えて、強烈な
引きを楽しめるようになる。
□時折ウグイも挨拶に来る。
□川底の石も露出し水位が低いこの時期の多摩川、梅雨時の大雨あるいは連続の豪雨でもないと、なかなか水位は
回復できないだろう。
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