2021年5月30日日曜日

初夏の清里、花と食・沢釣り(北杜に遊ぶその8)




コテージの広い庭の一角で見事に開いた「オオデマリ」(大手毬)の白い花、清里地区の各所で見られたがなかなか
珍しいことだ。4月に寄ったワイン民宿でもこの花の大木を見かけたが、高原の気候がこの花にはあっているら
しい。All Photo by Jovial TAKA



コテージの女将は気さくな方で、お借りした部屋も清潔だし調理器具も揃っているので今回も不自由はなかった。

お庭にも沢山の花(ツツジ・オダマキ・スミレ・ブルーベル・ルピナスなどの野草系)を植えておられたが、連れは花

の趣味が合うと言って喜んでいた。早朝の一時、広い庭を散策したり、彼方に見える南アルプスの山並みを見るの

も気持ちよかった。1日目の午後は山荘でカレーライスの昼食、2日目はサンドウィッチとコーヒーを持って、瑞牆

山のふもとに出かけたが、私は塩川支流の沢でイワナ釣り、連れは自然公園でスケッチをして時間を過ごした。お昼

を広い芝生広場で食べたが、後ろにそびえ立つ瑞牆山(2,230m)と前方に見える南アルプスを見ながらの食事は、とて

も豪華な気分だった(お金がかかっていないけれどもね!)。




コテージの入口前に咲いていた「ミヤマオダマキ」、花芯の白と五花弁の濃い紫がすっきりときれいだ。



街道脇に咲いていたヤマツツジの花、黄色と白が入り混じった花色はいかにも初夏らしい爽やかさだ。花弁の先が
丸みを帯びているのでヤマツツジとわかるが、似ている花で「レンゲツツジ」は、花弁の先が尖っているので区別
できる。




瑞牆山(みずがきやま)自然公園駐車場の上(東側)には広い芝生広場があり、ひな壇になった「ヤマツツジ」がたく
さん植えられていた。ふもと一帯が遊歩道になっているので、トレッキングシューズに履き替えてウォークを楽し
もうとしたのだが、獣(けもの)たちの被害防止に電流線が張り巡らされていて、立ち入り禁止となっていた。芝生も
イノシシに掘り返されたり、猪・兎の糞があちこちに落ちていたり、、、自然の逆襲にヤレヤレですね。芝生広場
(約1,500m)から瑞牆山頂上(2,230m)を仰ぎ見るのは首が疲れます。





ヤマツツジの遊歩道は、なかなか良かった。ちょうど満開の時期に遭遇したのはラッキー! 1日目(日曜日)に食事した
瑞垣山荘前の駐車場と道路は、車がびっしり並んでいたのにはビックリ! 登山客が押し寄せていたわけで、この山の
人気を改めて知る思い。初めての光景だった。




「カラマツ」の新葉色は、鮮やかなライトグリーン。゛目も覚めるような゛という例えがぴったりだ。ヤマツツジの
花とのツーショットも珍しい。秋にはこの葉が黄色く染まるのだ。



さて、今回幾つかの飲食店や食料店に寄らせてもらったが、いつも感心するのはコロナ感染対策が徹底していること

だ。山梨県・鳥取県・和歌山県は、トップ(県知事や保健所・医療関係者)が昨年の初期から組織的な対策をしっかり

されている優良自治体で、こちらも気を付けながらも安心して訪れることが出来る。「グリーン認証制度」は、お

店や施設の対策がきちんとしているのに加え、利用する当方も名前や連絡先をちゃんと記さねばならない(濃厚接触

者対策)。検査(PCRや抗体)体制もしっかりしているのを見るにつけ聞くにつけ、東京・大阪はじめ、ゆるい感染対策

とトップの決断の遅さ・甘さで感染を広げ、医療崩壊の危機に今も苦しんでいるのがとても残念に思う。遅かりしだ

が、ワクチン接種を国民全体に広げて、少しでも早く感染を収めてもらいたいものだ。私もようやく、住んでいる自

治体で1回目のワクチン接種を終えたばかりだが。星野リゾートの星野氏が言うように、ワクチン接種が終えるまで

は、近場の「ミニマム・ツーリズム」を感染対策をしっかりして楽しむしかないだろうと思う。さて、楽しませても

らった食の一部を載せてみよう。




やまの時間」で食べた「甲州ワインビーフのハンバーグ デミソース」、繋ぎなしのお肉100%ビーフの味を堪能。
釣りで2時間ほど歩た後だったのでお腹が空いていた。私は200gをペロリ。合わせて飲んだ「Haramo Rouge」の赤
ワインも軽くスパイシー、とても美味しかった。前回来たときは、営業日と時間をよく確認していなかったので、
コテージから歩いて行けたのに寄れなかった。今回はようやく実現! 画像はお店のHPより。





連れのオーダーは「イタリアンハンバーグ 150g」、上に乗せて焼いたチーズが香ばしい一品。自家農園で収穫した
野菜も、しっかりとした味で美味。画像は同HPより。



「Haramo Rouge」(原茂ワイン製造 2017年)はさっぱりとした味ながら、熟成されたスパイシーな香りと果実香を
楽しめる辛口赤ワイン。ワイン原料は「ブラッククイーン」を主体として「ヤマ ソーピニオン」・「ネオ アリカント」
・「甲斐 ノワール」をブレンドしたもの。「ブラッククイーン」は国産の黒ブドウで、岩の原葡萄園(新潟県上越市)の
川上善兵衛氏により創出された(1927年)と言われる。現在の日本のワインは、開発された日本固有種による生産が主
流となっていて、甲州他日本各地で世界に通用するワインが生み出されていると言うから驚きだ。私もワインや
日本酒の探求に精を出していたのは20年以上前だから、随分と変わってきているのだ! 国産ワインの魅力を巡る新たな
楽しみも生まれたような気がする。画像はVinicaより。




例によって、近くの(車で15分ほど)の「ヒマワリ市場」で食材を買い出し、朝食はコテージで食べた。地産地消の獲れたて
野菜や卵・ヨーグルト・地元ベーカリーのパンは、何時ものように新鮮で味がしっかりとしていた。八ヶ岳の南麓という
日照条件と、湧水の美味しい水が食材を育んでいるのを実感した。調味料とお茶・珈琲は持参。



帰る日の昼食は、自農園栽培のそば粉を手打ちしてお蕎麦を出してくれる「そば処いずみ」に寄った。今回は、瑞牆山
や吐竜の滝でトレッキングしたり、沢釣りも2回したので何やら空腹を感じ、小天丼とそばのセットを注文した。
しっかりお腹に収めた後の蕎麦湯がとても美味しかった。



この沢の澄んだ水色とごつごつ岩の続く両岸、淵が次から次へと現れる山間の急流に魅せられて、昨年から何度か

通っている。塩川上流域は川に道路が沿っている場所が多く、入渓も割と安全なので釣り人にも人気の激戦区だ。

今回も、入渓点のあちこちで県内・県外ナンバーの車を結構見かけた。流水の両岸は石と落ち葉がもっぱらで、下

流域のような゛ボサ゛(背丈まである葦や雑草)は皆無だ。しかし、両岸から張り出している原生林の枝には苦労させ

られる。仕掛けや竿先を絡めて取られることも多々あるので、基本的には゛提灯仕掛け゛(3,9mのつなぎ竿に2mの

仕掛け)となる。フライやテンカラでも、ショートロッドで川の真中に立ちこまないと難しいのだ。ただし、この地

域は「秩父多摩甲斐国立公園」内なので、大規模なリゾート施設開発からは免れているのが救いだ。もうしばらく

この支流と沢を訪れて、リゾートライフを楽しみたいと思っているのだ。清里のコテージは、その良い中継基地

になるだろう。





塩川支流の沢で遭遇した17㎝のイワナ、下の淵の手前岩陰でゆらゆらと泳いでいるのを見たときは、20㎝以上あるか
ときめいたが、釣り上げて見たらそれほど大きくなかった。しかし、この沢ではまずまずの型だろう。他に14~5㎝の
イワナを3匹、すべて放流した



この淵に流れ落ちる水の白泡が消えて、右回りに流水が戻ってくる手前の岩陰から、獲物は飛び出してきた。この沢
育ちの魚体は、力強い引きでしばし私を楽しませてくれた。黄線が仕掛けの流れとヒット位置。
 

<この項終わり>


2021年5月29日土曜日

初夏の清里、空と雲・富士山と北岳ビュー(北杜に遊ぶ その7)




    ▢清里コテージの朝、晴れた空の下には南西の彼方に雪が残る北岳(3,193m)の頂上が臨める。標高1,100mの澄んだ空気と
爽やかな風、収穫を終えた高原野菜畑が目前に拡がり、気分は大いにリフレッシュ!  All Photo by Jovial TAKA



例年よりもかなり早い梅雨の雨が一休みした合間を見て、北杜に出かけた。今回は清里のコテージ(貸別荘)をベース

にして、周辺のスポットを車で廻ってみようという大雑把な計画をたて、出かける2日前に天気を確かめてから宿を

予約した。週末を避けての平日旅行なので、案の定宿は空いていて、前回利用したのを女将(というより気さくなお

ばさん)は覚えていて、「どうぞいらっしてください!」と歓迎してくれた。ホテルや旅館と違い、時間に縛られずに

(食事とか入浴とか)動けるのが気に入っているのだが、外で食事したり、食材を入手してコテージで作るのは自前で

しなければならない。でも、この気軽なスタイルが連れも私も性に合っているので、当面このコテージの利用は続

きそうだ。調布から高速と国道を利用して、約90分で現地着はとても便利だ。




コテージは、「清里ライン」(国道141号線)の脇にある。高原野菜の生産と貸別荘の営業をしながら、「わんわん
パーク」(ドッグラン)を併設しているので、わんちゃんと一緒に利用する方も多いとのこと。広い歩道の脇には
「ヤマツツジ」の花が満開だった





3日目の午前中は快晴の好天気となった。ジャージー牛乳のソフトクリーム目当て(連れ)で、清泉寮の牧場に寄って
みた。広いデッキの上から眺めた景色は抜群だった。南東方向には富士山の雄姿が臨めた。一味違うソフトクリーム
頬張りながら、手前の広大な牧場と高い青空に挟まれた光景は、「うまいねぇ~ すごいねぇ~!!」だった。



梅雨前線が太平洋に南下し、北の高気圧が張り出してきた天気はまるで秋空の様だった。上空に広がる巻雲・巻積雲
(ともに10,000m前後)も、普段見られない種類の雲が次々と現れ去って行くので、時を忘れて雲々を見入ってしまった。
南東の彼方には南アルプスの主峰北岳も見える。都会では決して味わえない至福の時間だった。



子供の頃から、空を眺めるのが好きだった。周囲を高い山々に囲まれた善光寺平で育ったためか、夏の夕立や秋の寒風

吹込みなど天気の急変がしばしばだった。現実的には、風が吹き始め群雲が張り出してくると「一雨来そうだぞ。」

とか、夕焼けに染まる雲色具合を見て「明日は晴れるよ!」とか、天気の変わり具合を予想することに関心があったの

だが、季節によってまた天候によって色々な雲が現れるのが面白かった。山間の渓流釣りでは、天候の急変は大雨や

増水で身の危険を伴うことが多々あるので、空や雲を見また、風の変わり具合を肌で感じることは、危険回避上必須

の心得となる。愛読書に『空の名前』(高橋健司著)があって、空の高さによる雲の種類や、形によるネーミングなども

参考にしている。以下、梅雨の晴れ間に標高1,100~1,300mの高原で遭遇した巻雲・巻積雲・高積雲の光景を紹介

してみたい。




「モコモコひつじ雲」(高積雲)   コテージの朝、晴れ渡った空に出現した゛ひつじの群れ゛のような雲。5,000m前後
の高度に現れるが、もっと規則正しく並んだら「さば雲」(同じ高積雲)と呼ばれる。私自身も、こんなにきれいな
ひつじ雲は初めてだ。羊が100匹は居るだろうな!?



「モヤモヤ毛状雲」(巻雲) 清里ジャージーハットのデッキから見たすじ雲(巻雲)の一種、毛髪や繊維を思わせる
白い筋が特徴の毛状雲だが、この雲は綿毛がほどけたように゛モヤモヤ゛していたのが珍しかった。




「バラけまだら雲(巻積雲)とモヤモヤ毛状雲(巻雲)」これも同じデッキから見た雲だが、上空(10,000m以上)にバラ
けてしまったまだら雲があり、その下(10,000m以下)をモヤっとした毛状雲が風に乗って進んでいく、という
゛巻雲デュエット゛に遭遇したということか!?  これも初めての光景だ。



「もつれ毛状雲」(巻雲) 巻雲の中で、すじの形が不規則に曲がっていたり、一部固まっていたりもつれたりして
いるのを「もつれ雲」と呼んでいるが、これがまさにそれだろう。同じデッキにて、なおネーミングは私独自の遊び
で付けたものだ。





 JR小海線の甲斐大泉~清里間に、川俣川を超える鉄橋があり、その下が丁度「吐竜の滝」(どりゅうのたき)の位置
だ。3日目の朝、コテージを退出してから車で向かい、駐車場でトレッキングシューズに履き替えて林間を20分ほど歩い
た。八ヶ岳の伏流水が湧き落ちる様は、なかなか迫力満点だった。川の水は青味がかった川石のせいか、澄んだ青色
していてとてもきれいだった。新緑の青葉と白い滝水のコントラストが、目にも鮮やかだった。リフレッシュ!!


<この項つづく>