2013年11月26日火曜日

晩秋の多摩川、この秋を楽しませてくれたフォトアルバム。




晴天の午後、多摩川を渡る風に揺れるススキの穂にも、秋の終わりの気配  All Photo by TAKA
この秋は、思いもかけずに、自宅の近くを流れる多摩川近辺で楽しい時間を過ごすことができた。チャリで5分という近場、お天気の具合や空き時間を見て、ちょっと行ってこられるのがいい。遊歩道をサイクリングしたり、土手や備え付けのベンチでランチとお茶をしたり、ゴム長を履いてざら瀬で釣りをしたり、時と共に変わっていく空と雲・川の景色を眺めたり...なんてことない時間なのだが、いい空気の戸外で過ごす楽しみを沢山味わうことが出来た。強い北風が吹けば、庭の木々も街路樹も紅葉した葉を散らして、色の無い景色の冬が来る。この秋の多摩川の風景を、フォトと共に載せてみたい。




夜明け前の薄明、右に流れる多摩川と、上空に掛かる下弦の月。街路樹の灯りと、グラデーションの空色がきれいだった(上)。




朝まづめ、ライズする魚たち、その数の多さに驚いた。ユスリカなどの羽虫を食べようとしているのか、朝めし前のひと運動なのか? それにしても賑やかなことだった(左上)!






流した浮きと毛鉤にかかったヤマベ(オイカワ)のオス、体長14cm程。小魚も多いが、この位になると結構引きが強く、釣り味を楽しめる(左中)。















ヤマベのメスは全身銀鱗で、オスのような縦柄のパールマークはない。ざら瀬が続くポイントでは、流す毛鉤を銜えてに次々と魚が掛かってくるので、結構忙しいのだ(左下)。






川幅は広く、時に淀み、時に浅瀬となり、悠々と流れている。中流域ともなると上流のような巨岩は姿を消し、川中はほとんど野球ボール大以下の丸石となる。たまにサッカーボール大の石がある程度。台風の大雨後は大きく増水し、普段の何倍もの水が両岸の土手近くまで迫ってくるが、1週間も過ぎれば、また静かな流れを取り戻す。


晴天の空にたなびく秋の雲は、綿のように白く千切れ、悠々と流れる川と向かいの林を見ていると、なんだかアラスカの川でサーモン釣りをしているような錯覚に捕らわれた。もちろん、こちらは小魚釣りなんだけれどもね。


5,4mの竿を、上流から下流に向かって扇型の弧を描きつつ、浮きと毛鉤を流していく。瀬尻でヒットすることが多い。

河川敷の運動場では、野球・サッカー、ハンドボール、犬のトレーニングなど、アウトドア・スポーツを楽しむ人たちで週末は賑やかだ。少年サッカーチームの練習試合の最中、丁度京王線の陸橋を、電車が通過していった(左)。
















「東京都還暦軟式野球連盟」なんて聞いたことがありますか?
TOKYO OVER 60 BASEBALL LEAGUE Since 1994 だって。おじさんたちも、頑張って楽しんでね(右)!











五本松脇の公園では、イロハモミジが紅葉の真っ盛り、晴れた空をバックに色付き具合がきれいだった(左)。 


土手下で見つけた木立ちダリア(皇帝ダリア)の花、ほぼ満開の薄ピンクの花色が、夕日に映えていた。最近、この花の園芸種を、個人のお庭や公園でよく見かける。原種は、枝丈が4~5mの高さにまで伸びるため、見上げるようにして眺めるのだが、最近の園芸種は、せいぜい2mほどの背丈だ。花色が少ない初冬を彩る貴重な花かもしれない(右)。
















多摩川と沈む夕日、360度のパノラマは、何度見ても美しい。



初冬の澄んだ空気の中では、冠雪した富士山の姿が現れた。何時もは、周りの雲に覆われてなかなか見ることが出来ない。これも冬の時期の楽しみだ。広重だったらどう描くかな?

さて、今年はそろそろ釣りも納竿の時期だろう。遊んでもらった小魚たちとも、来春まではお休みの期間となる。四季折々の景色を見せてくれる多摩川を、これからも楽しんでいきたいと思う。

2013年11月24日日曜日

六本木・ミッドタウンの「スターライト・ガーデン2013」と電子音楽



「スターライト・ガーデン2013」は、ミッドタウンの広大な庭園の芝生に展開されるX'masのイリュミネーション、電子音楽に乗ってプログラミングされた立体的な光と音の饗宴が素晴らしかった。夜空に浮かぶ下弦の月も輝いていた。
All Photo by TAKA
クリスマスシーズンを彩るイリュミネーション・スポットが各地で話題になっているが、LEDライトの普及による多様な光表現と、空間をデザインする光アートを見られるのは、初冬の楽しみだ。昨年は、立川の昭和記念公園に行ってみたが、予想以上にきれいで迫力があったのには驚かされた。
今年は、光のプロデューサー石井幹子氏がデザインした読売ランドの「ジェルミネーション」(ジュエリーとイリュミネーションを融合させたイメージ・タイトル)を見に行く予定だが、今回都心に出たついでに、前から見たいと思っていたミッドタウンのガーデンに寄ってみた。


ライトアップされた東京タワーを背景にした「スターライト・ガーデン」、後方の赤・黄色タワーと青色の前庭がコントラストして、とても幻想的だった。

ミッドタウンの案内では、『約2,000㎡の庭に28万個のLEDライトを使い、今年のテーマ・宇宙の広がりを、「クロスオーバーイルミネーション」により、360度全方位で輝く光のアーチを作りだし、立体交差するイルミネーションで表現。ダイナミックな天体の動きを、高さ、交差、連続性のある光で強弱と緩急をつけて演出します。』とのこと。確かに、電子音楽のメロディーに呼応した光の動きは、立体的でスピード感のあるものだった。多くのイリュミネーションは平面的で、点滅こそすれ、立体的に動きがある演出は少ない。電子音楽のタイトルと作曲者、そして空間デザイナーの名前が広報には無いので作者はわからないが、光の動きが素晴らしかったのでとても印象に残った。
 協賛しているエミレーツ航空は、アラブ首長国連邦の首都ドバイに本拠地を起き、近年多数の航空機保有と世界各地に就航都市を広げている航空会社だ。「Emirates」のライト・ボックスと、プログラム(1回約3分)の最後に、赤色で光り輝く「Fly Emirates」のタイトル文字の意味がわからなかったのだが、後で案内を見て理解できた。
しかし、このイリュミネーションの作成予算も相当高額だと予想するが、流石にオイルマネーは太っ腹だね。私自身はエミレーツ航空に乗ったことは無いけれども。
エミレーツ社のマークを表示したライト・ボックス(左)と、「Fly Emirates」のイリュミネーション文字(下)
















 

ガーデンは、イリュミネーション・スポットの周りにある遊歩道を巡って、ぐるりと360度回ることが出来るので、見る場所によってライトのレイアウトが違うし、風景も違って見えるように演出されている。これは楽しかった。また、ガーデンに繫がる2階の回廊からも見下ろすことが出来るので、多様な角度から楽しめるのが良い。ビルの中のレストランからの景色もまた見ごたえがあると思う。初冬の冷たい空気の中だったが、見物客は結構多かった。でも、人気スポットなので12月に入ったら、もっと混雑するだろうと予想された。




さて、光り輝く青のイリュミネーションを見ながら、私は電子音楽に聴き入っていた。そのテーマ曲の作曲者は不明だが、20代の終わりに熱中した、フランスの電子音楽家「ジャン・ミシェル・ジャール(Jean Michel Jarre)」のことを思い出していたのだ。彼は、映画「アラビアのロレンス」のテーマ曲を作曲したモーリス・ジャールの息子で、『Oxygene(酸素)1976』(日本版タイトル『幻想宇宙』)や『Equinoxe(昼夜平分時)1978』(春分や秋分の昼夜の長さが同じ時)などの大ヒットアルバムを持つ作曲家だ。宇宙の広がりや、地球創生期の生命誕生や、混沌から熟成への長大な時間などを感じさせてくれる、とてもユニークな曲が多い。

中でも好きだったのは、『Equinoxe』のPart.5、家に帰ってから久し振りにYouTubeでその曲を聞いてみた。彼の曲は、電子音楽特有の゛テクノ臭゛はなく、むしろ繊細で感情豊かだ。POPS的ですらある。軽快なリズムと流れるメロディに満ちているのだ。

ジャン・ミシェル・ジャールのアルバム『Equinoxe』のカバー・デザイン、双眼鏡を覗く人のパターンデザインが不思議な印象を与える。



コンサート5分前に撮影された彼と電子楽器の映像、数多くの電子楽器から、彼の多彩で宇宙的なサウンドが生み出される貴重なワンショット。共にYouTubeから。

沢山の青い光と音楽の饗宴を楽しめた「スターライト・ガーデン2013」は、私に懐かしい作曲家を思い出させてくれた初冬の夜だった。興味ある方は、YouTubeで、J.M.ジャールの曲を聴いてみてね。
https://www.youtube.com/watch?v=IXw113Y3gPE


<追記>ミッドタウンに問い合わせてみたところ、今年のテーマに合わせた電子音楽は、オリジナル曲で、曲名は付いていないとのこと。従って作曲者も解からなかった。

2013年11月16日土曜日

錦秋の紅葉を、箱根美術館の庭園で堪能した。



箱根美術館の茶室・真和亭の前で葉を広げるイロハモミジの銘木、紅葉の枝振りと鮮やかな゛紅・くれない゛が見事だった。 All Photo by TAKA
この秋は、どこの紅葉を見ようか?と思ったとき、今まで行った事がなかった紅葉時の箱根美術館を選んでみた。数回見に行っている高尾の紅葉も、やたら人が多い割には、本当にきれいな゛イロハモミジ゛や゛オオモミジ゛は少ないし、名園といわれる都内の小石川後楽園・小石川植物園・六義園・平林寺などにしても、数本~10数本の紅葉の木があるだけで、とても見て満足するには至らない。信州の高原育ちの私は、秋には近くの山々や高原で、本当にきれいな紅葉を見ることが出来たし、秋のハイキングや山歩きはとても楽しかった。飯綱・戸隠高原、志賀・菅平高原、妙高や美ヶ原にしても、山々の広葉樹や湖畔の唐松・糸杉が色づく様は、まるですべての絵の具を散りばめたような美しさだった。まさに、「錦秋」と呼ぶにふさわしかった。








 苔庭の手入れも行き届いていて、庭を巡る遊歩道の石畳とモミジの木がきれいにレイアウトされていた。苔の緑と色付き半ばの葉の色(緑と薄赤)のコントラストも素晴らしかった。



木々の間を縫って差し込む陽の光は、びっしりと生える緑苔の上に落ちた紅葉が散り敷き、不思議な文様を作り出していた。めったに見れない絶景。












今回の紅葉見物のきっかけになったのは、小田急電鉄のCMだった。ネットで各地の紅葉情報を調べていたら、箱根美術館に行き着いた。箱根の紅葉名所の中で、随一の紅葉スポットというではないか。CMも、なんとなく京都の紅葉名所か(小田急が京都を取り上げるわけが無いのに)と思って見過ごしていたが、美術館の庭園にあるお茶室から見た動画と映像だと解かった。そういえば、小田急駅貼りのポスターでも見ていたじゃないの!古い陶器のコレクションをみた美術館の昔のイメージだけがあって、気づかなかったのだ。


庭園入り口近く、「萩の家」前のイロハモミジ、逆光に透けた葉色が、晴れた青い空と白雲に映えて見事だった。
その日、開館時間の9時半を目安に、都内を朝早く出て、東名・小田原厚木道路・国道1号線(箱根の上り坂)を経て、強羅の箱根美術館に辿り着くと、入り口から延々長蛇の人の列が開館を待っていた ! 平日にもかかわらず、広い駐車場には観光バスが次々と入ってきた。これには、ご一緒した健康おたくのYKさんと2人でびっくり ! 大半が中年のカップル、まあ平日の朝だから、そんなものかもしれない。20分ほど待ってから庭園に入った(入園料900→700円のシニア割引)。以下、200本も植えられているという素晴らしい庭園の紅葉を、映像でお楽しみいただきたい。








黄色に色付くオオモミジの葉、イロハモミジと同じカエデ科だが、赤~黄変する。葉の形はイロハモミジより大きく、掌状に7~9裂する。









緑→黄緑→黄色→橙→赤と、気温の変化によって、段々と色付きが強まり、やがて冷たい木枯らしが吹くと紅葉は色を失って散っていく。
♪ 枯葉よぉ~♪









イロハモミジの葉型は5~7裂、紅葉の゛紅゛美しさではナンバー・ワン、ツツジ科の満天星(ドウダン)ツツジも、紅色ではいい勝負だと思う。高低差のある勾配に巨石を配して造られている石楽園の一角、きれいに色付いた樹木の葉は、枯れや傷みも少なく最盛期だった。






















庭園の樹木の下植えにされていたリンドウの花、咲き残りの蕾が、朝の光の中で可憐に咲いていた。苔庭の苔は、随分たくさんの種類が植えられていた(約130種)が、苔についてよく知らない私は、種類も名前もわからなかった。しかし、枯れや傷みがほとんどなく、長年の手入れの良さを感じさせてくれるものだった。

この日の天気は、朝のうち雲ひとつ無い快晴、気温は低くて寒かったが、晴れ渡った空を背景に紅葉の紅色がとても映えていた。次第に雲が出てきて、帰途に着いた頃には、箱根マラソンでお馴染みの国道1号線は上りの車で渋滞し、おまけにみぞれ交じり冷雨が降ってきた。昼前には箱根を引き揚げてしまったので、下りは渋滞も無く快適な紅葉見物だった。ほんとに久し振りに、「錦秋」の名前に値する紅葉を見ることが出来て、とても大きな充足感が残った。



いかにも盛りの紅葉風景、イロハモミジをこれだけ集めて見ることが出来るスポットも珍しい。この美術館の貴重な庭園を、永く残してほしいと願う。



美術館の駐車場脇の土手に葉を広げるイロハモミジの巨木、樹形といい紅葉の葉付きといい、素晴らしくきれいだった。

興味のある方は、小田急電鉄のCMを覗いてみてね。
http://www.romancecar.jp/attraction/

2013年11月14日木曜日

フィギュア・スケート ISU GPS 男子シングルより



男子シングルの表彰台は、高橋大輔(日・金)、織田信成(日・銀)、ジェルミー・アボット(米・銅)の3人だった。
 All Photo by Zimbio
今シーズン(2013/2014)のGPS・男子シングル戦で表彰台に上がった有力選手を見ると、パトリック・チャンは相変わらず健在(カナダ杯・金)、高橋大輔はアメリカ杯で4位だったものの、このNHK杯を制して実力者振りをアピールした(日・金)。羽生結弦は、カナダ杯でP・チャンに次ぐ好成績(日・銀)、織田信成も頑張ってカナダ杯・銅、NHK杯・銀、小塚嵩彦はいまひとつ波に乗れずに中国杯・銅、町田樹はアメリカ杯に優勝して(日・金)ファンをうならせた。日本人選手たちの活躍と実力のしのぎ合いを横目に、アダム・リッポン(米)はアメリカ杯・銀 / NHK杯4位、ジェルミー・アボット(米)もNHK杯・銅に食い込んで、アメリカ勢の実力伯仲振りを示した。中国杯・金のハン・ヤン(中)と、銀のマキシム・コブトン(ロ)については、私自身も滑走を見ていないのでなんとも言えないが、ダークホース的存在となるのだろうか? やはり、ここ数年間ライバルとして激しいバトルをくり返してきた、P・チャンと高橋大輔のどちらかが、世界選手権とソチ・冬季オリンピックのFS男子シングルを制するのは、かなり確実性が高いと思われる。
□ 



























 高橋大輔の芸術的なスピン(左)と、織田信成の高さのあるジャンプ(右)、元気な信成が戻ってきた。

そのNHK杯での高橋大輔(日・金)の滑りは、アメリカ杯での不振をすっきりと拭うような完璧に近いものだった。冒頭の4回転ジャンプを成功させて一気に波に乗った。テーマ曲は「ビートルズ・メドレー」、ハープ・ストリングス・アコーデオン・アコースティックギターの柔らかな音色による、懐かしいビートルズ・ナンバーが会場を包んだ。曲に乗ってのメリハリの効いたステップは、現在のところ世界ナンバー・ワンだろう。スピンのスピードも申し分なく、コンビネーション・ジャンプで小さなミスがあった以外、7種類のジャンプも素晴らしかった。いわゆる芸術点というか、スケーティングの音楽表現に関しては、非常にレベルが高かったと思う。ラテンのリズムに乗っても、クラシックのハーモニーに乗っても、彼の演技は常に高レベルの評価を得ている。この調子を維持して、世界選手権とオリンピックに望んでほしいものだ。

一度不振の谷間に沈んでしまったかに見えた織田信成(日・銀)の復活は驚きだった。特にジャンプの不成功が全体に悪影響を及ぼしていた昨シーズンまでの滑りとは格段に違っていた。コンビネーションジャンプ(4→2回転)が3回転になってしまったミスはあったが、後半になってもスタミナが衰えず、次々にジャンプを決めたのはお見事。ジャンプの良さが、スピンやステップにも好影響を与え、全体に好印象のすべりだった。お馴染みの「ウィリアムテル序曲」の軽快なメロディも、演技の軽やかさに繫がっていた。



179cmの長身から繰り出すジェレミー・アボットの演技は、迫力満点(上) 

銅メダルのジェレミー・アボット(米)と、4位のアダムリッポン(米)の凌ぎあいも見ものだったが、残念だったのは、ハビエル・フェルナンデス(SP)、得意の4回転ジャンプが決まらず、スピンもステップもバランスが崩れて精彩を欠いた(5位)。昨シーズンの世界選手権・銅の彼も、今シーズンはまだ調子が出ていない。同じく・銀のデニス・テン(カザフ)は、今回の中国杯4位、アルチュール・ガチンスキー(ロ)・ブライアン・シュベール(仏)のヨーロッパ勢は、今シーズン入賞にも届いていないのだ。
今後、GPSファイナル→世界選手権に向かって、どの選手が調子を上げてくるのか? 高橋大輔とパトリック・チャンの間に誰が割り込んでくるのか? 今後も楽しみな展開が続く。

2013年11月12日火曜日

フィギュア・スケート ISU・GPS NHK杯 女子シングルより


今年のNHK杯の表彰台に上がったのは、浅田真央(金)/エレーナ・ラジオノア(銀)/鈴木明子(銅)の3人、なかなか見ごたえのある競技が続いた。 ALL Photo by Zimbio

国際スケート連盟(ISU)が主催する「グランプリシリーズ(GPS)」は、世界の有力フィギュア・スケート選手が出場する競技会で、2013-2014年度のシーズンは、以下の六都市を転戦して開催される。スケート・アメリカ(デトロイト・10/18~)、スケート・カナダ(セントジョン・10/25~)、中国杯(北京・11/1~)、NHK杯(東京・11/8~)、エリック・ボンパール杯(パリ・11/15~)、ロステレコム杯(モスクワ・11/22~)、グランプリ・ファイナル(福岡・12/5~)。グランプリ・ファイナルに出場できるのは、5会場での上位成績者。年明けに、ヨーロッパ選手権(ブタペスト・1/13~)、四大陸選手権(台北・1/20~)、そして、3月24日から埼玉市で開催される世界フィギュア・スケート選手権は、GPSシリーズの上位成績者が出場できる大会で、ここでの優勝者は、オリンピック優勝者と同等あるいはそれ以上の栄誉を与えられる。その間に、ソチ冬季オリンピックがロシアで開催される(2/6~2/23)。
ここ7年間の世界選手権優勝者や表彰台に上がった選手を見ても、女子シングルでは、カロリーナ・コストナー(伊)は第一線を退き、キムヨナ(韓)もシリーズに出ていない。アリョーナ・レオノア(露)も往年の勢いを欠く。近年台頭著印しい日本勢では、浅田真央が復活、ベテランの鈴木明子も元気、安藤美姫はGPSシリーズに出場枠はないが、成長が目覚しい若手(村上佳奈子や宮原知子など)も加わって選手層が厚いので、善戦が期待できる。最近のフィギュア・スケート(FS)の人気は高く、ファンも増えているように感じる。
今年のGPS・カナダ杯優勝者のユリア・リピニツカヤと中国杯優勝者のアンナ・ポゴリラヤのロシア勢が、NHK杯には出場しないで他の大会に回ったが、若手を中心に元気を増しているし、アシュリー・ワグナー(アメリカ杯2位)や今回出場のグレーシー・ゴールド(カナダ杯3位)のアメリカ勢 からも目は離せない。
かつて、荒川静香がトリノ・冬季オリンピック(2006年2月)で金メダルを獲得した時、当時の日本のマスコミは、どの各社も優勝を予測していなかった。ただ、アメリカのマスコミは、彼女の優勝を的確に予測していた。それは、金メダリストはフロックでは決して無く、その近年の真の実力者が得ることを、GPSシリーズと世界選手権の結果から予見していたのだ。彼女は、サーシャ・コーエンとミシェル・クワン(ともに米)を押さえて、2004年の世界選手権(ドルトムントで開催)の優勝者であり、そのシーズンのGPSシリーズでも好成績を残していた。当時の日本マスコミには、この認識が薄く、タレントのような人気や過度の期待感からオリンピックの金メダリストを願望していたに過ぎなかったと思う。そのシーズンの一連の成績と世界選手権での結果が、FS選手の大舞台での競技成績に直結することを、よく理解する必要があるのだ。




























ジャンプが安定してきた浅田真央(日)、女子FS選手の中でも屈指の実力者となった(左)。
エレーナ・ラジオノワ(ロ)の゛ビールマン・スピン゛は、出場選手の中でもNO,1の美しさ、ジュニアからシニアに入ったばかりの若干14歳、オリンピックは年齢制限で出場不可(右)。

さて、前置きが長くなったが、浅田真央(金メダル)の最近の演技は安心して見ていられるようになった。前回オリンピックでキムヨナに敗れた後、佐藤信夫コーチのもとでスピンやステップを見直し、ジャンプだけに頼らない総合的な演技改善に打ち込んできた結果が、ようやく実ってきた。今シーズン始めからアメリカ杯を優勝し、仕上がりの良さをアピールしている。
今回演技でも、まだトリプル・アクセル(3,5回転)の着地に課題があるものの、フリー・ショート共にしっかり回っている。フリーの課題曲:「ノクターン」(ピアノソロ)に乗った滑降では、すべてのジャンプ(コンビネーションも)をノーミスで決め、スピンもステップも抜群によかった。特に、演技と演技をつなぐ゛間゛がとてもスムーズ、曲調に合わせた身体の動きは、足や手先まで良く伸びて細かな表現まで出来ていた。ステップのかなり複雑な動きも、それを感じさせない滑らかさがあった。演技中の表情にもゆとりが感じられた。過去3回(金2・銀1)、世界選手権の表彰台に上っている彼女にとって、今シーズンのソチオリンピックと2014世界選手権は、競技生活の集大成になるだろう。今シーズンでの引退が伝えられているが、私はまだまだ行けるのではないかと思っている。

最近低迷していたロシア勢ではあるが、今シーズンはジュニアから上がってきた若手選手の活躍が目立っている。エレーナ・ラジオノワ(銀メダル)の演技には、正直私もびっくりした。゛彗星のように登場してきた゛というか、ロシア勢恐るべし!の印象を強くした。フリーの演技は、映画「フリーダ」のテーマ曲だったが、ビアソラ風のタンゴのリズムに乗ってジャンプを次々に決め、レイバックスピン・ビールマンスピンの美しさも抜群、ステップも滑らかで途切れがなく、155cmの細身な身体が大きく見えた。2013年のジュニア選手権(ミラノ)の表彰台に上った3人は、共にロシア選手(E・ラジオノワ:金 / J・リプニツカヤ:銀 / A・ポゴリラヤ:銅)、今後彼女等の動向から目を離せなくなった。





























今年28歳のベテラン選手・鈴木明子(日・銅メダル)は、今シーズンがラスト・シーズンと伝えられているが、演技はショートの方が良かった。テーマ曲「愛の賛歌」(ヴァイオリンのストリングス)に乗って、ジャンプはノーミス、スピン・ステップともに、メリハリがあってスムーズな滑りだった。フリーでは、ジャンプが上手く行かず後半に乱れたが、それでも全体をまとめる力はやはり長年のキャリアを感じさせてくれる素晴らしいものだった(上左)。
ミシェル・クワン、サーシャ・コーエンが第一線を退いた後、アメリカ勢が表彰台に上ることがなかなか難しくなっている。アリッサ・シズニーも今シーズンから姿を消している中で、彼女の後継者を髣髴とさせてくれるグレイシー・ゴールドはまだ18歳、長身で細身の身体から醸し出す雰囲気は、゛Gracy゛の名前によく合っている。フリーの演技は、チャイコフスキーの「眠れる森の美女」(オーケストラ)に乗って滑ったが、スピン(レイバックとビールマン)は、線がぶれず回転スピードも速くてとても良かった(A・シズニーもこれを得意としていた)。ジャンプにミスが続き、惜しくも表彰台を逃したが、アシュリー・ワグナーと共に今後も表彰台に上る有力選手であることは間違いないと思う。

その他、長身の身体で高いジャンプを次々と決めたベテラン(27歳)のヴァレンチノ・マルケイ(伊)、ジュニアから上がってきて、ジャンプ・ステップ・スピン共にバランスのいい演技を見せた宮原知子(日)、往年の勢いがなく演技にも精彩を欠いたアリョーナ・レオノア(ロ)など、なかなか見ごたえのある演技を楽しめたNHK杯・女子シングルだった。


今後の活躍が楽しみな宮原知子、15歳の高校生

2013年11月11日月曜日

第5回 ザ・タペストリー ライブのお知らせ


第5回
THE TAPESTRY LIVE
1964年 東京オリンピックの時、高校3年生だった。
2013年 音楽で甦る青春!
2020年 東京オリンピックの年にはオリジナル曲で勝負!!

開催日:20131130 開場12:30 開演13:00 閉場16:00
会 場:東京都新宿区新宿2-8-1セブンビル2F レストランパペラ
Tel03-3350-0208 東京メトロ丸の内線・新宿御苑駅1番出口前 http://currypapera.moo.jp/
会 費:4,000 本格インド料理バイキング・フリードリンク
主 催:ザ・タペストリー 後援:金四会
予 約:武内克己Tel090-6043-8150メールqq5g6mgq9@miracle.ocn.ne.jpまで 

ザ・タペストリー:バンドのプロフィール
2010年秋、長野高校1964年度卒業生6名でバンド結成。卒業後の各メンバー得意音楽ジャンルは、ジャズ・ボサノヴァ・ハワイアン・R&B・カントリー・フォーク・J-Popと様々だけれど、「みんなの持ち味を織り込んだタペストリーのような音楽を一緒にやりたいね」と月1回以上の合同練習と年2回の人前ライブを続けて、石の上にも3年経ちました。その間、バンド活動を伝え聞いた同期の仲間が次々と参加、総勢13名(女性3名、男性10名、平均年齢67才)の陣容で、「目指せ!2020東京オリンピックの年に大勝負!」を合言葉に精進を重ねております。

今回のライブ内容
第1部は、スタンダード・ナンバーを中心に、お馴染みの曲を披露
第2部は、AYAとゲストメンバーの魅力と個性をめいっぱいに発揮。飛び入り大歓迎!
第3部は、オリジナル曲や力作曲で、タペストリーの新しいチャレンジをお聴かせします

<ザ・タペストリー:メンバーのプロフィール&コードネーム


<左より>ヨッシー(Bj)、マッキー(As)、TAKAGt)、QP村山(Dr)、AYABa
4回ライブ(2103/6/1:音楽酒場ピック)より Photo by Kouzu & TAKA

マッキー(高久正明/3年1組) 金鵄祭で「闘牛士のマンボ」をサックスで熱演、全校のアイドルとなった。大学、社会人とサックス修行を継続、タペストリーのコンサートマスターとして、50年の歳月を込めた「闘牛士のマンボ」を今宵もブローする。
QP村山村山浩司/3年1組) タペストリー以外でもバンマスを務めるバンドは、中高年で毎回満員の人気バンド。横浜で隔月定期ライブを開催中。当バンドではTAKAとのコンビでオリジナル曲を制作、今回3曲目「叶わぬ恋」が完成。乞うご期待。
AYA松藤旧姓柳沢章子/25組から転出。米国でも絶賛されたハワイアンのスチールギターは定評のあるところ。しかしタペストリーでは、エレキベースでサウンドをサポート。バンドの音楽面での的確なアドバイスに信頼が高い。
ヨッシー(山口義憲)/3年5組 学生時代からバンジョーを弾いて、古いジャズにどっぷり浸かっていたが、ハワイアンをバンジョーで弾くのがこんなに楽しいとは知りませんでした。練習後の呑み会が、練習時間とほぼ同じ長さになるのもすごく楽しい。
  ■TAKA(高地智)/3年9組 タペストリーのバンドマスター。プロ級のボサノヴァ・ギターとボーカルにはファンも多い。最   近、外国曲を自分で訳詩し、日本語で歌うという試みに、今注目が集まり始めている。

シロ―(宮沢四朗)/3年1組 高校時代はブラスバンドの指揮者で、後姿しか記憶になかった。タペストリーでは、フルートを客席に向かって吹いている姿と、豊かなホワイトヘアーでビジュアル的にも好評。
トオルちゃん(井原徹)/3年1組 学生時代はフォークソング・トリオで歌っていた。卒業後はカラオケ専門。タペストリーのボーカルとして、フォーク、河嶋英五、小椋佳など青春の歌を50年のキャリアで歌う。
原ちゃん白井(旧姓原)憲子/3年3組 ボーカルとコーラスを担当。“愛の讃歌”を日本語とフランス語で歌った。五人の孫たちと童謡を歌いすぎてハスキーボイスに。クラシックの合唱団のメンバーでもある。
hiroko栢木(旧姓柳田)宏子/3年4組 「筋トレで、10年前の洋服が着られるようになり、ステージ衣装の幅が広がりうれしい バンドに参加してよかった」ボーカル、コーラス、サンバ・ホイッスルを担当。
タケちゃん(武内克己)/3年2組 金四会の世話役にしてハモニカの名手。師について演奏を学びながら定期的にコンサートに出演。タペストリーでは、独自の境地のソロ演奏をタップリと聴かせる。
まっちゃん(松本正重)/3年7組  高校・大学と男声合唱団で活躍し、卒業後も3つの合唱団でハーモニーを楽しんでいる。今年1月、ウィーンで開催された“ヴェルディ・コンサート合唱団”に参加した。
タカオちゃん (松木孝夫/3年3組 長野高校ブラバン班長として活躍。当時の楽器は小バスで低音担当。リタイヤを機に「娘のお下がりのトランペットを手にし、カラオケボックスで猛(?)練習。期待と不安の練習 の日々は、あの青春時代の想いと似ているような気持です」
ナッケン(中澤憲二/3年2組) タペストリーに参加のため50年ぶりのトランペットに再挑戦。11月30日は『甦るか? ! 往時の青春』をテーマに、努力・研鑽・修練の成果が発揮される予定。高校ブラバン時代の愛称、昔の名前“ナッケン”をコードネームに新たなデビュー!


<フォト上より>シロー(Fl)、トオルちゃん(Vo
<フォト下 左より>hiroko & 原ちゃん(Cho)、タカオちゃんTr & ナッケンTr)、タケちゃん(Hm


満3年を迎える我等がバンドのライブです。今回は、とても賑やかなライブになりそうです。
ご予約は、武内克己、またはTAKA(Email:jovialtaka@ace.ocn.ne.jp)まで。
皆様の来場をお待ちしております。

2013年11月10日日曜日

「ミケランジェロ展 天才の軌跡」を見て


久し振りに上野の西洋美術博物館に出かけてみた。『システィナ礼拝堂500年祭記念・ミケランジェロ展 天才の軌跡』と謳った絵画展だ。
ミケランジェロについては、私はよく知らない。というよりは、イタリア・ルネッサンスの芸術家の中では、「春の戴冠」や「ビーナスの誕生」を描いたボッティチェッリや、「改悛するマグダラのマリア」を残したティツアーノ、「モナリザ」の天才・レオナルド・ダ・ビンチなど、より人間的な表現を追及した作家に興味があり、大理石彫刻(ダビデ像)やシスティナ礼拝堂の天井画で知られるミケランジェルについては、ローマ教会御用達作家のイメージが強く、興味があまりなかったといってもいい。
今回の展覧会は、ミケランジェロの素描や彫刻・書簡などを代々受け継いできた一族(ブオナローティ家)が財団で運営する「カーサ・ブオナローティ」との提携で実現したものだが、かなり地味な展覧会ではある。(主催はTBSと朝日新聞社)
ただ、この展覧会の無料招待券を入手した絵友のHIさんのお誘いもあったので、ただで楽しんで来てしまった。

正直言って、4つのテーマに別れた各展示室を回ってみても、書簡やシスティナ礼拝堂天井画<以下、「天井画」に省略>のための人体素描(ほとんど筋肉図)や、彫刻のための小さなトルソなどがあるだけで、よくこの内容で展覧会を開いたよね~! という感じだった(ファンの方には申し訳ないが)。「天井画」についても、写真撮影を基にした大きな印刷パネルが展示されていたが、修復なった作品の素晴らしい色合い(鮮やかなパステルカラー)を再現するには程遠く、暗くて沈んだ印刷色はちょっと無残なものだった。
私にとっては、映像コーナーで上映されていた「天井画」の修復ドキュメンタリー動画(TV番組録画)が1番の見物だった。絵画展に来て、展示作品ではなく、会場の一角で放映されていた動画がよかった、というのもおかしな話だが。数百年の間に、埃や汚れ・以前の修復で覆われた上地を、特殊な洗剤で丁寧に拭いててゆくと、16世紀始めに描かれたオリジナルの色が蘇ってきた。それは、ライトピンク・ライトブルー・ベージュ・ライトオレンジ・ライトグリーン・ホワイトなど、輝かしいパステル色というか、蛍光色というか、目にも鮮やかな衣装と人体色だった。これには、とても感激した。
後日、YouTubeを覗いてみたら、『システィナ礼拝堂・壁画修復7年の記録』の動画がその1~その8(TBS制作か?)まであったので、時間を見てゆっくり拝見しようと思っている。




















「デルフィの巫女」(左)と「リビアの巫女」(右)、ともに修復後の「天井画」(YouTube画像より)。肌の色といい衣装の鮮やかさといい素晴らしい作品だ。

ひとつの収穫としては、展示作品の案内の中に、『「天井画」の作品群はマニエリスムの表現だった』という一文を見つけたことだ。ミケランジェロは、人体解剖や筋肉・骨格の研究から、人体の筋肉素描を数多く残しているが(これは、ダ・ビンチも同じ)、その探求から得たものを、聖書に題材を取った場面構図や聖人図に結実させている。「天井画」をローマ・カトリックの総本山の要請で描いた時期は、丁度ヨーロッパ各地に宗教改革の嵐が吹き荒れた頃で、反宗教改革(カソリックの巻き返し)のために、「カソリックを信じないものは、地獄に落ちる」という警告メッセージを示さなければならない危機感が法王庁にはあった。
ミケランジェロが描いたキリストや12使徒の人物画は、皆゛マッチョマン゛だ。女性像や天使像ですら、筋肉隆々のマッチョだ。彼らは皆、彼が理想とするたくましい骨格と筋肉を持った人体図で描かれている。身体の不自然な動きも、現実の人間身体をよりり強調した、望ましい姿になっている。
この人物画の描き方は、やはり当時のスペイン王国で、カソリックの寺院祭壇画をたくさん描いたエル・グレコの人物画に共通するものがある。グレコの曲がりくねってデフォルメされた聖人図も、彼が(あるいは、当時のカソリック勢力が)イメージした理想の人体図だったのだと思う。
「マニエリスム」の両巨匠が、ともに反宗教改革のパブリシティを担った作家であったことも、新しい発見だった。
とは言え、それがミケランジェロの作家としての評価を貶めるものではないのは、言うまでもないことだ。彼の人体研究に基づく「天井画」の素晴らしさは、誰もが認めているものだと思う。ただ、それを大いに好むかどうかは、人それぞれだろう。