□姫川の流水から踊り出すように餌の川虫に喰らいついてきた源流イワナ、ガツンッという当たりとグイグイ
引き込むような強い牽きで私を驚かせてくれた。旺盛な食欲で身も厚く、美しい魚体は尺には届かなかった
が手に余る大物だった。All Photo by Jovial TAKA by RICOH GRⅡ
が手に余る大物だった。All Photo by Jovial TAKA by RICOH GRⅡ
北アルプスの山々に降った雪は、雪融け水と伏流した湧き水が川となりふもとの平野を潤す。姫川は白馬さのさか
スキー場近くの湧水地に川の源流を発し、平川や松川など北アルプス山中に源流を持つ支流の水を集めて白馬村の
平野を流れ、小谷村や姫川渓谷を流れ下って糸魚川市で日本海に注ぐ流程約60㎞の急流だ。暴れ川としても有名
で、過去大きな水害事故を度々起こしているという。その流水の透明度から、゛日本一澄んだ川゛の称号を何度も
得ている。特徴として急流であることと、豊富な雪融け水によって夏場でも低温であること、従がってイワナやヤ
マメ(放流ニジマスも加わる)などの渓流魚しか生息できない。地元の姫川上流漁業協同組合の事業によって、「岩魚
(イワナ)は、発眼卵の放流が中心ですので、天然岩魚と言っても過言でない豪快な魚との駆け引きを楽しむことがで
きる渓流です。(以上、漁協HPより)」と紹介されているが、これは否が応にも期待が高まるというものだ。しかし、
色々なネット情報でこの川での釣りの困難さを知ってみると(川面に降りられるポイントが少ない、足場が悪い、流
れが強いなど)、果たしてイワナやヤマメに会えるものなのか? という不安もあった。
スキー場近くの湧水地に川の源流を発し、平川や松川など北アルプス山中に源流を持つ支流の水を集めて白馬村の
平野を流れ、小谷村や姫川渓谷を流れ下って糸魚川市で日本海に注ぐ流程約60㎞の急流だ。暴れ川としても有名
で、過去大きな水害事故を度々起こしているという。その流水の透明度から、゛日本一澄んだ川゛の称号を何度も
得ている。特徴として急流であることと、豊富な雪融け水によって夏場でも低温であること、従がってイワナやヤ
マメ(放流ニジマスも加わる)などの渓流魚しか生息できない。地元の姫川上流漁業協同組合の事業によって、「岩魚
(イワナ)は、発眼卵の放流が中心ですので、天然岩魚と言っても過言でない豪快な魚との駆け引きを楽しむことがで
きる渓流です。(以上、漁協HPより)」と紹介されているが、これは否が応にも期待が高まるというものだ。しかし、
色々なネット情報でこの川での釣りの困難さを知ってみると(川面に降りられるポイントが少ない、足場が悪い、流
れが強いなど)、果たしてイワナやヤマメに会えるものなのか? という不安もあった。
□遥か後方(西南方向)に鹿島槍ヶ岳(2,889m)を見ながら、左方からカーブして滔々と流れる下る姫川の本流。
初夏の午後の明るい陽射しが降り注ぐ中、雪融け水のせいかわずかな濁りが交っていた。しかし水温は15℃
まで上がっていた。(初日-5/28午後14:50)
初夏の午後の明るい陽射しが降り注ぐ中、雪融け水のせいかわずかな濁りが交っていた。しかし水温は15℃
まで上がっていた。(初日-5/28午後14:50)
□目前の川底には大きな石がゴロゴロと点在し、大きな渕の瀬尻は釣りの絶好ポイントだが、如何せん流れが
速すぎる。俊之の和竿4,5mに道糸1号(やや太め)・針素0,8の7号イワナ針に川石底から採った川虫を餌に付け
て流してみるが、あっという間に流れに持っていかれてしまう。
速すぎる。俊之の和竿4,5mに道糸1号(やや太め)・針素0,8の7号イワナ針に川石底から採った川虫を餌に付け
て流してみるが、あっという間に流れに持っていかれてしまう。
□川の流心は勢いを増して流れ下り、ザザザ~ッという川音と共に鶯の鳴き声や川を渡る初夏の風に揺れる木々の
葉音が聞こえて来る。姫川のすべてに溶け込みながら、私はつぶやいていた。「イワナよ、出で来いやぁ~! 」
葉音が聞こえて来る。姫川のすべてに溶け込みながら、私はつぶやいていた。「イワナよ、出で来いやぁ~! 」
□流心脇の緩やかな流れに仕掛けを流した時に、不意に「ガツン!」という当たりがあり、竿は一気に牽き込ま
れて「グググッ」としなった。獲物を慎重に引き寄せながら、ようやくランディングネットに取り込んでみ
ると淡黄と橙の斑点も鮮やかな源流イワナだった! 「瀬脇を狙え!」という渓流釣りのセオリー通りだった。
れて「グググッ」としなった。獲物を慎重に引き寄せながら、ようやくランディングネットに取り込んでみ
ると淡黄と橙の斑点も鮮やかな源流イワナだった! 「瀬脇を狙え!」という渓流釣りのセオリー通りだった。
姫川の源流釣りでは、当初の予定として①平川合流点上流の平野で田や畑の中を流れる細流②同じ合流点から松川
との合流点までの山と谷を下る急流③支流松川の幾つかのポイント、を考えていた。事前に漁協に電話を入れて確
かめてみると、①は川と並行するサイクリング道路建設のため護岸工事中で、濁り水があり釣りは難しいことが解
った。③は3日目に車でポイントを見て周ったが、雪融けの水量が多くて入渓は難しかった。結局のところ、②で
初日の午後・2日目の午前と午後に計5か所で入渓し竿を出してみたが、姫川に入渓した途端(初日の午後)大きな
イワナを釣り上げることができたのだから、これも幸運の女神が微笑んでくれたものだろう。
□姫川の滔々とした流れと新緑の堰堤の中で流心脇を狙う釣楽人タカ、雑念を忘れてただ々釣りに没頭できた
ことがとても気持ち良かった。Photo by HI
□この川には川虫もたくさんいて、体長も大きかった。今回はカワゲラの幼虫(オニチョロ)が専らだったが、
ヒゲナガカワトビケラ(クロカワムシ)やヒナタカゲロウ(カメチョロ)も棲んでいた。
釣り上げたイワナをランディングネットに入れ、針を外してからネットの半分を水中に入れたまま、しばらく獲物の
美しい魚体を眺めてしまった。標高の高い渓流にしか住まないイワナは、川虫や飛来する昆虫類などを常食としてい
る。漁協に確かめた時に「餌は何がいいのか?」と聞くと「川虫です。」と返答があった。白馬駅前のおじさんの店・
店主は、同じ質問に対し「ミミズとかブドウ虫だな!」と言ったが、「川虫はどうですか?」と訊ねると、「そりゃ
ぁ~、それが一番理に適ってるよ!」と大学教授みたいな口振りで宣ったものだ。実際、30代後半(30年以上昔!)に渓流
釣りに嵌まっていた頃、釣り餌は現地の川石からで採集する川虫だった。最近は疑似餌の毛鉤を使用することが多い
のだが(多摩川や丹沢の渓流で)、やはり釣りのセオリー「餌はその川に住む川虫を使え!」は生きていた。今回のイワ
ナも、釣具店で売られているブドウ虫やミミズでなく、姫川の川虫を採取して餌にしたのが良かったと思う。
□姫川に注ぐ小川(大出橋脇)で10匹ほどのヤマメを見た。「きっと近所の人が放し飼いしているんでしょ!」と
連れは言ったが、本来警戒心の強いこの渓流魚が、澄んだ水の中で気持ち良さそうに泳ぐ姿はめったに見ら
れないので、思わずカメラを向けた。
今回の釣りで、釣り上げたイワナは1匹、餌をピシャッと叩いて水中に消えた魚(イワナ?ヤマメ?)が2匹、川を移動中
に浅瀬から流心に逃げ込んでいった魚が1匹だったが、姫川の澄み切った流れを見ながらの釣りはとても楽しかった。
2日目早朝(5:30スタート)の川の水温は8℃、手を入れていると痺れてくるほど冷たかった。やはり、水温が15度前後
まで上がってこないと餌の食いは悪いと感じた。それに、もう2つの大敵がいた。1つは姫川をボートで下るラフティ
ングだ。大歓声を上げての川下りの後、魚も驚いてしまって釣りにならないだろう。もう一つはサイクリング道路
のための護岸工事、魚の生息する自然環境を壊してコンクリート護岸の箱川にしてしまったら釣り人はお手上げだ。
ともに、観光事業の一環として地元が力を入れているのは分かるが、益々手つかずの自然が残る環境が減っていく
のは少々淋しい気がする。
□姫川の激流を数㎞下るラフティング、子供たちやファミリーに人気とのこと。実際に2日目の午後は、川原に20台
程のゴムボートが並べられ、ちゃんとした装備の子供たちが次々とボートに乗って出発していくのを見てびっくり!
(白馬村HPより)
□護岸工事の後は、コンクリートで囲まれた箱川と大きな石も草もない味も素っ気もない川が残るだけだ。
魚も生息するのは到底困難なこととなる。観光事業とは言え、いやはや...
梅雨入り前の新緑の季節に再び白馬と姫川を訪れ、雪渓の残る美しい山並みと雪融け水を集めて流れる澄み切った
渓流を堪能できたのは、大いに楽しかった。念願の源流イワナに会うことも出来た(足場が悪かったので持ち帰らず
その場で放流した)。連れは、白馬の山並みと姫川をテーマに2枚のスケッチを描いたが、2日目は食あたりで体調を
崩し、ホテルの部屋で静養するというハプニングもあった。
崩し、ホテルの部屋で静養するというハプニングもあった。
オゾンたっぷりの美味しい空気とさらっとした高原の大気は、心身ともにリフレッシュさせてくれたし、空や山や
新緑や雪渓や、青味がかった清流や翡翠色の水流など、自然の色々な色を楽しむことができた旅だった。これは都
会では絶対味わえないものだろう。
ここに載せた今回の写真と動画(現在編集中)は、念願だったカメラ・RICOH GRⅡによるものだが、まだ使え慣れな
い操作でも私自身が驚くほどの高画質で味わい有る画像が撮れたことをとても嬉しく思っている。もっと使い込ん
で、素敵な画像や動画をこれからも撮っていこうと思う。
<この項終わり>
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