2019年1月6日日曜日

今年も、手作りのお節料理を美味しくいただいた。






我が家のお節は例年と同じく8品目、一の重に黒豆・海老の煮物・田作り・数の子、二の重に紅白なます・昆布巻き
・紅白の蒲鉾・鮭と鯛のお造り、10日程前から食材を買い揃えておいて、暮れの2日間で一気に作る。今年は良い
お味の品々が揃った。



2004年にお節料理を作り始めて早15年目となる。その年によって新しい品目を1~2点入れ替えることがあったが、

毎年ほぼ同じメニューだ。和食とマクロビオテックな料理(江戸以来、第2次大戦前までの日本の家庭料理)を探求

して、健康食・長寿食への飽くなき興味が発端だった(それほど大袈裟なことでもないが...)。加えて、介護施

設に入っていた晩年の母を正月には家に戻ってもらい、一緒にお節を食べる機会を持ちたかった。この目論見は

2年しか実現できなかったが、母を送った後もそれが続いて現在に至っている。


皆様にもそれぞれご家庭ならではの味(その人ならではの味)というものがあると思うが、黒豆の煮汁戻しと昆布出汁

づくりに始まる我が家の味のポイントを、簡単に記してみたいと思う。調味料は極力天然醸造のもの(醤油・味醂・

玄米黒酢・天日塩など)を使うが、少量でも味がしっかりと出るのでお薦めです。


<黒豆>調味料(味醂・醤油・塩)に少量のてんさい糖を加え、錆び釘を入れて汁を煮たて、火を止めてから4~5時間

黒豆を浸す。その後、灰汁取り・水足しをしながら2時間ほど煮込む。豆の硬さがつまんで潰れるくらい柔らかくなっ

たら煮上がり。煮汁を1/3程度まで煮詰めて黒豆にかけまわしたら出来上がり。お正月中、他の料理と一緒に、酒の

友、サラダで楽しめる。やはり、丹波の黒豆は大振りで美味しい。即製錆び釘は、水を張ったきれいな小皿に釘を

数本入れ、2日間程水を補給しながら錆び出しし、錆び水毎ネットに包んだ釘を鍋に入れるとよろしい。

<数の子>無漂白の皮付きを入手し、塩抜き水(水700cc+塩小さじ1)で1時間、これを3回繰り返す。漬け汁(出汁2

カップに醤油・味醂20ccを入れて煮たて冷ましたものに昆布一切れを入れる)に漬けて一晩おくと味がしっかり染み

る。やや薄めの漬け汁の方が、数の子本来のパリパリとした味を楽しめる。薄皮むきは、和手拭に本体を包むよう

にしてむくとよろしい。

<昆布巻き>羅臼昆布を7㎝巾に切りそろえ、パットにお酒を張って20分ほど浸して戻す。中身の生鮭は、皮を取っ

て7㎝・1㎝角の棒状に切りそろえる。1カップの水に一つまみの塩を入れ、戻した干ぴょう絞って一巻き分の長さに

切り揃える。棒状鮭を酒気を拭いた昆布で巻き、干ぴょうで2ヶ所を結わえる。煮汁(出汁2カップ+黒酢20㏄・酒20

c)を入れた鍋に落し蓋をして20分ほど煮た後、仕上げ調味料(味醂30㏄+醤油30cc)で10分程落し蓋で煮る。昆布が

柔らかくなったら出来上がり。

<田作り>ごまめは、デロンギのストーブの上に1時間程置いて水分を飛ばす。フライパンで炒ってもいいのだが、

火が通り過ぎて粉っぽくならぬように注意する。パットにラップをかけて置き、フライパンで煮汁(出汁1カップ+

醤油・味醂・てんさい糖少々)を煮たて、量が半分ほどになったら、ごまめを投入して素早く汁と絡める。パット

に手早く広げて冷ます。取り皿に盛った田作りに青のりを振りかけて食すと美味。カリカリとした歯触りが身上だ。




今年も2家族分のお節を作った。こちらは食友さん宅のお重、ぎっしりと詰め込みました。




<海老のうま煮>良い車海老の入手が年々困難になっている。知り合いの方が市場で仕事をしている友人に頼んだ

が、車海老は手に入らなかったと聞いた。築地まで行けば可能かもしれないが、無理をせず今年も赤海老を使った。

背ワタを取った海老を煮汁(酒1/2カップ+味醂・醤油各20cc)を煮たてて海老を入れ、表・裏を5分づつ煮る。長時

間に煮てると身が硬くなるのでご注意。

<紅白なます>7㎝巾の大根・人参をスライサーで2㎜厚に切り、包丁で2ミリ巾に切り揃える。透明袋に入れて塩を

小さじ1杯振り、よく揉んで10分程置き、水気を絞る。ボールの中で大根と人参をよく混ぜ、柚の千切りを加えて

黒酢1/3カップ+メープルシロップ少々と和える。シャキシャキとした歯触りと柔らかな酸味が心地よい。

<蒲鉾の2色サンド>蒲鉾は身味の良質のものを入手、今年も粋月の紅白(ぐちをたっぷり使用)を揃えた。1㎝巾蒲鉾

に上半分切り身を入れ、白にはほぐした明太子とかぼすの薄切りを挟み、紅には半切り大葉とナチュラルチーズ片を

挟む。紅白も嬉しい新年をお祝いするおつまみ感覚の一品だ。かぼすはスダチやレモンでもOK。

<お造り>生鮭と白身魚(鯛・ヒラメ・ブリなど)の刺身なのだが、例年は大葉とおぼろ昆布を交互に重ねた゛ミルフィ

ーユ゛にするのだが、今年はちょっと趣向を変えてくるくる巻きにし、ぎんなん串でとめた。1㎝角棒状の煮大根

(煮汁に塩少々でやわらかく)に鯛の切身とおぼろ昆布を巻き、人参(同)にオーロラ・サーモンの切身を大葉で巻いた。

ちょっとオードブル感覚の刺身となった。



大晦日と正月の三ヶ日は、お屠蘇や日本酒と共にお節料理をいただく。今年は元旦に多摩川堤から初日の出を拝み

(雲がかかっていて今一つだったが)、ご近所の氷川神社をお参りしただけで、ゆっくりと自宅で過ごす正月となった。

今年も健康で生活を楽しめる一年でありたいと願う年初めであります。

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