2017年4月7日金曜日

フィギュアスケート世界選手権2017より(その2.女子シングル)




女子シングルの表彰台は、エフゲニア・メドベデワ(金:ロ.17歳)、ケイトリン・オズモンド(銀:カ.21歳)、
ガブリエル・デールマン(銅:カ.19歳)の3人だった。E.メドベデワのSP/FS合計得点は233.41の歴代最高得点、
自身のもつ記録を更新した。All Photo by Sports News


今回の世界選手権女子シングル戦の話題は、何といってもE.メドベデワのミスのない完璧な演技に尽きるだろう。

(「メドベージェワ」との表記もあるが、ロシアTVのアナウンサーの発音を聞いていると、「メドベデワ」の方が

近い。) 女子シングルは、かくも高レベルな演技による戦いのゾーンに入ってきてしまった。そういう点から言え

ば、昨シーズンから今シーズンの初めにかけて、出場した試合のジャンプで転倒したり、着地が決まらずにもがいて

いた浅田真央の演技とは、随分と違ったレベ感じる。メドベデワは、ジュニアからシニア戦に入って来て2シー

ズンだが、2015年のGPロステレコム杯で優勝したE.ラジオノワについでの2位になった以外は、国際大会で12回の

優勝を果たし、ロシア選手権・欧州選手権選手権ともに2連覇という凄い成績を残して来ている。これだけ

でも、「なんだ!なんだ!」という驚きを隠せないが、演技の内容が素晴らしすぎるのだ。昨シーズンのGPSファイナル

・男子シングル戦で優勝した羽生結弦(歴代最高得点の330.43!)の演技を例えて『異次元のレベル』とマスコミは称し

たが、彼女の演技もやはり『異次元』であると言わざるを得ない。

彼女は、3A(トリプルアクセル)を除くすべての3回転ジャンプ(3T:トゥループ・3S:サルコウ・3F:フリップ・3R:ルッツ

・3Lo:ループ)を飛ぶことができ、3F+3Tや3S+3Tなどのコンビネーションや、2A+2T+2Tの3連続ジャンプもプロ

グラムに入れている。また、片手を挙げた両手を挙げたままでジャンプするという高難度の回転技術も備えている

のだ。また、スピンはF.S(フライング・シットスピン)やB.S(ビールマン・スピン)・R.S(レイバック・スピン)など、

回転軸のブレない多彩な演技が可能だ。ステップやスパイラルシークェンスでも、美しい図形を描くような表現を見

せてくれる。今シーズンのFSテーマ曲は、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」という映画曲だったが、

恋人を交通事故で亡くした時に受けた電話のシーンをドラマチックなスケーティングで表現した。この出来具合も、

GPSの各大会を通してプログラムに磨きをかけ、今回の世界選手権で高難度の演技を正確かつ完璧に表現し、ドラマ

性も見事に見せたのだから、やはり賞賛に値すると思う。


連戦連勝のメドベデワの牙城を崩せる選手が現れるかどうかは、今後の興味を引くことだが、今回驚いたのは、カナダ

勢2人の大健闘だった。スピードに乗ったダイナミックな滑走と終始耐えることのない笑顔で人気のK.オズモンドは、

長らくケガや骨折でシーズンを棒に振ったりして、国際大会では表彰台に上ることがほとんどなかった(2012年のGP

スケートカナダは優勝しているが)。しかし、今シーズンに入って体調が整ったのか入賞や表彰台が続き、今回の世界

選手権銀メダル獲得を果たした。SPのテーマ曲はシャンソンの「エデットピアフ・シリーズ」、FSはフレンチPOPS

の「ラ・ポエム」、ともにキュートでバランスの取れた肢体から繰り出す演技とマッチしていて迫力があった。ジャ

ンプもノーミス(着地がやや乱れたものが2回あったが)、合計得点の218.13は自己ベストの高得点、一躍トップ選手に

仲間入りした。

銅メダルのG.デールマンの存在は、あまり知られていなかったのでノーマークに近かったし、私も良く知らなかった。

彼女はカナダ選手権ではここ数シーズン、K.オズモンドと1・2を争ってきているが、昨シーズンからコーチをブライ

アン・オーサーに、振り付けをローリー・ニコル(フィギュアスケート界の゛黄金コンビ゛と言われている)に変えて

から、急速に力をつけて来た。同じB.オーサーに指導を受けている世界王者のH.フェルナンデスから「君は国際大会

でも表彰台に上れる選手なのに、それを自分が気付いていないね。」と言われて一気に実力が開花したとのこと

(Figure Skate Sports Newsより)。今大会ではSPもFSもノーミス、スピードに乗ったジャンプは高さも切れもあり、

躍動感にあふれる素晴らしい演技だった。彼女も200点越えの合計213.52を叩きだした。いやはや、女子の戦いもミス

のない正確な演技と多彩な表現力がないと表彰台には上れない時代となった。





今シーズンの好成績をひっさげ、世界選手権でも表彰台に上る最有力選手の一人だったアンナ・ポゴリラヤ
(ロ.18歳)は、何の魔が差したのかジャンプでの転倒を繰り返し入賞も出来なかった。試合後リンクで泣き
崩れる姿は、勝負の非情さを垣間見せた。



 3シーズン振りに競技に復帰した大ベテランのカロリーナ・コストナー(伊.30歳!)、スケーティング技術のお手本
のような、華麗で伸びやかな演技でファンを沸かせた。言わばもう゛過去の人゛と言われ兼ねないのに、SP:66.33
 / FS:130.50、合計196.83の成績で6位入賞はご立派! まだまだ競技会で活躍してほしい! 



■ベテランのもう一人:アシュリー・ワグナー(米.25歳)は今回精彩を欠いた。ジャンプもコンビネーションが
決まらず入賞ならず7位となった。



日本女王の宮原知子を欠く(骨折のため欠場)日本勢の中で、一人5位入賞を果たした三原舞依(日.17歳)、ノーミスで
演技できたFS138.29の得点は立派。SP演技最後のジャンプ3Fの転倒がなければ200点越えがあったかもしれない。


女子シングル戦も終わってみれば、表彰台独占を予想されていたロシア勢では、メドベデワだけがメダルを得て、

マリア・ソツコワもA.ポゴリラヤも入賞できなかった。日本勢も、高難度の演技を正確に表現出来るトップ選手には

届かず、オリンピック枠も2枠に留まった。トップ選手層の薄さが今後の課題となるだろう。アメリカ勢は、カレン

・チェン(17歳)の頑張りで4位に入賞し、A.ワグナーの入賞と併せてオリンピック枠3枠を得て踏ん張った。カナダ勢

の大躍進は、今後の競技会表彰台を争う勢力として、各国選手からマークされるだろう。

今回の世界選手権の面白さは、男子も女子も技術的にも高レベルでの戦いだったのに加えて、若手選手・中堅実力選手

・ベテラン選手が、ガップリと四つに組んでの熾烈な戦いだったことによる。本当に小さなミスでも、得点に大きく響

いて来るような、見ていてもスリリングな(言ってみれば、手に汗を握る様な!) 試合は、これからも多くのファンを沸か

せてくれると思う。今シーズンの戦いは、あと一つの国別対抗戦を残すのみとなったが、また来シーズンのフィギュア

スケート試合を楽しみとして、今シーズンの最後のコメントとしたい。

<この項お終い>

2017年4月5日水曜日

フィギュアスケート世界選手権2017より(その1.男子シングル)




世界選手権を制すると見られた有力選手の中で表彰台に上がったのは、男子では羽生結弦(金:日.22歳)・
宇野昌磨(銀:日.19歳)・ボーヤン・ジン(銅:中.19歳)のアジア勢3人、女子ではエフゲニア・メドベデワ
(金:ロ.17歳)・ケイトリン・オズモンド(銀:カ.21歳)・ガブリエル・デールマン(銅:カ.19歳)の海外勢3人
だった。All Photo by フジTV and Sports Net Newsより。


今年のフィギュアスケート世界選手権(3/29~4/1.Fin.ヘルシンキにて開催)は、例年になくレベルの高いスリリングな

試合となり、TVやネット動画で見ていてもなかなか見応えがあった。男子は「真4回転時代」、女子は「ミスのない

完璧な演技」が戦いを象徴するキーワードとなったが、長年(10年以上)F.スケートのファンとして試合を見てきた私に

とっても、随分と高次元な世界に入ってきたなぁ、という印象が強い。

男子シングル戦優勝の羽生結弦にとって、今シーズンは昨シーズン末に痛めた左足の回復度合や全日本選手権前に

罹病したインフルエンザなどの影響もあり、調子が上がらなかった。NHK杯とGPS(グランプリシリーズ)ファイナル

戦こそ制したが、スケートカナダではパトリック・チャンに、四大陸選手権ではネイサン・チェンに後れを取った。

SP(ショートプログラム)とFS(フリースタイル)の演技に彼が組み込んだ3種類6回の「4回転ジャンプ」のうち、4S

(サルコウ)と4T(トゥループ)と4Lo(ループ)の単独ジャンプは成功させているが、4S+3Tのコンビネーションがすべ

て決まらなかった(転倒や着地失敗)。SPの演技も身体の動きが硬く感じられたし、優勝は無理だろうと私は予想した。

ところが、ところがである! FSでは、全てのジャンプを完璧に飛んだのだ。課題の4S+3Tもきっちり決めて223.20

の高得点をたたき出し、SPとのトータル321.59という驚異的な高得点を出したのだから凄かった。Kiss & Cryでの本人

とブライアン・オーサーコーチの喜びようも半端でなかった。2015年のGPSファイナル戦で出したSP110点台の完璧

な演技が出来ていれば、その時に出した歴代最高得点330.43を今回は越えていたかもしれない。

彼の演技の良さは、ジャンプ回転軸のブレのなさ、踏切から空中姿勢・着地姿勢までのバランスの良さを挙げられる

が、ステップもスピンも流れるように美しい。そして、越えるべき相手は自分自身と見極めて、最高レベルの演技を

実現するために飽くなき挑戦をし続ける姿勢だろう。ファイティング・スピリットも旺盛だし、克己心も強い。SPの

で身体表現ががやや硬かったので、FSの時にもその思惑にとらわれて演技が硬くなるのでは? と心配したが、そ

杞憂を見事に拭い去ってくれた。これで彼は、2014年冬季オリンピック(ソチ)・金メダルに次いで、2回目の世界

選手優勝者となった(1度目は2014年)。


宇野昌磨の成長振りをここまで予測した人も少ないだろう。入賞・上手く行けば銅メダルかも、と私は思っていた

が、SPもミスのない滑らかな演技、FSは緩急を付けた動きの良い演技でほぼノーミスだった。3Lz(ルッツ)と4Tの

着地姿勢の評価が低かったのを除けば、計3種類6回の4回転ジャンプ(その中には4F:フリップも入る)を成功させ、

特にコンビネーションはきれいに決まった。前回の世界選手権で調子を落として7位に終わった雪辱を果たすために、

ミスのない演技を磨いてきた努力が実ったことを、本人も喜んでいた。柔和で優しい風貌だった若者が、戦いを

挑む凛々しくもまた引き締まった表情になっていたのを見て、私もとても頼もしい気持ちになった。


ボーヤン・ジン(金博洋)のSPテーマ曲は「スパイダーマン」、FSは「道(F.フェリーニ)」、ともにきびとした動きと、

ちょっとコミカルな演技で彼独特の世界を表現していて面白かった。SPはノーミス、FSも同じくノーミス、計4種

類6回の4回転ジャンプを決めたのだ! 何時もいい所でジャンプを失敗し、優勝を逃していた彼が、今回は前年の世界

選手権に続き3位の表彰台に上った。童顔で細身の彼が(身長は171㎝ある)、3年連続中国チャンピオンを獲得しなが

ら、世界でも表彰台を争って戦える実力者に成長してきたのを見て、男子シングルの競技がますます面白くなって

きたのを感じた。





男子シングルチャンピオンの羽生結弦(中)・宇野昌磨(左)・ボーヤンジン(右)の表彰台3人


さて、SPが終わった段階では、H.フェルナンデス(Esp.25歳)が完璧な演技で首位に立っていた(得点は109.05!)。テー

マ曲のフラメンコ「ラ・マラゲーニヤ」に乗って、磨き上げ完成した演技とはこういうものだ、というお手本の様

なパーフォマンスだった。手足の動きだけでなく、指先まで行き渡った身体表現が鮮やかだった。SPで5位に終わ

った羽生に較べ、今回はフェルナンデスの優勝を誰もが予測しただろう。パトリック・チャン(カ.26歳)もしかり、

SPの流れるように優雅な演技は、ベテランの熟成した表現力を見せてくれたし、4Tのジャンプを見事に決めた(得点

は102.13)。ともに100点越えの二人が、優勝を争うだろうと多く人が予測したと思うが、勝負というものは最後ま

でほんとに分からないものだ。

最終グループ一番手の羽生が素晴らしい演技で打ち出したFS得点:223.20に、どの選手も度肝を抜かれてしまった。

何とかこれに対抗せねば、と平常心でいられなくなった選手と、「ゆず君のこの得点は越えられっこないから、自

の演技をしよう!」(宇野談)と開き直った選手の差が出たのだと思う。フェルナンデスはジャンプに精鋭を欠き、

転倒とミスを繰り返した。P.チャンは、一つ一つの演技を丁寧にこなしてテーマ曲に乗ろうとしたが、ジャンプの

着地がぎくしゃくして、いつもの滑らかさがなかった。アメリカ・チャンピオンのネイサン・チェン(米.17歳)は、

FSでも4種類6本の4回転ジャンプに顕然と挑戦したが、転倒とミスが多く、200点に届かなかった。この3人の選手が

表彰台に上れなかったのは、4回転ジャンプが決まらなかったことが要因だが、トップから入賞者(6位)まで、誰が勝

ってもおかしくないほど、実力は伯仲している。ミスのないジャンプと、その完成度でどこまで正確な技術と踏切

から着地までのスムースな姿勢を見せられるかで、得点はガラッと変わってくる。現行の採点基準からすれば、ジャ

ンプの種類やコンビネーションに大きなウェイトがあり、それに較べてステップやスピンの種類・多彩な表現に対

してはウェイトが低いのだ。それまで、プルシェンコ(ロ)やブライアン・シュベール(仏)が果敢に挑戦した4回転ジャ

ンプに対して評価が低かった時代もあるのだ(プルシェンコはこの点について、何時も悔しさをアピールしていた。




FS演技を終えて感極まり、達成感をあらわにしたミーシャ・ジー、とても素敵でした!


しかし、現在の採点基準の中でも、やはりフィギュアスケートの醍醐味と言うか、美しさというか、それは「氷上

で如何に滑らかでメリハリのある身体表現をできるか!」とアピールする選手もいる。私的には、巧みなスケーティ

ング技術(エッヂワークや滑走姿勢など)で氷上を滑走する身体表現のやわらかな選手を応援したい気持ちが強い。今

季限りで引退し、振付師へ転身が伝えられているミーシャ・ジー(Uz.25歳)の演技は、優雅で美しかった。SPテーマ

曲はリストのピアノ曲「愛の夢」、FSの曲はバレエ音楽「くるみ割り人形」、4回転ジャンプこそないが、フィギュ

アスケートの楽しさと魅力を余すことなく表現して見せてくれた。



身体の柔らかさでは当代随一のジェイソン・ブラウン(米.22歳)、今回も芸術的な表現で観客を沸せた。彼の
インスタグラムで画像を見ても、風貌や仕草になんとなくオネエキャラを感じるのは私だけかなぁ?


その点では、J.ブラウンも同じだ。彼も4回転ジャンプで勝負せず(一応4Tを跳んで見せたが)、3回転ジャンプの完成

度と多彩でキレの良いスピンとステップをプログラムの中心にに組み込んで演技している。滑走中の両足ジャンプ

も高い! (良く足が上がるもんだ)。往年のエヴァン・ライザチェック(米.2010バンクーバー・オリンピック金メダル、

2009世界選手権優勝)がそうであったように、ジャンプに偏らずに、フィギュアスケートの総合的な表現力で演技す

技姿勢の流れを受け継いでいる、と言えようか。


ともあれ、「真・4回転時代」を合言葉に、スリリングなジャンプで勝負する試合は当分続くと思うし、表彰台を

巡って、若手と実力者とベテランたちが技を競って戦う姿を見るのは、とても興味深いと思う。ネット動画も昨日

の試合を翌日配信してくれるので、録画でじっくりと演技を見られるのは楽しい。この点では,民放各社のTV放映

が日本選手に片寄り、CMもやたらに入ってきて興味をそぐのは好ましくないと私は思っているが。


<この項つづく>

2017年3月30日木曜日

新宿御苑の花見会とマスター追悼会



ソメイヨシノに先駆けて花開く新宿御苑の枝垂れ桜、晴天の青空の下、満開の薄紅色花を枝垂れていた。
All Photo by TAKA



昨年の同じ時期に、この新宿御苑にお弁当持参で集まり、花見会を兼ねた大学のクラス会を催そうとしたのだが、

生憎なことに祝日の翌日だったため休苑で花見会ができなかった。それで、近くの明治神宮の北側にある芝生庭

園に移動し、そこで咲き始めのソメイヨシノを見ながら、お弁当や飲み物(アルコールはご法度)をいただきながら、

四方山話に花が咲いた(こっちの花の方がにぎやかだったが!)クラス会となった。空気はきれいだし、広い芝生は

開放感満点だし、強い陽射しと暖かな温度で、急速に開いてゆくサクラの花を見られたのはとても楽しかった。

昨年の好評に気をよくして、今年も新宿御苑にもう一度集まることになり、8名のメンバーが集ってのお花見会と

なった(3月24日)。

この会は、もともとカナダ在住のSHさんが、サクラの時期に日本へ里帰りされるのを良い口実にして、大学の

クラスメイト有志が集ったのがスタートだったのだが、今回は新しく男子2名も参加して賑やかになった。SHさん

はカナダに20年間ほどお住みで、日本文化センターの仕事を現在もされているし、ODさんは90代後半の母堂を介

護しながら、翻訳の仕事をされている。また、今回幹事のNUさんは、やはり90代後半の母堂の面倒を時折見なが

ら、趣味雑貨の販売をされているのだ。OTさんは、SHさんの大学時代からの友人で、この会で彼女に会えるのを

一番楽しみにしていたかもしれない。SKさんは、近くの千駄ヶ谷にPR会社の事務所を構え、趣味の俳句の会で句

を読むのを熱心にされている。男子のST君は、長らく海外で車関係の仕事をした後、中古カメラを古書市などで

扱ったり、東海道を宿場毎に歩いたりして元気だ。近くの青山に事務所を置いて、業界紙の編集と発行を手掛け

るKT君は、皆との久し振りの会合に話が止まらなかった。で、私は今回の晴天に恵まれた花見会に大いに気をよく

し、皆の話を聞きながら時折こちらの話を入れてとても楽しかった
 



早咲の陽光桜も、満開の咲きっぷりだった。



お昼時に千駄ヶ谷駅に集合し、千駄ヶ谷門から入苑した時は、陽射しも強く気温も上がっていて暖かだった。昨年

見られなかった枝垂れ桜(池の端に数本ある)に移動すると花は満開、枝垂れの周りには多くの人が写真撮影したり

花を見上げたりで賑わっていた。御苑の桜の樹には沢山の種類がある中で、高遠コヒガンサクラや陽光などはほぼ

満開、ソメイヨシノはまだ咲始めだった。私も久し振りの枝垂れ桜をしばらく眺めて花を堪能した。その後芝生の

上でお弁当を食べ、北風が出て来た午後には駅前のカフェに移動して話は続いた。生憎、店内に席がなかったので

外のテラスに席を取ったが、室外用の暖房機(大きな傘の覆いつき)を店員がつけてくれたので、寒くなかった。しか

しその暖房機も2時間後に自動的に切れたので、会はそれで解散となった。

後日、ST君が桜の写真を皆に送ってくれ、私も撮影した枝垂れ桜の写真を皆に送った。KT君は、自分の事務所か

ら見た青山の街写真を送り、それに刺激されたODさんも以前撮影した桜の写真を送り返し、参加各位のメールが

飛び交って、会後にも大いに話しの花が咲いたのだった。来年もまたやりたい! という感想が多く、花の時期にお

弁当持参で集まるという気楽なクラス会ができそうだ。SHさんからは、カナダで紅葉を見る会に来られませんか、

というお誘いがあったが、どうなりますことでしょうか? それはともかく、また皆さんの元気なお顔を来年も見ら

れたらいいなと思っているのだ。




NTTドコモ本社ビルをバックに、芝生で持参したお弁当を食べながら談笑する友たち。サクラの開花を
待っていた人々で、御苑は人の出が多かった。



で、その翌日(3月25日)の夜、喜多見の椿珈琲店にメンバー達が集まり、古稀にも届かずに急逝したマスターの追悼

会(一周忌)をしめやかに執り行った。と書きたいところだが、出席者の大半は何処かで一杯(ならずに3~4杯)引っかけ

て集まったものだから、賑やかではあったが何とも締まりのない会となった。絵友のHIさんは、私をモデルにして

『コルコヴァード』というタイトルの油彩作品を描いたことがあり、たまたま私と一緒に訪れたことのあるこの店の

雰囲気に魅せられて、女主人のShigekoさんをモデルにした『Saturday Night(椿)』という油彩作品を昨年描いて、

所属絵画グループの展覧会に出品したことがあった。夜の酒場で思い思いに楽器を弾くメンバー達(誰がモデルかは

すぐわかる!) の真ん中で、女主人が歌い、後方でマスターがレキントギターを弾いている、という歌と演奏が聞こ

えて来るような何とも楽しい作品なのだ。



HIさん作の油彩画『Saturday Night(椿)』を飾ってのマスター追悼会、飲み物を作るのは
女主人のShigekoさん(画の主役もご本人)。



この夜は、HIさんとShigekoさんの要望が合わさって、この油絵をカウンターに飾っての会となった。サイトウさん

は花束を用意し、私はマスターの好きだった「夏の日の思い出」(日野てる子)をレキント風に奏で、HIさんはその歌

を唄った。ついでに「スカボロー・フェア」(サイモンとガーファンクル)と「時間よとまれ」(矢沢永ちゃん)など

を、ピアニカと歌とギターで合奏し、在りし日のマスターに花を添えさせてもらった。サイトウさんのジャズ・ナ

ンバーや皆の歌が続いた後、丁度古希を迎えた私への贈り物として、イズミちゃんは「Sentimental Boy」という歌

(オリジナルソング)を歌ってくれたのだが、面白いと思った歌詞ほとんど覚えられなかった。車に絵を積んで2人で

帰る直前に、3人(イズミちゃん・タカコさん・ノダさん)で、なぜかコマネチのポーズ(タケシのギャグ)で送りだして

くれたのが、びっくりするやら首をひねるやら、とにかく賑やかな追悼会となった。会にかこつけて、メンバー達が

集まって大いに飲み騒いだことが、何よりもマスターの供養になった、ということにしたい。マスターもあちら側で

「相変わらず、賑やかにおバカやってるよ!」と苦笑していたかもしれない。



キャンバスの中から登場した在りし日のマスターSatoshi、ご自慢のレキントギターを奏でる姿を
彷彿とさせてくれた。Portrait by hiroko

2017年3月20日月曜日

古稀入りとダーク・ウェブ対策(「古稀が来る前に」最終回)




 スミレも花開く春3月、寒さが続いた日々の後ようやく暖かな陽気が巡ってきた。自宅界隈の個人宅前庭で 
All Photo by TAKA


今月17日で、古稀入りした。満70歳となった。これからは未知のゾーンに入っていく。日々手探りの様な気も

するし、「なに、また楽しくやればいいさ!」というノー天気な気持ちもある。とはいえ、たいして現状は変わら

ないので、今まで通り無理は避けて健康に暮らしていこうと思っている。

「古稀が来る前に」と称して、ここ1年半位色々な取り組みがあった。このブログにもしばしば載せているが、親し

かった友たちと再び出会うための機会を意識的に作ってきた。小学校のクラスメイト達とは、一昨年の秋に長野で

再会したことで縁がつながり、今年の1月に元気でおられる恩師(90歳)を囲んで「古稀同級会」に集うことが出来た。

高校の音楽同好会仲間(ギター・マンドリン倶楽部)とは、昨年の3月にやはり長野の音楽スタジオに51年振りに集い、

ミニライブを開催しその後で楽しく会食できた。大学時代の同人誌(現代詩集「紫陽花」)仲間とは、昨年の2月に新宿

のレストランに集い、復刻なった詩集を読んだり、録音盤詩集を聞いたりして楽しいひと時を過ごした。その繋がり

で、カナダから里帰りしたSHさんを囲んで、女子会の仲間たちと明治神宮の広場でお弁当を食べながら花見会をした。

この花見会はとても楽しかったので、この3月の終わりにまたミニクラス会を新宿御苑で開く予定だ。もちろん、サク

の開花を見ながらお弁当持参の会なので、とても楽しみにしている。もう一つ、高校音楽仲間で活動していた「ザ・

タペストリー」のメンバーの一人シローが急逝したを機に、追悼会を昨年11月に新宿の蔵前酒場で開いたことも

記憶に新しい。何れも若い頃の一時期を一緒に過ごした得難き友達であり、これからも機会があれば集って旧交を

温めたい面々なので、何時までも元気な顔を見ることが出来るのを願ってやまないのだ。




誕生祝にご馳走を用意してくれた友だちの手料理、お刺身の船盛やちらし寿司・ウドのゴマ和えとキンピラ
・新鮮な海ブドウなど、とても美味しくいただいた。桜鯛の頭は、出刃で半割りして兜焼きにして、骨身は
お澄ましにして後日食べた。脂の乗った春の鯛は美味!


たまたまかもしれないが、ここ1年半ほどの間に身の周りの電化製品の買い替えが続いた。最初に洗濯機、次に

エアコンと掃除機、部屋のLED照明とオーディオ・スピーカー、最後に冷蔵庫。それぞれ15年から20年位使って

いたからとっくに寿命だったのだが、向う10年程の使い勝手と省エネ効果を考えてのことだった。重なる時は重な

るもんだ! と思ったが、古稀になる前に身辺がすっきりしたので気が楽になった。省エネタイプのお蔭で、電気料

金も3割り以上安くなったのはおまけかも。




松本の友達とお孫さんから、誕生祝のカードと地元名産品を贈ってもらった。お孫さんからは
「アルプスの光るしずくちゃん」というお守りも入っていた。


それで、「ダークウェブ」の話だが、このテーマではNHKの「クローズアップ現代+」でも特集をやっていたので、

ご覧になった方もおられるだろう。つまり、人間社会にも表の陽の当たる世界と闇に隠れた裏社会がある様に、ネ

ット(ウェブ)世界にも、誰もが安全に利用できる普通のウェブ世界と、高度に暗号化された情報通信によって闇取

引や違法な取引に利用される「ダークウェブ」の世界があるのだ。この世界では、法に触れる取引や詐欺関連サー

ビス、あるいは児童ポルノ・テロリストのメディア交換などが横行しているというのだ。我々の記憶に新しいもの

でも、アフリカの銀行の個人IDとパスワードの流出から百何十億円という金額が、日本の銀行のATMから違法に

引き出されたことが昨年あった。官庁や企業のPCがウィルス感染して、取引先や個人の情報が流失したりするの

も日常茶飯事、ウェブの便利さと引き換えに、流失した個人情報がダークウェブで販売されることも増えている。

番組でも、PCのデスクトップ画面に強烈な画像を貼り付けられ、複雑な暗号によってしか取り除きが困難な画像を

除きたければ金を払え、と脅かされる個人や企業の例を紹介していた(早く除くために金額を払った例も多いとのこ

と)。いやはや、パンドラの箱を開けてしまったような、大変な時代になったものだ。



画像はDark Web Newsより


私自身が利用しているPCでも、メールのOutlookには、不審な迷惑メールがよく入っていたし、Webmonyやネット

バンクでも、その都度取引のワンタイム・パスワードでセキュリティを強化しているが、ブラックウェブとの戦い

はイタチごっこの様な気もする。通販サイトに登録した個人情報などは、流失することが多いのを前提に、メルアド

やP/Wを定期的に変えたり、自前でセキュリティを強化するなど対策が必要だと思う。そこで、古希を迎えるにあた

って、PCの情報環境を一変した。まず、脆弱なOutlookの利用を減らすとともに、プロバイダーに登録しているメル

アドを変えた。ついでにセキュリティ強化のため迷惑メール排除サービスを追加した。それから、Googlechromeの

Gmailに新たなアドレスをつくって、ウェブの通販取引やWebmoneyで決済するサイト(音楽譜面販売など)のユーザー

登録を、Gmailに移した。ついでと言ってはなんだが、長年訪れていない都心銀行の口座を解約するつもりで、年金や

給与の振込口座と公共料金の引き落とし口座を家近くの郵便局に移し、駅前の別銀行に新規口座を作った。何かあった

時に、遠くの銀行では不便だろうという判断によるものだ。ついでのついでで、ATM取引のパスワードも新しいもの

に変えた。古稀にかこつけて、色々やってしまったが、こういうことは何かにかこつけて「エイヤ!」とやらないと

腰が重くてなかなか片付かないものなのだ。

いまのところ、PCの迷惑メールは皆無だ。あまりに通信履歴がないものだから、自分の携帯から両方にメールを送っ

てみたら、確かに届いているのでほっとしたが(アハハッ)。そして、「古稀が来る前に」というタイトルで綴って

きた記事も、今回を最後として終了することにした。また、私達の音楽ユニットのライブ演奏前置きも、

「シミはあるけどシワはない! We are Cokkies(古稀ーず)!」というアナウンスで始めることになった。