2009年3月13日金曜日

ソメイヨシノに先駆けて咲く春花たち




            □満開の白木蓮、撮影も゛イナバウァ~、Umm~゛:新宿御苑にてALL Photo by TAKA

昨夜からの強い南風と雨が続いている。春は一雨ごとに暖かくなると言うが、今日は春の嵐だ。

Milton Nascimentは、゛♪ 夢はそよ風で出来ているんだ でも、強い風がそれを消し去ってしまう ♪゛ と歌っているが(Travessia)、心に残る歌詞というものはこういうときにふっと出てくる。誰にもわかる平易な言葉でこころ模様を表現している。この曲は私も好きなので、ライブでも歌いたいと思っているが。

桜の開花予想がテレビニュースを賑わしているが、いわゆるソメイヨシノの前に咲く春の花々にも素敵なものがたくさんある。私は仕事柄、介護福祉のサービスで利用者宅を訪問することが多い。移動は自転車なので公園の木々や街路樹、個人宅の庭々で色々な花を見られるのが楽しみのひとつだ。

木蓮とコブシは、共に紫色と白色があるが、シデコブシの花は薄紅色と言っていい位紫色は淡い。白木蓮の緑褐色の固い蕾が開き始め白い花が枝一杯に咲くと、とても華やかで春爛漫の感じがする。青空に白花の乱舞は美しい。柔らかなナチュラルホワイトの花房の中に黄色の花芯が息づいている。ただ、この花の散り様はちょっと無残。白い花弁がすぐ褐色に変わり、地面にバラバラと落ちて散り敷くこととなる。

左から:白の小花が可憐な雪柳(狛江周辺) / 諸喝采(ハナダイコン)は四弁の紫花(成城学園周辺) / うつむき加減に花開く緋寒桜の鐘状花(新宿御苑)

桜というとパーッと咲いてパッと散るソメイヨシノが主役ではあるが、冬桜→河津桜→寒桜→緋寒桜→彼岸桜→枝垂桜→ソメイヨシノ→里桜(八重桜)→山桜など、真冬から初夏にかけて順を追って咲く桜群は、それぞれ花の形や色、咲きっ振り散り振りも様々で、季節の移り変わりと共に楽しめる。緋寒桜の花は、満開でも半開きでうつむき加減に咲くのに風情を感じる。九州・沖縄に多い早咲き種だが、花の色は濃~い緋色で多情多感な南国女を思わせる。


寒桜の花色はやや濃い薄紅色で、小さめの一重五弁花をびっしりと枝に咲かせる。春先の冷たい風の中でこの花を見るのはとても嬉しい。緋寒桜と山桜の混ざった雑種と言われるが、園芸栽培が難しいのかあまり身近には見られない。小石川植物園と新宿御苑には2・3本づつ銘木があって、この時期に見事な花を咲かせる。


新宿御苑の寒桜、後方のビルはNTT.DOCOMO本社。NYのエンパイヤステートビルにちょっと似ている。寒桜を主役に撮影したら、ビルが傾いてしまった!







雪柳は蔓状の枝にびっしりと小花を付け、新緑の葉の広がりと共に
花を咲かせる。心が洗われるような美しい白色花が枝先で風に揺れているのを見ると気持ちが弾んでくる。仲間種のコデマリ・オオデマリの開花も近い。畑の片隅や川の土手にハナダイコンの花を見つけると、そのきれいな薄紫色に見入ってしまう。中国原産名の゛諸喝采゛と大根の十字花に似ているのでつけられた゛ハナダイコン゛との名前の落差がこれほど大きい花も珍しい。

スノーフレークのスズランに似た鐘状花は、白花弁に緑の斑点が洒落ている。直径1.5cm程の小さな花なので、近くで覗かないと判らないが。葉状がスイセン、花形がスズランに似ているので、別名スズランスイセンと呼ばれるそうな。英名Snow Flakeば ゛ひとひらの雪゛、そんなにタイトルの渡辺淳一の小説があったように思う。同じヒガンバナ科のスノードロップは ゛雪のしずく゛、英国人も時には洒落た名前をつけますね!

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