2012年5月21日月曜日

夏バラの季節なのに、今年の気候は変わりやすい。




ご近所のお宅の南庭に咲いた見事な赤いツルバラ All Photo by TAKA
夏バラの季節だ。ご近所のNさん宅では、毎年見事なツルバラを咲かせて、通る人々を楽しませてくれる。南庭にはツルバラの古木が2本育てられ、斜めに組まれた棚に手入れ良く伸ばされた枝に、沢山の赤い花をつけ、開花の時期は次から次へと蕾が開く。たまたま、手入れをされていたご主人としばらく話をしたが、幹周りが直径20cm近いバラの木は樹齢25年とか。家を新築された時に植えたのが、そのまま咲き続けているのだ。私もバラを育てたことがあるので、その手間隙のかかる手入れはよく知っている。病気や虫害に対する消毒、枝の剪定や新枝の固定、咲き終わった後の肥料やりと日々の水分補給など、まことに手間がかかる。しかし、美しく咲いてくれたときの喜びはとても大きい。それを25年続けていると言うのも、素晴らしいものだ。借景ではあるが、このお宅の赤いツルバラを拝見するのは毎年この時期の楽しみだ。

狛江地区に雷雨と雹が降った日の翌日、晴天の夏日を目にして朝から神代植物園に夏バラを見に出かけた。前日の雹と豪雨で花が傷んでしまったことを心配したが、朝からの高温で蕾が次々と開いていたので、この時期ならではの種類を見ることが出来た。
左: サーモンピンクの内側が黄色い「朝霧」(日本・HT)、名前の爽やかさよりも艶のある色合いが勝ちか? 




右: ちょうど咲き頃で、沢山の花が咲き連なっている様は見事だった。

上:「夕霧」(日本・HT)は、薄いピンクの花弁の縁がやや濃いピンクで、グラデーションがとてもきれいだ。国産の園芸種は、やや色が浅いのが特徴だが、こんなさらっとした色合いもいいな、と思う。
この「夕霧と」上の「朝霧」、名前を取っ替えっこしてもいいんではないの? と思ってしまうのだが、皆さんは如何に?
左: 「聖火」(1966年日本・HT)という名前からすると、東京オリンピックの後年に産出された園芸種だろうか? 輝くような紅色の花縁の内側が、ほの明るい薄紅色。燃える聖火をイメージしてつけられたようだ。今年の夏バラの中では、「夕霧」にしろ「朝霧」にしろ、日本産の種類がちょうど見ごろで、こんなことも珍しい。今年の変わりやすい気候のせいかも知れないとも思うが、咲き頃はその種・その種で少しづつ違うから、こんな出会いも楽しい。
右: 「サンフレア」(米・FL)の黄色の花弁はとても美しい。開ききっても花は色を失わない。華やぎが散るまで続く。私の好きなバラのタイプは、この゛朽ちない輝き゛に尽きる。ご承知のように、花は蕾が開いた時から、朽ちていく運命を負っている。バラの花は美しいだけに、色を失い、形が崩れ、枯れていくのが定めだ。でも、数は少ないが、花の色は枯れず、開ききっても形が美しく、色を失わない種類がある。そんなバラを見るとき、゛輝き続けること゛の素晴らしさを教えてもらう気がするのだ。
さて、真打登場は今回も「サムライ」(仏・HT)だ。この花にとって花期がやや早かったのか、蕾から開花への花枝を沢山見ることが出来た。蕾は真黒に近い赤、開くと深紅の花びらはビロードのように滑らかで艶がある。開ききっても深紅の色を失わず、枯れ色にもならない。こんなに気品のあるバラは、他にはなかなか見られないと思う。「シャルル・ドゴール」など、大統領の名前を冠するものや、「ヘンリー・フォンダ」などの名優、「プリンセス・ド・モナコ」などの王妃、はたまた「クリスチャン・ディオール」など、有名人の名をいただく種類は多々あるが、フランス産のこのバラに、「サムライ」という名がつけられたのも、なんか゛粋゛を感じるのだ。
珍しい日本産のバラや、大好きな「サムライ」などのバラを見ることが出来たひと時だった。バラ園の横の藤棚を見ると、新緑の枝と葉が広がっていた。例年だと、藤とバラはほぼ同じ時期に花が見られるのに、今年は何か変だ。3月の寒さが、いろいろと影響しているのかもしれない。カメラを持った花見客が立て込んできたのを尻目に、バラ園を早々に退去した。

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