2012年7月7日土曜日

神宮外苑の花菖蒲



白から紫へのグラデーションも鮮やかな菖蒲田と、花菖蒲の咲き終わりを積んで手入れするスタッフの方たち、
神宮外苑花菖蒲田にて All Photo by TAKA
梅雨の晴れ間を見て、今年も明治神宮外苑の花菖蒲を見に出かけた(6/19日)。この時期は朝八時に開園するので、例によって早起きし開園と同時に園に入った。花菖蒲の開花期は、大体梅雨の真っ只中で、咲き揃うベスト・タイミングは六月中旬が目当て、今年は気候のせいかやや遅い開花のような気がする。花菖蒲の名所としてよく知られているこの園には、花鑑賞や撮影目的の入園者がちらほら、棚田を囲む遊歩道も整備されているので、ゆっくりと観賞できる。
毎年このブログにも写真を載せているが、この園のいい所は、江戸系・肥後系・伊勢系約150種の花菖蒲がすべて古来の日本種であることと、清正の井戸からゆったりと流れ落ちる棚田に植えられた花株の手入れがとても行き届いていることだ。花を眺めていると、管理担当のスタッフの方たちが、棚田の水の中を歩きながら、咲き終った花枝を積んで何時もきれいな状態で花が見られるように手入れを怠らないのに出会う。
そして、棚田の廻りに設営された遊歩道の前列付近では、毎年新種の入れ替えがあり、昨年見た花と違う種類の花菖蒲を観賞できる。多くは、ハイブリッド種(交配種・雑種)と思われるが、それらを見るのもまた楽しみのひとつだ。


白から薄紫への花色グラデーションが美しい「万里響(ばんりひびき)」(上)と、この園でも人気の原種・「奥万里」(右)


花菖蒲の花形は、大別すると゛三英(三弁)咲き゛、゛六英(六弁)咲き゛、゛八重咲き゛となるが、「万里響」は、三英で花色が白もあり薄紫もあり、また中間色もあるという珍しい種類だ。
花芯部のウコン色は共通だが、外側の大きな花弁(外花被片)が筋入りの白で、内側の小さな直立花弁(内花被片)が筋入りの薄紫のものから、外花被片が薄紫、内花被片が濃い紫のものまで、微妙に変わる色のグラデーションが、一株の中で楽しめるのはとても珍しい。
この花は、「奥万里」のハイブリッド種と思われるが、交配によって思いがけない新種が誕生するのも、育てる側の面白さだと思う。





















花の模様が゛砂子系(細かい砂をまいたような)゛の「都の巽(たつみ)」(写真左)と「鎌田錦」(写真右)では、「都の巽」は外が六弁・中心が三弁で、花芯のウコン色が強い。花弁の赤紫から白紫までの色変化が大で、白と紫が砂子模様で入り混じった花と一緒に咲いていると、北斎や若沖の浮世絵を見ているような、構図の妙を感じさせてくれる。
方や、「鎌田錦」は、典型的な三弁花だが、青紫の無地に近い色から白色が勝ち目の砂子模様まで、色変化の面白さを見せてくれる。一株の中で様々な色や模様の変化を楽しめるのも、交配園芸種の珍しさなのかもしれない。


平咲き・六弁花の「五月晴」(写真左)は絞り柄、白の外弁が中心に向かって淡い赤紫色にぼかされていく。五月の空のようにとても爽やかな色合いが素敵だ。白・淡い赤紫・ウコンの色コントラストもいい。












垂れ咲き・三弁花の「若紫」は、無地の濃い赤紫色。細身の茎の上にすっきりと立って咲く様は、若衆のような凛々しさが持ち味だ。花弁中心のウコン色もメリハリがあり、今様゛イケメンの゛風情がある。


入園料(拝観料)は500円だが、良く手入れされ管理の行き届いた花菖蒲を沢山見ることが出来るので、負担は感じない。観光地鎌倉では、広くもない寺社の庭を見るだけでもその都度何百円を支払う腹立たしさを考えれば、妥当なところだと思う。
今年も、美しい花菖蒲を見ることが出来た喜びを覚えながら、朝の園を後にした。

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