2013年5月5日日曜日

大船フラワーセンターで、初夏の花々を楽しむ。




サーモンピンクの色も鮮やかな『コーラル・チャーム』、この園の芍薬も海外品種が増えてきている。
フラワー・センター大船植物園にて All Photo by TAKA
連休の晴れた一日、食い友のRKさんを誘って、大船の植物園(神奈川県立・フラワーセンター大船植物園、という立派な名前がある)を訪ねた。初夏の花である゛芍薬゛が見頃ということなので、過去何回か来てはいるが、ちょっと楽しみにして来た。というのも、シャクヤクの種類が大変豊富なのと、他では見られない「大船系」と呼ばれるハイブリット種が数多く育てられているので、それを久し振りに見られる楽しみもあった。
人出の多い観光地を訪れる常で、この日は早起きし、9時開園前には植物園脇のパーキングに車を入れてしまった。多少の混雑は覚悟して来たのだが、ほとんど渋滞もなく、途中道を間違えるハプニングもあったが、持参したグレン・グールドの「バッハのピアノ・コンチェルト(イギリス組曲)」を聞きながら、RKさんの運転で快適なドライブだった。



















拡がる外側の花弁に対し、真中の花弁が鞠状に八重咲きする『牡丹競い(大船系)』、花の濃い紅色も形も、とても華やかだ(フォト左)
かたや、外側花弁が一重の薄紅色で、真中に小ぶりの長い白花が密集する『花笩(はないかだ)・大船系』、中心の雌しべの赤色とのコントラストが色鮮やかでいい(右)

植物園の入り口に並んだ30人ほどの人達は、ほとんどが年配の女性や男性(すなわち、おばさん・おじさん!)、恐らく家族連れは色々準備があるから、昼近く辺りから入園するのだろう、と予想された。 最近ちょっと嬉しいのは、美術館とか植物園の利用料が、高齢者割引となるので、ここでも350円がなんと、100円に!なんか、とても得した気分で園に入った。




















八重咲きの『采女の衣』(大船系)、蕾の薄紅色が、開いて次第に白色に変わっていく様が面白い(左)。『バッキーベル』は、ひなげしの様な花姿。花弁は深紅色で、ビロードのような艶がある。日本種には無い艶やかさが特徴(右)

そのまま、真っ直ぐに芍薬スポットに向かった。全体には、咲き始めの3分咲き、といったところ。まだ蕾のままで、これから花開く種類も多かった。この日は快晴で、風も゛そよ風゛と言う位の心地よさだったが、辺りには芍薬特有の゛高貴な香り゛が漂い、とてもリッチな気分になった。元々、中国から薬草として渡来した品種ゆえ、根から抽出された成分が、婦人病や腹痛・めまいなどに用いられてきた。花の香りも、品種によっては、゛漢方薬゛のような強い匂いを持っているものもある。
ここの芍薬畑で今回目立ったのは、「セイヨウ・シャクヤク」と呼ばれる外来種(日本から欧州に渡って、また里帰りしたもの)で、概ね花は大振り、色も原色系の派手さを持っている。日本種は、やや青味がかった紅色が主で、薄紅や白のバリエーションが多い。前回見た時(2005年5月)にあった種類、例えば『酔月(白)』や『無双艶(薄紅)』、『篝火(かがりび・金しべ咲き)』、なども見ることが出来なかったのは、園の芍薬も大分に新しい品種と植え替えられているのかもしれない。しかし、永らくのご無沙汰の後で見た芍薬の花たちは、とてもきれいに見えたことには間違いは無い。


広い園内に樹木の緑も多く、よく手入れされた花壇や、花棚・花畑を、ゆっくりと歩きながら花を見て廻った。所々に置かれたベンチや、広い芝生も随所にあり、この植物園はとてもくつろげる。その花々の一部を、ご紹介する。




















バラ園では、夏バラが咲き始めていた。早咲き種の『ブラックバカラ』(仏・FL)は、蕾が漆黒に近い色、開くとビロードの様な艶のある赤黒色で、品がある(左)。
『デンティーベス』(英・HB)は、大輪の一重咲き、開くと波打った薄紙のような不思議な花びらの型だ(右)。


睡蓮池脇の展示場で開かれていた「クレマチス展」(湘南クレマチスの会主催)で見つけた、新種のクレマチス・『天塩(日本)』。花びらが40枚程の八重咲き、薄紫の色がきれいだ。












同じ会場に出品されていた『アフロディテ・エレガフミナ(日本)』、花は六弁の濃い紫、ビロードのような艶を持つ。会員の方たちが、交配をしながら、クレマチスの新品種を作り出しているのが珍しい。












ガラス張りの大きな観賞温室の中では、 ちょうど『ヒスイカズラ』が見ごろだった。棚からぶら下がる蔓の先に、びっしりと連なる花をつける姿は圧巻!その、ランのような゛翡翠色゛の花は、一度見たら決して忘れられないほど、華麗で南国情緒が満点(上・左)。

熱帯睡蓮は、花色が鮮やかだ。グッピーが泳ぐ温水池で、多くの種類が花開いていた。
花芯が黄色、花弁がとんがり薄紫の『クリント・ブライアント』(上・右)、水面からの立ち姿も美しい。


レモン・イエローの『セントルイス・ゴールド』、連なって咲く様が、賑やかでよかった(左)。














爽やかなピンク色は、『マイアミ・ゴールド』、一本咲いているだけでも、
辺りに華やかな雰囲気を漂わせている(右)。














2時間半程、植物園の中を散策しながら、色々な花や木々を見て廻った。花菖蒲田は、早咲きの『黄菖蒲』だけが咲いていたが、6月になれば、沢山の種類が楽しめる。昼近くなって、園内も人出が多くなり始めたので、早めに車で引き揚げた。
お昼を、RKさん行きつけのパスタ屋さんで、美味しくいただいた。「踊りダコとマッシュルームのトマトソース」、と「なすとモッツァレーラのピリ辛ミートソース」、両方ともボリュームたっぷりだった。満腹ついでに、家まで車で送っていただき、花と食を楽しめた、くつろぎの休日だった。


花壇には、チューリップの終わった後、スミレが寄せ植えされていて、花のベルトを作っていた。初夏らしい色が素敵だった。

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