2017年5月16日火曜日

クレマチス天塩の開花と挿し木




クレマチス天塩(てしお)は、パテンス系(カザグルマの性質を持った品種)の早咲き八重の大輪で、5月頃開花する。
複層化した萼片の薄紫色が凛とした清涼感を漂わせるので、私の好きなクレマチスの一つだ。画像はHIさん宅の
お庭で見事に開花した今年の天塩。All Photo by TAKA



昨年鉢植えで入手したHIさん宅のクレマチス天塩は、蕾成長期と開花期に水やりが不足したため、新葉が縮れたり

花付も少なく細った小振りの花しか咲かなかった。そこで昨年の反省から、冬場の枝剪定(丈夫な新枝を残し支柱に

しっかりと結わえる)をしっかりやり、春から伸びた新枝の根元にたっぷりと水やりを施して、この開花期には朝夕

の十分な水やりしたため、蕾を沢山つけて見事な開花となった。



天塩の咲き始めは赤みがかった薄紫色で、八重の花が広がるにつれて青味が強くなり、後半は白味を帯びた
薄紫色となる。次第に開く複層花弁のせいか、開花時間も一重のクレマチスに較べて長く2週間ほど続く。
この花の作出者は、金子裕氏(1957年)と紹介されているが(住友化学園芸HP)、日本のクレマチス育成第一
の金子明人氏(NHK趣味の園芸講師などでもお馴染み)も、著書などでよく紹介している。


私が初めて天塩を見たのは、静岡県長泉町のクレマチスガーデンでだった(2004年6月だから、もう13年も前)。幾多

の種類のクレマチスの中で、一番心惹かれた種類だった。とんがり花弁が40枚程3~4層になって咲く様と、品のある

薄紫色花はとても清涼感が溢れていた。このガーデンへは2014年5月にも再び訪れているし、この時もきれいに咲き

揃った天塩を堪能している。その前の年の夏訪れた大船植物園では、たまたま湘南クレマチスの会が主催するクレマ

チスの園芸展でもこの花が出品されていて、どこかで苗を入手できないものかと思ったりした。ただ、私の自宅ベラ

ンダで育てている薄紫のクレマチスは、原種に近い青味がかった薄紫色8花弁・花芯はクリーム色の大輪で、開くと

20cm近くある。クレマチスの品種で調べても名前がわからないのだが(似たようなものが幾つもあるので)、挿し木で

増やしてすでに2鉢あり、これ以上は増やせないのでどうしたものかと迷っていた。


ところが、たまたま訪れたHIさん宅ご近所の園芸店でこの花の鉢植えを見つけ、HIさんが育ててみたいと早速入手

してお庭に鉢置きにし、支柱を組んでフェンスを作ってみた。それが今年見事な開花となったわけで、今度は私も

育ててみたくなったので、挿し木して増やすことにした。挿し木の方法は、開花して散った花首を切り下の葉付き

2節中下の1節は葉を落とし、茎を一晩水揚げをする。そして、赤玉土・腐葉土などを入れた苗用小鉢に挿すのだが、

水を張った大きな器にすっぽりと鉢ごと入れて挿し木するとよい。後は受け皿に水を切らさぬようにして、根付い

て節から芽が出るまで、半日陰で育てるのだ。

天塩の挿し木は、花が咲き終わったらやることにして、根着いた一鉢をいただいて我が家のベランダに置いて育て

てみようと思う。来年このクレマチスの開花を自宅でも見られるのが楽しみだ。




挿し木の時期は花後のこの時期が良く、元気な茎を使うと根着きもよく成長が早い。自宅のクレマチスを
挿し木してみた。根着きが上手く行ったら、欲しいという方もおられるのでお分けしたり、最近清掃を
けている公園の一角に植え付けてみようと目論んでいる。



昨年初冬に挿し木した苗鉢は5鉢作って1鉢しか根着かなかった。やはり時期が悪かったのだろう。でもその
1鉢が、今年はHIさん宅で見事に開花したのでほっとしている。


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