□白馬平野の田圃と畑の中を、姫川源流湧水地から北方向に流れ下る姫川最上流域。夏草が生い茂る土手
から、田圃用水が流れ込むポイントに竿を出す釣楽人タカ、ちびヤマメがたくさん出迎えてくれた。
から、田圃用水が流れ込むポイントに竿を出す釣楽人タカ、ちびヤマメがたくさん出迎えてくれた。
(1日目午後3時半頃) All Photo by Jovial TAKA and HI
三度目の白馬行きを決めたのは出発3日前のことだった。今夏の8月前半は、大気不安定と台風の影響で雨日が続き、
どこかへでかけるにも気が乗らないことが多かった。車でドライブするにも、電車やバスで出かけるにも、やはり
好天であることが望ましい。車運転の安全性と写真撮影の写りの良さを考えても、晴天が一番だ。3日間の天気が
良さそうな日取りが見えたので、早速宿泊先を予約して出かけることにした。行く先は白馬、私的には9月一杯ま
での遊漁期間の後禁漁に入る渓流釣りを楽しむラストチャンス、という思いがあった。この5月末には二度目の白馬
旅行に出かけ、雪渓の残る白馬三山の絶景を初夏の緑と棚田に映る山姿と共に楽しむことができた。そして、姫川
源流の渓流釣りをした際に、清冽な流水の中から飛び出してきた源流イワナの鮮やかな姿を見ることも出来た(本ブ
ログ6月5日、姫川源流イワナ釣り参照のこと)。姫川にも支流の松川にも、まだ竿を出していないポイント、釣りを
してみたいポイントが幾つかあるので、それを楽しんでみようというのが今回の目論見だった。
旅行に出かけ、雪渓の残る白馬三山の絶景を初夏の緑と棚田に映る山姿と共に楽しむことができた。そして、姫川
源流の渓流釣りをした際に、清冽な流水の中から飛び出してきた源流イワナの鮮やかな姿を見ることも出来た(本ブ
ログ6月5日、姫川源流イワナ釣り参照のこと)。姫川にも支流の松川にも、まだ竿を出していないポイント、釣りを
してみたいポイントが幾つかあるので、それを楽しんでみようというのが今回の目論見だった。
□体長15㎝ほどの小振りヤマメ、流れ込みの白い泡の中から元気に飛び出してきた。毛鉤へのアタックと
引きも充分な手応えがあった。(上と同時刻)
例によって早朝に同行のHIさんに自宅へ来てもらい出発した(27日朝7時)。私がハンドルをにぎり中央道調布インター
から高速に入る。自宅から10分程で自動車専用道路に乗れるのが便利だ。そのまま一路安曇野インターまで。途中
SAで軽い朝食を取り運転を交代、10時半頃には、姫川最上流地に着いた。湧水地から広い田園地帯の中を流れる下る
姫川は、まだ小川と言っていい位だが、その流れと最近までサイクリング道路と護岸工事をしていたやや下流地帯
の状況を確認した。この日の午後は、ここら辺で釣りをする予定だった。
□田園の小川(姫川)に架かる橋から上流南方向を臨む。約1㌔先には姫川発祥の湧水地がある。建物も広告も
なにもない、日本の田園風景の原形を見るようなとても懐かしい思いがした。連れによると、しばらくの間
プロの写真家らしき男性が、この風景を撮影していた、とのこと。(1日目午後4時頃)
一旦白馬駅まで行き、前回と同じ駅前の「おじさんの店」で遊漁券を2日分購入した。この日は2日前に降った雨の
影響で空気は湿気が多く、照りつける陽射しでとても蒸し暑かった。店に入って呼び鈴を押すと店主が「アイヨ~」
と言って出て来たが、冷たい床で眠りこけている2匹の老犬は、びくともせずにそのまま眠り続けていたのには恐れ
入った。さすがは白馬のワンちゃん! 支流の松川の様子を訊ねると、白馬大橋上流付近がいいよ、と言うので明日の
午後はそこで釣りすることにした。駅近くのレストラン(古いホテルに併設の)で昼食を済ませてから、来た道を戻り
県道に掛かる橋脇の農協作業所に車を止め、エサの川虫採取のため護岸提の梯子を下りて川原で川石を裏返してみた。
工事を終えたばかりの川石は新しく、川虫の姿は皆無だった。これでは、エサ釣りにならないので擬餌針(フライ)を
使うことにした。
□小川は滔々と流れ、澄んだ水の中で水草が揺れていた。公共工事のコンクリート護岸で箱川と化してしまった
日本各地の河川は、災害対策の名目と共に豊かな自然生態系を失ってしまったが、ここには懐かしい風景が
残っていた。(上と同時刻)
車に戻ってみると、連れが農協の職員と思しきおじさんと話していた。しばらくの駐車をお願いすると、おじさん
が釣りの話をし始めた。それによると、子供の頃はこの小川でフナやウグイを釣って遊んでいた。最近は釣りにな
らないので、他の渓流に出かけたり海釣り(日本海の)を専らしている。海釣りは禁漁期間がないのでとてもいいよ!
この頃松本の方からや他県ナンバーの車が、こんな田舎の小川に釣りに来るのでビックリだよ~! (付けていた私の
遊漁券を見て) まあ釣りを楽しんでいってください、とのこと。連れも、ほんとにこんな小川で釣りになるのぉ? と
不審な顔をしていたが...
先に車で上流に行っているという連れと別れて、夏草の生い茂る田圃道と堰堤の上をトボトボと歩き始めたが、川
底には木や草が生えているし、土手の夏草は腰辺りまであるし、とても釣りにならない状態が続いた。その後、ちっ
とも姿が見えない私を心配して連れから電話があり、姫川本流に流れ込む東側(オリンピック道路側)の支流を遡って
いるのに気が付き、本流まで戻り事なきを得た。蒸し暑い午後田圃道を歩き回った連れには、汗だくになったとぼや
かれたが...
□白馬駅方向(北)に流れ下る姫川の清流、両脇には実りの時を迎えた稲田が広がっている。アルプスの雪解け水
で潤された田圃で育ったお米はさぞかし美味しいだろう。そのお米は「ゆめしなの」と言う名の゛アルプス
山麗ブランド米゛と紹介されていた(白馬村観光局HP)。(上と同時刻)
さて、夏の終わりの蒸し暑い午後に、前掲の最上流域の姫川に用水が流れ込むポイントで、私の和竿先の毛鉤
仕掛けに喰らいついてきたのは、全部ヤマメだった。途中でイワナ仕掛けの大きな毛鉤を、やや小さめの毛鉤
(鮎やオイカワ用)に変えて、釣り上げたヤマメ三匹・つり落としたヤマメ三匹、毛鉤にかからなかったがアタック
してきたものも数匹、釣った魚は全て清流に戻したが、源流小川の釣りを楽しめて満足・満足だった。
少年時代に、故郷信州の裾花川や浅川の清流、田圃を流れる農業用水・溜め池などで、鮎・オイカワ・ウグイ・
コイ・フナ・カジカなどの釣りを楽しんだ思いが蘇ってきた。まだ農薬がほとんど使われなかった川や田では、
生命が豊饒な営みを繰り返していた。そんな景色を彷彿とさせる小川で、ヤマメと遊ぶことができたのは、私の
ノスタルジック・ジャーニイ(Nostalgic Journey)だったかも知れない。そして心は深く満たされたのだった。
<この項つづく>
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