2018年4月24日火曜日

早春の姫川上流域・山女魚釣り(その2.大出橋下流と青鬼集落)




地元野菜と果物たっぷりの朝食(3日目)、コーヒーは紙製フィルターで直接コップの上に乗せてお湯を落とすタイプ
を使ってみたが、なかなか美味しかった。All Photo by Jovial TAKA



春先の変わりやすい天気の中で、初日は終日晴れたが午後からは強い北風が吹きこみ気温は一気に下がった。夜も

部屋のソファで毛布の足かけが要るくらいだったが、2日目は午前中は晴れ、午後からは曇りがちとなり、気温は上

がった。早朝は川の温度も低く魚の活性も低いので(水温は4~5度C)、朝食をゆっくり取ってから姫川に出かけた。

今日入るポイントは、姫川本流に支流松川が合流する水神宮橋近辺と、上流の大出橋近辺と決めていたので、早速

車で出かけた。朝の北アルプスは霧と雲に隠れていたが、陽が差し始めると徐々に頂上の姿を現し始め、白馬連山

と清流松川の絶景を見ることができた(この項その1の画像参照)。


このポイントは、渓流釣りの動画でも度々紹介されている有名ポイントで、合流点は水量も多く、すぐ下流の第2

姫川ダムから遡上してくる岩魚・山女魚・虹鱒が生息する好ポイントでもある。川原に降りて釣り支度をし、深場

や流れだし・岸辺の溜まりなどを探りながら、早朝釣りの一時を過ごした。毛鉤釣り・餌の川虫釣り・ブドウ虫釣

り、何を仕掛けても魚の反応はなかった。岸辺の砂地には先行者の足跡も皆無だったので条件はいいのだが、確かに

上流や支流に較べると水量がかなり少ない。雪代もまだ充分に入っていないので魚の活性が低いと見て取れた。連れ

のスケッチも概ね出来上がったようなので、上流の大出橋付近に移動することにした。





春まだ浅き姫川上流域の景色、草は枯れたままで木々の芽吹きもまだであったが、清流はあくまで澄みきっていた。
このポイントは、昨年の初夏に尺近い岩魚を釣り上げた場所でもある。川石を水中から上げてみると、カゲロウの
幼虫(川虫)が沢山石裏にへばりついていた。



堰堤の道路から河原までは約10m、釣り人の微かな足跡をたどって河原に降りてみたら釣り竿を車の中に置いたまま

なのに気が付いた! うかつなことではある。竿なしで釣りはできないだろう!! 昨日の山女魚釣りですっかり満足して

しまい、気が抜けていたのかも。連れにケータイ連絡し、道路の上から竿を放ってもらい準備に入った。川石の裏に

は川虫が付いていたのでそれを餌に使った。水量がやはり少なめだ。好ポイントの瀬脇も水流が乏しかった。ところ

が餌の川虫にも反応がなく、代えた毛鉤仕掛けにもまったく反応なし。それではと持参したブドウ虫を付けて瀬尻に

流してみたら、ガツンッという当たりと共に竿が本流の方に持っていかれた。慎重に竿を立てて瀬脇の溜まりに寄せて

からランディングネットに取り込んだ。手にしたのは、元気なネイティブ山女魚だった。




瀬脇の瀬尻で餌(ブドウ虫)に食らいついてきたのは20㎝程の山女魚。この川育ちらしい力強い牽きで俊行の和竿を
しならせ、私を楽しませてくれた。時節によるものなのか? 放流種によるものなのか? 体側の薄紅ラインとパール
マークがはっきり見えなかった。



昨夜の魚料理で山女魚2匹を美味しく胃袋に収めてしまったので、今回は流れに返した。水温は8度C(午前11時頃)、
まだまだ低く手を水中入れているとかなり冷たい。



私が使用している和竿は俊行作の竹製7本繋ぎ4,5mだが、腰がしっかりしていてしなりも良く、魚信がダイレクトに伝

わってくるのでなかなか使い勝手がよい。渓流釣りに凝っていた40年以上も前に入手したものだが、最近は専らこれ

を携行している。長いグラスロッドよりも使いまわしが良いので、腕の疲れも少ないように感じている。今回の釣行

はベストシーズンにはまだ早い早春の時期ではあったが、目論み以上の成果を楽しむことが出来てとても嬉しかった。

まだまだ早いとは言いながら、姫川に出かけてきてほんとによかったと思った。





青鬼(あおに)集落の棚田最上部からの棚田と北アルプス連峰の眺望、5月下旬になれば水田には稲苗が植えられ素晴
らしい景色となるが、早春の今は水のない田圃と辛夷の古木が一本佇むのみ。午後から雲が出てきて、鹿島槍ヶ岳(左)
五竜岳(正面)・唐松岳(右)と続く連峰の頂上は雲に覆われて見られなかった。



昼食を白馬駅近くの「そば神」でとったが、ミニ野菜丼付きのざる蕎麦がとても美味しかった。白馬地区の蕎麦の

実は色がやや緑がかってているので、蕎麦色も緑味を帯びた白色で腰がしっかりしている。蕎麦を食べた後のそば

湯もゆっくりと味わった。渓流釣りについてはすっかり目的を達したので、調べておいた「青鬼集落」へ行ってみた。

姫川第2発電所の橋を渡り、急坂を15分程上った山の中腹にその村はあった。江戸末期から近代にかけて建てられた

大きな茅葺屋根(現在は鉄板葺き)の建物が点在し、珍しい山村景観が残っていた。山の斜面に石垣を積んで作られた

棚田では、現在も稲作が続けられている。田植えの時期には、水を張った棚田と北アルプスの山々がセットで見ら

れる有名な観光スポットであり、江戸時代には、白馬村と戸隠神社と善光寺を繋ぐ山街道の要地だったとの紹介も

看板に書かれていた。



現存する10数戸の家屋は茅葺の屋根だったのを、「重要伝統的建築物保存地区」に指定され鉄板葺きとなって古民家群と
して残っている。現在も住民の方達が住んで生活しているというから驚きだ。




その日の午後はゆっくり温泉に浸かるべく、以前宿泊したことのあるホテル併設の「天神の湯」(日帰り入浴1人600円)

に行き、露天風呂にゆったり浸かりながら姫川の対岸に拡がる白馬連山の高峰を眺めて過ごした。白馬村には温泉

施設が沢山あって、気軽に利用できるのがとても良い。夕食は前項に載せた白馬牛の焼肉と地元野菜料理。ワインを

飲みながらのゆっくりとした食事タイムだった。次の朝の朝食で現地調達の食材も大方食べ尽し、残ったのはワイン

が瓶に少々のみ。食べ過ぎることもなく適量だったのが嬉しかった。




姫川・松川合流点の水神宮橋からのスケッチ作品、鹿島槍ヶ岳や五竜岳がしっかり描けたとの談。 Drawing by HI



2日目の夜から3日目の朝にかけては雨が降った。天気予報通りだったが、雨雲の動きをTVで見たら雨脚が早そう

だったので、フロントに電話連絡したあと9時には宿を出た。チェックイン時に料金前払いなので、出発の手間はか

からなかった。木崎湖を過ぎ安曇野平野に入った頃から雨は止んで晴天となり、往路の安曇広域農道を戻って田園

地帯をドライブするのは気持ちが良かった。道の駅堀金に寄ってお土産をゲットしてからそのまま、一般道で松本

・塩尻の郊外を抜け、小坂田公園・道の駅で昼食を取って一休み。その後岡谷・諏訪湖を抜けて、諏訪インターから

中央道に乗った。交代しながらの運転でそのまま調布インターまで、夕刻早目に自宅へ戻った。今回初めて通った

安曇広域農道から眺めた山里の景色も、新緑前の早春らしい色合いだったのが好印象だった。また、普段めったに

姿を現さない八ヶ岳も全山きれいに見られたし、南アルプスの北岳(富士山に次ぐ日本2番目の高峰)も雪の残る山頂

の姿を現してくれたのが嬉しかった。






帰路最後に寄った双葉SAからの富士山の眺め。雨上がりで空気が洗われ富士山もきれいに見えたが、棚引く雲が流れ
きて頂上付近が良く見えなかったのは残念! 気温が夏日だったので、頬張った巨峰ソフトクリームはめちゃ旨かった。




白馬滞在中に活躍した「やぐらネギ」は、煮ても炒めても薬味に刻んでも美味しい! きなこくるみ餅とくるみ餅
(音楽メンバーへのお土産)とあわせて購入した。



【おことわり】今回久し振りに姿を確認した姫川の山女魚画像を良く調べたところ、前回の釣行(昨年の8月末)で釣り

上げた尺ニジマスは、姫川第2ダムから遡上した尺山女魚の可能性大と判明しました。銀化して体側の薄紅色ラインと

パールマークがほとんどなかったので、ニジマスだと思ったのですが、尻尾付近にはまだパールマークが残っていたの

を再確認しました。すでに発表したブログとYouTube動画のタイトルの訂正できる部分は直しましたが、一部テキスト

(修正不可能の部分)はそのままにすることをご了解いただきたいと思います。


<この項お終わり>



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