2019年7月22日月曜日

第28回浜美展を見て




「白馬(アカシアの咲く頃)」HIさん・油彩F20、残雪がたっぷり残る白馬三山とアカシアが咲く晩春の姫川風景
を描いたもの、新葉が拡がるもやっとした春の色合いが良く出ている。All Photo by Jovial TAKA



恒例の浜美展(年一回・6日間開催・28回目)が、アートフォーラムあざみ野ギャラリーで開かれている、というので

7月中旬週末の午後に出かけてみた。私自身は2012年から毎年拝見しているので、今回で8回目の訪問となる。当初

(初訪問)は、入り口の部屋にF100/F200の油彩大作がずらりと展示され、何やら上野の美術館で開かれている現代

美術展の様な趣だったのでビックリしたが、会員の中にはこの会だけでなく他の現代美術絵画グループに所属して

いる方も何人かおられると聞いて、納得したものだったが。ただ、年を重ねるに従って、制作力量とエネルギーを

必要とする大作は少なくなり、今回は趣味で絵を描かれる様々なスタイルの頃合いの大きさ作品が主となって、見る

方も気楽に観て廻れたのが良かった。油彩・水彩・パステル・色鉛筆など様々な手法で描かれた出品作品は125点

(賛助作品を含む)・34名の会員が、一年間かけて準備したと思われる展覧会だった。なかなかの力作が揃っていて

楽しく拝見した。

その中から、ここに掲載した作品はあくまで私見で目に付いたものを取り上げたものであることをお断りしておく

が、ひとつの作品を仕上げることは、テーマ・構図・色彩・手法などをバランスよくキャンバスに定着させること

だから、その創作の過程で色々な試行錯誤があり、また創意工夫を経てまとまったに違いないと思われる。作者が

前におられれば、何かお聞きできることもあったと思うが、居られなくとも作品を通してそれを感じ取ることも観

る者の楽しみである、とも言えるだろう。




「夕暮れどき」ENさん・油彩F30、フラメンコを踊る女性のポーズを決めた瞬間が良くとらえられている。
背景左の教会配置と右の夕暮れの空気色合いが雰囲気を上げている。




「静物2」HAさん・油彩F6、小作品ながら配したビンや水差しの色合いが面白い。敢えてダークな色のぶつかり合い
を選んだ結果、右の白との対比に緊張感が溢れている




「湖畔の家」MNさん・油彩F6、茶系のトーンでまとめられた湖畔の風景は、何故か全体が傾いでいる。アウト
ラインを描かない景色は幻想(あるいは遠い記憶?)のようにも見える。右上にかすかに見える電柱と電線が記憶の
歯止めとなっているのか?




この日は、HIさんの高校時代の友人達4名もこの展覧会を見に来られ、その後一緒にランチをするというので合流させ

ていただいた。部活(ESS)も一緒だったという仲間たちが、古希を超えた今も交流があり、時折女子会をされて色々話

に花を咲かせている、とのこと。無粋な男が一人交る形にはなったが、私も同じ高校の同期生なので話題は尽きな

かったし、楽しい時間を過ごさせていただいた。病気をされて回復されたり、連れ合いの看護に日々を送られたり、

それぞれの事情はありながらも時折集えるのはとても貴重なことと思われた。何時までもお元気で過ごされるように

願わずにはいられない。浜美会を契機にして、良い午後の時間をいただいた気がする。




「街a」MYさん・油彩F20、ビルが立ち並ぶ街と運河の風景を描いた抽象画、茶系の建物群と前の運河に配された
緑色が程よいコントラストだ。




「カッパドキアを行く」HIさん・油彩F25、トルコの有名景勝地だが、画面前面に草木をしっかり描いたことで、
遠景のラクダと人・佇立する奇岩がしっかりとらえられている。全体の色調:サンドカラーもご当地の雰囲気を
よく醸し出している。


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