2008年8月31日日曜日

花の夏族たち


百日紅と下水道の鉄蓋 Photo by TAKA
異常気象で、カミナリと豪雨が多かった夏も終わろうとしている。そしてこれから、暑い秋が始まる。最近、とみに春と秋が短い。霞がたなびいて、もわ~っとして気だるい春も、爽やかな涼風とさらっとした空気が流れる秋もほんの一瞬で、暖冬のせいか雪もほとんど降らず、夏が長くなっている気がする。5月から9月は夏、と暦を変えたいくらいだ。


夏の花たちは元気印が多い。開花期も長く1ヶ月から3ヶ月ぐらい咲き続けている。木立がそれほど高くなく、伸びた枝々にびっしりと蕾をつけるので、次から次へと花が開き、見る人を楽しませてくれる。しかし、炎天下でしおれる事もなく咲き誇っているのに出会うと、こちらはややゲンナリすることもある。汗を拭きつつ、「どうしてそんなに元気なのぉ~?」と言いたくもなるのだ。花の夏族たちは、高温多湿の気候に適応して子孫を繁栄させてきたのにちがいなく、夏に強いDNAが受け継がれているのだろう。
サルスベリは木肌がつるつるで、゛猿もすべり゛そうだという名が付いているが、和名は百日紅で゛百日間咲き続ける゛の意味が込められている。私が住んでいる東京都狛江市は、市の花に百日紅を選んでいて、街路樹にも植えられるケースが多いので、よく見かけるようになった。花の色は紅色が多いが、白や紫もあり、枝先にたくさんの花をつけた姿はなかなか見ごたえがある。市内の道路で工事された下水道の鉄蓋に、この百日紅の図柄がデザインされていたのにはびっくり! 普段気がつかないでいたが、知り合いのTSさんと道を歩いていたときに発見してしまった。
TSさんによると、アメリカの西海岸の町(サンフランシスコやロスアンゼルス)では、街路樹に紫色の百日紅が植えられることが多く、現地ではこの花を「シャングリラ(桃源郷の意味)」と呼んでいる、とのこと。たしかに、たくさんの木々にこの花が咲き乱れる様はとても華やかで高揚感があり、゛桃源郷゛と呼ばれるのはふさわしいことかもしれない。ただ、私自身はその風景を見たことがないので、ご存知の方には教えていただきたいものだ。
私の好きな芙蓉は、一重五弁の花を朝に開き夕に閉じてしぼむ。薄紅色のすっきりとした咲き姿だが、白花もあり、こちらは清々しい。仲間に八重の「酔芙蓉」があり、朝咲いた白花が午後からほんのり赤らんで、夕方には紅に染まる。その姿が、ほろ酔いの美女、を連想させることから酔芙蓉と名づけられた。この名をつけた人も、なかなかの粋人だよね。高橋治の小説「風の盆恋歌」には、庭に植えられた酔芙蓉が男女の道ならぬ恋を象徴する影の主役として登場し、物語に彩りを添えていた。そういえば、最近氏の動向をあまり聞かない。お元気でいるのだろうか?



左から 芙蓉(自宅にて) / 酔芙蓉(大船フラワーセンター) / 木槿(むくげ:花木公園) Photo by TAKA


芙蓉の仲間である「木槿」も夏の花だ。芙蓉がダイヤモンドカットのような扇型の樹形を作るのに対して、木槿は箒(ほうき)状の立木形で、やはり蕾をたくさんつけて次から次へと開花する。韓国では国花として重用され無窮花(ムグンファ)と呼ばれている。一日花であることも芙蓉に似ている。あと、夏の花としては、蓮とノウゼンカズラをあげておきたい。ひところ、蓮の花に魅かれて、鎌倉鶴岡八幡宮の源平池や光明寺、また行田の゛古代蓮の郷゛など、蓮の名所を炎天にもめげずに訪れたものだったが、今夏はどこへも出かけなかった。夏が暑すぎるよね。
そろそろ、秋花の便りもちらほら...もすこし涼しくなったら、どこへ出かけようか?






八重咲きの錦ズイ蓮(行田古代蓮の郷) /
ノウゼンカズラ(鎌倉瑞泉寺界隈)

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