2010年11月14日日曜日

木立ちダリアの花と飯桐の実が色づけば、晩秋の気配


 □薄紫の可憐な花が次々と開く木立ちダリア、花は天井を見上げるくらいの高さにある。 All Photo by TAKA



木立ちダリアは不思議で愛らしい花だ。木々が色づく晩秋のこの時期は花も少なく、サザンカやツワブキ、冬桜や実紫などが彩りを見せてくれるくらいで、紅葉した木々も木枯らしに葉を散らしていく。そんな季節のさらっとした大気の空の下、樹高が4~5mにも及ぶ枝の天辺に花を開かせる。
久し振りに訪れた小石川植物園では、この花が晩秋の風物誌で、これを目当てに来園する人もちらほら。ただし、あまり知られていないのは、他の植物園ではほとんど見かけない種類の花だからかも知れない。メキシコ原産のキク科の花だが、この植物園の原木はもう何年もかけて幹が育っているので、春先に芽吹いた芽が枝となり、半年くらいの間に伸びて晩秋に枝先で開花する。花後剪定しこれを毎年繰り返すと数mに達してしまう。別名で゛皇帝ダリア゛と呼ばれているそうな。のっぽの木に愛らしい花というのも、なかなか珍しい取り合わせだと思う。
強風による倒壊予防のため、アルミや竹のポールで添え木されたのっぽの木立ちダリア(フォト左)
落ち葉の散り敷く鬱蒼とした植物園内をゆっくりと散策する 。スズカケノ木やユリノキの巨木、トキワマンサクや菩提樹の大木は、明治初年に旧小石川養生所から東京大学に引き継がれた当時に外国から移植された歴史を持っている。そのため、園内は都心にあるとは思えないくらい、静寂に満ちて木の香が漂い、昼なお暗い樹林にいると不思議な落ち着きを感じる(フォト下)。


 一時、この植物園は私のサンクチュアリだった。ここで、初春の寒桜に始まって、シナマンサク・レンギョウ・木蓮・梅・桜・花菖蒲・ハンカチの木・熱帯睡蓮等々を見て、季節の移り変わりを感じ、美しい花々を見ることがとても魂に潤いを与えてくれた。木々や花のこともここでずいぶんと覚えた。

枝に連なる飯桐の赤い実を見るのも晩秋の楽しみだ。(フォト上)。ご飯を包む葉として使われたのが由来でこの木の名前がついたと聞くが、高い樹の先に実をつけるのでほとんどこの実を知らない人が多い。生花に枝と実ごと使われたり、初冬にこの実が熟す頃ヒヨドリが大挙して群がり実を食べつくしてしまうことで、ご存知の方がいるかもしれない。

日本庭園では、ドウダンツツジが紅葉し始め、朱赤の葉を色づかせていた。イチョウの大木も、葉が黄に色づき、ハラハラと風に舞い始めている。しばらく続いている穏やかな秋の日和だが、冬はもうすぐにやってくる。

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