2012年10月23日火曜日

この秋は、赤系・ピンク系がきれいだった神代植物園のバラ



秋の燦々とした陽を浴びて咲き揃う「カリーナ」(仏HT)、神代植物園にて All Photo by TAKA


快晴で雲ひとつない秋の休日に、バラを見に神代植物園を訪れた。台風の影響で雨と風が吹き荒れた日から丸2日過ぎているので、雨風に痛んだバラを見ずに済んだ。春バラに較べて、夏の酷暑を経てきた秋バラは、花付きが5~6割といったところ。びっしりと咲き揃った春バラを見知っていると、同じ木の枝付きもやや寂しく感じるが、晴れた空から注ぐ陽の光に輝くバラたちを見るのは、とても爽やかで楽しい。

 このバラ園の花たちについては、このブログでも何度か紹介しているが、私の好きな「グレース・ド・モナコ」(グラデーション・ピンク)や「フィデリオ」(深紅)は、春バラの勢いに較べてこの秋は花付きが少なく、咲きっ振りに元気がなかった。
その中で、サムライ(仏Gr)はつぼみを多くつけ、ビロードのような艶のある花を見事に咲かせていた。つぼみの黒赤から、深みのある真紅に開いていく花色には気品があり、香りも控えめながらしっかりとしている。フランスのブリーダーがつけた゛サムライ゛という名前は、凛と咲き、開いても花色が朽ちないこのバラを巧みに表現していて、何時も感心してしまう。

一時、都心の花屋で切花を見かけたが、園芸店などでは余り見ない。切花として育てるのが難しいのだろうか。最近都心には出かける機会が少ないので、詳しいことは良くわからないのだが。
























庭園の噴水をバックに咲き揃う「サムライ」(仏Gr)、深紅の花弁が秋の日に透けて美しい。


ご一緒した絵友のHIさんが、藤棚の下のベンチでスケッチブックを広げている間、バラ園の間をゆっくり歩いて花を見て廻った。この日はなぜか、白系・黄色系のバラがいまひとつ咲きっぷりがよくなく、赤系・ピンク系のバラに勢いがあった。まあ、これだけたくさんの種類があると、訪れたその時その時で主役が変わるようで、それも楽しみのひとつだ。

ピンクのグラデーションがきれいな「フラワー・ガール」(英FL・左)は、花色がややサーモン・ピンクがかっているが、艶やかで可愛らしい。私は、フラダンスの゛フラ・ガール゛を想い出して、ちょっと笑ってしまった。
名前の付け方がイージーな気もするが、判りやすくていいかも。











モンタナ(独FL・右)は、中輪の赤バラ、花弁が開ききっても、形と色を失わない姿に好感が持てる。
総じて、大振りに開ききる花のほうが朽ちるのも早いようだ。バラの花の美しさは、開いたその時から色を失い枯れていく宿命を負っているから、凛として咲き続ける種類の花姿を見ると、やはり感激する。でも、その種類のバラというのは、ごくごく少数派なのだ。





最後に、私の好きな「マチルダ」(仏FL・上)。花姿は蕾も開き始めも、咲き姿も咲き切った姿も、四拍子揃って可憐だ。小輪に近い中輪という大きさも愛らしいし、花色も、濃いピンク蕾からややシーパールのような開いた花弁のピンク、そして、グラデーションがかった開ききった淡いピンクも、みんなきれいだ。

強い秋の陽射しの中では、ファインダーを覗く眼にも眩しさを感じ、小一時間の花見を楽しんだ後、深大寺門前の手打ち蕎麦を賞味してから帰途についた。沢山のバラを見て香りを嗅いで、その日は一日゛バラ酔い゛をしたようだった。

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