2013年7月29日月曜日

真夏の夜の歌会:タカ・バンド ライブから その①



2部の「愛とも知らないで」を演奏するメンバー達、<左より>hiroko(Cho)、ウッチー(Pf)、TAKA(Gt/Vo)、チャーリー(W.Ba)、リュゥヤ(Ts)、キリ(Dr)。 Photo by Hajime and TAKA
ゲリラ豪雨や不安定な天気が心配された土曜日(27日)の夕方、ジョビアゥ・タカ バンドのライブが開催された。場所は、お馴染みの経堂・音楽酒場ピック。幸いなことに開演から閉演までお天気が持ち、近くの居酒屋・嵯峨野でその後2次会を開いていた頃、雨が振り出した。その夜の隅田川の花火大会は中止となってしまった。
今回のライブをやるにあたって、私には二つの目論見(というか、趣向)があった。ひとつは、日頃『かようかい』(地元の゛椿゛でやっている、歌声酒場のような歌会)で楽しんでいる集いを、よりPA環境のいいスペースで、また、ちゃんとしたバンドを組んで、歌と演奏を皆さんに披露しようということ。もうひとつは、ポルトガル語や英語、日本語の私が歌うレパートリー曲を、自身で作詞した「日本語詞」や「ポル語訳詞」で併せて歌い、曲表現の奥行きを実現してみよう、ということ。このため、私自身が歌とギター演奏に出来るだけ集中できるように、全体の構成と各曲の進行を、コンマスのウッチーにおまかせし、前回ライブ(昨年の10/28日)のトリオメンバーに、ドラムのキリさんとテナー・サックスのリュゥヤに加わってもらった。そして、オリジナル曲のコーラスにhirokoさんに入ってもらい、歌の゛追っかけ゛の面白さを試みるとともに、地元のシンガー・ソング・ライター:泉ちゃんをゲストに呼んで、オリジナル曲を披露してもらった。15人の来場者(ゲストを含む)と演奏者5人で、ライブハウスは満席となり、とても賑やかなライブとなった。
当夜の演奏曲を紹介しておきます。

<第Ⅰ部>
1.オープニング:Lica's Dream(バンド・ジャズ曲)作曲 by 北川立也
2.Summer Time  Gm ジャズ(日本語詞 by TAKA)
3.Verão Triste 夏をあきらめて Em J-POPS(ポルトガル語詞 by W.de Oliveira)
4.コルコヴァード CMaj ボサノヴァ(日本語詞 by TAKA)
5.黄昏のビギン CMaj 昭和歌謡
6.オルフェのサンバ CMaj サンバ(日本語詞 by TAKA)
7.Antonico アントニコ Em ボサノヴァ(日本語詞 by TAKA)
8.Beside You あなたの側で CMaj オリジナル(コーラス:hiroko)

<第2部>
1.Samba De Uma Nota So ワンノート・サンバ GMaj(日本語詞 by TAKA)
2.チャチャ オリジナル ゲスト:西河 泉(Vo/Gt)
3.砂のバラ オリジナル ゲスト:西河 泉(Vo/Gt)
4.ファラウェイ オリジナル ゲスト:西河 泉(Vo/Gt)
5.愛とも知らないで GMaj オリジナル(コーラス:hiroko) 
6.君に酔ってしまいそうな夜 BbMaj オリジナル(コーラス:hiroko)
7.All of Me BbMaj ジャズ(日本語詞 by TAKA & hiroko)
8.Manhã De Carnaval(黒いオルフェ)Am ボサノヴァ(日本語詞 by TAKA)
9.O Pato あひる Eb ボサノヴァ(日本語詞 by TAKA)
この夜のMC(曲紹介)を私自身が担当したが、2曲を続けて演奏し、その後で曲紹介(解説)をする、という進行だった。オープニングは、バンド演奏のインスト曲『リカズ・ドリーム』でスタートした。Ts:リュウヤ作曲の軽快なリズム曲で会場は解れた雰囲気になった。
次いで私がステージに上がり、夏の歌2曲を歌った。『サマータイム』は、英語詞の歌⇒サックスのソロ⇒日本語詞の歌と進行した。元歌は、ミュージカル「ポーギーとベス」のテーマ曲。漁から帰る夫を港で待ちながら、二人の間に出来た赤ちゃんをあやす女房クララの歌だが、ゆったりとした女性ヴォーカル(ソプラノ)の唄を私は女房の親父の歌に代えて詞を作った。だから、孫に歌って聞かせる゛ジイジの歌゛(テノール)になっている。少しべらんめえ調の詞を、皆さんはどう受け取ってくれただろうか?
同じ進行で、歌った『Verão Triste 夏をあきらめて』は、以前ボサノヴァ会でウクレレの弾き語りの歌として一度披露したことがある曲だが、バンド曲として歌ったのは始めて。ご存知サザンの桑田圭祐のオリジナル曲、デビュー・バージョンは、研ナオコが歌った。実は、この歌の歌詞をポルトガル語で歌っているのを知ったのは、若い女性ジャズ・シンガー MAYAさんのアルバムから。お知り合いのMAYAママからいただいたCDの中にあり、フェビアン・レザパネ(Pf and アレンジ)のラテン・アレンジが抜群だった。日本語の歌詞をポル語に訳しているのは、私の歌の先生でもあるヴィウマ・ジ・オリベイラさん(サンパウロ出身の女性ボサノヴァ歌手、きれいなポルトガル標準語のボサノヴァ曲を沢山教えていただいた)。また、F.レザパネは、私のボサノヴァ・ギターの師匠でもある中村善郎と定期的にデュオ・ライブをしている間柄だ。MAYAさんは、葉山の゛ラ・マーレ・ド・茶屋゛で、ジャズライブをやっている関係で、オーナーの庄右衛門さんと面識があり、彼の紹介で地元の歌手として懇意のサザン・オールスターズ:桑田圭祐からOKをもらってアルバムに収録できた、とMAYAママから私は聞いたのだった(説明長~い!!)。不思議なご縁で、私はこの夜、J-POPのヒット曲をポル語と日本語で歌うことが出来て、とても嬉しかった。

満席のお客さんを前に、オリジナル曲を弾き語るイズミちゃん(第2部)、残念ながらカメラのピントが今ひとつ!
新曲2曲を皮切りに、私のライブではお馴染みの曲を続けてご披露した。ボサノヴァのスタンダード曲『コルコヴァード』(作詞・作曲:トム・ジョビン)、軽快なサンバで映画「黒い・オルフェ」ラスト・シーンを飾った『オルフェのサンバ』(作詞:アントニオ・マリア、作曲:ルイス・ボンファ)、そして、ボサノヴァ演歌の『アントニコ』(詞・曲:イスマエル・シウバ)、ともに私が作った日本語詞を併せて歌った。間にサックスソロ、ピアノソロ、ベースソロを挟んだが、ポル語の詞内容が、より良く解かって頂いたのではないか、と思っている。実を言うと、日本語訳はなかなか難しいのだ。言語の意味内容が、日本語にすると半分も訳に収まらない。だから、日本語として滑らかに意味が伝わり、かつ、詞としてもきれいな、あるいは面白い内容にまとまらないと、歌ってもスムーズな言葉にならないのだ。その苦労があって、しかもうまくメロディに乗ると、曲の世界はより拡がりと奥行きを醸し出してくれる。
それらの曲の間に大好きな『黄昏のビギン』を入れた。今も色あせないモダンなコード進行(半音づつ上がったり降りたりする)は中村八大の曲、詞は永六輔、昭和歌謡の名曲は、ウッチー(Pf)もお好みで、時折かようかいでも演奏して楽しんでいる。そして、1部のラストは、私のオリジナル曲『Beside You あなたの側で』(詞:カルロス美希、曲:TAKA)、皆さんからは゛あなそば゛の略称で親しまれている。今回、高校同期生バンド(タペストリー)でコーラスを担当しているhirokoさんにお願いして、歌の゛追っかけ゛をしてもらった。「難しいメロディねぇ!」と言いながら、私の歌うテーマ・メロディに、彼女の追っかけが合いの手で入り、曲の世界が拡がったと思う。こんな楽しみも、今回のライブに加えることが出来たのが嬉しかった。駆けつけてくれたhirokoさんのお友達(KSさんとNTさん)にも楽しんでいただけたようだ。
(この項続く)

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