2015年6月12日金曜日

ローカル線各駅停車の旅・アヤメと岬(その1)




広大な菖蒲田に咲く『水郷潮来あやめ園』の花菖蒲、寄せ植えが専らなので、白・赤紫・薄紅・青紫色の
花々が入り混じり、満開の風景はとても見事だった。 All Photo by TAKA


花菖蒲(はなしょうぶ)は私の好きな花の一つで、関東近辺各地のあやめ園を今までに何か所か訪れてきて

いる。小石川植物園・水元公園(葛飾区)・堀切菖蒲園・大船フラワーセンター・薬師池公園(町田市)など...

中でも明治神宮御苑の菖蒲田は、江戸系花菖蒲の古花が集められ生育されている貴重なあやめ園であり、

花株の維持・管理も充分にされているので、ここ10年程は御苑を訪れることが多かった。凡そ150種ある

という江戸系花菖蒲の名前や形状も、撮影した写真とともに覚えることが出来たので、今年は別のあやめ園

に行ってみたいと思っていた。そんな話を健康オタクのYKさんと話していたら、どこか鄙びた田舎を走って

いるローカル電車に乗ってみたいという話が出て、それでは水郷潮来のあやめ園で花菖蒲を見てから、

各駅停車の電車で潮来から銚子に行き、その先話題の銚子電気鉄道で犬吠埼まで行ってみよう、ということ

になった。銚子は日本有数の漁港だから、美味しい魚も食べられるに違いないし、のんびり電車に乗って

田舎の風景を眺めるのもいっか! と話は決まったのだった。



やや青紫色がかっているが、中輪で三英(3枚の外花弁)は白地に紫の細脈入り、鉾(中央の小さな立花弁)は
濃い紫、茎と葉は細身で60㎝位の特徴から、『小町娘』かその同系の花菖蒲と思われる。咲き姿が粋な風情だ。



JR東京駅八重洲南口発・鹿島神宮駅行(カシマ・サッカースタジアム行もあり)の高速バスを利用して、早朝

の定期便に乗り込んだ。バスはすぐ首都高速に入り、湾岸線・東関東自動車道路を何の渋滞もなく走り続け、

10時半頃には水郷潮来バス・ターミナルに着いてしまった。所要時間は1時間20分、JR電車を利用する手も

あったが、こちらの方が早くて安い。そこから待機していたタクシーに乗り(10分程)、JR潮来駅側の『水郷潮来

あやめ園』に着いた。梅雨入り間近の関東地方は、この日だけ晴天に恵まれたので、あやめ園を見て楽しむ

には格好の日よりだった。



アヤメとカキツバタとハナショウブの違いを解説するあやめ園の紹介ボード。解りやすくて良かったが、
この園で咲いていたのはハナショウブの種類がほとんどのように見えた。



丁度「水郷潮来あやめ祭り」の最中ということもあり、広大な園内(1,3ヘクタール)は訪れた観光客も多かった

が、平日だったので混雑はさほどでもなかった。まず、ほぼ満開の白・赤紫・青紫・薄紅・黄色のハナショウブ

が一面に咲く様に圧倒されたが、一辺約25mの菖蒲田が500mほど続く園を順繰りに廻ってみると、ほとんど

菖蒲田が色とりどりのハナショウブを寄せ植えしているので、見た印象がさほど変わらないのが残念だった。

また、500種と案内されている種類についても、花の種別を示す花札などがないので、覚え様もなかった。

ただ、広大な敷地に連なって咲くハナショウブの風景は、他のあやめ園ではなかなか見られないものなので、

それを見ることが出来たのは良かった。何枚かの花写真を撮り、家に戻ってから名前と種類を検索してみる

ことにしたが、花株を江戸系・肥後系・伊勢系の系統ごとに揃えたり、各種類毎にまとめたり、あるいは色系統

毎に(白・薄紫・濃い紫・薄紅色など)まとめたり...菖蒲田のレイアウトを工夫して変化を持たせたらもっと

見甲斐があるのになぁ ! と私には少々もったいなく感じられた。ただし、入園無料だし植物園でもないのだから

きれいな花菖蒲を沢山見られればそれでいいのかもしれない。



咲き終わった花枝を整理する゛あやめ娘゛ならぬオバサマたち、矢がすり柄のユニフォームと
赤い帯・菅の笠の出で立ちがいい雰囲気でした。


1時間程で園内を周り終えたので、このあやめ園横の水路が繋がる常陸利根川脇にある「いこい食堂」で

昼食にした。朝早起きだったのと、園内を歩き回ったのでお腹がとても空いていた。メニューの中から川魚を

選び、鯉の洗いとワカサギ定食を頼み、冷たいビールを飲んだ。酢味噌でいただく鯉の洗いは、一度湯通し

をしてあったので、さっぱり味で美味しかった。揚げたての子持ちワカサギは、お腹がぷっくらと膨れていて、

旨さこの上なし、ビールを飲みながらいただき、シジミのお味噌汁とご飯も美味しくいただいた。川の魚介類

を堪能したお昼ご飯だった。

<この項つづく>

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