2015年6月13日土曜日

ローカル線各駅停車の旅・アヤメと岬(その2)



銚子電鉄・銚子駅の不思議な形状の駅舎、私は『とんがり駅舎』と名付けたが、何か設計やデザインの
由来があるのかもしれない。 All Photo by TAKA


TVの旅番組の中では、首都圏のJR・私鉄電車で巡る『ぶらり途中下車の旅』(4ch、おひょうさんの解説で

お馴染み)や、『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK、MCは小野文恵と笑福亭鶴瓶)、『通りの達人』(4ch、「メレンゲの

気持ち」の中の石ちゃんの喰い歩きコーナー)などは時々覗くが、最近では徳さんの『路線バスで寄り道の旅』

(4ch、徳光和夫と田中律子他の゛行き当たり・ばったり旅゛)もたまに見たりする。けれども、銚子電鉄について

は、私自身良く知らなかった。何かのニュースで紹介されていたのだろうが、ちゃんと見てはいなかったのだ。


水郷潮来あやめ園を見た後、ゆっくりとした昼食を取り潮来駅に戻ってみると、お昼の時間帯は電車の運行が

なく、次の銚子方面行は約1時間後と判明。ローカル電車の常で、朝夕の通勤・通学の時間帯以外は運行

本数が1時間に1本程度なのだ。満腹満足の後なので、しばらく風通しの良いあやめ園のベンチで休憩し

YKさんと四方山話。時間はたっぷりあるので、のんびり行くことにした。

午後の一番電車に乗りまずはJR鹿島線で香取まで(7分)、香取神宮の社殿を模した無人駅舎で待つこと40分。

不思議なことに上り方向(成田方面)と同じホームに逆方向から来た下り(成田線銚子行)電車に乗り込んで、

終点の銚子駅を目指した。電車はボックス席とベンチシートの混合型で車内トイレも備えられ、空いた車内

から窓外風景をしばし楽しんだ。丘陵の端を縫うようにして走る電車の両側は、延々と続く広大な水稲田、

日本有数の大きな区画の稲田は、伸びた葉茎がグリーンのベルトのように鮮やかできれいだった。お腹も

一杯だったので、梅塩飴を頬張りながら、飽きもせずに緑の風景を眺め続けた。


香取駅から約45分の乗車で銚子駅に到着、お目当ての銚子電鉄(銚子電気鉄道の略称)は40分後だったので、

JRの駅舎内待合室でしばらく休憩した。駅コンビニの100円コーヒーを飲んでみようか、ということになり、

セルフのコーヒー・サーバーで紙コップにドリップして飲んでみた。これが意外に香りもよく美味しかった。一頃

街中で幅を利かせていたスタバやドトールのコーヒーが、コンビニ100円コーヒーにお客を食われているとの

ニュースを確認する機会となった。こちとらは、自宅近所の堀口珈琲店で豆を選んで挽いてもらったコーヒー

自分で湯落として飲んでいるので、なかなかコンビニ・コーヒーにを飲む機会がなかったのだ。




この日乗ったのは、元営団地下鉄銀座線のオレンジ・カラーに塗装された車両(デハ1001系)。
他にも、元丸の内線の赤に白一本線の車両(デハ1002系)や元京王電鉄の2000系・グリーン色の
車両なども走っているとのこと。懐かしい車両を見に訪れるファンも多いのだろう。



銚子⇔外川 間を走る銚子電鉄も凡そ1時間に1本程度、乗車時間も出発から終点まで15分位の短い路線だ。

午後の電車の乗客も、平日なのでちらほら程度、住宅とキャベツ畑の中をゆっくりと走る。ローカル電車の

常で、この路線も営業開始当時(大正12年・1923年)は、犬吠埼への観光路線や沿線の醤油メーカーの輸送

路線(結果的に利用がなかった)として期待されたが、車社会の発達の影響で乗り降り客が激減し、廃線の

危機を何度か経験している。それを何とか救ったのが、『銚電のぬれ煎餅』や銚子特産品の販売(駅舎や

インターネットにて)だったことは、皆さんもよくご存知のことだろう。

車内の座席は、ハドソン(ゲームソフト・メーカー)と提携した時のラッピングのままで、キャラクターがあしら

われ賑やか。路線の駅案内は、銚子⇔外川の他に、地下鉄銀座線の路線案内図まであったのには笑って

しまった ! 


オレンジ色の車両の中が、この青のツートン・カラーだからど派手 !



降りた犬吠駅は、駅舎がポルトガル風の不思議な風貌(平成2年竣工)、売店の係員のおじさんに
勧められて『ぬれ煎餅』試食をし、美味しかったので1袋お土産に買い求めた。



前線の影響で霧のような細かい雨が舞い始めた中、犬吠駅から歩いて数分の宿泊先(ぎょうけい館)に着いた

のは夕方4時頃。創業明治7年(1874年)、140年以上の歴史を持つ老舗宿で、全室から太平洋が一望でき、

銚子港から水揚げされた食材をふんだんに使った海鮮料理が自慢の宿だ。YKさんがシーズン・オフの割安

一流旅館のクーポン券を探してくれたのだが、この宿は高村幸太郎や智恵子、徳富蘆花など、多くの文人の

投宿先としても知られているのだ。早速、大浴場と露天風呂に入って見ると、降り始めた雨と強い風で高波が

立つ太平洋と、岬の突端にそびえ立つ犬吠埼灯台が遠望できた。天気が良ければこれまた絶景だろうが、

少し塩分が入った温泉水を舌に感じながらゆっくりとお湯に浸かった。外の小さな露天風呂にも入って見たが、

雨風が強くて長い時間は居られなかった。



露天風呂から太平洋の荒波を望む。



夕食のお品書き、一品ごとの量は少ないが、数多くの海鮮料理を地酒『銚子の誉(ほまれ)』の
冷酒とともにいただいた。割烹の味付けが程よく、旨さこの上なし !



この宿で食べた夕食も朝食も、地元で取れた新鮮な魚と貝類・野菜類がふんだんに出てきて、満足・満腹の

食事だったのはとても嬉しかった。特に、夕食の「蕎麦湯葉巻き揚げ」と鱸・勘八の「海鮮しゃぶしゃぶ」、それに

「黒眼張の煮つけ」と揚げ物の「鱚の梅肉挟み」は、私好みだった。朝食に出てきた干物は「サンマ」だったし、

「とろろ昆布」と小振りの「縮緬ジャコ」、「若芽と油揚げの味噌汁」など、どれも皆美味しく、朝からご飯をお変わり

して食べてしまった ! (フォト下)





真夜中に、夕食のお酒のせいか喉が渇き冷たい水をコップで一杯飲んだ。海側の窓を開けると外は激しい

雨風に海が゛ザバンッ・ザバンッ゛と鳴っていた。暗闇の中に、一条の光が灯台から発せられ、360度に回転

しながらゆっくりと海を照らしていた。ちょっと幻想的で、初めて見た「真夜中の荒れる海と灯台の光」シーン

だった。翌朝は夜の雨が止まず荒れた天気だったので、午前中に予定していた銚子港の魚市場訪問や、

犬吠埼灯台見学をせずに、雨の中を宿の送迎車で銚子駅まで送ってもらい、早目に銚子を後にした。銚子

から総武本線に乗り、成東で東金線に入り、大網で外房線、千葉で総武横須賀線快速と乗り継ないで東京

に戻った。行きは高速バスを利用したが、移動のほとんどはローカル線各駅を乗り継いでの゛のんびり旅゛

だった。時間に追われることもなく、急いで何かをすることもなく、ゆったりした時間の中で寛げたのはとても

良かった。日常と違う時間の流れに身を任せていることが、殊の外心地よかった。またどこか、のんびり

したローカル線各駅停車の旅に出てみたいと思った。



朝の荒れる海に向かって佇む犬吠埼灯台の姿、今回は見学をパスした。


銚子電鉄と濡れ煎餅については、ホームページがあるのでここに載せておきます。興味のある方は覗いてみて下さい。
http://www.choshi-dentetsu.jp/

<この項終わり>

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