2015年11月14日土曜日

フィギュアスケート・グランプリシリーズ 後半戦とファイナル戦を予測する。



浅田真央(日・25歳)の中国杯FSのテーマ曲は歌劇『蝶々夫人』、着物風コスチュームは優雅だったが、腰帯や袖の
ひらひらは演技しずらかったのでは? All Photo by Jimbio and Others


前回のブログで、今シーズンのグランプリ・シリーズ(2015/2016 Isu Grand Prix Series Figure Skating)の前半戦

 3試合をざっと総括してみたが、今回はその後半戦とファイナルの表彰台には誰が上がるのかを予想してみようとおもう。 

 ちょっと大胆な試みだが、それも一興かと。ソチオリンピックの後、昨シーズン1年間を休養し競技会に復帰した浅田真央、 

 中国杯の演技はプログラムの完成度が高くスケーティングものびのびしていた。滑る喜びが全身から感じられ、好感度も 

高かった。ジュニア戦デビュー以来10年を超える競技生活で培われたキャリアは、ベテラン選手として確固たるポジションを  

キープしていると思う。ポイントは、トリプルアクセルはじめ3回転ジャンプやコンビネーションを如何にミスなく演技できるかに  

掛かっている。他の有力選手はこの点でも同じだが、ファイナル戦の表彰台に上がるには、SP(ショートプログラム)/FS  

(フリースケーティング)の合計得点が200点を超える戦いになるだろうから、演技の正確さとテーマ曲に乗って表現する  

演技構成点(ジャンプ・ステップ・スピンの表現力)の両方の高いレベルが求められることになる。個人的に言わせてもらえば、  

SPの『素敵なあなた』(ジャズアレンジ)の演技と濃いピンクのワンピース・コスチュームの方が浅田真央には合っていると思う。





今年2月の欧州選手権(女子シングル優勝)エキジビションで、テーマ曲『クープ・アイランド・ブルース』に乗って滑った
エリザベート・トゥクタミシェワ(ロ・19歳)の演技。大胆なコスチュームと艶やかな身体の動き・手先の表現で観客を魅了した。


ファンの声援やスケート競技関係者の期待、マスコミへの対応も含めて、精一杯応えようとする゛優等生タイプ゛の浅田真央

に較べると、E.トゥクタミシェワは、スケーティングを極めようと゛我が道を行く゛感がある。一昨年のシーズン(2013/2014)は

低迷していた。というのも、3アクスルはじめ・3サルコウ・3ルッツ・3フリップ・3トゥループ・3ループ、すべての3回転ジャンプ

を競技会で試しては転倒し、またそれらを組み合わせるコンビネーション・ジャンプも試していたから、主要競技会では表彰台

に上ることはなかった。しかし、このジャンプに磨きをかけた後の昨シーズン(2014/2015)は快進撃を続け、世界選手権・

欧州選手権・グランプリファイナルで金メダルを獲得している。今シーズンもその勢いを続けているし、演技の正確さとともに

表現力の素晴らしさは秀逸だと思う。個人的には現在NO,1と言ってもいい。彼女のしなやかな身体の動きは、指先・足先

まで浸透しているし、中近東サウンドに乗った゛エキゾチック゛な雰囲気や、スピードに乗ったキレの良い動きとともに、艶のある

(セクシーと言ってもいい)演技は、とても個性的なのだ。今年19歳の彼女は、中堅選手として活躍し続けると思う。



スケートカナダを優勝したアシュリー・ワグナー(米・24歳)、彼女には珍しい純白のコスチュームで登場した。演技はほぼ
ノーミス、円熟した中堅選手として花開いた感がある。


何時もいいところまで来るのだが、なかなか表彰台真ん中に立てないでいるアシュリー・ワグナー。全米選手権を何度も優勝

、GPS戦でも優勝は経験している。2005年にジュニアデビューしているから、彼女も10年選手だ。バネのある身体から

繰り出すスピードに乗ったキレの良い演技は彼女の真骨頂、そこに表現力が加わり、ステップやスピンも難度の高いプロ

グラムを観客に見せてくれるようになった。スケートカナダFSのテーマ曲は『ムーランルージュ』、演技の緩急のメリハリと間の

取り方に、ベテランらしい味を出していた。遅咲きだった鈴木明子(日)やカロリーナ・コストナー(伊)のように、これからも

活躍してほしいものだ。 ファイナル戦で表彰台に立つのは、以上の3選手だと予想するが、正確な演技で自己ベストを出し

続ける本郷理香(日・19歳)、身長は8㎝伸びたが昨シーズンの躍進が印象深いエレーナ・ラジオノワ(ロ・16歳)、そして、

バランスの取れた優雅な演技で定評のあるグレイシー・ゴールド(米・20歳)たちも、表彰台の一角を狙える存在であること

を付け加えておきたい。



スケートカナダで優勝した(男子シングル)ハピエル・フェルナンデス(スペ・24歳)、今年3月の世界選手権を制した勢い
が続いている。持ち前の多彩なステップも健在だ。


さて、ファイナル戦の男子シングル・表彰台だが、ずばり、J.フェルナンデスと羽生結弦・パトリック・チャンの3選手だと予想

する。やはり、この選手たちの力量は抜きんでていると思う。スケートカナダのFSのテーマ曲は、フランク・シナトラのVoで

『野郎どもと女たち』、小粋なジャズ・サウンドに乗って、J.フェルナンデスはキレのいい演技を見せてくれた。4回転を含む

ジャンプをすべて決め、SP/FSの合計点が270.55という高得点をマークした。シーズン初試合でこの様な完璧なプログラム

を見せてくれたのには驚いた。コーチは羽生結弦と同じブライアン・オーサーだが、今後の二人の勝負は見物だと思う。




スケートカナダでは銀メダルだった羽生結弦(日・20歳)、FSのテーマ曲は映画『陰陽師』。摩訶不思議で面妖な世界を
演じてくれた。残念ながらジャンプのミスが続き、P.チャンには及ばなかった。


一昨年のソチオリンピックで金メダル獲得以来、羽生結弦の活躍振りは何人も認めるところ。アクシデントによる負傷や

ケガも多いが、常に第一線で活躍する姿勢にファンも多い。まだ20歳の彼にとって、これからが競技生活のハイライトと

なって行くだろう。話題の4回転ジャンプだが、ご存知のようにこの高難度のジャンプは3回転と同じように6種類ある。

アクスル・サルコー・ルッツ・フリップ・トゥループ・ループだ。彼はこの内アクスル・サルコー・トゥループを成功させて

いるが、J.フェルナンデスは全てのジャンプを飛ぶと言う(実際見たことがないので、私も良くわからないが...)。ただ、

男子シングルの戦いは、そのような高度の技を応酬するレベルになってしまっている。これは、体操競技も同じで、年々

進化する技を見る方も「スゴイ!」と言っているだけで、中身が良くわからないという状況なのだ。彼は、11月末のNHK杯

(長野開催)に出場する予定なので、ジャンプを含めた完璧な演技が見られるのを期待しようと思う。



スケートカナダを制したパトリック・チャン(カ・24歳)、ほぼノーミスの演技でSP/FSの合計271,14をマーク、
完全復活を印象付けた。


昨シーズンの1年間休場後の初戦(スケートカナダ)で優勝し、ベテラン復帰の話題を提供してくれたP.チャン。これで、女子

と同じく、ベテラン・中堅・若手三つ巴えの戦いの面白さが増してきた。彼のSPテーマ曲はジャズVoの『マック・ザ・ナイフ』

FSテーマ曲はショパンの『前奏曲第4番他』、モダンでもクラシックでも存分に滑れるのがベテランの強みだ。FSでは、4回転

を含む全てのジャンプを成功させ、スピードに乗った演技にとても滑らかな動きで全体をつなげ、終わった後のスタンデング

オベーションで会場を沸き返えらせた。とにかく、この3選手の攻防は、これからの大きな見所と話題になるだろう。この3者

に食い込む存在としては、スケートアメリカでミスのない演技を見せたマックス・アーロン(米・23歳)、ジュニアから上がって

きた宇野昌磨(日・17歳)、4回転こそないがバランスの良いしなやかな演技で観客を惹きつけるジェイソン・ブラウン(米

・20歳)を挙げておきたい。


今回のブログ作成に当たり、今シーズンのGPS戦のだけでなく、過去のシーズンの演技動画を見ることが出来た。この様な

サイトが、YouTubeの中にあることを知ったのはやや遅きに失するが、ご参考のためにアドレスを載せておきます。国内・国外

の過去10年以上にわたる競技結果を動画で見られる「お宝サイト」です。 

 
さて、今日からフランス・ボルドーで、GPSエリック・ボンパール杯が始まる。注目選手たちの活躍をじっくり楽しみたいと思う。

<この項終わり>


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