2016年6月4日土曜日

鬼無里・白馬 新緑紀行<その3.姫川源流の湧水>




『姫川源流の湧水』 YouTube動画 と Photo by Jovial TAKA



白馬駅から県道148号線を南に向かい、青木湖の手前にある白馬さのさかスキー場の駐車場に車を止めて、道路向かい側の

遊歩道を歩いて行くと、鬱蒼としたスギ林の中に入った。空気はひんやりとし、オゾンたっぷりの森林浴をしている気分に

なった。一部分杉の枝を敷き詰めた歩道もあり、途中から茶色に塗装された角柱で組み建てた歩道が、湧水の周りを囲んで

いた。周りにはシダ・ゼンマイや水芭蕉(花が終わり、新緑の葉が巨大化していた!)が生い茂り、珍しい『マムシグサ』が

鎌首もたげたように伸びていた。緑色のものもあれば斑点入りの茶紫色のものもあり、ちょっと不気味な雰囲気を漂わせ

ていた。



緑色の『アオマムシグサ』(青蝮蛇草:サトイモ科の多年草)


源流域では、小さな砂利の中から透明な水がこんこんと湧き出し、西流・東流・南流の三つの流れが合流し、小川となって森の

東側に注ぎ出していた。河川の源流がこれほどはっきりと見られるのは日本でも珍しいとのこと。水辺には、クレソンやセリが

たくさん生育し、流水の底にはバイカモ(梅花藻)が生い茂り、折からも小さな白い五弁花をいっぱい咲かせていた。周囲の森

には小鳥の鳴き声が溢れ、川ガエルと夏ゼミの声がこだましていた。湧水は音を立てて流れを作り、なにか、川の誕生に立ち合っ

たような、生命の源泉に触れたような、荘厳で爽快な気分だった。これも、冬の間に北アルプスに降り積もった大量の雪があって

のこと。自然の恵みを体感するいい機会となった。『山紫水明』・『風光明媚』、あの四字熟語がまた頭の中にふっと湧いてきた。



姫川源流の湧き水・ワンショット、久し振りに見た「透き通った景色」だった。バイカモ(梅花藻)の
白い小花が沢山咲いていた。


水沢峠からの北アルプス眺望と、姫川源流の湧水をすっかり堪能できたので、同じ敷地にある「親海湿原」(およみ湿原)は

パスして、白馬を後にした。帰路は、31号道路(通称オリンピック道路)を抜けて国道19号に入り長野に向かった。途中

犀川の笹平ダムと小田切ダムを通ったが、アルプスの雪解け水を湛えた両ダム池は、喫水線まで満杯で、水量の豊かさを

改めて感じた。ひるがえって鬼無里の渇水ぶりを改めて確認することにもなった。中条の道の駅で食べたお蕎麦(私はとろろ

冷やし蕎麦、HIさんはざる蕎麦)も美味しく、鬼無里ではイワナに出会わなかったけれど、今回の旅がとてもいい旅だった

のを喜び合った。長野駅でレンタカーを返すまえに、GSでガソリンを満タンにしたが、ガソリン代は590円だった! ホンダ

・ピットの燃費の良さにもビックリ! 運転をしていただいたHIさんにもお礼を言った(私は専らナビゲーターだったが)。

帰りの新幹線は、あさまの始発に乗ってゆったりと帰ることとなった。



大出公園からの北アルプスと姫川の景観 出典:geocities.jp/caminito hakuba


<この項終わり>

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