2016年12月18日日曜日

フィギュアスケート・GPSファイナル戦から(その1)




男子シングル表彰台は、羽生結弦(日・金)、ネイサン・チェン(米・銀)、宇野昌磨(日・銅)の3人。10代の若手選手の
台頭が顕著だった。 All Photo by Sports Navi


2016年のフィギュアスケート・グランプリシリーズ・ファイナル戦(ISU国際スケート連盟主催)が、フランス・マル
 
イユで開催され(12/9~12/11)、今回もTV中継と動画サイトの録画で観戦し大いに楽しむことが出来た。ここ数年、
 
フィギュア・スケートの人気の高まりは、日本・ロシア・アメリカ・カナダなどをメインに若手選手の層が厚くなり、
 
かつ高度なスケーティング技術とテーマ曲世界の芸術的表現が、多くのファンの関心を惹きつけるようになったこと
 
が要素と考えられる。私自身もこのブログを始めた当初(2008年)から、折りに触れてこの競技についてのコメントを
 
ブログに載せているが、TV局のやや行き過ぎた報道に苦言を呈しながらも、フィギュアスケートの魅力を語り続けて
 
いる1ファンでもあるのだ。今回のファイナル戦は、GPSシリーズ戦の最後を飾る大会であり、シリーズを戦ってきた
 
上位成績の男女6人(シングル戦の場合)が出場した大会だから、何れも実力充分のトップ選手たちの白熱した戦いは
 
スリリングでありとても面白かった。各選手のシリーズ戦(前半3試合)成績とテーマ曲については、このブログ(GPS
 
前半3試合より:11/10と11/11 3回連載)で触れているので今回は割愛し、興味深かったポイントに絞って述べてみたい。
 
 
男子シングル戦は「4回転ジャンプ時代」を彷彿とさせる試合となった。優勝した羽生結弦は(日.21歳)、SP(ショート
 
プログラム)高得点(106,53:今季最高)に助けられて、FS(フリースケーティング)は3位だったが総合得点で逃げ
 
きった。3種類4本4回転ジャンプ(クワドラブル)を飛んだが、FSではサルコウ(4S)とトリプルアクセル(3A)等にミス
 
が出て得点が伸びなった。しかしながら、ファイナル戦4連覇という偉業は素晴らしいものだし、今でもより高度な
 
プログラムと技術にチャレンジする姿勢には感服する。若手選手の挑戦を受けながら、より高みを目指してもらい
 
たい。4A(クワドラブルアクセル:4回転半ジャンプ)も夢ではなくなるかもしれない。2位となったネイサン・チェン
 
(米.17歳)は、シリーズ前半にはエントリーせずに後半2戦(トロフィフランスとNHK杯)に、出場し、ともに2位
 
好成績でファイナル戦に出場してきたので、前半戦を総括した段階で私はノーマークだった。しかし、彼は昨年
 
(2015年)のジュニアグランプリ・ファイナルの優勝者であり実力はピカイチ、なんとFSでは3種類4本の4回転ジャ
 
ンプを全てノーミスで決め、他のジャンプもきれいに決めて197,55という高得点をたたき出した(FSでは1位)。この
 
中には、まだ誰も飛んでいない4A(トリプルアクセル)に次ぎ難易度の高い4Lz(ルッツ・金博洋も飛ぶ)も入っている
 
から恐るべし! 今後、ステップスピンの精度と表現力を高めていけば、技術点だけでなく演技構成点も上げられる
 
だろうから、トップ争いに加わってくる有力な存在となるだろう。
 
 
3位となった宇野昌磨(日.18歳)の成績は、このメンバーの中での表彰台だから立派だと思う。彼のFSは、2種類3本
 
4回転ジャンプ (得意のフリップを含む)を決め、小さなミスや回転不足があったもののほぼノーミスでで演技をまと
 
めたことが大きかった。また、彼独自のクリムキン・イーグル(両足を開いて後ろにのけぞったまま滑走する)も決め
 
て観客にアピールし、今シーズンのP.B.195,69を得点したのも良かった。彼も2014年のJr.グランプリファイナルの
 
優勝者だから、今回ファイナル戦に出場しなかった金博洋(中.19歳、2013年Jr.GP優勝)とともに、ベテラン勢と互角
 
に戦い挑み、彼らを脅かす存在に成長してきているのがなかなか頼もしいと思う。
 
 
ファイナル戦での試合経過で特に面白かったのは、滑走順の冒頭からネイサン・チェンと宇野昌磨がノーミスの高得点
 
を獲得し、それに次いだ羽生結弦がジャンプ転倒やミスで得点が伸びなかったので、若手の高得点と優勝予測ナンバー
 
ワンのズッコケで優勝を意識しすぎたのか、続いたH.フェルナンデス(Es.25歳)の演技はいつになく硬くジャンプがおかし
 
かった。ミスの連続と他の演技もぎこちなく低得点に終わった。不思議なもので、これに続いたP.チャン(カ.25歳)も
 
「俺にチャンスが回って来た!」と思ったのか、演技に伸びがなくジャンプミスを繰り返し、低得点に沈んでしまった。
 
2人のベテラン勢はSPの成績(2位と3位)からも充分優勝を狙えたのに、勝負のあやというか、平常心で臨むことがベテ
 
ランでも難しいことがあるのを垣間見た気がした。A.リッボン(米.26歳)は、果敢に4回転ジャンプにもチャレンジした
 
が、本来3回転を軸にステップやスピンで滑らかなスケーティングを見せてくれる選手なので、こういう演技構成力で
 
勝負する選手の円熟した演技を見られるのも楽しいと思う。J.ブラウン(米.21歳)と共にまだまだ活躍してほしい選手だ
 
と思う。
 


同じ会場で行われたジュニアグランプリ・ファイナル戦の表彰台は、ドミートリー・アリエフ(ロ.17歳・金)、
アレクサンドル・サマリン(ロ.18歳・銀)、チャ・ジュンファン(韓.15歳・銅)の3人、いずれシニア戦に加わり
トップ選手の仲間入りする日も近いだろう。
 
 
 
なお、フィギュアスケートのジャンプ採点について興味をお持ちの方は、以下のサイトにアクセスして
みて下さい。詳細を知ることが出来ます。<フィギュアスケート・ガイド>
 
 
 
<この項つづく>
 

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