2018年1月24日水曜日

フェルナンデスの強さは圧倒的だった! F.S.欧州選手権2018(その2.男子シングル)




F.S.欧州選手権男子シングルの表彰台は、ハビエル・フェルナンデス(スペ26歳)が金メダル、ドミトリー・アリ
エフ(ロ18歳)が銀メダル、ミハイル・コリヤダ(ロ22歳)が銅メダル、欧州選手権6連覇を成し遂げたベテラン・フェ
ナンデスの強さが際立った試合だった。画像はISU・HPより。



今期(2017~2018シーズン)のJ.フェルナンデスは、GPシリーズ戦での成績はさほどのものではなかった。中国杯で

はジャンプの出来が今一つ決まらず得点が伸びなかった(SP/FS計273.06の6位)が、フランス杯ではSPの演技を完璧

に決めて107.86の高得点を叩きだし、宇野昌磨を抑えて優勝した(計283.71の得点)。それでもFSのジャンプは転倒や

ミスが多く得点は伸びなかった。私はどちらのフェルナンデスが実体なのだろうか? と訝しんだが、欧州選手権を

SP/FS合計295.55の高得点の圧倒的な強さで終えてみると、ベテランならではのしたたかな戦略(というか計算)が見

て取れた。それは、「肝心な試合を確実に勝つ!」という試合運びの強さだ。そのためには、世界選手権の前哨戦と

してGPシリーズ戦を位置づけ、スタミナ配分と集中力のピークを目指す試合の持ってくるという周到な準備と、試合

の中でミスが1プレイあっても直ぐリカバーして次の演技に集中する、という粘り強さだ。この部分は、勢いだけ

で試合に挑んで来る若手選手にはまだ無理なところだろう。ベテランの味はそこにあるのだ。

SPのテーマ曲「チャップリン・メドレー」にしても、FSのテーマ曲「ラマンチャの男」にしても、多彩なエッヂワー

クによるコミカルできびきびした演技は彼ならではのもので、キャラクター性が色濃いスケーターとしては彼の右に

出るものは居ないだろう。そして、観客を沸すエンターテーナーとしても超一流の存在だと思う。今回のFSで飛んだ

ジャンプの中で、4S4Tで手を突いたり転倒したりのミスが出たが、ここを調整して仕上げて来れば300点越えは可

能だろう。次の試合でのネイサン・チェンや宇野昌磨・羽生結弦との対決が楽しみだ。今季限りの引退を伝えるメディ

アもあるが(私には詳細は定かでない!)、まだまた活躍してほしい選手であることは間違いない。




J.フェルナンデスは、2009-10シーズン以来9シーズンに亘りブライアン・オーサーのコーチで戦ってきている。ご存
知のように、羽生結弦(日22歳)も同コーチの指導を受けているから兄弟子だし、2018カナダ選手権でK.オズモンドを
抑えて優勝したガブリエル・デールマンも同じコーチ(妹弟子ということか)だ。オリンピックと世界選手権では、ロシ
アのE.トゥトベリーゼ・コーチの元で参戦するザギトワ・メドベデワ・ツルスカヤ・コストロナイアたちと、フェル
ナンデス・羽生・デールマンたちの試合でコーチ対決を見られるのも楽しみだ。




D.アリエフの表彰台は、私も予想外だった。シニア参戦初シーズンで欧州選手権銀メダルは立派。それだけ急速に力を
つけて来たということだろう。伸びやかでミスの少ない滑走は、バランスの取れた演技を生んでいる。


今シーズン(2017-18)のGPシリーズ戦での彼の成績は、ロシア杯6位・NHK杯8位とあまりぱっとしないものだった。

しかし、欧州選手権ではSP/FS共にノーミス、合わせて3Aを3本、4Tを3本決めている。フェルナンデスに届かなかった

要因は、4回転ジャンプの種類が4Tしかないことと、ステップ・スピンはレベル4を取りながら、芸術点の評価がまだ

まだなことだ。もし、4Lz4F4Sなど成功させて来たら、もっと多彩な表現力を獲得して来たら、怖い存在になって

くるだろう。ネイサン・チェンや宇野昌磨のライバルになる可能性も大きいと思う。




M.コリヤダのFSテーマ曲「E.プレスリー・メドレー」は、スピードに乗ったきびきびとしてキレの良い演技とうま
くマッチしている。今回はSP/FSともにジャンプ(4Lz/4T)が決まらず、得点が伸びなかった。しかし、得意の3Aは
見事に決め、ジャンプの失敗からのリカバリーも速く、レベル4のステップやスピンに取りこぼしがなかったので、
銅メダルをキープした。なかなかしぶとくて良い選手になってきたと思う。



さて、本日(1/24)から台北アリーナで「四大陸選手権」の試合が始まるが、日本・アメリカ・カナダ・中国などの

有力選手の活躍を見ることができる。洋の東西での試合結果が、2月の平昌オリンピックと3月の世界選手権に反映さ

れると思うが、果たしてどんな試合になるだろうか? 女子シングルでは、圧倒的に強いロシア勢に対して、日本・

カナダ・アメリカ・イタリアの選手たちがどこまで食い込めるか? また、男子シングルでは、ベテラン勢と中堅勢

・若手選手が如何ガップリと組んで戦うのだろうか? 色々と興味は尽きないが、それらを楽しみに観戦したいと思う。

私的には、ペアやアイスダンスも好きで有力選手の動画はよく見ているが、世間的には日本選手の活躍が少なく、ま

たトップ選手でもなじみがないケースもしばしばなので、このブログ記事では触れるのは控えたいと思う。皆さんも

どうぞフィギュア・スケートを楽しんでください。


<略語内容>
F.S.:Figure Skate フィギュアスケート ▢ ISU:International Skating Union 国際スケート連盟  SP:ショート・
プログラム  FS:フリー・スタイル  6種類のジャンプ A:アクセル Lz:ルッツ F:フリップ Lo:ループ S:サルコウ
T:トゥループ ▢ FCSp:フライングキャメル・スピン ▢ LSp:レイバック・スピン ▢ CCoSp:チェンジフット・
コンビネーション・スピン ▢ StSq:ステップ・シ―クェンス ▢ GP:グランプリシリーズ戦 ▢

<この項終わり>


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