2018年11月6日火曜日

白馬・奥裾花・真田の郷 紅葉紀行(その4.真田氏ゆかりの郷巡り)




松代から地蔵峠を越えて上田市側に南下し始めてすぐ、沼入沢周辺の紅葉がとてもきれいだった。山里の紅葉を見る
と何故か懐かしい気持ちが湧いて来る。車を止めてしばし見渡した。All Photo by Jovial TAKA



ビジネスホテルの朝食は簡単なバイキングだったが、部屋の広さ・設備・温泉付きで申し分なく快適だった。4日

目の行程をどうしようか? と話した時に、地蔵峠を越えて上田市の真田の郷に行ってみよう、ということになった。

高速道路(上信越自動車道や長自動車道)が整備されるまでは、中央自動車道の小淵沢IC→白樺湖越え→大門街道(152

号線)を下りて大屋→上田の菅平側山麗→地蔵峠越え→松代→長野というコースが、八王子の自宅から長野へのドラ

イブコースだった。市街地を幾つも抜けて渋滞する18号国道を避ける山間の抜け道だったが、ややドライブ・テク

ニックを要するコースでもあった。それを想い出しての道程だったが、20数年も経つと道路はすっかり舗装・整備

されていて、秋晴れの中の気持ち良いドライブとなった。




人家の裏山が紅葉真っ盛りで、見上げると゛物見の岩゛の様な大石も覗けた。連れが前の畑で作業しているおばさん
に声をかけると、ニコニコと近寄って来て話をし始めた。



「とても紅葉がきれいなので見させてもらってます!」と言うと、「わたしら毎日見てるのであんまり感じないけど

ね~!」との返事。ほめてもらったお礼に野菜持ってきな~、と言いだし、葉付き人参と小さな青大根(後で調べたら

゛うえだみどり大根゛だった)を畑から引き抜いて数本づつ持って来てくれた。こちらは恐縮してしまったが、気の

良い方だったし、丁度車に積んでいたレジ袋があったので、それにに入れて2人分遠慮せずにいただいた。とっさに

何もないけどと言って、連れが袋入りののど飴をあげた。帰ってから両方とも皮をむいて生のままサラダで食べたら、

甘味がありとても美味だった。良い土で育てしかも庭先取り立てだから旨いに決まっている。なんか、いいお土産を

もらって、「田舎の人はいいね~!」とうなづき合った。





真田氏の上田城築城以前の居館であった真田氏居館跡は、現在も「お屋敷」と呼んで住民に親しまれているが、土塁跡と
皇太神社を残すのみで一帯が公園として整備されている。公園内に真田歴史館があるのだが、この日(火曜日)は定休日
休館だった。




件のおばさんが、ここで採れた野菜を真田館で販売してるんだよ~ という言葉に導かれるように、上田市真田町の

歴史館を目指して秋の光が注ぐ丘陵地帯の道路を走った。水はけのよい肥沃な土地は、野菜・果物・お米などの農

作物を育てるには格好の領地だったと思われた。途中道を訪ねながら到着した真田歴史館は、残念ながら定休日で

中を見学できなかったが、なだらかな扇状地に残る館跡を散策した。以下に載せる画像は、この辺り一帯に点在

する真田氏ゆかりの城址や神社を巡ったものだ。一昨年のNHK大河ドラマでTV放映された「真田丸」のおかげで、

上田の街や歴史遺産がずいぶん注目され、観光で訪れる人々も多かったが、話題にはならなかった多くの史跡が今

も残り、真田町の人々により大切に保存されているのを見て、とても心温まる気持ちになった。




公園の中の坂道階段を上り坂上に消えんとする人、若干一名。秋の木洩れ日がさんさんと注いでいた。



真田昌幸が上田城に移る際に勧請されたと伝えられる皇太神社は、今も静かな佇まいで公園内に祭られている。
タモリ散歩風に鳥居前に立つ人、若干一名。




戦国時代の昌幸以前の三代にわたる真田氏の居城だった真田氏本城(松尾城と呼ばれた)跡から、西方に拡がる丘陵と
上田の街が見下ろせる。



入口に木彫りの案内板があるが、今は館群はなく城跡を残すのみ。



本城跡を見た後、真田家ゆかりの墓所をお参りしようと真田神社を目指して行ったのだがなかなか見つからず、山裾

の山家神社(やまがじんじゃ)にたどり着いた。そこの案内板などを読み取ってわかったことは、昌幸・信幸・信繁

(幸村)の墓所は山の中腹にある長谷寺の公募所に安置されていること。山家神社はこの地に1,300年の長きにわたり

信仰されて来たと伝えられる真田氏ゆかりの神社で、この一角に真田神社が遷座されたのが大正八年、昭和25年に

は戦没者の慰霊が合祀されている、とのことだった。由緒ある山家神社と真田神社を一緒にお参りでたのは、幸運

だった。




真田神社の鳥居脇の六文銭石構え、小さな神社の軒からも六文銭の垂れ幕が掛かっていた。



片や、山家神社は古色蒼然とした山門と宮殿、鎮守の森も古木が連なって歴史を感じさせる。現在、社殿修復の
ための造営奉費が募られているとHPに記載されていた。



予定外だった真田氏ゆかりの郷を見て廻り、すっかり歴史遺産の恩恵にあずかったので、後は帰路を辿るのみとなっ

た。今年の白馬行きは、往路は安曇野の山麗線を通り、復路は上田・東御・小諸市の山麗線を通ることがとても気持

ち良いドライブとなるのに慣れて、例によって雷電くるみの里で昼食とお土産買いをして、北佐久から現在建設中

の中部横断道路(自動車専用道路で料金無料、近年中に韮崎に接続予定)で八千穂高原まで。清里を抜けて長坂ICから中

央自動車道で調布まで、というコースがいつものコースとなっている。今回は山道や峠越えが多かったせいか、3泊4日

で約800㎞の走行距離となった。日程がゆったりしていたので、大した疲れもなく都内の自宅まで帰って来れた。交代で

運転した連れもとてもバラエティに富んだ旅だったことを喜んでいた。次回は恐らく来春の4月下旬となると思われる。

まだ、山歩きもしてみたいし、渓流釣りやスケッチ・ライブ出演も楽しめそうだ。当分の間白馬通いが続きそうだ。





今回のお土産は、くるみゆべしと深赤の紅玉リンゴ(昔懐かしい品種、交配種の元となって久しく最近はめったに
見かけない)、沼入沢のおばさんが「持ってきな~!」と庭先から抜いてくれた上田青大根と人参。辛味たっぷりの
なんばん(黄緑の長ピーマン)と霜降りシメジ(奥裾花渓谷の売店のおやじお薦め)は、帰った夜に味噌炒めとお吸い物
にして美味しく食べてしまった(すごく美味だった!)。


<この項お終い>


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