▢直径10mの「ミリ波干渉計」、『白い6台のアンテナをケーブルで繋ぎ同時に観測することで、最大直径600mの
電波望遠鏡に相当する解像力で天体画像を描き出す』という優れものだ。快晴の青空をバックに迫力ある情景を
見ることが出来た。紹介は、通称「野辺山天文台」HPより All Photo by Jovial TAKA
地図的には、清里は山梨県北杜市にあり、野辺山は長野県南佐久郡南牧村にある。コロナ感染状況も大分落ち着い
てきたが、昨年6月以来山梨県の北杜市や隣り合わせの長野県野辺山を訪れることが多く、数えてみたら今回で9回
目となっている(西麓の奥蓼科、甲府盆地の石和温泉も含めて)。車のドライブで1時間半ほどの近さ、現地で行動する
拠点としてホテルやコテージ等の快適な宿泊施設が利用できること、現地産の高原野菜や乳製品など安価で美味しい
食材が揃っていること、水と空気がとてもいいこと、飲食店での食事がとても美味しいこと、澄んだ流水と渓谷の
中で釣りが楽しめること等々...コロナ感染対策をしっかりやっている山梨県県の対応に好感と安心が持てるのもその
理由の一つだ。このブログにも連載「北杜に遊ぶ」と「八ヶ岳周遊」のラベルでその楽しさを紹介してきた。今回は、
お馴染みの貸しコテージ(清里ハーディング倶楽部)を拠点として、県境を行ったり来たりしながら3泊4日のゆっくり
滞在となった。
▢世界最大級と言われる「45m電波望遠鏡」はド迫力もので、見学コース受付から彼方に見える大きさにびっくりする。
近寄るにつれて、その大きさは「はんぱない!」のがわかる。案内板に色々記されていたが、かなり専門的なことなの
で詳細は紹介できないが、この望遠鏡のおかげで宇宙の研究(電波による分析と映像化)が進み、数々の解明(銀河や
星々の存在、太陽・ブラックホールなどの生成状況など)が可能になったとのこと。詳しくは「国立天文台野辺山」の
HPをご覧あれ。https://www.nro.nao.ac.jp/public/
▢真下に立って見上げてみた。「とにかくでかいよ~ 首疲れるよ~!」。小さな望遠鏡(太陽電波強度偏波計や電波
ヘリオグラフ)から巨大なものまで、広い敷地に居並ぶ情景は国内では唯一無二のもの、どこか異国の地に来た趣き
がある。希少な景色を堪能した。観測所内部の施設には入れないが、見学コースが設定されいて、各種の望遠鏡を
見られる。
好天に恵まれた2日目は、野辺山駅前の観光案内所で電チャリを借り(予約しておいた)、野菜畑の中に広がる農業道路
を、午前中の2時間半ほどゆっくりとサイクリングした。野菜出荷用の11トントラックや大きな農耕車が行き交う
広い舗装道路がどこまでも続いていた。予定では、縄文時代以前の原始時代(黒曜石を使って川魚や獣を狩猟した古代)
の資料を集めた「南牧村美術民族資料館」を覗いてみようと思ったが、月曜休館日で寄れず、また矢出川遺跡も結
構遠いのでパスした。結局宇宙電波研究所を見て、矢出川公園に寄ったら、乗り続けた電チャリの硬いサドルにお尻
が痛くなり、サイクリングは終了となった。広大な野菜畑(レタスやキャベツ)と八ヶ岳の山々が同時に臨める光景は、
北海道の様な360度ビューの広がりがあり爽快だった。連れはこの景色がとても気に入ったようだ。
▢金峰山川(きんぷざんがわ)の白い花崗岩石の間を流れる流水は、透明度も高くやや緑がかった色をしている。フライ・
フィッシャーマンたちの憧れの渓流だ。生息するイワナとの出会いを求めて、多くの釣り人が訪れる激戦地でもある。
この4日間の滞在中、八ヶ岳東麓の野辺山野菜畑を流れる清流各所を覗いてみた。すべて高原を流れ下る千曲川の
支流だが、141号(佐久甲州街道)の東側(千曲川寄り)と西側(八ケ岳寄り)で、「矢出川(やいでがわ)」・「板橋川」、
合流して「西川」。上流に八ヶ岳ロッジのある「杣添川(そまぞえがわ)」など。西川の千曲川合流点近くこそ水量は
あったものの、他の川は干上がって茶色の砂を被ったごろ石が覗けただけだった。杣添川の「千ヶ滝」に至っては、
川の水がところどころ溜まっているだけで流れていなかった。これでは滝も落ちていまいとスルーした。シーズン
最後の渓流釣りを野辺山の高原川でやってみる目論見は、まったく裏切られてしまった。本当にがっかりだった。
初日の雨天候のため、瑞牆山麓の本谷川での釣りも叶わなかった。しかるに、高原の広大な野菜畑の水やり用に、畑
各所に水撒きポンプが設置されているのを見て、おおかた野菜のために流水は汲み上げられて使われているのを確認
した。高原の川では、渓流魚の生息は土台無理の様だ。
そこで、3日目に金峰山川と梓川を見に出かけた。釣りはもうあきらめて渓流の状況確認に徹した。金峰山荘の駐車
場に車を入れ(キャンプ場入場と駐車代で500円也)、トレッキングシューズに履き替えた。西俣沢に沿って設けられ
ている遊歩道を1時間ほど歩いてみた。途中、湧き水の沢にかかる丸太橋をいくつか渡ったりした。瑞牆山の岩山
から湧き出している本谷川・支流の沢と同様に、そこには金峰山の岩山から湧き出す澄んだ流水がタップリと流れて
いた。これぞ渓流だ! と納得したものだ。この川での来シーズンの釣りがとても楽しみとなった。
お昼は、キャンプ場の芝生にシートを広げ、持参したポット(沸かしたお湯入り)で即席みそ汁を作り、おにぎりを頬
ばった(コンビニ調達)。澄んだ空気と湿気のないさわやかな風、快晴の青空の元ではとても気持ち良い軽食となった。
その後、車で梓川まで移動し、中流域の町田市自然休暇村辺りを覗いてみた。金峰山川より規模は小さいが、澄んだ
流水の渓流であることを確認し、これも来シーズンの訪れを楽しみにすることとした。
▢この透明度では、釣り人から水の中のイワナを視認できるが、イワナたちからも釣り人の姿に気づかれてしまう、と
いうことになる。川を遡行するにつけては、釣り人の細心の注意が必要だ。
▢南佐久郡川上村村営の宿泊施設「金峰山荘」は、人気の「廻り目平キャンプ場」でのキャンプと渓流釣り・金峰山登山
の起点となっていて、観光客の受付・駐車場を一手に管理している。スイスのチロルにあるような山荘の趣きで、ごつ
ごつとした岩山頂上の金峰山を後ろに控える様は圧巻だ。
▢大弛(おおだるみ)峠<川上村と山梨市を結ぶ>に向かう「川上牧岡林道」の道路脇で、唐松の苗木を植林作業中の
地元森林組合の方たちに遭遇した。林道は悪路のため我らは引き返したが、山々は深く作業も大変と推察した。20年・
30年という地道な森林造りを垣間見た気がする。
▢予想外だったのは、金峰山川周辺や廻り目キャンプ場界隈には、白樺原生林が広がっていて、今年7月に八千穂高原
で見た白樺群生林の規模をはるかに上回る白樺林を見ることが出来た。ほとんど手付かずの状態で開発から免れていた。
この地域も国立公園(秩父多摩甲斐国立公園)内であることも、貴重な自然遺産が残っている要因と思われる。再び訪れ
てみたい自然を確認出来て、とてもうれしかった。
の源流は、甲武信ヶ岳(2,475m)・国師ヶ岳(2,592m)・金峰山(2,599m)などの県境(長野・山梨・埼玉の3県)にまたが
る山岳地帯から流れ出している。急流で大石・ごろ石も多く、険しい渓流が特色だ。
人家の間を流れてくる里川はこんなものかもしれない。ライズもなく当たりすらなかった。今回の釣りはこの1ヶ所
1時間のみとなった。上空に見える橋は「川上大橋」、よくこんな立派な橋を作ったものだと感心した。
<この項つづく>
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