2017年10月30日月曜日

文芸別冊 総特集 『阿久悠』は内容が盛り沢山で面白かった。




河出書房新社出版のムック本の表紙、A5版232ページです。


久し振りに本を読んだ。『阿久悠』と言うタイトルの特集本だ。きっかけは駅の本屋でちょっと時間つぶしをして


いたら、本棚に積まれているこの本を見つけた、というものだ。副題に「没後10年 時代と格闘した昭和歌謡界の


巨星」とうたってある。2017年8月30日初版発行、と奥付にあるからつい最近の出版物だ。毎週近所の喫茶店に


音楽好きが集まって、楽器(ギター・ウクレレ・トランペット・デジタルピアノ・ピアニカ・マンドリン・ベース


・カホン・マラカスなどのリズム楽器など)を演奏しながら歌本で歌ったりセッションする曲には、昭和歌謡曲も


多く入っているので、作詞家阿久悠の存在は身近な気がしていることもあった。


本の内容としては、インタビューあり、対談あり、各界名士による「私の阿久悠ベスト3」のエッセイなど盛り沢山

ではある。私が一番面白かったのは、音楽クリエーター・ヒャダイン氏による冒頭のインタビューで、「徹底解析! 

阿久悠作詞家憲法十五条」という記事だった。これらは、作詞家阿久悠が「窮屈でもそれにのっとって書く」こと

を自らに課したものだ。こんなものがあることすら今まで知らなかった上に、その内容がとても衝撃的・革新的で

あり、こんなことを規範として考えながら生涯に5,000曲と言われる曲の作詞をし、数々のメガヒット曲を生んだ基

になっていたのが驚きだった。作詞家デビューの初期(1970年初め)からこの「~十五条」があったというから凄い

ことだ。

このブログに、総てを載せるのにはスペースが足りないので、その中から幾つかを紹介しょう。(興味ある方は、この

本を入手して読んでみて下さい。)


その1. 美空ひばりによって完成したと思える流行歌の本道と、違う道はないものであろうか?

その2. 日本人の情念、あるいは精神性は、「怨」と「自虐」だけなのだろうか?

その5. 個人と個人の実にささやかな出来事を描きながら、同時に、社会へのメッセージにすることは可能か?

その9. 歌手をかたりべの役から、ドラマの主人公に役替えすることも必要ではないか?

その11. 「どうせ」と「しょせん」を排しても、歌は成立するのではないか?

その13. 歌にならないものはなにもない。たとえば一篇の小節、一本の映画、一回の演説、一周の遊園地、これ
          と同じボリュウムを四分間に盛ることも可能ではないか?

その15. 歌は時代とのキャッチボール。時代の中の隠れた飢餓に命中することが、ヒットではなかろうか?


「~十五条」は、全て疑問形である。それまでの流行歌とは一線を画して、新しい日本人の感性を「四分間のドラ

マ」に表現しようとする意志がありありと感じられる。その創作活動の中から、『ジョニーへの伝言』(ペドロ&

カプリシャス・作曲都倉俊一)、『宇宙戦艦ヤマト』(ささきいさお・作曲宮川泰)、『時の過ぎゆくままに』(沢田

研二・作曲大野克夫)、『ペッパー警部』(ピンクレディ・作曲都倉俊一)、『舟唄』(矢代亜紀・作曲浜圭介)、『熱き

心に』(小林旭・作曲大瀧詠一)、『津軽海峡・冬景色』(石川さゆり・作曲三木たかし)等々のヒット曲が生まれた

は、皆さんが良くご存知のことだ。私もささやかながら詞を書き曲を作るから、この十五条を自らに課しながら言葉

を削り言葉を磨いて、映画のワンシーンの様な情景が見えるドラマ世界を作り続けたことが、前人未到の為せる業だ

と思えてならない。


その他、作詞家デビュー曲の『朝まで待てない』(ザ・モッブス)を一緒に作った作曲家:村井邦彦氏のインタビュー

では、ホテルで缶詰めになって2日で曲を仕上げた話や、小林亜星と都倉俊一の対談では、2人が手掛けた阿久

悠との共作曲の多くはほとんど、曲が先に出来ていて、その符割りに合わせてきっちりと、また思いもよらない

新鮮な詞が作られて来たのに驚いたこと、などが面白かった。


『私の阿久悠ベスト3』にならって、自分が歌ったりいい詞だなと思う曲を挙げてみようと思う。まず、『たそがれ

マイラブ』(1978年・大橋純子・作曲筒美京平)。「♪しびれた指 すべりおちた 珈琲カップ 砕け散って♪~」、

別れの情景が映画のワンシーンのように見えるし、ラテンリズムのメロディーも秀逸だ。そして、『舟唄』(1979年

・八代亜紀・作曲浜圭介)。「♪お酒はぬるめの燗がいい 肴はあぶったイカでいい 女は無口なひとがいい 灯りは

ぼんやり灯りゃいい♪~」、韻を踏んだ心地よい詞を聞くと、何処か北の地の鄙びた漁村に旅したくなる。

もうひとつ、『五番街のマリーへ』(高橋真梨子・作曲都倉俊一)。「♪五番街へ行ったならば マリーの家へ行き 

どんなくらししているのか 見てきてほしい♪」、高橋真梨子の艶やかな声が素敵で、ニューヨークが舞台の歌と

いうのがとても新鮮だった。今でも歌えるラブソングだ。


阿久悠ファンにとっては、明治大学内に「阿久悠記念館」が設立されているというから、一度訪れてみるのも一興

だろう。(http://www.meiji.ac.jp/akuyou/)  また、阿久悠没後10年・作詞家50年メモリアルのコンサート『阿久悠

リスペクトコンサート』が、今年の11月17・18日に東京国際フォーラムで開催されるというのも、ファンにとっては

見逃せないイベントと思われる。ちょっと閑な時や、台風が2つも来て雨に降り込められた日々に少しづつ読んで

みたが、この特集本はなかなか面白い本だった。



2017年10月25日水曜日

ISUフィギュアスケートGPSシリーズ・ロシア杯より(その2.女子シングル)




総合成績231.21の高得点(SP:80.75/FS:150.46)で優勝したE.メドベデワ(ロ・17歳)、ジャンプの安定性とステップ・
スピンの細部まで行き届いた演技表現は、今シーズン出だしも抜群の強さを見せた。上は、『ノクターン』(ショパン
ピアノ曲)のテーマ曲で滑降するSPの優雅な演技。FSの最後のジャンプ2Aを転倒して苦笑いをしていたのも愛嬌か。
画像はZIMBIO他より。



今回の女子シングルの表彰台は、総合得点で200点を越えた3選手となった。GPSファイナル戦や世界選手権では、

220点越えの争いとなると予測される。現在、ロシア選手権2連覇・GPSファイナル2連覇・世界選手権2連覇の実績

を誇る一強メドベデワの存在を脅かすのはかなり難しいと思われる。3Aを除く5種類ジャンプを正確に跳ぶ安定

・手を挙げての高度なジャンプ・着氷姿勢の滑らかさ、テーマ曲世界を表現するステップやスピンのドラマチック

性、若干17歳にして総合的な表現力のレベルがとても高いのだ。この牙城をどう崩していくのか、それが当面の

他選手の課題だろう。



昨シーズンから競技会に復帰し、今回表彰台2位に輝いたC.コストナー(伊・30歳 )へ、フィギュアスケート・ファン
は大きな拍手を送った。2年間のブランクがあるとはいえ、30歳の女子選手が活躍する姿は、過去にもあまり例がない
だろう。できる限り現役を続けて、スケーティングのいいお手本を後輩たちに見せ続けて欲しいものだ。


やはり特筆すべきは、C.コストナーの存在だろう。長身(169㎝)の長い手足の細部まで行き届いた身体表現は、優雅

でしかもスピード感がある。SPのテーマ曲『Ne Quite Pas』(行かないで)の世界は別れを表現するドラマ性がたっ

ぷりだったし、FSのテーマ曲『牧神の午後の前奏曲』(ドビュッシー)では、ゆったりとしたリズムと薄紫色の衣装

が素敵だった。彼女も3Aを除くすべての3回転ジャンプをミス無くきれいに決めた。コンビネーションの出来栄えも

よく着氷も優雅だった。体力面から言えば、10代や20代前半の若い選手には及ばないと思うが、滑降技術の正確さと

完成度では充分に戦えると思う。私も10年以上前からコストナーファンの一人なので、彼女の活躍を今シーズンも

見られるのは大いに楽しみではある。



高校生の樋口新葉(日・16歳)は、きびきびとしたキレの良い演技で3位を勝ち取った。なんか、゛豆タンク゛の様な
元気ハツラツ振りが良かった。SPのテーマ曲『ジプシーダンス』(バレエ・ドン・キホーテより)も、演技とイメー
ジが合っていて好ましかった。FSのジャンプにミスが出た(3Sと2Aのコンビネーション)のが惜しかったが、今後の
成長が楽しみだ。



5位の坂本花織(日・17歳)は、FSのジャンプに転倒と細かなミスが続き得点が伸びなかった。E.ラジオノワ(ロ・

18歳)は、昨シーズンまでの表彰台常連の安定した成績振りが影を潜め、今回はジャンプに安定性を欠き4位に留ま

った。6位のマライア・ベル(米・21歳)は、やはりジャンプの着地にミスが幾つも出て、表彰台に届かなかった。

ジャンプの正確さと出来栄えに重きを置く現行の採点基準からして、6種類のジャンプを如何に正確にきれいに飛

ぶかは、勝敗を分ける大きなカギとなるだろうと思う。3A(3回転半)をプログラムに組み込む選手は現在はいない

が、過去には浅田真央(日)・E.トゥクタミシェワ(ロ)等6選手が3Aを成功させているから、いずれこれに挑戦する

女子選手が出てくる可能性は大きい。



さて、これからのGPSシリーズ戦を展望してみると、各試合に登場してくる有力選手(男子・女子)の動向が気に

るところだ。カナダ杯には、宇野昌磨と無良嵩人、本田真凛と本郷理香、P.チャンとK.オズモンドが出場、中国杯

には、田中刑事と三原舞、H.フェルナンデスと金博洋、A.ザギトワが出場予定している。宮原知子はNHK杯から

だが、今回ロシア杯を含めて、各選手とも6試合中2試合にはエントリーし、その総合得点で上位6選手がファイナル

に出られることになる。今後の試合を楽しみながら、今シーズンの試合を観戦したいと思う。


<この項終わり>


2017年10月22日日曜日

ISUフィギュアスケートGPSシリーズ・ロシア杯より(その1.男子シングル)





シングルの高得点を生かして、羽生結弦を抑えて優勝したネイサン・チェン(米18歳)、5種類の4回転ジャンプを
飛べるという存在は、H.フェルナンデスやP.チャンのベテラン勢を凌駕して羽生の強力なライバルとなってきた。
今回も、4Lz(4回転ルッツ・単独とコンビネーション)をSPとFS両方で成功させたのには正直驚いた。FSテーマ曲
の「小さな村のダンサー」は中国風にアレンジされていて彼の表現力とマッチしていた。画像はZIMBIO他より。



2017~2018年のフィギュアスケート国際試合は、今回のグランプリシリーズ(GPS)ロステレコム杯(モスクワにて

10/20~10/22)をスタートとして、カナダ杯(レジャイナにて10/27~10/30)・中国杯(北京にて11/3~11/5)・NHK杯

(大阪にて11/10~11/12)・フランス杯(グルノーブルにて11/17~11/19)・アメリカ杯(レイクブラシッド11/24~11/26)

と6戦を転戦し、ファイナル戦(名古屋にて12/7~12/10)で今年度のチャンピオンが決まる。翌年の3月19~25日には、

イタリアミラノで世界選手権2018が開催されるし、その前の2月9~25日は平昌オリンピックがあるし、フィギュア

スケートファンにとっては今シーズンはとても楽しみが多いシーズンとなりそうだ。



今回の羽生結弦(2位・日22歳)は、ジャンプに細かなミスが出て得点が伸びなかった。シングルの4Lo(4回転ループ)
もFSの4S(4回転サルコウ)も着地が決まらなかった。FSのテーマ曲は、一昨年シーズンの「SEIMEI」(陰陽師のテーマ)
に戻しているが、全体的に印象が硬くなっているように思う。演技の完成度をより高くするために自分を追い込んで
いる様に見えるが、もっとリラックスしてやった方がいいと感じるのは私だけだろうか?




3位に食い込んできたミハイル・コリヤダ(ロ22歳)は、FSのテーマ曲「E.プレスリーメロディ」に乗って゛キレの
良い演技゛を見せてくれた。3本の4回転ジャンプ(4Lz/4S/4T)に果敢に挑んできたが、LzとSは失敗して転倒、3Loも
転倒したにもかかわらず、他のジャンプやステップ・スピンの出来が良く表彰台に上がった。これも2017年ロシア
チャンピオンの実力か!



フィギュアスケートファンならば御承知のように、男子シングル戦はすでに「4回転時代」に入っている。ジャンプ

の6種類を、踏切の前向き・後ろ向き、踏切エッヂの左足外側・左足内側・右足外側、右足または左足のトゥを突

くか・右足を振りあげるか・左足を前に出すか、着氷は全て後ろ向きだが、スロービデオで見ても瞬時に理解でき

るのは、競技経験を積んだ選手でもないとわからないのが普通だ。すべて一瞬の早業なので、解説のない演技動画

を見たら、ちんぷんかんぷんかもしれない。現行の採点基準では4回転ジャンプは高得点順に、4A(クワドラブル・

アクセル:15.0)・4Lz(ルッツ:13.6)・4F(フリップ:12.3)・Lo(ループ:12.0)・4S(サルコウ:10.5)・4T(トゥループ

:10.3)となっているから、より高得点の4Lzや4F、また4回転コンビネーション・ジャンプの成功ときれいな着地に

選手が力を入れるのも理解できるのだ。試合に勝つためにはやらねばならない。




昨シーズンで引退を表明したミーシャ・ジー(UZ26歳・今回4位)だが、またリンクへ戻って来た。私はこの選手が
好きだ。振付師としても活躍する彼は、今回6種類すべての3回転ジャンプをきれいに決めた。お馴染みの「タイスの
瞑走曲」に乗った優雅な演技は、スケーティングのお手本ともいうべき美しいもので、指先やつま先の細部まで行
き届いた演技表現力には脱帽だった。ジャンプだけでない本来の滑降技術を見せてくれる彼には、まだまだ活躍し
てほしい。


今回の試合は、TV朝日の録画中継でも見たが、大部分はインターネット動画で見ることができた。試合翌日には、

ロシア・イギリス・アメリカ・中国などのTV局・衛星動画局で放映された動画の演技を見られるのはとても便利

だし、小うるさいCMなしでゆっくりとみられるのもいい。細部を繰り返してみたり、また公表されているISUの

ジャッジスコアで演技内容と採点を確認したり、色々な見方ができるので、今後のGPSシリーズの試合がウイン

ターシーズンの楽しみになってきた。以下にサイトの紹介をしておきます。

http://www.fgsk8.com/ 
フィギュアスケートYouTube動画blog

http://www.isuresults.com/results/season1718/gprus2017/gprus2017_Ladies_FS_Scores.pdf
ISU国際競技試合ジャッヂスコア


<この項つづく>

2017年9月17日日曜日

秋の花壇を彩る花たちと、芝生手入れその後




『ブルーサルビア』(サルビア ファリナセア、ブルーセージとも呼ばれる)はシソ科の一年草だが、鮮やかな
青色が特徴で、小花を沢山つける花形はラベンダーにも似ている。暑さが収まった8月末から棟東側の花壇で
咲き始めた。All Photo by Jovial TAKA


このブログでも、「四本桜公園をきれいにする会」(今年3月11日)と「この夏は、芝生の雑草と格闘中」(同じく

7月19日)に載せたが、最近早起きの私は朝は野川の遊歩道を周るウォーキングか、四本桜公園(棟北側)の清掃か、

棟南側庭の芝生や庭木の手入れに1~2時間を過ごしてひと汗かいてから、シャワーを浴びて朝食、というスケ

ジュールになっている。週4日ほどの地域福祉サービスの仕事は、その後ゆっくりと出かけることになる。おかげ

さまでとても体調が良く、足腰の筋肉も鍛えられて疲れが残るようなことは少なくなった。以前は音楽やライ

ブ活動に費やす時間が多かったのだが(今も週一回の歌会゛かようかい゛で仲間と歌を唄いギターを弾く事は続け

ているが、また音友と唄や楽器のコラボも時々しているが)、夜遅くまで酒を飲みながら騒いでいるよりも、朝早く

新鮮な空気を吸いながら身体を動かす方が自分にとっては気分がしっくりしてきている。




6月初めに、ちいさなビニールポットに種植えしたサルビア、コスモス、挿し木したクレマチスなどの苗床、
ベランダに置いたトレーに水を張り3週間ほど育てた。


公園の清掃と庭周り樹木の手入れの際、美観を保つ一助として小さな花壇を3か所作った。棟住民に花を植えたい

希望者を募ったが、高齢や足腰の痛みなどを理由に誰も希望者がなかったので、言い出しっぺの私が花を植えること

になった。その際、大枝を張ってしまうような種類の樹木や観葉植物(こちらも巨大化する!)、果物や野菜類はNG

として、一年草や球根の小花を植えることにした。後々の管理や手入れに困るものは避けて、シーズンを通じて楽し

めるものがいいと考えた。ただ、あくまでボランティアなのでお金のかからない方法も合わせて検討した。その結果、

近くのホームセンターや通販(種苗メーカーの)を利用して花の種や球根を入手したり、ベランダで育てている花木を

挿し木で増やして、庭植えすることにした。種植えや苗の生育には約1ケ月以上遅いぎりぎりのタイミングだった

が、何とか秋シーズンに間に合ったのでよかった。




種植えした苗を育てて花壇に下ろしたコスモスは、深紅やピンク・白などの花を咲かせ始めた。花は次から次に
咲いて来るのでここ1~2ケ月は楽しめる。通りかかった人も「きれいですねぇ~!」と声をかけてくれる。


暑かった7月は、苗への水やりも欠かさなかったが、棟東側の花壇はおかげさまでコスモスもブルーサルビアもクレ

マチスも、見事な花を咲かせ始めた。私としては、こんなにきれいに咲き揃うとは思っていなかったので、ちょっと

びっくりした。住民の中にも花好きな方がおられて時々見に来るし、花談議をしたり、私が旅行中の時は代わり

に水やりをしてくれるなど、花を通じて交流ができるのも楽しい。ただ、試験的に色々やってみて分かったのは、

花をきれいに咲かせるにはまず①陽当たり、そして②水はけと③風通し、この条件が大事だ。それに加えて肥料

やりや花後の手入れ・病虫害対策なども必要だが、まずは陽当たりが良く葉茎・根が良く育たないことには花は

咲かない。桜の大木の葉影となる公園の花壇は、コスモスもサルビアも育ちが悪かった。クレマチスの苗は大き

く育って作った支柱にしっかりと枝を張ったが。こういう場所は、アジサイとかヤツデの様な日陰でも育つ丈夫

な種類が向いているようだ。



数年ベランダで咲かせていたクレマチス(原種に近い『H.F.ヤング』パテンス・ラヌギノーサ系)を株ごと地植え
した。ベランダでは初夏の一時期だけ咲かせていたのだが、地に降りたら本来の四季咲きの性質を蘇らせて沢山
の秋花を付けたのにはビックリ!! 地質のせいか花色はやや赤みが入った紫色だった。




園芸好きのADさんが種まきした黄花コスモスは、高く背を伸ばして沢山の花を咲かせている。キク科との交配
から生まれたこの花は丈夫の一言に尽きる。花後の花柄摘みを続けると2~3ケ月咲き続けるから目の保養になる。




7月初めに新しく植えた芝生は、その後順調に伸び生え揃ってきれいになった。8月上旬に1回造園業者のTN造園さん

、9月中旬に1回いつも犬を連れて散歩しているKIさんに刈り込んでもらった。直ぐ近くにお住いのKIさんは、

自宅の芝を刈り込むついでに刈ってやるよ、と言って、芝刈り機持参で庭に入ってくれた。実は前々からその

申し出があったのだが、元プロの職人さんとは言え無料でやってもらうのは申し訳ないのでご遠慮していたのだ

が。「何時も公園や棟回りを一生懸命キレイにしているよね! 自分の庭を刈るついでに刈ってあげるよ。その代り

後掃除は自分でやってね。」と言われて、ありがたくお受けすることにした。棟長老のTOさんも(KIさんと親しい)、

「ありがたくやってもらいな!」と言うので、申し出をお受けすることにした。おかげさまで、かなり伸びていた

芝生もすっかりきれいになった。今まで通り、除草剤の散布(スプレーで雑草の葉と根元にピンポイント散布)と雑

取りを続ければ、割りときれいな芝生がキープできそうだ。これからの秋・冬シーズンは、それらの作業も大分

楽になりそうだし。



我が家のベランダから見た芝生刈り込み作業、ガソリン燃料の芝刈り機は電源の心配がないので作業しやすいと
のこと。操作はTN造園さん。




刈り込んだあとの棟南側庭の様子、すっきりして気持ちが良い。左コンクリート鉄骨製の耐震構造は、昨年秋に
完成した。現在、芝生の伸び防止(南側生垣方向へ)と掘りあげたスイセンの植え付けのため、仕切り花壇を煉瓦
囲いで作る予定。さて、スイセンの他に何を植えようか? 


2017年9月15日金曜日

2017年中津川渓流釣り・惨敗記(その2)




日向橋上の中津川の流水、水質はきれいだし安定した水量はあるのだが...
All Photo by Jovial TAKA



今シーズン、中津川への釣行は4月に3回・5月に3回・6月と9月に各一回づつ、計8回通った。ひとつの川に

短期間にこんなに通ったのは私としても珍しい部類に入る。理由の一つに、渓流釣りで近場のホームグランドに

なる期待大だったこと。二つに、2回目の釣行で大物ヤマメにグラス竿を折られてしまい、そのリベンジに燃えて

しまったこと。三つ目にシーズンを通して水量は安定しているし、魚の住みつくポイント(らしきもの!?)も多くあ

る気がして、それにとらわれてしまったこと、等々。


この川での釣りの竿仕舞いをした今思うのは、ヤマメ・イワナなどの渓流魚の生息はかなり少ないことだ。一応

漁協の情報では、定期的に上流域や本流で稚魚や成魚を放流しているとのことだが、釣り人の多さに比例して放流

量が少ないのだろう。また、ダム湖からの放流に頼る水流は、大雨や台風などで水量が増大し、その分の酸素供給

量や川石の掃除など、自然の川の流れがもたらす恩恵が大変少ないことも考えられるのだ。先の、白馬村姫川源流

の流水や自然力に溢れた河川環境を思い起こしてみても、やはりこの川での環境の貧弱さは免れないのかもしれな

い。釣行の度に、川底の石を返して川虫の存在を確認してみたが、シーズン初めには少ないながら住みついていた

川虫も、5月頃からはほとんど見当たらなくなった。自然の餌も少ないのだろう。


愛川橋上流から角田橋下流まで、多くのポイントで竿を出してみたのだが、4月の中頃に日向橋下流の大きく曲がる

深場のポイントでの釣りが一番印象に残っている。早朝8時頃の水温は11℃、長年使い続けていたNISSINのグラス竿

(5,4m)の先に、イワナ用毛鉤を3つ付けた仕掛けを流したところ、ピシャッという音がして毛鉤が叩かれた。これは

居るぞ! と思い、再び仕掛けを流れに乗せると「ガツンッ」という強い当たりと共に、グラス竿の先が「バキッ」と折

れ、次の瞬間道糸が「ブツッ」と切れてしまった。何やら白い大きな魚の腹が反転して深場に消えたのだった。私は

何がが起こったのか理解できずに、茫然と折れた竿を眺めるのみだった。その間わずか2~3秒のこと。後にも先にも、

ヤマメらしき大物に遭遇したのはこれっきりだった。


その後、急遽して通販で購入したDAIWAの渓流竿も、深沢尻トンネル近くの水量の多いカーブ付近の水中に尻もち

をつき、購入下ろしたての新竿をわずか15分でまた折ってしまったのだ。水中の石に竿を当ててしまったらしい。

ずぶ濡れのズボンのまま、川沿いの道路をトボトボ歩く姿を見つけた連れは、その惨めな後姿に車中から「どおし

たのぉ~!」と声をかけて来たのだが...何だかこの川は私を拒んでいるような気がして気落ちしてしまった。



5月初めの釣行で放流直後らしきちびヤマメが三匹針に掛かった。釣れたには釣れたが、やれやれ...


私の釣行に付き合ってくれた連れは、川の風景がなかなかいいので、私が釣りをしている間はスケッチ道具を持って

行って何枚かの作品を描いた。最後の方では、もう一杯描いたので描く場所がなくなったとぼやいていたが、それ

でも空気はいいし山々の緑と川の流れがきれいなのでいい時間つぶしになったと喜んでいた。車で走行途中、大分

コンビニのお世話にもなった。昨今、地方や郊外の街・村に行っても、食べ物・飲み物・トイレの利用にも、コン

ビニがあるのでほんとに便利なことを痛感した。



新緑の日向橋と中津川上流域の流れ Drawing by hiroko



6月上旬の日向橋上の中津川、川底の石は強い陽射しと水量不足で藻が蔓延り、川は淀んでいた。



グラス竿を2本折ったことで、昔使っていた和竿(俊行の7本繋ぎ竹竿・4,5m)を引っ張り出してきて、最近は多摩

川の釣りでも白馬姫川の釣りでも、この和竿を使っている。少し重たいのだが魚信や釣れた時の引きがダイレクト

に伝わってくるので、使い心地がとてもいいのだ。改めて和竿の良さを感じている。これも、中津川通いでグラス

竿を2本折った効用か!? 

来シーズンの渓流釣りに、この中津川通いが再びあるかは今の所疑問ではある。来年3月一杯までは年通し券で釣り

ができるので、もう一度くらいは訪れててみるか、と思案はしているが。とにかく、今シーズンは、中津川の渓流

釣りは惨敗だった。


<この項終わり>