2017年9月2日土曜日

姫川・松川合流域 早朝の尺ヤマメ釣り(三度の白馬紀行 その2)




本流姫川に支流の松川が合流するポイントで、清冽な流水から飛び出してきた尺ヤマメは、私の和竿先の
毛鉤仕掛けを流心にぐんぐんと牽きこむ果敢なファイトで私を驚かせた。急流にもまれた尺上の魚体は張り
があってすこぶる元気だった(8月28日7時頃)。All Photo by Jovial TAKA and HI



2日目(8月28日)の早朝、夜明けとともに起き出して身支度をした後一人で予定していたポイントへ車で向かった。

前回(5月28日)の姫川渓流イワナ釣りの際、がけ崩れのために通行止めとなっていた道路に入れず、今回はここに入

渓しようと前日下見をしておいた場所だ。橋際の駐車スペースに車を止め、身支度をしてから歩いてポイントに

向かったが、道路にはまだ通行止めの表示板があった。しかし、注意しながら川沿いの道路を行くと、50m程上の

崖斜面の崩落個所が3か所あり、道は土砂で1m程埋まっていた。危険は避けるに限る。やむなく姫川本流の釣りは

あきらめて、下流の松川との合流ポイントに戻った。堰堤の脇に釣り人の通り道を見つけ、ゆっくりと川原に降

りた。



左方(南側)の姫川本流に、前方(西側)から流れ込んで合流する松川の澄んだ流水、支流とは言え白馬三山の
雪解け水と伏流水を豊富に集めた急流だ。2日前の雨で少し濁りがあった。



竿と仕掛けの支度をした後、川底の石を返してみた。川虫は居るのだが如何せん小さい。急流から運ばれる大量の

砂が石の半分近くを埋めてしまっている。これでは川虫は生息が難しいだろう。エサ釣りはあきらめて、用意して

きたイワナ用の毛鉤仕掛けを竿に付けた。俊行の竹竿は4,5m、道糸は大物に耐える1号、中通しの浮き下に針素

0,8号の毛鉤2本・玉ウキの下にもう1本の毛鉤、針はやや小振りのイワナ針だ。この仕掛けは私独自のもので、前日

のヤマメ釣りでも成果を挙げているので今回も期待すること大だ。水温計で測った水温はやや冷たかったが(13℃)、

魚が捕食するには十分な状況だった。




松川(前方右側)の流水はきれいな翡翠色の独特な色をしている。水温は13℃(6時頃)、冷たいとはいえ夏の
終わりの釣りには適温だった。




流心からやや岸寄りのゆるやかな流れの中で、突然仕掛けが動かなくなり、次の瞬間獲物は流心に向かって
走りだした。俊行の和竿がグングンとしなり、道糸がビンビンと鳴った。慎重に少し下流の砂地に寄せて、
ランディングネットに取り込んだのは、尺上の元気なヤマメだった。



ランディングネットの中で暴れる尺ヤマメ、尻尾をつかもうとしても強い力に跳ね返されて無理だった。



極上の尺ヤマメとのファイトで、私の心は一気に満たされてしまった。ネットに入れた尺ヤマメをしばらく川水

に浸しておいて、持参のカメラで川の景色を撮影した。尺を超えるサイズのヤマメともなると、体側の薄紅色ラ

インはなくパールマークもほとんどない。恐らく下流の姫川第2ダムで何度かの冬を過ごし、再び本流を遡上し

てきたものと思われる。その魚体は幅広甲高で円錐形に近く、ニジマスの長身で丸みを帯びた体型とは明らかに

違っていた。手のひらを跳ね飛ばすような力強い身体をしっかり握って撮影してみた。単独釣行なので、自身の

釣姿は残念ながら撮影できない。北アルプス源流の澄み切った流れの中で、渓流育ちの元気な魚と逢えたことで、

ここまでやって来て良かったと本当に思えた。山紫水明を絵にかいたような景色は、他では到底得られないだろ

う。20℃を下回る気温、湿度の低いさらっとした空気、森林の緑とたっぷりのオゾンは、私をとてもリフレッシュ

してくれた。昨日の、田園を流れる姫川上流域でのヤマメと、今朝の姫川・松川合流ポイントでの尺ヤマメとの

出会いで、今回の小旅行の目的はほぼ達せられたので、気持ちがとても高揚しているのを感じた。イワナには逢

えなかったが、また別の機会があるだろう。




松川が合流した姫川は、この先で第2姫川ダムとなる。水量豊富な流れは、あくまで澄み切っていた。
橋の上から下流を臨む。





2日目(8月28日)の午後、遊漁券を購入した店の店主に紹介された白馬大橋上の松川に入渓してみた。
キャンプ場も近く車が止めやすいので、川原には前行者の足跡が幾つかあった。松川の翡翠色の流水
に竿を出す釣楽人タカ 撮影 by HI


毛鉤仕掛けで魚を誘ってみたが、魚信はなく残念ながら釣果無し。急流故魚の居着く溜まりが少ないので、
この川の釣りはなかなか難しいと感じた。好ポイントを探せれば、機会があるかもしれない。撮影同上


<この項つづく>

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