2009年11月15日日曜日

ふと見れば、冬桜


            □車や自転車に乗っていたら見過ごしてしまう、冬桜の花 Photo by TAKA
花の少ない季節となった。もちろん、花屋さんに行けば色々な切花や鉢植えがお店を賑わしているが、こと戸外の自然の中では、初冬のこの時期に咲く花はサザンカやツワブキなど位で、彩りも南天や千両などの実物が目立つぐらいだ。
仕事で成城学園の地域を自転車で廻っていたら、小さな花をつけた街路樹を見つけた。珍しい冬桜の並木だった。八重の小振りな花びらは薄紅色で、春に咲くソメイヨシノと較べると、花弁の大きさ・花の紅色・枝にびっしり咲く様など、どれをとっても存在感が薄い。ただ、ソメイヨシノは゛傾城゛のたとえのごとく、満開の艶やかな咲きっ振りで人の心を惑わすが、地味な冬桜にはその色香はない。しかし、枝に付いた蕾から次から次へと2~3ヶ月に渡って花を咲かすので、寒風の中に咲く冬桜を見ると心が和む。
















木の肌も花の形もれっきとした桜、前日の強い雨で小さな花びらを散らしていたが、これから花が咲き続ける。

そう言えば、湯原昌幸が歌う「冬桜」という歌があるが、有線放送でよく流れていた演歌だ。

  ♪ 桜 桜 冬桜  春に背いて咲くがいい
   桜 桜 冬桜  歩いた道を恥じるなと
   ただひそやかに こころにそっと ふり注ぐ ♪

作詞がたきのえいじ、作曲が杉本眞人だが、つつましく咲く冬桜をうまく表現していると思う。

同じすぎもとまさとの曲(作詞はちあき哲也)で「吾亦紅」という曲がある。本人がTVの歌謡番組でよく弾き語りしていた記憶があるが、田舎にある母の墓を訪れて、墓の廻りに咲く吾亦紅を見ながら懺悔する歌だ。

  ♪ あなたに あなたに謝りたくて
   山裾の秋 ひとり会いに来た
   ただあなたに あやまりたくて ♪

二曲とも、私は聞くのみで歌うこともないのだが、花をテーマとした歌としてなぜか気になる曲ではある。

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