フィギュア・スケートの2010-2011グランプリ・シリーズは、北京で開かれたファイナルで、アリッサ・シズニー(米・女子シングル)とパトリック・チャン(カナダ・男子シングル)の優勝で終わった。全競技をちゃんと見たのは、NHK杯とファイナル(北京)だけだったが、スポーツニュースも含めて、見て感じたことをちょっと述べてみたい。
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アリッサ・シズニー、164cmの長身スタイルを生かした優雅な滑り、ビールマン・スピンは一際美しい。
□A.シズニーはここ2-3年で急速に力をつけてきた選手で、私も良く知らなかった。だが、ファイナルのフリー演技に、目を奪われてしまった。解説の荒川静香が言っていたが、彼女の氷上演技は、「氷を削る音がしない」と言う位、静かで滑らか。だが、時計回りのジャンプもスパイラル・スピンも、圧倒的なスピードを持っている。こんなに早いスピンを見せてくれる選手はまずいないだろう。長身の細身でそれを見せてくれるのだから、とても見栄えがする。コーチが、佐藤有香というのも面白い。
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もうひとつ、いいなと思ったのは、音楽のセレクション。ヒーリング系のジョージ・ウィンストンの曲『Winter Into Spring』に乗って滑った。美しいピアノ曲「Reflection」を入れた曲構成で、彼女の滑らかで優雅なスケーティングとよく合っていた。選手たちはクラシックやラテン、ジャズ・映画音楽などの曲を選ぶケースが多いが、ヒーリング系のピアノ曲という選択は、とても新鮮に思える。安定したすべりから見ても、当面彼女の姿が表彰台で多く見られる気がする。
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片や、ヨーロッパ勢のカトリーナ・コストナー(伊・女子シングル2位)、選手暦も長いので日本でもファンが多いが、彼女は試合でよく転倒する。見ていてもハラハラさせられるのだが、優勝したNHK杯での滑りは、その危うさを払拭するノーミスのものだった。ファイナルでは、169cmの長身を生かした高いジャンプ、そしてスピン・ステップとも文句なく良かった。彼女の指先まで行き届いた表現力はとても高いレベルにある。回転は、シズニーと同じ時計回り、つまり゛左利き゛ですね。
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□ドビュッシーの管弦楽曲『牧神の午後への前奏曲』に乗って滑ったコストナー、その゛牧神が見る官能的な夢想゛を、ゆったりと優雅に表現したのは圧巻だった。
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表彰台にこそ乗れなかったが、安藤美姫のフリー演技は、賞賛に値した。フリーで122.70という得点はこの日一番だったし、彼女にしても自己ベストだった。特に、ジャンプは素晴らしかった。7回跳んだすべてのジャンプを成功させたし、コンビネーションも文句なく良かった。やはり、゛氷に吸い付くような滑り゛が随所に見られ、エッヂワークも切れが良かった。優雅で小気味いい、という感じがした。
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グリーグの『ピアノ協奏曲イ短調』のドラマチックなメロディ乗って、アレグロ=アダージョ=アレグロと緩急をつけた振り付けもメリハリがあって良かった。特に、スピンで斜めに全身を回転させる演技は光っていた。演技を終わってからの、両手を握り締めたガッツポーズに、彼女のパフォーマンスの満足度が現れていて、とても好感が持てた。
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驚きのトップは、ジュニアから転進してあっという間に表彰台に乗った村上佳菜子。ショートプログラムでは、フラメンコ曲の『ジャンピング・ジャック』(マスク・オブ・ゾロより)をバックに、キュートで動きの良い演技を見せてくれた。ジャンプもスピンもスピードに乗っていた。笑顔も愛くるしいし、山田コーチとの孫・婆コンビもいい雰囲気だ。当面、佳菜子旋風が吹きそうな気配が濃厚になってきた。
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長身のライザチェック(米)やプルシェンコ(露)を欠いた男子勢は、パトリック・チャン(カナダ)も高橋大輔も織田信成も皆小柄だ。確かに、スピードや技術面においては素晴らしいのだが、やはり、ダイナミックさと見栄えという点では劣るし、盛り上がりに乏しかった。おやっ!と思えたのは、高橋大輔のエキジビジョン演技で、映画『アメリー』のピアノ曲をステファン・ラビエールの振り付けで滑ったことだった。静かで、氷に吸い付くような演技は、得意とするタンゴやラテン曲に乗った激しいものとは対照的で、こんな大輔もいいなと思えた。
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アイス・ダンスでは、私の好きなメリル・デイビスとチャーリーホワイト(米)のコンビが優勝した。このところ圧倒的な強さを見せている二人は、ご近所の生まれ同士で、もう14年もコンビを組んでいるという。゛息がぴったりとあった゛という表現は、このふたりにもってこいのものだ。見ていてやはり感動してしまう。エキジビジョンは、マイケル・ジャクソンの原曲『ビリー・ジーン』を男性ヴォーカルに編曲した曲に乗って滑ったが、ペアでなければ表現できない演技が随所にあり、とても良かった。
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来年4月の国別対抗戦でシリーズは終了だが、新しいスターたちが登場してきた今シーズンは見所が随所にあって、フィギュア・スケートの楽しさを大いに味あわせてくれた。次回のシリーズは、どんな選手のどんな演技が登場するのか、これもまた楽しみだ。
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ここに載せた画像は、すべてインターネットサイトのZimbioに掲載されているものからであることをお断りしておく。
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長身のライザチェック(米)やプルシェンコ(露)を欠いた男子勢は、パトリック・チャン(カナダ)も高橋大輔も織田信成も皆小柄だ。確かに、スピードや技術面においては素晴らしいのだが、やはり、ダイナミックさと見栄えという点では劣るし、盛り上がりに乏しかった。おやっ!と思えたのは、高橋大輔のエキジビジョン演技で、映画『アメリー』のピアノ曲をステファン・ラビエールの振り付けで滑ったことだった。静かで、氷に吸い付くような演技は、得意とするタンゴやラテン曲に乗った激しいものとは対照的で、こんな大輔もいいなと思えた。
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アイス・ダンスでは、私の好きなメリル・デイビスとチャーリーホワイト(米)のコンビが優勝した。このところ圧倒的な強さを見せている二人は、ご近所の生まれ同士で、もう14年もコンビを組んでいるという。゛息がぴったりとあった゛という表現は、このふたりにもってこいのものだ。見ていてやはり感動してしまう。エキジビジョンは、マイケル・ジャクソンの原曲『ビリー・ジーン』を男性ヴォーカルに編曲した曲に乗って滑ったが、ペアでなければ表現できない演技が随所にあり、とても良かった。
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来年4月の国別対抗戦でシリーズは終了だが、新しいスターたちが登場してきた今シーズンは見所が随所にあって、フィギュア・スケートの楽しさを大いに味あわせてくれた。次回のシリーズは、どんな選手のどんな演技が登場するのか、これもまた楽しみだ。
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ここに載せた画像は、すべてインターネットサイトのZimbioに掲載されているものからであることをお断りしておく。
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