2011年10月21日金曜日

ライブ訪問記:小川尚子 青山スパイラルCAY・ライブ


ACギターを弾きながら、しゃべり・かつ踊り・唄う尚子さんのエネルギッシュなステージ All Photo by TAKA

「いつの日もタカラモノ」・オリジナルアルバム Vol.6 発売記念ライブ、とタイトルした小川尚子さんのライブを訪れた(10/17日)。場所は、青山スパイラルビルのB1F、本格的ライブステージを持つタイ料理のレストランバーCAY、表参道・青山通りに面したビルのオシャレなライブスポットだ。私も久し振りに都心の夜を満喫した。

小川尚子さんのライブを聴くのは初めてだ。YAさん(後述)に、彼がジャケット・デザインし自らもレコーディング参加した(E.G)五枚目のオリジナル・アルバム「ヒコー少年」をいただいて、その゛ストレートで飾らない゛言葉で綴られた曲と歌が、ハートの温かさと熱いエネルネルぎーを秘めていることに心魅かれて、機会があれば一度ライブを聴きたいな、と思っていた。ちなみに、ヒコー少年は、「飛行少年」であり、「非行少年」ではない、念のため。

尚子さんは三重県桑名市出身で、19才の時にミュージシャンとして一度プロデビューしている。一年の活動後紆余曲折があり、結婚、二人のお子さんを育てた後、42才でまた歌を唄い始めたと言う。現在は横浜で音楽教室の講師をしながら、東京・横浜のライブハウス中心に活動しているとのこと(HPのプロフィルより)。ステージは、その゛桑名のオネエ゛が顔出しする本音トークが絶妙で、MCは吹き出しに次ぐ爆笑で大いに湧き、自ら゛ロックン・ローラー゛と名乗るパワフルな歌にまた会場が盛り上がると言う展開。オリジナル・ソングに挟んで、昭和歌謡(東京ブギウギなど)やオールディーズの「ROUTE66」なども唄う。レパートリーの幅がとても広いのは、きっと自分のハートに響く好きな歌をジャンルに拘らずに唄っているのだろうと感じられた。

 「昭和歌謡」から『星影の小径』をしっとりと弾き語りする尚子さん、バックは7人のプロ・ミュージシャン達
尚子さん(ご自分のことを゛なおねー゛と呼んでいるが)を支えるミュージシャンスタッフの面々がまた凄い。オリジナルアルバムに参加している方たちを拝見すると、2枚目のアルバム「ギュってしてね」からメンバーが揃いだし、5枚目の「ヒコー少年」でほぼレギュラーメンバーとなったようだ。細井豊(Pf/Accord)は、自分のバンド:センチメンタル・ロマンスの音楽活動をしながら、竹内マリア・加藤登紀子・薬師丸ひろ子等のレコーディングやステージに参加。長岡敬二郎(Perc)は、日本では少ないブラジル・パーカッションとバンディエロの専門家で、小野リサや南佳孝のレコーディングやステージに参加、今年(10~12月)も小野リサの台湾・中国公演に参加してアジア各地を廻っている。並木健司(Gt)は、「ジャズギター・スタンダード」(中央アート)等の教本を出版し、ギタリスト・アレンジャーとして活躍、NHK「生き物地球紀行」のサウンドトラックCD等のレコーディングにも参加...。
3人に加えて、大西真(Ba)、深沢剛(Harp)、今回からのアルバム参加の細川泰典(Fl)、平松加奈(Vio)達とのステージは、アルバム・レコーディングの直後ということもあり、乗りのよさといい、まとまりといい、とても豊かな音の広がりと掛け合いが感じられてよかった。信頼できるスタッフに囲まれて、尚子さんはとても気持ちよさそうに歌っていた。
今回のアルバムと、尚子さん・出演者全員のサインをいただいたカバー・ジャケット。尚子さんが皆さんを廻ってサインを集めてくれた、ありがとう!
今回のステージで歌った「いつの日もタカラモノ」は、彼女の二人の娘に対する思いを素直に歌ったバラードで、カントリー・ソングのような弾む気持ちとやさしさに満ちた母の思いが溢れていて好感が持てた。同じ作詞者(カナツカケイコ)による「For my soul ~どうしても伝えたいこと~」は、YAさんとの運命的な出会いを歌にしたもので、゛♪ 恋じゃなく 打算でもなく ふたつの魂が ふと出会った ♪゛と、ロックンロールの乗りのいいリズムで彼女は唄った。前アルバムの「ヒコー少年」には、このときのエピソードが、ライナーノートに詳しく書かれている。

YAさんは、私が昔商品企画会社をやっていたときに、デザイン会社代表としてお付き合いがあった方で、有名ミュージシャンのレコードジャケットを数多く手がけていた。20数年後、難病と戦っている彼と私は介護担当として再会する。これも運命が辿り寄せた出会いとしか言いようがない。それからもう一年半以上が経つが、進行する病に勝負するかのように、今もYAさんは週何日か都心の会社に仕事で出かける。何人かの担当が交代でお世話するが、週1日私は日常生活動作をお手伝いし、会社に出かけるまでをケアする。大変デリケートで難度の高いケアだ。

尚子さんはこのステージで、前作の「ヒコー少年」、「どうしても伝えたいこと」に次いで、「王様の憂鬱」を披露した。なんと、YAさん作詞・小川尚子作曲だった。何時の間に詞を作ったのか、それだけでも驚きなのだが、彼の生きる意志を感じて私は心が震えた。

『朝起こされて、食事もお風呂も着替えも、皆が助けてやってくれる
会社へは車で送ってもらい、着けば階段を車椅子ごと持ち上げてくれる

でも本当は、自分で着替えしたい、足で階段を昇りたい、
自分でやりたいんだ でもそれが出来ない

王様は何時も思っている 感謝しているんだ
いつかそれを伝えたいと 

そして、ぼくは明日と未来に向かって行く...』

そんな内容の歌だった。頑張れYAさん


それから、今回のライブで秀逸だったのは、このバンド演奏のPAコントロールだ。尚子さんのヴォーカル音はクリアできれいに立ち上がっていた。 それを10程度とすれば、他の楽器音は7~8。生音系のヴァイオリンとフルートは楽器直結の小型コンデンサーマイク(これは私もGtで使っているのと同じタイプ・写真左と左下)、ブルースハープはダイナミックマイクで入力。ピアノは裏側と表側で2本のマイクで。なんと、パーカッション(カホンとシンバル・バスドラム)は、頭上のマイクで拾っていた(ステージ全員写真を見てね)。


ACGt、ELGt、Ba、の弦系は、すべてアンプ直結。オペレーターのK氏にちょっと聞いてみたが、生音系とエレキ系、音量の大きなドラムスやサックス音をバランスよく整えるのには、入力のセッティングに気を使いますね、とのこと。それにしても、とても心地よい音だった。見事なPAコントロールに、さすが専門家は違うね、との思いで納得した。
会場のアンコールに応えて、最後にサンバの名曲「Tristeza」を尚子さん訳の日本語とポルトガル語を交えて彼女は歌い踊った。なんと、会場のお客さんもステージ前で二人で踊りだした。゛♪ ラララァ~ラ、ララララァ~ラ ラ~ラ ♪ ゛皆で楽しく一緒に唄った。この歌はライブのラストで唄われることが多いが、長岡氏のバンディエイロがリズムを刻み、並木氏のボサノヴァ・ギターがコードを刻み、会場は湧きに湧いて、エンディングにふさわしい盛り上がりとなった。
後日彼女のアルバム情報に目を通していたら、ファーストアルバム「月の輝く夜に」には、我が師匠・中村善郎がGtでレコーディング参加しているではないか! 彼女はボサノヴァギターを中村善郎に習ったとのこと。それでは、私と彼女は同じ師の門下生? ということで、また彼女に対する親しみがグ~ンと増したのだった。
以下、小川尚子さんのHPアドレスを載せておきます。

2 件のコメント:

  1. TAKAさん、こんばんは。

    桑名のおばはんです(笑

    楽しい時間をご一緒してくださり、ありがとうございました。

    YAさんと・・善郎さんとも・・
    驚いてしまいました。

    ピント・ぴったりのお写真、ステキです。
    カメラは私も好きなモノのひとつです。


    「喜怒哀楽」・・抜きたい漢字もあるのですが、そのIROIROを感じて・どんどん感性を磨いていい歌へと繋げていきたいものです。

    いい(GoodなNiceな)顔・・作っていきましょう~(^-^)/

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  2. 尚子さん、こんにちは。

    ライブのMCで、お風呂に入る時は゛29歳!゛と言われていたので、゛桑名のオネエ゛と訂正します!

    私も気の通じ合う仲間たちと、音楽している時が一番楽しいです。尚子さんの歌を聴いて、ボサノヴァ、ワールド・ポップス、自分の歌...これからも私は唄っていくぞ!と気合を入れました。

    どうぞ、尚子さんの素敵な歌を私たちにず~っと聞かせてください。

    腰痛など吹っ飛ばせ~!!

    TAKA

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