2013年9月1日日曜日

夏の終わりに、その②港の朝めし



  夏の終わりとも思えぬ強い日差しと南風に波立つ城ヶ島の海岸、手前右の奇岩は馬の背洞門
All Photo by TAKA

八月も終わりの土曜日に、海が見たくなって三浦半島まで出かけた。例によって早起きし、六時前には車で都内を出発、横浜新道・横浜横須賀道路を経て衣笠で降り、一路三崎港を目指した。平日の朝早くなので渋滞もなく七時半頃には港に着いた。この日は台風の影響で南風と日差しが強く、猛暑がぶり返して日中の気温は35℃の予報が出されていたが、快適なドライブだった。
お目当ては、地方卸売市場の食堂での朝めし。魚屋さんや飲食店が仕入れに来る魚介類の卸売市場の一角に食堂があって、競りや買い付けの仕事を終えた方たちが食事を取る場所だ。市場直送の食材で作られたこの朝めしを食べたくて、朝から何も食べずに一直線にこの食堂に来たのだった。



食堂で食べたのは、「三崎恵み丼定食」。漬けマグロと湘南シラスがご飯の上に乗ったどんぶりに、アカモク(海草のたたき)と自然薯すりおろしやアロカーナの卵が付き、ワカメの味噌汁・キュウリのお新香・キャベツのサラダもついている、新鮮なネタを使った充実の朝めしだった!(1,280円なり)
市場めしの通例を予想して、ご飯を少な目(八割ほど)に頼んだが、それども満腹・満足の朝食だった。






食堂の中に掲げられた黒いボードに手書きで書かれたメニューを見ると、ざっと30ほどの定食と一品料理があり、黒ムツの煮つけ定食やら、焼き秋刀魚定食やら、地魚刺身4点盛り定食やら...もう何を食べようかほんとに迷ってしまうメニューなので困ったが、今回は「三崎恵み丼定食」にした。マグロや魚のイラスト入りのメニューボードはなかなかグッドデザインで、他にも20枚ほどの魚イラスト・ボードが店内に飾られていて、これを見るだけでも一興だ。
食事を終えると8時近かったので、店のマスターにお願いしてゆっくりお茶を飲みながら、朝の連ドラ「あまちゃん」を見た。入れ替わり立ち代りお客が来る中、快くOKしてくれたのに気をよくして,すっかりくつろいでしまった。遠洋マグロ漁の基地でもあるこの港は、大型冷蔵倉庫が何棟もあり、ちらっと覗けた建物内部では、冷凍された大きなマグロの身が、鉄のフックに引っ掛けられて次々と運ばれていた。


湾内の海は穏やか、埠頭で釣りをする人たちの姿もちらほら。
ドライブ好きの食い友RKさんから、城ヶ島へ廻ってみようと提案がでて、静かな街並みを通り島に続く大きな橋を渡って半島最南端の島についた。駐車場に車を置いて草木に囲まれた遊歩道を500メートル位歩いていくと、太平洋の海が広がっていた。岩盤や奇岩が広がる海辺へは、階段をかなり下りねばならないのだが、途中にも見晴らしのいい箇所があり、青い海と晴れ渡った空、白い波飛沫を浴びる岩が臨めて絶景だった。

 ふと、下の海岸を見ると、何やら奇態人たちが、色々なポーズをとって動いていた。よく見ると、撮影をしている御仁もいる。中国か韓国の舞踏家もしくは武闘家のようなコスチュームだ。紫・赤・緑・黄色など、色鮮やかな衣装だったが、あれは最近流行りのネットゲームのCM撮影でもしていたのだろうか?
何はともあれ、不思議で異様な光景だった。








城ヶ島を後にして、海を見ながら帰ろうということになり、葉山・逗子へと134号線をドライブした。強い日差しの中、海の色がきれいだった。逗子の近くに昔からデニーズの店があり、最近は珈琲店に鞍替えしているのが話題となり、ちょっと寄ってのお茶タイムとなった。「渚橋珈琲店」からは、逗子湾が一望でき、まだ開いている海の家や浜辺のパラソルの下で過ごす人、またサーフィンや水遊びをする人たちが店内のテーブルから見えた。穏やかな海だった。
ただし、店内の内装や椅子もデニーズスタイルのまま、メニュー表や品揃えも何故か゛デニーズ・スタイル゛。同じ会社の別ディビィジョンの運営かな? という感じだった。


渚橋珈琲店からの逗子湾の眺め、夏も終わりです。

CDを聞きながらの快適なドライブで、お昼前には都内に戻ってしまった。思いがけずの猛暑日だったが、夏の終わりの海を眺められたのはとても楽しかった。市場の朝めしをまた食べたいね! と思ったが、最後まであの不思議な軍団の正体は解からずじまいだった。

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