2014年6月5日木曜日

クレマチス・ガーデンで、沢山のクレマチスを堪能した・その①



薄紫が混じった白の「ギリアン・ブレイズ」(パテンス系)、クレマチスの中でも波状弁と剣弁を合わせた
ような珍しい花弁(萼片)型だ。 花弁中央の3本線と黄色のシベも美しく、幻想的な雰囲気を持っている。
クレマチス・ガーデンにて All Photo by TAKA


5月下旬に、静岡県長泉町のクレマチスの丘にある「クレマチス・ガーデン」に行ってきた。丁度花

は咲頃で、沢山のクレマスチの花を見ることができた。前回ここを訪れたのは2004年の初夏だっ

たから、10年振りのことになる。毎年この時期は、桜の終わった後、藤やボタン・芍薬の咲く時期と

重なり、また春バラの盛期とも重なるので、なかなか来られずにいたが、思い切って訪ねてみてよ

った。


「スター・オブ・インディア」は、濃い紫の花弁の中心に赤紫の筋が入り(フォト中央)、「エンプレス・
オブ・インディア」は、明るい赤紫の花弁に、同色の濃い筋が入る(フォト右)。ともに、遅咲き大輪のジャック・マニー系。


当日は好天にも恵まれ、午前中の明るい光の中で花写真を沢山とることができた。クレマチスの花

は、種類によって開花期も違うので、前回来た時には見られなかった種類の花も咲いていて、大い

に目を楽しませてくれた。クレマチスは、中国原産の「鉄線花」(六弁花で、名の由来は蔓が強く針

金のようだから)と、日本に野生するの「風車」(八弁花で、名の由来は子供の玩具の風車に似てい

るから)を交配してヨーロッパで作られた四季咲き種、ともにキンポウゲ科の落葉性蔓性植物だ

(『四季花ごよみ・座右版』による)。園芸品種も沢山あるので、今ではみんなひっくるめて「クレマ

チス」と言った方が解りやすいだろう。



白万重(フロリダ系)と似た常緑~白のクィーンマザー(新種・独産)、ダリアのように花弁が何重に
も重なって立体感がある。薄緑の花色も珍しく、清涼感に溢れる。


クレマチスの花は、花弁と思われている部分が実は萼片(がくへん)で、萼片の部分の色や形がと

ても美しいのだ。この点では花水木や木蓮・山法師などと似ている。萼片と雌しべ・雄しべ(花柱や

子房)との色バランスがとても多様なので、イギリスではバラの「キング・オブ・フラワー」に比して、

「クィーン・オブ・フラワー」と呼ばれるほど、人気が高いとのこと。なるほどと頷けるというものだ。



薄紫のとんがり弁を持つ「ユーリ」(六弁花・インテグリフォリア系・エストニア産)、雄しべ雌しべの
クリーム色とのコントラストがきれいだ。波打つような変形花弁も珍しい。



この日は、例によって朝早起きし、お誘いした健康オタクのYKさんの車に同乗させてもらい、8時に

は都内を出発、東名高速を西下して裾野I.C.から国道246号を走り、開館(10時)前にはクレマチ

ス・ガーデンに着いた。すでに数人の方が開館を待っていたが、直ぐに団体バスが到着、ぞろぞろ

とおばさま達がバスを降りてきた。この時期はバス・ツアーの人気も高いようで、日本で唯一のクレ

マチス専門植物庭園と、ヴァンジ彫刻庭園美術館、ベルナール・ビュッフェ美術館、井上靖文学

館、それに、レストラン・ショップを備えた総合リゾートは、訪れる人も多いと思う。幸いなことに平日

の午前中なので、広い庭園を歩いて回っても、ゆっくりと花を見ることができた。ちなみに開発主体

は地元の駿河銀行と聞いている。金融機関も、この様な文化施設に投資して、地域に還元してくれ

たらいいなと思えるリゾート空間だった。



ジュリアン・ブレイズの棚横に咲いていた薄赤紫のクレマチス、同じパテンス(風車)系と思われる
が、剣状のとんがり弁とぼかしの入ったような花色がきれいだった。リンカーン・スターか?


<この項つづく>

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