▢『Saturday night(椿)』(油彩F25・HIさん作):土曜日の夜にとあるお店に集まって音楽を楽しむ人たちを描いた佳作、
中央で歌詞コピー片手に歌うはこの店の主人SHさん。 All Photo by TAKA
「アートフォーラムあざみ野」(東急田園都市線あざみ野駅近く)で、「第25回浜美展」が開かれているとの案内をいただき、
出かけてみた(5月16日)。毎年この時期に開かれるグループ展を目指して、今年も会員36人の145作品が出品されていた。
広い会場には、会員一人当たり2~数点の作品が展示されていて、油彩・水彩・パステルなどの技法で描かれた作品はサイズも
F4~F100までと様々(さすがにF100の大作は少なかったが)、色々な個性の絵画を見られて面白かった。
HIさんの描いた人物画『Saturday night(椿)』は、私の地元(世田谷区喜多見)の椿珈琲店で毎週土曜日の夜に開催している
「どようかい」をテーマに、集って音楽を楽しむメンバー達と店主SHさんをモデルにしたものだが、お馴染みのメンバーを
彷彿とさせる姿も組み込まれている。画面右のトランペット吹き・フルート吹き・ギター弾き(二人)・ピアノ弾き・手叩き人・
歌詞読み人...見る人が見ればそれぞれ「あっ、だれちゃんだ!」と解ってしまう位良く描けていて感心してしまった。また、
画面左には、一人足組してギターを弾く故マスターの姿が入っているのだ。この3月に急逝されてしまったが、本人もまさか
油彩に描かれるとは思ってもいなかっただろうから、今頃天上で苦笑いしているかもしれない。中央には紫色ワンピース姿の
SHさんが立っているが、以前絵の取材にどようかいへ行くことを伝えておいたとき、我々の前にワンピースで登場し一曲歌った
SHさんそのままで、「気合入ってるね~!」と大いに感心したものだった。画面から、歌い演奏し手拍子を取って楽しむメンバー
達の熱気とくつろぎが伝わってくるいい作品になったと私は思っている。かくいう私も、画面右に座っているギター弾きと
して登場させてもらった。一昨年の浜美会には、私がモデルになった『コルコヴァード』(ボサノヴを弾き語りするギター
弾きと街風景)というタイトルの作品をHIさんが描き出品されたが、この作品はその後の横浜地区の絵画展で入選するという
おまけがついた。音楽を楽しむ人をテーマとしては2作品目だということだが、なかなか賑やかで楽しい画面からは音楽が
聞こえてきそうだ。
▢HIさんのコーナーには他に2作品が展示されていた。青い花を描いた『アジサイ』(油彩F6・左)と、清里の風景を
描いた『蜻蛉とオミナエシ』(油彩F15・右)、テーマも色合いも違うがそれぞれ雰囲気のある力作だった。
▢『ヌード』(油彩F20・OTさん作)は、画面全体の色が柔らかなベージュ、木の葉や木・椅子も同じ色調で、
中心にいる後姿の裸婦が画面に溶け込むような雰囲気があって良かった。
会場の1階がグループ展、2階がこの会の代表者(福島澄香さん)の個展という構成だったので、ぐるぐると回遊して沢山の
作品を見て廻った。その中で私の目に付いたものをちょっと紹介してみたい(あくまで個人的な感想ですが)。
▢100号Fの大作『紅葉のせせらぎ公園』(仮題・福島澄香作)、池脇の紅葉と池面に映り込む樹影を描いた風景画。
抽象表現に高められた筆のタッチと色のボリュウムが心地よい。この日見た作品の中では私の一押しです。
抽象表現に高められた筆のタッチと色のボリュウムが心地よい。この日見た作品の中では私の一押しです。
▢やはり100号の大作『新緑のせせらぎ公園』(仮題・福島澄香作)、新緑の時期に同様の池を描いた風景画。後方の樹影と
池面に映り込む新緑のグラデーションと様々な色合いがとても爽やかだ。
▢油彩100号の大作『イリュージョン』(松田高明作)、この会を指導する先生の賛助出品作品。特殊な技法で絵の具を
固まらせるときに生じる文様を定着させた抽象画、交り合い反発しあう黄色と紫色のぶつかりが面白かった。
会員の方々は60代~80代とお聞きしたが、高齢の方達も大きな作品に挑戦されているのを聞くと、ちょっと元気をもらった
気がした。私が寄らせてもらった日以外にも、モデルとなったSHさんが来場したり、高校時代の女友達が来られてランチを
しながらの女子会を予定しているなど、HIさんも1週間の会期期間中は何かとお忙しそうだったが、浜美展を目指して幾つ
かの作品を仕上げて行くのは目標となるので、なかなかいい機会となっていると思った。次はまたどんな絵が見られるのか
楽しみだ。
気がした。私が寄らせてもらった日以外にも、モデルとなったSHさんが来場したり、高校時代の女友達が来られてランチを
しながらの女子会を予定しているなど、HIさんも1週間の会期期間中は何かとお忙しそうだったが、浜美展を目指して幾つ
かの作品を仕上げて行くのは目標となるので、なかなかいい機会となっていると思った。次はまたどんな絵が見られるのか
楽しみだ。
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