2017年11月24日金曜日

晩秋の下部温泉と富士五湖巡り(その1.早川l流域)




早川上流域の奈良田湖からの帰路、西山温泉付近で見た早川の白濁した流れと県道37号線の景色。渓谷の紅葉は
まだ残っていて、雲間から差した陽射しを受けて山々はきれいだった。All Photo by Jovial TAKA



程なく秋も終わりである。今月初めに高遠城址の紅葉を満喫して、もう紅葉見物はいいかな? とも思っていたのだが、

標高の高い山々はすでに落葉しているものの、1,000m以下の山や街はこれからのところもあるので、やや南方面の

地域に行ってみようと、旅友のHIさんとドライブに出かけた。大まかな目標として、一つは富士山に次ぐ日本で2番

目に高い南アルプスの北岳と、ここを源流とする富士川支流の早川流域と下流の身延山近辺。もう一つは、ここから

富士川とJR身延線に沿って南に下り、富士宮市付近から北上し富士山西側から富士五湖を巡ってみよう、という計画

だった。あくまでアバウトなものなので、気楽なぶらぶら旅で途中面白そうなところがあれば立ち寄り、時間に制約

されない気ままなドライブを決め込んで出かけた。




富士川合流点から約35㎞の上流にある西山ダムは、水門修理中でダム湖の奈良田湖は水が抜かれて哀れな姿
だった。゛水のないダム゛というものはなかなか見られる機会がないのだが、不思議な光景だった。


早川(山梨県南巨摩郡早川町と身延町を流れる)は、南アルプス随一の高峰・北岳(3,196m)を源流とした急流で、この

流域の景観とそこから臨める北岳の雄姿も楽しみにしていた。また、渓流釣りの情報として、幾つかの支流でのイワ

ナやヤマメの生息もネットで見ていたので、川の状況を見るのも楽しみだった。出発した日は朝の内曇りがちだった

けれど、次第に雲が晴れて陽射しも覗いたので、まあまあの天気だった。中央道を甲府南で降り、笛吹川に沿って南下

し、市川大門の先で富士川を渡って52号道路を身延町まで。川原の広い富士川の流れを見ながらのドライブは、ゆっ

りしていて気持ちが良かった。あっという間に過ぎてしまう高速道路と違い、今回は各地の一般道やバイパスを走る

機会が多かった。時折車を止めて、しばし風景を楽しむ時間が良かった。古希を過ぎたら、のんびりした旅がいい。



曲がり間違えて立ち寄った富士川CCの入口で、ポプラの木がきれいな紅葉を見せていた。ホウキ型の
樹形も面白かった。



当初の予定では、早川最上流域の白鳳渓谷や広河原山荘(南アルプス登山の基地)まで行ってみるつもりだったが、この

計画は途中の奈良田湖で止めにした。というのも、早川の渓相と言うか川の姿があまりに貧弱だったからだ。ひとつ

は、流域に沢山ある古い発電所が老朽化していてみすぼらしかったことだ(早川第一発電所は1923/大正12年運用開始)。

発電所間で用水のやり取りをしているため、早川への放流は少なく、従がって水量も貧弱。それに輪をかけていた

のが、砕石工場が各所にあり、川の砂や石を大量に採取していることだ。いやに大型ダンプが走っているな! と見て

いたら、みんな砕石工場に入っていくのだった。そのためか、川底まで掘り繰り返された流水の色は、全流域で白濁

しとても魚類が生息できるような水質ではなかった! もうひとつは、早川に沿って上っていく県道37号線は、別名で

「南アルプス街道」と名付けられていたが、渓谷と道路に近い山々にさえぎられて、南アルプスなどな~んにも見るこ

とができなかった。痩せた早川に対して、「早川は゛砂利採り川゛と名前を変えた方がいい!!」(私)とか、「゛南アル

プス見えない街道゛と名前を変えてよ!!」(HI)とか、ツィートが車内で飛び交ったが、さっさと立ち去って次の目的地

に向かうことにした。まあ、日本で一番人口の少ない町(約1,000人)で、産業も何もない町だから、砂利が財産かも

知れないね! という話にもなったのだった。

ひるがえって、北アルプスの壮麗な連なりをを西側に見ながら、安曇野から大町へ抜ける306号道路は通称「北アル

プスパノラマ道路」と呼ばれ、東側に高瀬川のきれいな清流も臨める。周辺に美術館やギャラリーも多いことから、

「安曇野アートライン」の別名もある。昨年と今年にこの美しい景観を楽しんでいたので、早川と南アルプス街道

にはちょっとがっかりもしたが、渓谷の晩秋の紅葉はきれいで楽しめた。


<この項つづく>

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